セブンデイズ ▲103
’07年、韓国
原題:Sevendays
監督・脚色:ウォン・シニョン
製作総指揮:キム・サンイル
製作:イ・ソヨル
脚本:ユン・ジェグ
撮影:チェ・ヨンファン
音楽:キム・ジュンサン
美術:チョン・スア
編集:シン・ミンギョン
キム・ユンジン ユ・ジユン
パク・ヒスン キム・ソンヨル
チャン・ハンソン 事務長
チョン・ドンファン カン・サンマン(部長検事)
オ・グァンノク ヤン・チャング
イ・ラヘ ウニョン
ヤン・ジヌ カン・ジウォン
イ・ジョンホン チェ検事
『チェイサー』をこないだ、二度目に見たところでした。そして「やっぱり大傑作だ」との感を新たにした。自分としては、比べちゃいけないんだけど、ついつい期待してしまったところはあるかも・・・。結論から言うと、期待が仇になってしまった感じ。
この映画の好きな人は、これ以降読まないで下さい。
この『セブンデイズ』では、正直、自分にはカメラの切り返しがいちいち勘に障って、見ている間中イライラして、ため息のつき通しでした。台詞の句読点を一つ打つ間に、二つ三つ切り返していたり、5秒間の間に酷い時は5回も切り返しがあった。アクションの撮し方も私の大嫌いな、『007/慰めの報酬』みたいなガチャガチャしたもので、何が映してあるのか詳細に逃さず見ようと思っても、良く分からない類の“映しているんだか、誤魔化しているんだか”といった撮り方。
ストーリーがまた、同じくかなり強引。韓国映画に見慣れた人にはこれが面白いのかなあ?自分には強引さが気になって仕方がなかった。
丁寧に語るより強引に事を進めようとする。犯人の思うように全力を尽くす主人公の女弁護士の姿も、いまいち腑に落ちないまま、話が突き進んで行く。「どうしてそこでそうなるかなあ」と何度もツッコミを入れたくなってしまうことが多かった。裁判の場面でも、何故あれで勝ててしまうのか不思議だったし。
裏切りを裏切りで返す、とある人物によって主人公が救われるのだけれど、そもそもその人も本来有罪。さらにその判決の後の展開がまた、予想を裏切る形で真相が判明していくのだけれど、そのやるせない感じも正直、爽快感はゼロで、嫌な後味だけが残る。
と、かなりけなしてしまったけれど、見ていて退屈はせずに、最後まで一気に見れてしまったし、ツッコミ所はあるものの、好きな人にはこういうダークなサスペンスはたまらないのかも。
それに、『シュリ』のキム・ユンジンにしろ、『シークレットサンシャイン』のチョン・ドヨンにしろ、驚くほど演技が上手。舌を巻いてしまう。

シングルマザーで勝率100%の弁護士ユ・ジヨン。ある日彼女は娘ウニョンの運動会に参加するが、競技の最中にウニョンを誘拐されてしまう。警察に連絡して犯人からの連絡を待ったものの、犯人の不信を買い「取引は終了だ」と冷たくあしらわれるジヨン。しかしその後犯人から再度連絡が入り、ジヨンは特殊な要求をされる。それは、殺人事件で有罪目前の被告チョン・チョルチンの無罪を勝ち取れというものだった・・・
2009/07/20 | 映画, :サスペンス・ミステリ
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コメント(5件)
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セブンデイズ
さて問題です。
韓国がハリウッドを参考に国を挙げて映画産業に力をいれるようになってから、初めて日本にその効果を知らしめ今の韓流ブームを起こす原動力となった映画と言えば?
答えは『シュリ』ですね。
あの時に感じた「ハリウッドでなくてもこういう映画が作れるんだ」…
セブンデイズ
兎に角、北朝鮮のスパイだったシュリのキム・ユンジンは、有能弁護士の役であっても、アクション・エンタテインメント映画に映える女優だ。テンポとスピード感、ちょっと一部分かりにくい後半もあったが、殺人容疑の裁判にて国選弁護人に代わって弁護を引き受けて国家による…
No.203 セブンデイズ
猟奇的な殺人から物語は始まり、
100%の敏腕弁護士が主人公で、娘が誘拐されて
有罪事件を無罪放免に1週間以内に応えなければ
娘の命は・・・と無茶な要求。
TB有難うございました。
久しぶりに韓国の秀逸サスペンスを
観賞した気がしました。
ラストの主犯が見せた行動、表情
凍りつくラストと共に人の命を奪う事、
裁判の限界を感じさせました。
今度、訪れた際には、
【評価ポイント】〜と
ブログの記事の最後に、☆5つがあり
クリックすることで5段階評価ができます。
もし、見た映画があったらぽちっとお願いします!!
シムウナさんへ
こんばんは〜!こちらこそTBありがとうございました。
久しぶりに見た韓国の秀逸サスペンスですか…うーむ。
私はちょっとノレませんでしたが…
ドロドロ系韓国モノって、合う合わないがハッキリするかもしれませんねー。