縞模様のパジャマの少年 ▲124
’08年、イギリス
原題:The Boy in the Striped Pajamas
監督・脚本・製作総指揮:マーク・ハーマン
製作:デビッド・ハイマン
原作:ジョン・ボイン
撮影:ブノワ・ドゥローム
美術:マーティン・チャイルズ
編集:マイケル・エリス
音楽:ジェームズ・ホーナー
エイサ・バターフィールド ブルーノ
ジャック・スキャンロン シュムエル
デヴィッド・シューリス 父
ヴェラ・ファーミガ 母
ルパート・フレンド コトラー中尉
デヴィッド・ヘイマン パヴェル
アンバー・ビーティー グレーテル
ナチス、ホロコーストもの、この分野に関しては、本当によく作られるものだなあ・・・なんて思わず感心するぐらいで、少々ネタを変えれば、まだまだ発掘の余地がありそう。
今回は、何も知らない純真無垢な少年たちの友情・・・なんてことで、またまんまと釣られてしまった。
いや、全体的に決して悪い作りではないし、最後まで一気に見ることは出来た。
国として全体主義の渦中へと移行する時代のナチスドイツ。そこへ一介の軍人であった父が、強制収容所の所長になり、一家に影が訪れる。そうでなければ普通の良い父親だったはずの男。
誰にとっても父親は父親で、それはユダヤ人のシュムエルにとって、時計職人だった父親も同じ。
ブルーノにとっては、その違いが分からない・・・それも当然のことだ。子供であるがゆえに、純粋であるが故に、いろいろなことがだんだんと不思議に思えていく。
農場へ行っては何故いけないのか、も・・・。
とても悲しい物語なのに、言葉に詰まるぐらいなのに、なんだか涙も出ない。
ラストの直前で、予想の出来る「エンディングの予測」が、そのものズバリ、ズドーン!と来て終わってしまう・・・。このことを考えると、ものづくりってホントに難しいものなんだなあ・・・なんて余計なことをついつい考えてしまう。
いわゆる“鬱オチ”、これって意外性が本当に大事なのであって、ラスト手前から予測がついてしまう“助走の長さ”では、その衝撃度がだいぶ薄れてしまうような気がする。
まるで「ここへ行くために」物語が全て配置づけられていたような、そんな気すらして、意外性はあまり感じることが出来なかった。
「ああ、こんな風に物語は終わるのか、そっか」・・・そんな諦めがあって、なんだか肩を落としたまま「さあ、帰るか・・」といそいそ帰り支度をしてしまった。

第二次大戦下のドイツ。ナチス将校の父の昇進に伴いベルリンを離れ、人里離れた大きな屋敷へ越してきた8歳のブルーノは、寝室の窓から遠くに見える“農 場”で働く人々が昼間でも縞模様のパジャマを着ていることを不思議に思っていた。裏庭へ出ることさえ禁じられ、遊び相手もなく退屈しきっていたが、ある日 こっそり抜け出すと“農場”にたどり着く。フェンスの向こうにはパジャマ姿の同い年の少年シュムエルがいた。・・・
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