トルコ旅行6日目:イスティクラール通り、アナトリア音楽
ハマムで垢を落とし、サッパリした私たち。
一旦ホテルでゆっくりし、最後の夜のために、めかし込んで出かけました。
旧市街から、新市街へ。
クラブや、ライブハウスは、ここ、イスティクラール通りに何軒かあります。
カラキョイから、タクシーに乗り(9時過ぎると、メトロが終わっちゃうのです。早!)、イスティクラール通りの魚市場まで来ました(左画像)。
イスティクラール通り、魚市場の入り口にあるレストランで、道を聞きました。すると、この時期は、私の行きたかったライブハウスは、どれもラマザン中のため、閉店中だとか。
私ときたら・・・。「こんなことなら、夏フェスの時期に来れば良かった」と、この旅行中に何度後悔したかしれません。その何度目かの後悔を、この時は最大限にしていました。
普段、トルコ人は音楽が好きなので、毎日のように大混雑しているのだけれど、今の時期、これらの店は閉まっているか、開いてるとこもあるけど、まったくの閑古鳥が鳴いていて、つまらないよ・・・。そんな風に教えてもらいました。うーん、ガックシ
とりあえずは、丁寧に教えてくれたこのレストランで、ご飯を食べることに決めました。
この日は、流れに乗る、ということを第一に考えました。
私の経験上、自分の思うように行かない時は、その場の“流れ”というものに自分を合わせて行く。これを大事にしています。
時々ハッと、「自分はガツガツすぎる、アグレッシブすぎる、マイペース過ぎる」と感じる私です。そういう時に限って、何かをやっても、うまくいかなくなってくるんですよね。
そうした流れに歯止めをかけるべく、周りの意見、雰囲気、空気と言った目に見えないものに、自らを委ねていくようにモードチェンジをします。
突然、ギアチェンジをするかのように。そしてまた、空気がゆっくりと流れ出すのを感じるように。
As Pera Restaurant。
私たちが行ったのは、ここでした。
「ライブハウスがやってないなら、アナトリア音楽を聴けるところをどこか知らないだろうか?
私達は、トルコ旅行は初めてで、今日が最後の夜だ。
音楽が好きなので、どうしても生演奏が聞きたい。」
私は、ここで食事をし、こう尋ねました。
食事はゆっくり進みました。イカのフリッターや、エビのフリッター、マスのフライ(トルコ語ではアラバルク・タワ)など。そしてビール、EFES。少しづつ、ゆっくり出てきました。
ここに書いてあったお値段はなかなかいいものでしたが、最後の夜だったので、奮発しました。
店員のおじさんは、何度も行ったり来たりし、その長い間に「ちょっと待ってくれ」と、店の奥に行ったり来たりした挙句、とある提案をしてきました。
「ここのオーナーは、アナトリア音楽が好きで、よくいく場所がある。
良かったら、食事の後、あなたがたを連れて行ってあげようか?」
一瞬考えたのち、私は、ついて行くことに決めました。最後の夜だったし、是が非でも音楽が聞きたかった。
私がやりたいようにと、私の下す決断に一任してくれた友人には、本当に感謝します。
この時は大雨が降っていました。
ここのオーナーさんは、「雨が止んだら連れて行く。今は大雨だから、ちょっと待ってくれ」と言います。
私たちは、軒先の大雨を眺めながら、サッカーの中継を見ていました。
本当は、雨のせいではなく、サッカー中継があったためだろうと私は見ていました。
サッカーの試合を見ながら、トルコ語であれがどうした、これがどうした、と話す声が聞こえました。
大雨のイスティクラール通りの魚市場と、サッカー中継。
この風景は、私にとって、なんだか心に残る一枚になりました。
たいぶ待った後に、オーナーさんの車で移動し、『14/fubat』という、アナトリア音楽のバーへと連れて行ってもらいました。
オーナーさんと、先程の店員のおじさん。その後、そこのレストランの若い従業員を、次から次へと呼び出したようで、何人か見た顔が集まりました。夜中から始まり、明け方に終わるというこのアナトリア音楽のバー。
『クロッシング・ザ・ブリッジ 〜サウンド・オブ・イスタンブール』でもやっていたように、トルコの音楽の中でも、あまり若者には省みられない、伝統的かつシンプルなスタイルの音楽です。
エレキのサズを、アンプに差して、一本のサズと、ダルブーカだけで、演奏する、極々シンプルなフォーク音楽です。
「ここに日本人の女の子が来るなんて!」
レストランの店員のおじさんは嬉しそうに、珍しそうに、(珍獣でも見るかのように)私達を見ていたので、私もなんだか可笑しくなってしまいました。
私たちは、アナトリア音楽に合わせて歌ったり、途中みんなでダンスをしました。
アナトリア音楽に合わせて踊るダンスは、今まで見たことのない民謡舞踊でした。イメージ的には、何となく『タイタニック』でアイルランド音楽に合わせて踊ったような、あんな感じの音楽を思い出してくれたら、そう遠くはないかと思います。
途中、私は一曲、アナトリア音楽をリクエストしました。
『クロッシング・ザ・ブリッジ 〜サウンド・オブ・イスタンブール』、『愛より強く』で共通して流れていた、ファティ・アキンお気に入りの一曲、あの曲です。
『窓から道が見える』という曲。
私が鼻歌を歌ったら、「おー、あれか!」と言うので、目を輝かせて期待したのですが・・・。
私の鼻歌がまずかったのか、違う曲がかかったのにはガッカリしてしまいました。
(多分曲調が似ていたんでしょう。それに、私がニャーニャー歌ったのもいけなかったのかもしれない・・・。)
オーナーさんは、英語が喋れなくて、ずっと黙っていました。
でも、食べたり飲んだり、踊ったり、とても楽しい時間を過ごしました。こちらはトルコ語も喋れない日本人の私達でしたが、彼らが一生懸命もてなしてくれたのは、すごく嬉しかった。
オーナーさんは、レストランの他に会社をいくつも経営していて、今度、三菱重工の仕事の関係で、日本に来るのだとか言ってました。
帰ったのは明け方の2時半ぐらいだったかな。
この日もまた、楽しく過ごせた一日でした。
そんな最後の夜でした。
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2008/10/06 | :トルコ
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コメント(4件)
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おお、これこそが旅の醍醐味!
ライヴハウスがお休みだったのは、残念でしたが、、アナトリア音楽の生演奏っていうのも、すっごくステキじゃないですかー♪
おじさんたちのもてなしもいいな、いいな。
トルコで本場のウード演奏を聴いてみたいものだ。
その土地ならではの音楽、芸能鑑賞は大きな旅の楽しみの一つなのでありますよね。
私は、ベリーダンスショー見ただけだったかも。w
とりあえず、愛より強くのサントラでも聴こうっと。
かえるさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました!
そうですね、アナトリア音楽、聞けて良かったです。
この音楽は、親切なトルコ人のおじさんのもてなしとセットになると、余計楽しくて思い出深いものになりましたよ
みんなで踊ったりも、本当に楽しくって。
ベリーダンスショーも、なかなか素敵でしたね。
私もカッパドキアで見ました♪
愛より強くのサントラまでお持ちなんですね^^
あぁぁ〜、何て素敵な音楽との出会い!!素晴らしい一夜を過ごされたんですねぇ〜!
>トルコの音楽の中でも、あまり若者には省みられない、伝統的かつシンプルなスタイルの音楽です。
だなんて、最高ですね〜!もう、出るのは溜息ばかり・・・。はあぁ、よいですねぇ!!
伝統音楽あるいは民族音楽とは言っても、その音楽の形態はどんどこ変化して、もう伝統音楽とは言えない、なんていう風になってしまっているという昨今の流れの中では、ほんとに貴重な体験されたんだなあ、って読んでてもうどきどき興奮してしまいました。
rubiconeさんへ
こんにちは〜♪コメントありがとうございました!
うんそうですね、どこの国でも、やっぱり古いタイプの音楽って、音楽業界だと隅っこに追いやられてしまうんでしょうけど、
生演奏が見れる機会があると、残された道は細くても累々と繋がっていく、と言えるのかな?なんて思いました。
たとえば日本だと、演歌とか民謡みたいな感じなんでしょうか。
本当は自分は、クルド音楽が聞きたかったんですけど、それはもっとレアで、到底難しくて、・・・アナトリア音楽になってしまいました。
でも、rubiconeさんのお言葉、とっても嬉しかったです。ありがとうございます!