NANA ▲98
’05年、日本
監督:大谷健太郎
脚本:大谷健太郎、浅野妙子
原作:矢沢あい
撮影:鈴木一博
音楽:上田禎
宮崎あおい ハチ
中島美嘉 ナナ(ブラストVo.)
松田龍平 レン(トラネスG.)
成宮寛貴 ノブ(ブラストG.)
松山ケンイチ シン(ブラストB.)
丸山智巳 ヤス(ブラストDrs.)
玉山鉄二 タクミ(トラネスB.)
伊藤由奈 レイラ(トラネスVo.)
平岡祐太 ショージ
サエコ サチコ
私は原作そのままに、上手く映画になってて、思ったより出来がいい、なんて思ってしまったけれど。
原作は何せ、長い時間軸、かなりの泥沼恋愛模様。巻が進めば進むほど、面倒くさくなってしまうんだけれど。これらを上手く青春物語に纏め上げているな、といった印象だ。同じ名を持つ小松奈々と大崎ナナの出会いのところから、原作まんまに丁寧に再現している。
どの人もこの人もみんなかなりの美形、少女マンガの男子女子ですからね。違和感があるとすれば、これを現実にしてしまうというそのものらしい。どうやら原作ファンが見てガッカリするのは、その辺りみたいだ。
私は、この漫画実は、前の職場で休憩時間に読んだのだけれど、職場の同僚から、「映画、レンが松田龍平なんですよー。最悪ですよ!!!」と思いっきり言われてしまった。私は、思わず空気の読めない発言で、「私、松田龍平好きですけど。」と言ってしまった。私に言わせれば、松山ケンイチのシンの方がよっぽどイメージと違いますよ〜!だって、シンちゃんは、ハーフで金髪で、帰国子女!何人もの女のヒモがいたりする、いかにも愛くるしい少年、じゃなかったっけ?・・・ww
いや、でも確かに、レンは存在感のあるすごい美形というイメージかも・・・、でもタクミだってさー・・・ってな具合に、原作を読んでしまうとついつい文句をつけたくなってしまうのは、その見た目。
主人公のナナとハチ、中島美嘉と宮崎あおいは確かにピッタリかも。
中島美嘉は台詞が棒読みだったけど、それを置いておいても、歌のシーンやナナのコスプレぶりはバッチリ。
とは言え、漫画の実写化ということで、またそれを見る観客達も、見た目で騙されてしまう年頃なのか・・・それぞれのキャラクターの見た目のイメージが合うか、合わないか、それだけで物語の出来不出来を判断しているのではないか、と思ってしまった。
これだけ上手に漫画を実写化していれば、それほど文句は出ないんじゃないか、と私は思ったのだけれど、どうやら違うらしい。
とは言っても、漫画をそのままトレースしているところが、文句がないわけではない。ハチが過去を振り返る形で、原作では宮崎あおいがナレーションをしているのだけれど、この映画では、その未来の時間軸は出てこないでエンディングを迎える。
それならそのナレーション、全く必要ないよね・・・。この漫画で、ナレーションで当時を振り返る形式というのは、ひたすら繰り返されている手法。それがこの漫画の印、と言ってもいいぐらい。だけど、きちんと繋げないと、所詮漫画の映画化なんだな、ということで見た人に馬鹿にされてしまうんじゃないか、と思ってしまった。
さらに言うなら、トラネスはこの映画では、POPな商業的なメジャーバンドで、今売れているけれど、一方、ブラストは、まだインディーズで、パンクっぽいサウンド。そのうちに新人だったブラストの音楽が、どんどん急上昇していく・・・というストーリーだったはず。
でもこの映画だと、ブラストの歌う音楽も、トラネスの歌う音楽も、どっちも同じような売れ線のポップミュージック。その辺、少しガッカリした。
二者の音楽に違いがあった方が、総合的に、よりインパクトがあったように思ってしまった。

小松奈々は、彼氏と一緒にいたいがために東京へやってきた。大崎ナナは、歌で成功したい夢を抱えて東京へやってきた。新幹線の隣同士に座った2人の「ナナ」は、偶然、引越し先の部屋で鉢合わせし、一緒に暮らすことになる。趣味も性格も正反対の2人の共同生活が始まった・・・
2009/07/05 | 映画, :青春・ロードムービー
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No.22 NANA
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NANA
『同い年の 同じ名前の女の子 あたしは運命とか かなり信じちゃうタチだから、 あたしたちの出会いは 運命だと思うんだ。 笑ってもいいよ ナナ――』
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映画『NANA』(お薦め度★★★)
監督、大谷健太郎。原作、矢沢あい 漫画『NANA』。2005年日本。青春映画。出
こんばんわ♪
少女漫画界屈指の名台詞「わざよダヨ?」をあのサエコボイスで繰り出された日にゃ〜
無言で靴流通センターに連れてってズック靴をプレゼント for YOU☆ですヨ!
という訳で、わたくし的にはキャラマッチ率No1は幸子=サエコ(声だけ)だったんですが(笑)
マツケンのシンちゃんはないですよね〜
シンちゃんとLとクラウザーさんとカムイの実写版は皆同じ役者がやってるんだよ言うたら、それって何の四月馬鹿?って言い返されますよ!
映画は2で終わってしまいましたがw漫画の方は続けば続く程えらいことになっていきますねー
死亡フラグ祭りから衝撃の展開、絶妙の引き、そして作者急病により休載…
誰ひとり共感ポインツはないんですが延々続く鬱展開が魅力!
再開後はバッドエンドまっしぐらなんでしょうか(笑)
みさま
こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
わっ!ここへみさまが来るの、ちょっとびっくりした・・・。
確かに、幸子はピッタリでしたね〜。サエコボイス・・ダルビッシュもあの声でだまされたんでしょうか。
しかし、幸子・・「わざとダヨ?」は、私はハチの気持ちになって、漫画を読みながらエグられるような思いだったんですが、その辺りも忠実に再現してくれてましたね。
靴流通センターに連れてっちゃうんですね(笑)PRADAとかじゃないんだ・・w
>シンちゃんとLとクラウザーさんとカムイの実写版は皆同じ役者がやってるんだよ
読んで爆笑しちゃいました(爆)いや結構この人、キワモノなイメージはいつの間にかあるんですが、シンちゃんはうーん、て。白い髪はある意味似合ってた、のかな?
>作者急病により休載
ほえっ!そうだったんですね。知らなかったですー。
なにやら『さくらん』の安野モヨ子、『のだめ』の二ノ宮知子も休載だとか。映画化、TV化されると、それだけで十分お金が入って来るし、プレッシャーも多くなってくるんでしょうかね〜
私は続くに従って、あの複雑な人間関係が嫌になる時あります。。初めは面白かったんですけどね。
仲間内でゴタゴタ恋愛するのは一度ぐらいにしてくれないと、友達続けるのも大変だしー。ビジネスでもあるしー。
女友達に対して、恋愛感情みたいな執着心はなんかちょっとキモくって・・
でも、この後頑張ってバッドエンドに向かってひた走ってゆくのでしょうね。
でもここまで来たら、いい加減読むのをやめることも出来ない・・つきあうしかないですね!