171●『252 生存者あり』
もうすぐ今年も終わり・・・。
早いなあ。一年て何て早いんだろう。
もうすぐ今年のベストを選出しなければいけない時期がやって来てしまった。
てことで、TV製作の映画とは全く知らずに、日本発の本格パニック映画なのかと思って、見に行ってしまいました。
ストーリー・・・
関東に直下型地震が発生して数週間後、都心の機能は回復しつつあった。しかし、この地震の影響で海水温度が急上昇、それは巨大台風を発生させ、その脅威が臨海副都心に迫っていた。東京消防庁のハイパーレスキュー隊が必死の救助にあたるなか、音波探索機が高潮による水没で壊滅した新橋の地下から「2、5、2(生存者ありの暗号)」の音をキャッチ。ハイパーレスキューの暗号を知っている人間が地下に閉じ込められているのだ。・・・
‘監督・脚本:水田伸生
原作・脚本:小森陽一
こちら、きっと一番やりたかったのは、パニック描写?
人々が逃げ惑うシーンや、ドッカンドッカン雹が降るシーンとか、建物がバカスカ壊れるシーンとか、すごく楽しそうに撮ってる。
こう、思いっきり「壊して楽しい〜!」っていう爽快感はあるのだろうけど。
「こんなにお金かけていいの?こんなに壊しちゃっていい?ああー、嬉しいなあ!いいなあ、映画って!」そういう気持ちでいっぱいだったのかも。
脚本はところどころ、変な台詞とかあったり、展開も「んんんん〜??」という感じで、もう、天然素材。
自分としては、『ワールドトレードセンター』とか『Uボート 最後の決断』とか、そういう感じなのかなーと期待してしまったのだけれど・・・。うーん。ちょっと遠かった。
山田孝之の役どころは最初、あんまり嫌なやつで、見ていて辛くて。
かと思えば、木村祐一の役どころは、お笑いポイントがなんだかズレていて、トホホ・・・。と思ったのよね、初めの辺りでは。
一番ビックリしてしまったのは、輸血を超テキトウに行っちゃうシーン!
水槽の水を綺麗に保つ機械(自社製品の会社の巻き起こしを図って、2千万だっけ?開発費がかかっている、開発中の製品だとか。)の、管の部分を、二人の人間の血管にブスブスぶっ差してしまう!なんとなんと!これには、あまりにビックリしてしまった。何より、輸血が必要というほどの重症の怪我という設定なのだけれど、腕を怪我しているだけの軽症にしか見えない、・・・これは見せ方が問題なのだけど。それに、この機械の動作性をテストしてみるといった確認もしないで、「完成したばかり」という新しい機械をいきなり使ってしまう、というのも怖い。そして輸血の際に、何か別のもので入り口となる部分を切ってからではなく、管そのものをいきなり挿入するのも、ちゃんと血管に届くのかどうなのか、見ていて怖ろしくなってしまった。
軽く逆に「今、自分て、途方もないものを見ているんだなあ!よお〜うし!これ最後まで付き合うぞ!」と決意を新たにした。
私、TVドラマも、TV制作企画の映画とか、ほとんど見たことがないので、逆に新鮮だった。へえ、TVのカメラって、こんなんなんだ!とか、こんな盛り上げ方しちゃうんだ!とか、いちいち驚きながら見てしまったよ。
普段TVドラマを見ないだけに、こうした演出の数々がうっとおしく感じてしまって。
申し訳ないのだけれど、自分はこうしたやり方が苦手。
そのため普段からドラマを一つも見れないぐらいで、こういうものに慣れていないのです。
だから申し訳ないけど、辛口になってしまうよ。
それにしても、ラストの見せ方だけは本当に勘弁して欲しかった。
音楽の使い方、カメラの使い方・・・全てがウザく、臭くて、いかにも「TVドラマ」風。ぞっとした。
ここぞ、という時の音楽の使い方、映像の見せ方、あまりにも画一的で見ていてやり切れない気持ちになってしまった。
普段ハズレの映画を見に行くことがあまり多くないだけに、自分には珍しい選択だったかも。
今年一番の天然大賞を贈呈したい。
2008/12/20 | 映画, :SF・ファンタジー
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コメント(26件)
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映画「252??生存者あり??」
気圧の世界最低記録は870hpa、1979年日本列島を蹂躙した台風20号で観測されたもの??異常気象に自然災害に経済危機、暗い世の中にも感動の物語??
関東を震度5強の地震が襲う、続いて不穏な動きは小笠原諸島近海、海水温度の急上昇がもたらした史上最大級の台風が首…
あの緊急輸血方法は実際に災害現場でやったことがあるそうですよ。
ちゃんと医師の指導のもとでやってますので・・・
あたりまえでしょ。
とらねこさ〜ん、こんにちは!先日は、お忙しい中、ご挨拶前に足を運んでくださり、温かいコメントをいただき、本当にどうもありがとうございました。とっても嬉しかったです!!
とらねこさんには、いつもご相談にのっていただいてばかりで、スミマセン(><)!またはじめます、と再開をご報告するのに躊躇しました。更新も内容も気ままなものになると思うし、先も考えてないといういい加減さなので(^^;)。ときどき覗いていただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
ところで、この映画は・・・だったんですね(笑)う〜ん、邦画は人情ものは素晴らしいものが多いけど、パニックものはあんまりですものね。この予告編で「252〜!」と叫んでるシーンを観て、ちょっとどうかなと思っていたのですが、やっぱり!出演俳優さんは魅力的なのに残念。これは観賞パスですね・・・
映画ブログ周りをしていて辿り着きました。
人それぞれに感想は多様と理解をしてはいますが、この評価の仕方は最低ですね。
TVうんぬんだからという括りには理解できかねます。
せめて救命救急に関わる知識をもって語っていただければと。
拝読して遺憾でしたので、失礼ながらコメントさせていただきました。
こちらは影響力の大きな有名人気ブログのようでしたので、それだけにとても残念です。
ななさんへ★
こんばんは。コメントありがとうございました。
そうなんですか、あの輸血方法、本来は輸血用でない、水槽の水を綺麗に保つ機械がそうした危機に使われたことがあったのですね、なるほど。
>「医師の指導」で
この映画のシーンを思い出していただきたいのですが、山田扮するインターンが、自ら率先して動くわけではなく、指導も行うことなかったので、見ていてハラハラしました。
JOJOさんへ
こんにちは〜♪コメントありがとうございました!
JOJOさん、メールもいただきありがとうございました。まだお返事をしていなくて、申し訳ありません・・。
お気遣いくださり、ありがとうございます。そのうちメールは返しますね!
ブログ再開、おめでとうございます。
そんなに気張らずに、好きなことを書く分には、ブログって楽しいですもんね。
タイトルも変えられたこと、きっといい方に作用すると思っています!
こちらこそ、今後も仲良くしてくださいまし!
さてこの映画ですが、自分は前情報を一切入れずに(チラシも読まずに)見るのが好きなんですが、
それが悪い方の結果になってしまいました。
今年のベストを作るのに、邦画の絶対数が足りないと思って、ちょっと焦って見てしまったのですが、
ますます邦画離れを起こしてしまいそうです。
通行人ですがさんへ
コメントありがとうございました。
せっかくお越しいただいたのですが、あまりこの映画に満足できずに、このような感想になってしまいました。
物語以前のところで、このお話に入り込むことが出来なかったのが残念です。
救命救急に関する点のみならず、危機的状況で知らない者同士が心を通い合わせるシークエンス、家族愛を描いた部分、自分の仕事に誇りを持つといったこと、命を大切にすると一口に言っても、何を犠牲にし、誰を見殺しにするのか。人一人の命が大事なのか、大勢を救う方がより大事なのか。自分の命を危険に晒してまで人の命を救うという行動の限界点と、そこにある葛藤。自分の家族であれば救命士にとって、優先するのは人間心理として当たり前であるが、一緒に救命活動をともにする仲間の命まで危険にさらすのは、ではどうなのか。・・
と、様々なことが物語中で描かれていましたが、自分にとっては全然入り込めずに、演出の下手さ、カメラワークの下手さ、台詞一つ一つの下手さが目に付いて、真面目に映画を楽しむゆとりを失ってしまいました。「これは映画というより、TVドラマ風である」という感想になってしまって、残念です。
ですが、どうぞご安心を!私のところは、「有名人気ブログ」ではありませんから!一言で言えば、「マイナーな映画好きブログ」です。
最後に、ご訪問どうもありがとうございました。
この映画で一番ダメなところは製作陣が自然災害について何もリサーチしていないところ。
阪神大震災を経験した者から言わせていただくと、被災者をおちょくっとんのか?と思えるシーンも多々ありました。
TVドラマの延長云々ということについては私もとらねこさんの意見に同調します。
TV局の作った映画のレベルが下がってきているのは間違いなく事実ですもん。
お金払って映画館に見に来ているだけのクオリティだけは保ってほしいですよ。
『252 生存者あり』
日本テレビ開局55周年記念で製作されたこの映画。『海猿』を作ったフジテレビをも壊滅させる映像やパニックとなる東京を描いているシーンは凄く見応えがあったものの、日本地図を無視した設定と緊張感の欠片もないラストには幻滅させられました。台風や地震などの自然災害に….
にゃむばななさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
確かに自然災害のシーンもちょっとあれでしたね、まあ、そこはきっと『インディペンデンス・デイ』とか『デイ・アフター・トゥモロー』みたいな映像が撮りたかったことの表れかな、と自分は思いましたです。
TVドラマ映画でしたね、でもついでに『K-20』も見てしまおうかな、なんて考えています。
やけくそじゃありませんよ(笑)
『252 生存者あり』 @丸の内ルーブル
関東に直下型地震が発生して数週間後、都心の機能は回復しつつあった。しかし、この地震の影響で海水温度が急上昇、それは巨大台風を発生させ、その脅威が臨海副都心に迫っていた。東京消防庁のハイパーレスキュー隊が必死の救助にあたるなか、音波探索機が高潮による水没で
252生存者あり
災害は来たら怖いですよね〜絶対に起こらないとは限らないので考えますよね〜話の内容は良かったですよ〜なんといっても各シーンの迫力そして感動ありますます目が離せなくなりました実際起こったらと思うと怖かったですけどね地下って便利なんですけど地震や洪水の時は怖…
252 生存者あり
【2008年・日本】ジャパン・プレミアで鑑賞(★★★☆☆)
史上最大規模の巨大台風が日本に直撃し、その中で繰り広げられるハイパーレスキューの活躍を描いたヒューマン・ドラマ。
東京に震度5強の地震があった数日後、海水温度の急激な上昇によって太平洋上に史上最大規…
こんばんは、とらねこさん♪
その作品をどう感じるかは本当に人それぞれなんだけど、未だにこういう自分の意見以外の感想を認めないって人がいるんですね。
邦画は面白い作品もあるんですけど、何だかポイントがずれた作品が多いんですよね。
お金をかければ大作。
有名な役者が出てれば大作。
感動させれば大作。
何だかちょっと違うんですよね〜。
ちなみに「K-20」は意外と面白いですよ(笑)。
ともやさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございます。
>お金をかければ大作。
>有名な役者が出てれば大作。
お金をかけたこと、有名な役者を出したこと、そういうことが自分にとってのポイントには全くならないんですよね。それより、
>感動させれば大作
全く感動が出来なかったのが困りました。
>K-20
意外に面白かったですか?あまり期待せずに見ようと思っています♪
映画:252??生存者あり??
クリスマス&イヴは1,000円ということで、2本立て。その2本目は252??生存者あり??を観てきました。
今年、77本目です。これが2008年のトリかなぁ?あと3本行きたいけど、それはきっと無理でしょうが、あと1本くらいは観たいです。でも年賀状書かなきゃ・…
ご無沙汰です。
仙崎大輔にそっくりな男が主役はっている時点で駄作は確信していたのですが、最後の感動の押し付けは本当にうざかったですね。
山田孝之は、最後、伊藤の娘を庇って死ぬのではと睨んでいたのですが、生き残りやがりました。まあ、どうでもいいことですが。
252 -生存者あり-
12月24日(水) 18:50?? 丸の内ルーブル 料金:1250円(チケットフナキで前売りを購入) パンフレット:800円(高い!買っていない。) 『252 -生存者あり-』公式サイト 地雷を覚悟で見に行った。 10階をも越える津波が来るのに、銀座、新橋、虎ノ門ぐらいしか陥没…
バラサ☆バラサさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
主演の人はまあ、自分は邦画の俳優の中では、それほど大根っぷりが気になる俳優でもないと思うのですが(アレ?全然フォローになってない)、
最後の感動の押し付けは本当に不快でしたね。
泣いている人がいたんですけど、本当にビビりました。
そうなんですよね、山田孝之、本当に死ぬかと思ったのですが、生き残ってしまいましたね(笑)
「252 -生存者あり-」 待つ身のつらさ
小笠原近海で発生した地震によって、海底のメタンハイドレードが溶出。 そのために局
252 生存者あり 2008年日 ☆4.0(5点満点)
Mhb vol.1010
2008年12月08日 19時00分 発行
水田伸生監督。伊藤英明、内野聖陽出演。
関東に大きな地震が起こって数週間後、東京湾海底では地盤の亀裂が多数見つかり、海水温が急上昇していた。蒸発した水分は、いまだかつてないほどに大きな台風を作ろうとしてい….
『252 生存者あり』
パニックムービー好きの自分としては、これも観なきゃいけない1本ではありましたが、一緒に観ようと思っていた友達との都合がなかなかつかずに延び延びに。
やっとのことで、新宿ミラノ3で鑑賞してきましたー。
評判が悪かったので、どうかなーと思っていたんだけど、作品…
252??生存者あり??
「2、5、2!生存者あり!」の台詞が印象的なCM。
賛否両論みたいですね。
観てみましょう。
関東に直下型地震が発生して数週間後、
都心の機能は回復しつつあった。
しかしこの地震の影響で海水温度が急上昇、
それは巨大台風を発生させ、
その脅威が臨海副都心に迫っ…
252 生存者あり
2008年:日本
原作:小森陽一
監督:水田伸生
出演:伊藤英明、杉本哲太、ミンジ、香椎由宇、桜井幸子、木村祐一、内野聖陽、山田孝之、山本太郎、阿部サダヲ、温水洋一、西村雅彦、杉本哲太
首都圏を襲った直下型地震から数日後の東京。都市機能はほぼ回復し、いつ….
252 生存者あり
2008年:日本
原作:小森陽一
監督:水田伸生
出演:伊藤英明、杉本哲太、ミンジ、香椎由宇、桜井幸子、木村祐一、内野聖陽、山田孝之、山本太郎、阿部サダヲ、温水洋一、西村雅彦、杉本哲太
首都圏を襲った直下型地震から数日後の東京。都市機能はほぼ回復し、いつ….
『252 生存者あり』’08・日
あらすじ発端は首都圏を襲った直下型地震。その強大なエネルギーが自然災害の連鎖を引き起こし太平洋上に発生した史上最大の巨大台風を引き寄せ・・・。感想説明不足迫力不足2時間…