消されたヘッドライン ▲65
’09年、アメリカ
原題:State of Play
監督:ケヴィン・マクドナルド
製作:アンドリュー・ハンプトン、ティム・ビーバン、エリック・フェルナー
製作総指揮:ポール・アボット、E・ベネット・ウォルシュ、ライザ・チェイシン、デブラ・ヘイワード
原作:ポール・アボット
脚本:マシュー・マイケル・カーナハン、トニー・ギルロイ、ビリー・レイ
撮影:ロドリゴ・プリエト
美術:マーク・フリードバーグ
編集:ジャスティン・ライト
音楽:アレックス・ヘッフェス
ラッセル・クロウ カル・マカフリー
レイチェル・マクアダムス デラ・フライ
ベン・アフレック スティーヴン・コリンズ
ヘレン・ミレン キャメロン・リン
ジェイソン・ベイトマン ドミニク・フォイ
ロビン・ライト・ペン アン・コリンズ

一人の女性の死亡記事。ワシントン・グローブ誌の記者たちは、被害者女性と国会議員のスキャンダルを追ううちに、前夜に起こった別の殺人事件との奇妙な繋がりを見出す。ベテラン記者のカルは、豪腕女編集長キャメロンの命令で、渦中の議員コリンズとの接触を試みる。旧友でもあり、取材対象でもあるコリンズの証言をキッカケに、彼は後輩の駆け出し記者デル(ワシントン・グローブHP担当)と共に、新聞記者独自の調査方法を駆使して、警察を出し抜き、事件の真相に迫っていった・・・
いやあ、面白かったなあ!個人的には、『ワールド・オブ・ライズ』以来、グッとくるサスペンス。こう、途中から身を乗り出して楽しめる感じ。
どう面白いかって言うと、オヤジが一人、仕事帰りに暇潰しのためブラっと映画館に入って、その日の仕事の疲れなんか、どっかに忘れちゃう感じ。
で、私に言わせれば、そういうオヤジこそ、意外にも映画を見る目があったりする。そんな類の映画だったよ、これは。
さすが『ラストキング・オブ・スコットランド』のケヴィン・マクドナルド監督、前半部分の、物語が進み出すまでにジックリ丁寧に描き出すところなんか特に“らしくて”私は大好き。『ラストキング・オブ・スコットランド』と同様に、こちらの作品も面白くて映画の中に引き込まれ、思わず我を忘れてしまった。それだけでも、これは凄い面白かったんだ、と後から実感してしまうんだ。
その理由の一つには、人物描写が非常に上手だから。イギリスBBCのTVドラマのシリーズだった今作らしいんだけれど、そんな長い物語を、こうまで見事に見せてくれて、しかも飽きさせないなんていう。複雑な人間関係が次第に分かってくるんだけれど、その辺りの舵取りが見事な脚本だった。
それぞれの心理が手に取るように分かるような類の撮り方。複雑な物語でありながら、ここまで分かりやすく面白く見れるなんて、やっぱりこれはオススメの佳作だ!って自信を持って言えるよ。
ラッセル・クロウの出演作としては、『インサイダー』なんかの社会派テイストに比べれば、少し落ちてしまうかな、という向きもあるかもしれないけれど、
それでも『ワールド・オブ・ライズ』の次ぐらいに、娯楽作として楽しめる、ぐいぐい引き込まれるサスペンスかなあと。私は『アメリカン・ギャングスター』とこちらとは、同点ぐらいの点数を挙げたい感じ。(『L.A.コンフィデンシャル』には遠く及ばないにしても!)
レイチェル・マクアダムズは『きみに読む物語』や『ミーン・ガールズ』で見た時は確か、黒髪ではなかったと思うんだけれど。
どんな役をやらせても本当にキュートで、ふくれっ面して権利を主張してもなんかかわいい。思わず応援したくなっちゃう後輩を好演してた。ボールペンのペンダントにリアクション取る姿も良い。要チェキ!
2009/05/02 | 映画, :サスペンス・ミステリ
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英ドラマの映画化!☆ 『消されたヘッドライン / STATE OF PLAY』 ☆
イギリス・BBCテレビの人気ドラマを映画化した作品らしいけど、もちろん本家は全く知らず。
ラッセル・クロウとベン・アフレック、そしてオスカー女優のヘレン・ミレンという三つ巴のキャストに、『ラスト・キング・オブ・スコットランド』のケヴィン・マクドナルド監督と…
『消されたヘッドライン』
『消されたヘッドライン』俺たち!ジャーナリスト試写会っていうので試写会に当たって、昨夜は東宝東和さんの試写室で試写を観てきました。
東宝東和さんの試写室、確か2度目のはずなんですけど、めちゃくちゃ道に迷ってしまった方向音痴な自分。30分以上歩いて、しかも携帯
>人物描写が非常に上手だから
哀生龍はTVドラマを先に見ていたので、人間関係もストーリー展開もほぼ分かっている状態で見たので、何にも情報無しに見た人にとってどれぐらい分かりやすく描かれているのかなと思っていました。
300分のドラマを半分以下にギュッと縮めてはいても、ちゃんと分かりやすくストーリーに入りやすく描かれてますよね。
>思わず応援したくなっちゃう後輩を好演してた。
女性キャラに厳しい哀生龍ですが(笑)、レイチェル・マクアダムズもヘレン・ミレンも凄く良くて、デラのこともキャメロンにことも楽しく見ていられました。
哀生龍さんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
哀生龍さんは、これもともとドラマで見てご存知だったんですね♪
いやー、さすが天下のBBC制作ドラマ。きっと面白そうですよね!?
これ、私はすっかり満足したし、すごく面白く見れました。ちゃんとしたサスペンスは、たまに見ると面白いもんだなーなんて。
レイチェル・マクアダムス、合格でしたか♪いやー本当、彼女ってカワイイだけじゃなくてなんか魅力的でとっても素敵ですよね。
もっと彼女の出演作が見たくなってきました。
ヘレン・ミレンも風格があって、なかなか良かったですよね。こわいオバサン役でしたけど。
消されたヘッドライン
『そのスクープが、時代を揺るがす。』
コチラの「消されたヘッドライン」は、2003年にイギリスBBCで放送された大ヒットサスペンスドラマをハリウッドで映画化した5/22公開の社会派サスペンスなのですが、早速観てきちゃいましたぁ〜♪ちなみにオリジナルのドラマ「ス…
確かにこれはとてもよくまとめられていましたし、
サスペンスとしてなかなか面白かったですよね。
オヤジ好みかな?( ´艸`)
個人的にはドラマを先に観ていたので、
どうしてもそのイメージが強かったのですが、
映画としてはとても面白かったと思います。
miyuさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
なかなか見てて楽しいサスペンスに仕上がってましたよね♪
miyuさんもドラマをご覧になってたのですね!
これ、300分のドラマ、ってことは、そんなに長くないんですね。
映画としてもなかなかですかー♪良かったです。
いろんな題材がてんこ盛り。『消されたヘッドライン』
殺人事件を切っ掛けに新聞記者の目線を通して様々なアメリカの闇の部分が見えてくるサスペンス映画です。
映画「消されたヘッドライン」の感想です。
この映画の原作は2003年にイギリスのBBCで放送された全6回のTVシリーズで、英国アカデミー賞などを受賞した大ヒットドラマだそうです。日本でも2008年にNHKのBSで放送されていたらしいけど、うちはスカパーしか加入していないのでこのドラマは知りませんでした。私の…
消されたヘッドライン◆STATE OF PLAY
暴くのか、逃げるのかーーーー。
それは、ひとりの新聞記者が見た“現代アメリカの最大の闇”
5月25日、東宝シネマズ二条にて鑑賞。ラッセル・クロウ、また一段とでかくなりましたね。そのうえロングヘアーです。少しきもい感じもありますが・・・・。
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消されたヘッドライン
真実を求めて取材を続ける新聞記者がつかんだのは、衝撃の真相!
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こんばんは。
私はラストの持っていき方(巨悪とかじゃなくて、気の小さな人間の小さな過ちが始まりだった、という)に感心しました。「あぁ、悪いコトするやつって、実はこういうちっちゃいやつだったってことが多いよなぁ」みたいな。とにかく上映時間中、ずっと絶え間なく楽しむことができました。良い作品でしたねぇ。
消されたヘッドライン
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実は2週間ぶりの劇場観賞です。六本木の週末レイトシ…
とらねこさん、こんばんは!
私も昨夜観てきましたーーー。
「おもしろいけれど地味」と目新しさがなくて、という意見もあるみたいだけれど、私はとらねこさんと同じく引き込まれましたーーー!
相変わらず先読みできなかったんで、「これで解決か。。。」のあとの展開にビックリ!
ブログ記事アップしたらTBさせてねーーー!
いつになるかな。。。
マサルさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
そうですね、確かに一人ひとりが悪に手を染めるキッカケとしては、それぞれが小さい悪ではありましたが、
結局それが巨悪に繋がっていくことに関しても見逃せないところでした。
だからこそ巨悪と戦うためにまた少しと言えど悪に手を染める、これを見逃さなかったわけですね。少し手厳しいと思いましたが・・。
うん、最初から最後まで楽しんで見れました。
AnneMarieさんへ無理しなくていいので、でも暇な時に、忘れる前にサッサと書いちゃうのがイイと思います(笑)なんつって!
こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
おっ、アンマリーさんもこちらをご覧になりましたか!
うん、私もすっごく面白く見れました。
時々皆さん、サスペンスに関して厳しいなあ、と思うことがあります。
なんでなんでしょうね?十分面白いと思うし、同じように作らないようにするのはすごく大変なことだと思うのに・・。ちょっと厳しいなあ、なんて思います。
うん!TB待ってますね〜
消されたヘッドライン
民間軍事会社の調査を進めていた議員・コリンズの秘書が謎の死を遂げた。さらにその秘書はコリンズと不倫関係にあり、事件は一大スキャンダルへと発展する。コリンズの友人でもある新聞編集者のカルは、自分が追っていた殺人事件がコリンズの事件と繋がっていることを発見….
こんばんは。
面白かったですよね。この映画、もっと小難しい話だと思ってたんですが、思っていた以上に解かり易くてすんなり物語に引き込まれました。最近、民間軍事企業=PMCを題材にした作品にいくつか触れる機会があったので、PMCを問題にしていたのもポイントが高かったです。
レイチェル・マクアダムズは今回初めて観たんですが、とてもキュートで気に入ってしまいました。次回作に期待です。『ミーン・ガールズ』も今度借りてこようかな。
えめきんさんへ
こんばんは〜♪ちょっとお久しぶりです!
いや本当に、民間軍事企業を題材にした、という辺りがポイントが高かったですよね。
ワシントン・グローブ者の駆け出しはブログ担当だったり(笑)
すごく分かりやすくて面白く、話の語り口が上手だったなーと思います♪
レイチェル・マクアダムス、かわいいでしょう?
『ミーン・ガールズ』ですか、いやそれはやめといた方が無難です!
『きみに読む物語』にしておきましょうよ!
こっちはオススメです。何しろ、レイチェル・マクアダムスがかわいくって
消されたヘッドライン
なんていうか、、、こういうこ汚くってむさ苦しいオッサン役がなんでこんなに似合うんだろう>ラッセル・クロウ。
消されたヘッドライン
ワシントンDC。
ドラッグ中毒の黒人少年スタッグが何者かに射殺された。
時を同じくして、国会議員スティーヴン・コリンズ(ベン・アフヮ..
消されたヘッドライン(アメリカ/イギリス)
なんとなく観てみよっかな。と、「消されたヘッドライン」を観ました。
( → 公式サイト
)
出演:ラッセル・クロウ、ベン・アフレック、レイチェル・マクアダムス、ヘレン・ミレン、ジェイソン・ベイトマン、ロビン・ライト・ペン
上映時間:127分
…
消されたヘッドライン
それは、一人の新聞記者が見た“現代アメリカ最大の闇”。
発売予定日は2009年11月26日
「消されたヘッドライン」(STATE OF PLAY)
英国BBCが製作したTVドラマシリーズ「ステイト・オブ・プレイ??陰謀の構図??」を舞台を米国に移しかえ劇場版としてリメイクした社会派サスペンス「消されたヘッドライン」(2009年、英米、127分、ケヴィン・マクドナルド監督)。この映画は、関連のない2つの事…
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