夢をかなえるゾウ
舞台、『夢をかなえるゾウ』を品川ステラボールにて鑑賞してきました!
原作は、’08年に170万部を売り上げたベストセラーの自己啓発本、同タイトル『夢をかなえるゾウ』(筆者、水野敬也)。
脚本・演出、奈良橋陽子。
ストーリー・・・
早くに両親をなくした兄弟、ゲン(二階堂智)と俊介(中河内雅貴)。証券会社に就職したゲンは父親代わりとして俊介に厳しく接するが、俊介は高校もロクに行かず、ダンサーを目指すと言って「夢を追いかけ」2年前に家を飛び出した。ゲンは自ら企画したプロジェクトが失敗し、会社に大赤字を招いたため、降格。完全に出世街道から外されてしまい、プライベートでは恋人の良子(初音映莉子)との関係もギクシャクし始めてしまった。そんなある日、インドから送られてきたゾウの置物ガネーシャが突然動き出し(小松政夫)、自分を変えたいなら課題をこなすことだ、とゲンに誓約させたのだった・・・。
10月に小栗旬・主演でドラマもやっていたという、『夢をかなえるゾウ』。
この舞台化作品である今作は、単に「舞台化作品」と言うにはもったいない、総合エンタメ作品。
それこそ、物語である基本のストーリーライン部分はただの下敷き。
ストンプ、サーカス、タップダンス、歌、太極拳、オーディション・・・。
驚くべき様々な手法で、見ている観客を喜ばせようとするこの精神は、本当に凄い!
まさに舞台という面目躍如、一瞬たりとも舞台から目を離せないような工夫がしてあって、2時間余りを、退屈知らずで過ぎていきました。
クリスマスというこの時期に、とっても素敵なプレゼントのような舞台でしたよ。
脚本・総合監修は、ハリウッドの映画の脚本も手がける、名前も有名な奈良橋陽子。
アイディア満載で、ダンスがいっぱいのこの作品には、本当に元気をいっぱいもらってしまった。
突然始まるタップダンスは本当に楽しくて。サーカスはまるでシルク・ド・ソレイユなみの、天井から布を垂らして、そこにぶら下がるアクロバット!よくぞこれをやれたものだと、驚いてしまう。
じぶんは以前、シルク・ド・ソレイユで見たけれど、まさか舞台で見るとは思わなかったなあ!
後方のスクリーンにはVJ(ヴィジュアル・ジョッキー、DJのヴィジュアル版だと思ってもらえれば分かりやすい)を配置して、舞台の物語と同時進行で、様々な映像を見せるところも面白く。
舞台全体が低めに配置されている、ここステラボールで、バックスクリーン、舞台ステージ、それからかなり高めの壇上ステージを配置したところも、舞台を立体的に見せる仕掛け。
センスがある舞台構成は、刻一刻と変化して、様々な顔を変化して魅せる。
何より自分にとって楽しかったのは、ダンスの振り付けが面白いこと。
一風変わったダンスは、現代的で芸術的。何より目で見て本当に面白いものだった。
振り付けは、香瑠鼓が担当し、実際にステージにもオーディションの一審査員として登場したよ。
面白いことに、舞台上でオーディションのシーンがあるのだけれど、これは実際にweb上で公募して参加した人達だったとかで、日替わりで彼らは出てくるらしい。
つまり、「夢をかなえるゾウ」というこのタイトルの舞台、ここで本当に夢が叶ってしまった人達もいる、というわけ。
若いパワーで溢れる舞台作品、これは本当に名前だけでなく、そんな様々な仕掛けがしてある、ってことも面白いじゃない?
舞台って、本当に面白いな!
2008/12/22 | 舞台・演劇
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コメント(4件)
前の記事: 172●ラースと、その彼女
とらねこさん、こんにちは♪
原作は読んでなくて、この舞台も観には行けなかったのですが、主演のひとりを演じた中河内くんの出演舞台をかつて何度も観たので、「最近の彼も頑張っているのかなぁ」と思いながら、この記事を拝見しました。
もともとダンサーとしてスタートした中河内くんだったので、「今回の舞台もダンサブルな内容だったんだ。きっと、水を得た魚みたいに踊ってたんだろうなぁ」と楽しく想像しました。
舞台の内容からは離れた感想でごめんなさい。中河内くんの名前を記事に見つけて、つい嬉しくなってしまいました(^^;)
香ん乃さんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました!
え、そうだったんですか、中河内雅貴、香ん乃さんはこれまでに何度も舞台で見られていたんですね!
へえー、元々ダンサー出身だったなんて、知らなかった!
全然記事から離れた話じゃないですよー。
実はね、「中河内くんのダンスがもっと見たかった」って言われて、「ヘ?確かにここではダンサー希望、という役だけど・・」って思ってたんですよ。
今回の舞台では、周りたくさんダンサーが居たからか、それほど中河内くんのダンス自体が目立っていなかったかもしれません。
今結構人気がある人なんですね、もしかして。実際、グッズ販売のところではすごく大きく名前が出てたんですよ〜!
そしたら、香ん乃さんのアンテナに引っかかっていた人だったなんて^^
香ん乃さんのアンテナも、相変わらず幅広いなあ〜♪
おもちゃ箱を開けたみたいな、色んな要素がいっぱいつまった
楽しい舞台でしたね〜
(これで、メインのお芝居がもう少し面白ければなぁ…ゴニョゴニョ)
同時に大阪でも開催されていて、そちらは演出家も違い
見せ方も違うらしいので、どんなだったのか気になります〜。
中河内さんって、弟役の方ですよね。よく通る声で良かったです〜。
ソロで踊るシーンもありましたが、そうかダンサー出身だったのか。
これから色々な場所で活躍しそうでしたね。
Ochiaiさんへ★
こんばんは〜♪コメントありがとうございました!
楽しかったです、この舞台。
ダンスを見ているだけで、普通の人の倍くらい楽しめちゃったのかもしれないんですけどね。
基本のストーリーは本当“素材の一つ”って感じでしたね。
ジャンルの壁を超えようっていう努力はすごく良かったな、って思います。
大阪の舞台はどんなんだったんでしょうね、気になります。
基本的なコンセプトは一緒なのでしょうか?