キャデラック・レコード 音楽でアメリカを変えた人々の物語 ▲122
’08年、アメリカ
原題:Cadillac Records
監督・脚本:ダーネル・マーティン
製作:アンドリュー・ラック、ソフィア・ソンダーバン
製作総指揮:ビヨンセ・ノウルズ、マーク・レビン
撮影:アナスタス・ミコス
美術:リンダ・バートン
編集:ピーター・C・フランク
音楽:テレンス・ブランチャード
エイドリアン・ブロディ レナード・チェス
ジェフリー・ライト マディ・ウォーターズ
ビヨンセ・ノウルズ エタ・ジェイムズ
コロンバス・ショート リトル・ウォルター
イーモン・ウォーカー ハウリン・ウルフ
モス・デフ チャック・ベリー
セドリック・ジ・エンターテイナー ウィリー・ディクソン
エマニュエル・シュリーキー レベッタ・チェス
ガブリエル・ユニオン ジェニーヴァ・ウェイド
もう今から15年も前の話なのだけれど、新宿の路上で「すし」という名のバンドが、ストリートライブをやっていたことがありました。
彼らの音楽は、オンリー・ブルース。しかも、その影響は純粋にシカゴ・ブルースのみ。彼らは、決して見た目的に格好よくはなく、誰一人イイ男なんて居なかったかも。でも、私は大好きでした。すしは今どうしてるかな。
彼らがやっていた音楽の中で、一番好きだったのが、『フーチー・クーチー・メン』のカバー。ちゃんとブルースハープを使って演奏するんだけれど、このブルースハープ奏者が、リトル・ウォルターが好きだった、というのを覚えてます。
私は、彼らの影響で、片っ端からこの辺の、チェス・レコードに出てくる辺りを漁りまくった。おかげで、この映画に出てきた人で知らない名前は一人しかいなかったな(エタ・ジェイムズ)。
そんなわけでもう、とにかく感激しまくりでした!もう今回は、映画の全体像がどうのとか、そうしたことは一切考えられない。
マディ・ウォーターズの登場のシーンから、リトル・ウォルターとの出会いのシーン・・・ここだけですでに涙は溢れんばかりになってしまうし。
シーンごとに流れる音楽に、もういちいち心を踊らされてしまった。マディ・ウォーターズの『フーチー・クーチー・メン』なんて、私「およそ考えられる中で、最もセクシーなサウンドの一つ」だと思ってる。このライブのシーンなんてもう最高に素敵。
要するに、マディ・ウォーターズにしろ、リトル・ウォルターにしろ、音楽がかかるだけでもう最高に盛り上がってました。
にしても、エイドリアン・ブロディ演じるチェスがまたいいじゃない。エイドリアン・ブロディって、いつも映画を見る前に「この人の顔が嫌いなんだけど・・」と思いながら映画を見に行き、帰りに「やっぱりいい俳優だったな〜♪」と思って帰宅する、そんな俳優さん。
この、白人でありながら、金儲けの道具に彼らを使いながら、彼らを本気で愛し、音楽を本気で愛した、そんな男をいとも見事に好演してました。
ジェフリー・ライトにしろ、コロンバス・ショートにしろ、本当にピッタリで見事。
私はなんと言っても、シカゴ・ブルースで一番好きなのはマディ・ウォーターズとハウリン・ウルフだから、この二人が出てくるだけでもう感激・感激・感激!
正直、自分的にはビヨンセがちょっと・・・と思ってしまったけれど、演技はそれでも一生懸命体当たりしていたと思うし。
とにかく音楽が好き、っていうだけで、この映画の価値は自分にとって9割り増し(多すぎ!)になってしまってます。
だって大好きなんだもの!

1947年のシカゴ。バーのオーナーでポーランド系移民のチェスは、才能に溢れたギタリストのウォーターズとハーモニカ奏者のウォルターと出会う。チェスは自らのレーベル「チェス・レコード」を設立し、2人の売り出しに成功する。その後、ハウリン・ウルフ、ウィリー・ディクスンといったブルース・ミュージシャンから、チャック・ベリーのようなロックン・ローラーをレーベルから輩出していく。しかし時代の流れは、変わっていた・・・
・キャデラック・レコード 〜音楽でアメリカを変えた人々の物語〜@映画生活
2009/08/24 | 映画, :ドキュメンタリー・実在人物, :音楽・ミュージカル・ダンス
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コメント(12件)
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『キャデラック・レコード ??音楽でアメリカを変えた人々の物語??』
レコードが回り、音楽と人々の魂をのせて地球は回る。
1947年、シカゴの黒人街でクラブを経営していたポーランド系移民レナード・チェスは、ギタリストのマディ・ウォーターズとハーモニカ奏者のリトル・ウォルターにブルースバンドを結成させ、チェス・レコードを立ち上…
とらねこさん、おはようござ。
本当に感動しまくり、素晴らしい音楽でしたねー。
ドリームガールズにはそれほどうたれなかったけど、これには感嘆。
生舞台なコーラスラインより、こちらに心躍っちゃったのってどうかと思いつつ、サウンドの魅力は比ではなく。
コーラスな歌い方よりブルースな歌い方が好みなんだなぁ。
お腹に響く低音がすき。
そう、エイドリアン・ブロディのラクダ顔は私も好きじゃないんだけど、俳優としてはやっぱりよいんですよね。
とらねこさん、今晩は。
ブルース好きなとらねこさんには文句なしのストライクだったようですね。
でも、もっとブルースも聴きたかったし、売れていく時の表現も
ありきたりでイマイチな感じでした。
ライブの再現シーンももっと多くても良かったのに、と欲張りな要求をしてしまいます。
映画 「キャデラック・レコード」
{/m_0058/}映画「キャデラック・レコード」@恵比寿ガーデンシネマ
製作総指揮:ビヨンセ・ノウルズ
監督・脚本:ダーネル・マーティン
出演:エイドリアン・ブロディ、ジェフリー・ライト、ビヨンセ・ノウルズ
キャデラック・レコード 音楽でアメリカを変えた人々の物語 …
かえるさんへ
こんにちは〜♪コメントありがとうござ!
わわ!かえるさんもこの手の音楽が気に入られたなんて、それを聞いてとても嬉しいです〜!
>コーラスな歌い方よりブルースな歌い方が好みなんだなぁ。
>お腹に響く低音がすき。
まさに、私もその通りなんですよ〜!個性だけで突出するのが無性にカッコイイ世界なので、“上手に”すら歌う必要がなくて、むしろその人なりの味、生き方を見せつけるのがブルースというか。
なんだかかえるさんが気に入られるとはちょっぴり予想外で、めちゃんこ嬉しいです〜♪
もう、音楽聞いてるだけで馬鹿みたいに心が熱くなるというか、感激してしまいました。シカゴ・ブルースの全盛期、経験したかったです。
私も実は『ドリームガールズ』はすごくツボ外れでして・・・これはピンポイントでした!
ミュージカルのコーラスラインよりこちらの方が・・とおっしゃられると、ミュージカルのコーラスラインに行ってみたかった私としては、ちょっとホッとしてしまったりして^^;
エイドリアン・ブロディ、やっぱ見ると本当にいい俳優さんだと思っちゃうんですよね!そろそろ、『戦場のピアニスト』のアカデミーの時にハル・ベリーにディープキスしたことは、忘れてやるか・・・。
tatsuさんへ
こんにちは〜♪コメントありがとうございました!
そうなんですよ、自分には、この映画の完成度だとか、もうそういったことは全く考えられないほど、音楽の世界が映像世界に現れたことに感激しまくってしまって・・・
もう、俳優がピッタリで、演技を見ているだけで嬉しかったり。
もうこの作品を見た時に、他の人がどう思うか、というのが全く想像もつかないほど、のめり込んでしまいました!
点数も馬鹿馬鹿しいほど高くなりそうなんです。時々音楽映画は、ハマると自分にはもう最高に思えてしまうんですよ〜。
tatsuさんのおっしゃることは、もしかしたらその通りかもしれないんですが(笑)、まあでもダイジェスト的に良く見せてはあるような気がしましたよ。
『キャデラック・レコード』 ビヨンセに聞き惚れる
ビヨンセの歌を聞けただけでも、『キャデラック・レコード(原題:Cadillac
キャデラック・レコード 音楽でアメリカを変えた人々の物語
2009年8月29日(土) 20:50?? チネグランデ 料金:1200円(レイトショー料金) パンフレット:700円(買っていない) 『キャデラック・レコード 音楽でアメリカを変えた人々の物語』公式サイト キャデラック・レコードという会社ではない。チェス・レコードという会社…
「キャデラック・レコード」(CADILLAC RECORDS)
米国シカゴの伝説的ブルース・レーベル「チェス・レコード」の栄枯盛衰を描いた伝記ドラマ「キャデラック・レコード」(2008年、米、108分、ダーネル・マーティン監督)。この映画は、黒人音楽に目をつけた白人の主人公が、音楽シーンのメーン・ストリームに押し上げ…
こんばんは、トラバ、サンクスです。
この映画は、ストーンズに影響を与えたマディらのシカゴブルースってすごいと思ったけど、ビーチボーイズの「サーフィンUSA」が、チャック・ベリーのパクリであったというのは驚きでした。
デイヴィッド・ギルモアさんへ
こんにちは〜♪こちらこそ、TBありがとうございました。
お久しぶりです。お元気ですか?
ストーンズに影響を与えたの、結構みんな驚いている人が多いですよね。
そうそう、音楽はよく誰かが何かをパクってたりしますね。
いや、だからこそサンプリング技術って目からウロコで面白かったんですよ。
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