嫌われ松子の一生 ▲80
’06年、日本
監督・脚本:中島哲也
原作:山田宗樹
撮影:阿藤正一
音楽:ガブリエル・ロベルト、渋谷毅
主題歌:BONNIE PINK
中谷美紀
松子
瑛太
川尻笙
伊勢谷友介
龍
香川照之
川尻ノリオ
市川美日子
川尻久美
黒沢あすか
沢村めぐみ
荒川良々
島津
柄本明
川尻ツネヒロ
劇団ひとり
岡野
竹山隆範
教頭
睦月さん、元気ですか?
以前ちょうど連絡をいただいた時は、携帯を会社のロッカーに忘れて(そんなことは2年に一度、あるかないかなのに)、連絡がつかなくてすいませんでした。
あれから仕事はもう慣れましたか?忙しい毎日を送っているのでしょうか。
私はというと、『嫌われ松子〜』を見たら何故か睦月さんのことを思い出しました。その理由は自分でも分かります。
睦月さんのブログを読み始めた頃、一番心に残った記事がこれだったから。
前にそう訊かれた時、私は『トカゲ女』と言ったかな・・・。
それはとらねこ的ジョークです。忘れてください。
そして忘れていたなら、思い出させてゴメン。
さて私はなんでメールを睦月さんに送ろうと思ったのかな。携帯の番号が変わったので、そのお知らせです。
登録よろしくね。
睦月さんは元気でいるかな。
映画見終わった後、睦月さんの姿が目の前にありありと浮かんだよ。
たぶんそこが歌舞伎町だったからでしょう。
私の友達で、歌舞伎町のジョイシネマで働いていた友達が、(この話は前もしたかな。)岩手に帰ることになりました。それで睦月さんのことを思い出したよ。ジョイシネマは今度、閉館することになったから・・・。自分にとってはすごくショックで、寂しいことです。友達のことも、映画館のこともね。
『嫌われ松子〜』は、ジョイシネマのさよならフェスティバルでの上映だったんだ。
その『嫌われ松子〜』だけど、すごくいい映画だった。忘れられなくなりそうです。
当時、これを見た友達が、「激ウツ入った。絶対見ない方がいい」なんて言ったので、私は怖くなってスルーしてしまったんだ。
友達はね、アルコール中毒&ヤク中&インソムニアで、病院に通っていた人でした。彼は、人生やり直すつもりで、沖縄に一時移住し。二年後、親父が亡くなって、家を片付けるために、藤沢に戻って来ました。その時の彼は、みちがえるように元気になって、アル中他いろいろもすっかり完治し、健康になり、さらにはミュージシャンになって戻って来た。
湘南の海岸で久しぶりに会った彼は、当時失恋してすっかり落ち込んでいた私を見て、「昔はかわいかったのに。オーラがなくなった」と言いやがりました。
で、その彼が、『嫌われ松子〜』を見て、すっかりウツになってしまったんだとか。「危険なので、自分はこういうのは見れない」とまで言ってたよ。私は、激動の人生は自分も結構そうで、その時の自分にはキツいだろうな、と思って見るのをやめてしまったんだ。
映画を見ていろいろ考えました。
悲惨な話を、明るく描かれてはいるね。そしてその分、楽しく見ることが出来た。辛いけど、一生懸命自分なりに生きようとした人、全力でぶつかっていった人、なんだろうな。
原作は読んでないけれど、少しだけモーパッサンの『女の一生』に似ているのかな。
松子は、なんだかんだ言っても、メチャクチャでも、恋している間は綺麗だったね。最後、誰とも関わり合おうとしないようにしよう、と思うまでは綺麗だった。
龍に再会した時、「このままで居ても寂しい、つまらない。なら、誰かと一緒の方がマシ」と、決心してから車へ行く。あのシーンが、実は自分には胸を貫かれました。すごい、分かるなぁ・・・。
人生をまるごと描こうとした、ということで、まとまりがないように感じる人もいるかも。だけど随所随所に、何か人生のヒントたるべき、教訓めいたことも織り込まれている。ウザくない程度に。
本当はすっごく悲しい人生だから、特に晩年。見ている者が、悲惨さだけでなく、 そこから何か自分なりに感じよう、考えようとする時に、そうした教訓が少しでも役に立つようにとの配慮だと、私は好意的に解釈しているよ。
この映画を見たら、彼女同様に、一つの人生を生きた、という気持ちになれた。
そして自分はこうならないように、少しでも努力しようと思えたよ。明日からでいいかな(笑)
ストーリー・・・昭和22年。福岡県でひとりの女の子が誕生した。お姫様のような人生を夢見る彼女の名は川尻松子。教師になり爽やかな同僚とイイ感じになるも、セクハラ教師のせいで辞職に追いやられる。ここから、松子の転落人生が坂を転がり落ちるがごとく、始まっていく。愛を求める松子の前にはさまざまな男が現れるが、彼女の選択はことごとく不幸へと繋がってしまうのだった。53歳、河川敷で死体となって発見された彼女の生涯を探る甥が見たものは?・・・
・嫌われ松子の一生@映画生活
2009/05/29 | 映画, :ヒューマンドラマ
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嫌われ松子の一生
『不幸って何? 松子。人生を100%生きた女。』
コチラの「嫌われ松子の一生」は、山田宗樹さんの同名小説の映画化で、5/27公開になったPG12指定の映画なんですが、公開3週目にも関わらずかなり混雑していました。あの「下妻物語」の中島哲也監督の最新作ですし、…
嫌われ松子の一生
「嫌われ松子の一生」
こないだTVで「下妻物語」観て思いもかけず感動させられたもんでね、映画舘に足運びましたよ。
糞小説家山田宗樹の原作があまりにもつまんなくって(でも騙されて最後まで読まされました)、こんな糞みたいな偏差値の低い駄文に、貴重な時間を取られ…
この映画と「下妻」はほんと〜にヨイ映画でした。「下妻」はほんと〜に映画館で観たかったなぁ〜とめっさ後悔しました。「嫌われ」は映画館に2回足を運ばせてもらいました。いや本当にイ映画だったからね。原作はほんとーに糞つまんなくってムカついて貴重な時間を取られた気がして、あまりにも腹立って ほんまにゴミ箱に叩き込みましたから。こんな糞小説をあんな感動もんに演出できる監督様の才能にぐうの音も出ませんでした。
そんなこんななので「パコ」は期待が大き過ぎてイマイチ感が否めません。「パコ」自体も全然悪くなかったはずなんですが、「下妻」と「嫌われ」があまりにも偉大過ぎたもんでね。
やさしいキモチってこーゆー映画のことだと思いました。
映画「嫌われ松子の一生」
昭和22年福岡で生まれ、男に恵まれず堕ちて53年の生涯を荒川の河川敷で閉じた一人の女性。山田宗樹の小説"嫌われ松子の一生"の映画化。
川尻松子(中谷美紀)、物語は松子の生涯に興味を抱いた甥(瑛太)が、彼女に成り代わり一生を回想するように進む。…
映画『嫌われ松子の一生』(お薦め度★★★★)
監督・脚本、中島哲也。2006年日本。コメディ・人間ドラマ映画。出演、中谷美紀(
gsさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
おおっ!『嫌われ松子〜』の方は、劇場で二回も!
そうか〜、原作はそんなにだめだったんですね。確かに、ただ悲惨な人生として描かれているなら、私も原作は好きになれなそうです。読むの止めておこうっと!
私はこの作品の方はひどく気に入ってしまいました。この監督さんの本気が詰まってると思いましたね。
gsさんもこの作品を気に入ったと聞いて、スゴク嬉しいです
私の方は、痛い思いでいっぱいになってしまったけれど、「やさしいキモチ」という捉え方もとってもイイな。
嫌われ松子の一生(日本)
6月のうちに観ておきたかった「嫌われ松子の一生」を観てきました!
( →公式HP
)
出演:中谷美紀、瑛太、伊勢谷友介、香川照之、市川実日子、黒沢あすか、柄本明
上映時間:130分
昭和22年・福岡県大野島生まれの松子は、
とことん運に見…
とらねこさん、こんばんは!
珍しくこれは原作を読んでて、それから映画を観ました。
私はこの本にかなーり引き込まれて鼻の奥がツーンと泣きそうになりました。
そんな松子の人生をどうやって映画化すんの? と思ったらうまうことまとまってて、映画の方も好きだな。
AnneMarieさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございます!
わーい、遊びに来てくれてありがとうございますー、アンマリーさん♪
昨日は、せっかくいただいたTBにコメントをつけれずすいませんでした★
うん、鼻の奥ツーンとするの分かります・・。涙も出るし鼻水も出るサイン
原作はあまりに悲惨さだと聞いたんですけど、アンマリーさんは原作も好きだったのね!
この映画は素晴らしかった・・・。もう一度見たい感じ!!
嫌われ松子の一生
公式サイト「下妻物語」でフカキョンのロリ少女とヤンキー少女との友情のヘンテコで痛快な映画を作った中島哲也監督の作品で、この新作を見ても、大げさで綺麗に見せる絵の演出法や、語りの多用や展開のさせ方など、やはり作風は共通している。舞台挨拶も賑やかだったが、監…
嫌われ松子の一生:「主観」で暴走する人生
★監督:中島哲也(2006年 日本作品) 新京極シネラリーベにて鑑賞。 シアターの名称が「弥生座」か…