ローラーとバイオリン ▲111
’60年、ソ連
原題:КАТОК И СКРИПКА
監督・脚本:アンドレイ・タルコフスキー
脚本:アンドレイ・コンチャロフスキー
撮影:ワジーム・ユーソフ
音楽:ビャチェスラフ・オフチンニコフ
イーゴリ・フォムチェンコ サーシャ
ウラジーミル・ザマンスキー セルゲイ
ニーナ・アルハンゲリスカヤ 少女
マリナ・アドジユベイ 少女の母
映画大学の卒業制作作品。脚本はコンチャロフスキー。
ラモリス『赤い風船』に触発されて作った作品だとか。
ニューヨーク国際学生映画コンクールで一位を取った作品。
全体で46分という小品。
バイオリンを弾いていた少年サーシャと、道路整備のローラーを運転していた労働者セルゲイが仲良くなる。セルゲイはサーシャに生きていく上で大事なことを教え、サーシャはセルゲイにバイオリンを弾く・・・。
温かくて優しく、繊細な作品。光の当たり方でりんごが万華鏡のようにきらめいたり、顔に、水溜りに反射した日の光が当たったり・・。
とても美しくて、思わずハッとするような映像が随所に見られ、思わず心が軽くなる。
いじめられていたサーシャをさりげなく助ける、大人のセルゲイの優しさ。パンを放り投げたサーシャを思わず叱るところも好きだ。サーシャがそのセルゲイを見て反省するところも。
井戸の中で音の反響を調べるサーシャ。
先生の前では上手に弾けないサーシャだったのに、セルゲイの前ではとっても上手に弾く。このシーンは圧巻だった。
小品ながら、じわりと心に響く作品。
・ローラーとバイオリン@映画生活
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コメント(4件)
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大好きです^^ラモリスの赤い風船も大好きですが、本作も何というか、自主制作ってかんじがすごく功を奏していて、いい。赤い風船に触発されて作ったというのも何となく分かるような気がします^^
ラストの現実か、幻想かどちらとも取れるようなシーンが好き。
もう何か言葉にしちゃったら、陳腐になってしまいますね。感覚の映画っていうか、心で感じる映画のような気もします。
僕もブログやってるのでよかったら遊びに来てください。ダメダメですがw
ではぁ☆
ベルモンドさんへ
初めまして、こんばんは!コメントありがとうございました。
私もこの作品、とっても好きになりました!
感覚で感じる映画とおっしゃるの、とても分かる気がします。本当は二人のことをもっとたくさん書きたい気もしたんですが、ズラズラ並べ立ててしまうと陳腐になってしまうんですよね!
私もそれが嫌で、とても短く書いてしまいました。なので、ベルモントさんのご意見には、とても嬉しくなっちゃいました。
私はラモリスの『赤い風船』はまだ見ていなくて・・『ホウシャウシェンのレッドバルーン』しか見てないんですが、そうですか、『赤い風船』もベルモンドさんはお好きなのですね!それを聞いて是非見たくなりました。
私も早速、今度遊びに行かせていただきますね〜♪
映画「ローラーとバイオリン」
監督:アンドレイ・タルコフスキー(ロシアの巨匠)
出演:イーゴリ・フォミチェンコ(かわいい)ウラジーミル・ザマンスキー
出演:ニーナ・アルハンゲリスカヤ マリナ・アドジユベイ ユーラ・ブルーセフ
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