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女体(1969) ▲35

増村保造特集今回で、私の見た「増村保造 性と愛」特集は終わり。
今まで劇場で見た作品もあったので、そちらを抜かして、どうしても行けない時以外は全部通い詰めました。
今回は6作品鑑賞。スタンプも溜まって、プレゼントをもらったのでした。

盲獣もらったプレゼントはこちら。『盲獣』のポストカードでした。思えばこれは、私が初めて見た増村保造作品。この時は渋谷のシネマヴェーラで見たのだけれど、強烈な作品でした・・・。その凝ったアートワークも現在の邦画と比べても遜色ないんじゃないか?と思えるような凝りよう。
何より、原作の乱歩の小説を読んで、「一体どんなすごい部屋なんだろう」というような画を、見事に再現させているだけでも、評価されても惜しくない、というような作品。その上に、この監督なりの解釈、というのがビンビン伝わってくる。
言ってみれば私がこの監督にハマるきっかけになった作品だったので、このポストカードが手に入ったなんて、なんだかとても嬉しいことのような気がした。

さて、気を取り直して、この作品について。

ストーリー(角川映画より)・・・
奔放な愛に生きる、華麗な蝶のような女!
次々に男を愛し、その愛に忠実に生きた女、強烈な自我の意識によっていかなる呪縛も拒否する激しい女、そして風に吹かれる蝶のようにか弱さを感じさせるかわいい女。
複雑で多様な面をもった女の多彩な愛の遍歴を大映初出演の浅丘ルリ子が十二回のラブシーンを含めて体当たりで演じている。

’69年、監督:増村保造、 脚本:池田一朗、増村保造

女体

 

 

 

 

 

 

 

 

華麗で奔放に生きる主人公、浜ミチを演じる浅丘ルリ子が、浅黒くてスレンダーな体を余すところなく見せつける。
派手で“今風”な悪女ミチの毒牙にかかって、自分のそれまでの人生を全て捨ててしまう信之(岡田英次)。今までずっと真面目に、足を踏み外すことなく生きて来た中年男。
目にするものを全てを手に入れないと気が済まず、手に入れたらすぐに飽きてしまうミチは、悪女そのもの。だが、自分の欲望に忠実とも言える。それ故に、自分を殺して生きてきた信之のようなタイプが、羨ましくなってしまうのだ。(「俺のような戦中派は、戦後は抜け殻みたいなもんさ」という一言が、彼を表していると言える。)

増村は、悪女を描くのが好きなようだ。
個人主義、と評されることの多い増村だが、私はむしろ、彼は“人間の持つ複雑さ”を余すところなく見つめる人であると思う。それが故に、自分を殺して生きる人間より、人間の道から多少外れても“自分らしさ”を徹底して持つ人間を描くことが多いのだと思う。
だからこそ、今の私達から見ても十分に面白い。

だけどこの作品に関しては、浅丘ルリ子の体当たり演技にも関わらず、どこかヒロインが“はすっぱな”女であり過ぎるように思えて、私には好感は抱けなかった。
若い頃を考えたら、似たようなことをやってしまった経験も一度や二度あるし、真面目そのものに生きてきたとも言えない私だけど。そんな自分を棚に上げて見ると、気まぐれそのもの、「血の出るような刺激が欲しい!」と言うこの悪女は素直に「単なる困った奴」にしか見えない。

でも、こういう女(や男)に惹かれる人が居るのも確か。自分に出来ないような大胆さや、その場その場で刹那的に輝く人物、というものが、無性に魅力的に思える、そんな瞬間もやはり存在するのだ。

 

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コメント(3件)

  1. 浅丘さんの出てる中では一番エッチ度の高いやつで、僕はお気に入りです。
    喋り方もいつもの増村節ですが、ハスッパ台詞は安田道代や渥美マリが喋るより浅丘さんが喋る方がドンと下半身に直撃します。
    安田道代にヒドイ目に遭わされても浅丘さんにヒドイ目に遭わされる方が高級感があると思います。値段の高い方の女王様感です。
    もちろん浅丘さんは若尾文子様(フェバリット)には劣りますが。浅丘さんはこーゆー増村エロチカ作品には全く出ておられない希少価値があるとゆーか、とにかくこの「女体」はなかなかヨイと思います。DVD出てたら買いですが・・・

  2. 浅丘ルリ子 68歳

    本日は浅丘ルリ子様の誕生日です
    1940年7月2日 本名、浅井 信子
    身長156cm 体重35kg。サイズ B79/W53/H75 
    血液型はA型
    20歳も年上のお姉さまです
     
    夕日の丘http://jp.youtube.com/watch?v=4aSqvsQAmCw&feature=related
     
    自分は子供の頃、「2丁目3番地…

  3. gsさんへ
    こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
    うん!なかなかにエロ度高く、体当たりで頑張ってくれてましたね!
    gsさんは、浅丘さんお好きなのですね。ちなみに、それほど昔の映画に詳しいわけではないんですが、自分の知ってる範囲内で、勝手に昔の女優フェイバリトランキングを作ると、こんな風になります♪チキチキ!!
    美輪明宏>>>>>>>>>>>>>>>>橘ますみ>>>若尾文子>梶芽衣子>緑魔子>安田道代>浅丘ルリ子>渥美マリ>岡田茉莉子>・・・
    そんな訳で、自分の中でダントツトップは美輪さんでした〜♪
    あまりに美しくて素敵なので、他の女性がかすんで見えてしまうぐらいですw
    エロ度では、橘ますみもとってもイイんですよね。自分のチンコが一番立つのはこの人です。チンコないけど・・・
    若尾さんはやっぱり演技が上手い女優さんなので大好きです!しっとりとした美しさもいいし。
    後は、目力の梶さんとか、見た目的に緑魔子さんのお洒落な人形みたいな美しさも好きで。
    安田道代は、すごくキャラが立ってて好きなんですよ。顔も好みだし。
    浅丘さんは、化粧がギャルっぽいから、渋谷によく居そうに思えてしまって。「時代を感じない」という意味ではいいんですけど、自分はそれほど・・。
    勝手なランキングですいません★好みの世界を語らせると、人それぞれになっちゃいますね・・^^;
    自分がなりたい顔ですと、小雪の顔なんか羨ましいです。最近ですと、黒木メイサもいいなと思います。
    外人だと一番好きな顔は、昔からケイト・モスで。




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