ハモンハモン、ゴールデン・ボールズ(無修正版)、スカートの奥で
『コレラの時代の愛』でのハビエル・バルデムを見ていると、「ハビエル・バルデムって、こんなじゃないのにー」感が自分の中で勝手にどんどん強くなり、スペイン時代の彼の作品がまた見たい!見たい!となってしまいました。
『ハモンハモン』
’92年、スペイン
監督:ビガス・ルナ 脚本:ビガス・ルナ キュカ・カールス
出演:ハビエル・バルデム ペネロペ・クルス アンナ・ガリエナ ステファニア・サンドレッリ ジョルディ・モリャ
ストーリー・・・
スペインのあっけらかんとした熱いラブ・コメディ。スペインのごく小さな街で繰りひろげられる男女6人の恋愛ゲーム。金持ちの息子と、彼の子供を身ごもっている娼婦の娘。二人の仲を引き裂こうとする金持ちの母親と、母親に雇われた男。そして、もう一組のカップル。それぞれに思わくを秘め、策略をめぐらせて関係していく。・・・
この作品を探すのには、すっごく苦労したのを覚えている。見たくてずっと探していたんだけれど、なかなか手に入らなくって・・・。
これを見ると、「スペイン映画ってすごーい!」となんだか頭を殴られたような気にすらなったの。
スペインの男ってすごいな、だけどスペインの女ってこんなにセクシーだから、しょうがないのか。・・・そんな感じで、もうカルチャーショックっていうか、人種の持つ性欲の強さにも違いがあるのかもーみたいに、強烈な印象を残してしまった作品。話自体がどう、ということではないんだけれど。とにかくなんだか違う。アメリカ映画とも、フランス映画とも。
この作品がスペイン映画、なんて言い切ってしまったら、怒られてしまうと思うんだけれど、とにかく、私のイメージのスペイン映画ってったらこの作品。
ハビエル・バルデムにしても、この作品が出世作になったし、この当時のペネロペってば本当に綺麗!
「男にはとりあえずにんにくを食わせとけ!」と、当時、つきあう男にことごとくにんにく料理を食わせる私が居ました(照)。
『ゴルデン・ボールズ(無修正版)』
’93スペイン
監督:ビガス・ルナ 脚本:ビガス・ルナ キュカ・カールス
出演:ハビエル・バルデム マリア・デ・メディロス ベネチオ・デル・トロ エリザ・トゥアティ マリベル・ベルドゥ
ストーリー・・・
ベニート・ゴンザレスは、好きだった女に振られると、その後は、自分のイチモツのような、固くて大きい、「誰よりも高い建物を建てよう」と、無一文から奮起して一大不動産業を興す。そのやり方は全く独善的だ。自分の愛人クラウディアを使って融資を得る、更に銀行家の娘と結婚。自分の思った通りの人生設計を描くために、どんな手段も用いるのだった。・・・
途方もない大きい夢を描き、子供が砂場で砂遊びをするみたいに、夢中になって自分の夢を適えようとする男。ムチャクチャなやり方だが、どこまでも男らしく、その欲望は尽きない。
このベニトって男は、何故かモテる。無茶だろうがなんだろうが、性欲が強く、果てしない欲望の果てに、女も一緒に夢を見るのだろうか、傷つきながらも・・。
酷い男と知りつつ、それでも愛し続ける女たちが切なく、女たちの優しさもまた感じる。
こんな男は阿呆にしか思えないだろうか?こんな男を愛する女たちもまた、間抜けにしか思えないだろうか?
人生ってこんなものかもしれない。
ところで、ベニチオ・デル・トロが出てるんですけど〜!私的には、『ユージュアル・サスペクツ』(’95年)でその名を覚えたデル・トロ。『トラフィック』(’00年)に出る直前てことなのでした。
『スカートの奥で』
’99年、スペイン
監督:マヌエラ・ゴメス・ペレイラ
脚本:マヌエラ・ゴメス・ペレイラ ホアキン・オリステル ヨランダ・ガルシア・セラノ
出演:ハビエル・バルデム ビクトリア・アブリル アルメロ・ゴメス カルメン・バラゲ セルジ・ロペス
ストーリー・・・
セックス依存症向けのセラピーで出会ったハビエル(ハビエル・バルデム)とアマンダ(ビクトリア・アヴリル)は互いに惹かれ合う。2人は依存症を治すために欲望を隠すのだが、絶えきれず激情のままに関係を持ってしまう。・・・
冒頭のサスペンスフルな出だし、人の欲望と妄想との間に横たわる、一つの謎・・・
冒頭や、前半の流れがものすごく上手で人を惹きつけるのに対して、後半の流れがちょっとイマイチ。もったいない感じがしてしまう。
でも、途中までは本当に面白かった。どうしてこう、性欲というものが人を狂わせるのだろう。
計画の全体像が分かってしまうと、魅力は多少半減になるものの、一風変わったサスペンスとして見れば十分。面白かった。
2008/08/31 | 鑑賞DVDメモ
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コメント(12件)
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実はハビエルさんもペネロペも苦手でずっと避けて来たのですが、ある俳優さん目当てに『ハモンハモン』を見て、“ハビエルさんってカッコイイところもあるかも・・・”と思えるようになりました(笑)
とある作品での、可憐なゲイ役も良かったんですけどね(^^)
『ゴールデン・ボールズ』は、滑稽過ぎて哀愁が漂ってしまう男の性が、印象に残ってます。
それにしても、何でこんな邦題なんでしょうね。
現代の意味とは、ちょっと違うんですけど・・・
>「スペイン映画ってすごーい!」
嗚呼とらねこさんにも、あれこれスペイン映画を押し付けてあげたい(爆)
うわー、なんかすごく興味が沸いてきました(笑)
「ハモン ハモン」かぁ。これはぜひちょっと探してみまーす。
私の中ではスペイン映画っていうと「マルティナは海」です。
なんか見方によっちゃ陳腐な気もするんだけど、最初に見たときの印象が強かったせいか、いまだに。
そーですか
そーですか
やっぱりハビエルはチンコでかそーですか
こんにちはー。
ビガス・ルナ監督作の前2本は観たことありますー。
この記事読んだら、久しぶりに見直してみたくなりました。
ハビエル・バルデムって若い時は妖しいセクシーさが売りでしたよねー。
とっても強烈な映画を撮る監督と主演俳優だなーって思いながら。
哀生龍さんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました!
>ある俳優さん目当てに『ハモンハモン』を見て
あ、もうその時からすでに!?その“ある俳優さん”は、もしかして『マルティナは海』でお気に入りになった、という順番でしたでしょうか?
私も実は、『ハモンハモン』より『マルティナは海』の方が先に見たんですよん。
そういえば、哀生龍さんと仲良くなり始めた2年以上前に、「私ハビエル・バルデムが好きなんですー
」って言ったことあるんですよ。覚えてらっしゃるかしら?
今考えれば、ハビエル・バルデムって、哀生龍さんの趣味からはほど遠いような気がしますw
その頃はいろいろと無茶なことを、哀生龍さんに向かってお話ししておりました・・。
哀生龍さんはスペイン映画詳しいですもんね!是非ともいろいろ教えて欲しいです♪
そしてスペイン映画好きのオフ会も連れてって欲し〜!
あすかさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました!
あ、あすかさん、『マルティナは海』見られましたか★
うん、その『マルティナは海』は、この『ハモンハモン』『ゴールデンボールズ』と同じ、ビガス・ルナ監督作品なんですよ!
「これってすごいスペイン映画っぽい」って思わせる感じがあるんですよね〜。うん!この監督って。
私も『マルティナは海』の方が先に見たんです〜。
私にとっては、ペドロ・アルモドバル監督が一番、スペイン映画の中でも好きで、とても他とは比べられないんですが、
ペドロ・アルモドバルは逆に、“スペイン映画”という範疇じゃないかも♪
あすかさんはアルモドバルは好きですかー?
gsさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございます!
アハハハハ!そーなんですよ、まさにその通りで♪
『ハモンハモン』だと、冒頭でいきなり、下半身が下着姿で大写しになる映像から始まるんですよ!それはもう・・・ゲホンゲホン
ちなみに、ペネロペの胸上映像、すごいですー。
由美かおるにも匹敵しますよw
★しんぽん★さんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました!
そうですね!なんだか、強烈な印象の映画を撮る人ですよね!ビガス・ルナ監督って。
>若い時は怪しいセクシーさが売り
本当ですよね!こう、過剰なセクシーさというか(爆)、
スペイン男の中でも、とりわけセクシーなイメージを持たれてたって感じなんですよね。
観てる方は“胃もたれ”するぐらいの(爆)
またまた参上!
>『マルティナは海』でお気に入りになった、という順番でしたでしょうか?
最初に見た「ブロウ」では大して気にも留めず、次に見た「パズル」で引っかかり、その後で「マルティナは海」を見て、「ハモンハモン」の前に「裸のマハ」、そして現在に続く・・・
って順番です(笑)
>私ハビエル・バルデムが好きなんですー
うっすらと記憶に残ってます。
哀生龍はハビエルさんもアルモドバル監督も苦手だったので・・・(^^ゞ
ごめんなさぁ〜い。
>そしてスペイン映画好きのオフ会も連れてって欲し〜!
次いつ開催するか全く未定ですが、その時には声をかけますね!
ただし、哀生龍の「ホルヘが・・・」と言う暴走をガマンして頂くことになりますよ(笑)
哀生龍さんへ
へー、ジョルディ・モリャ、『ブロウ』にも出てたんですね!私、この映画は好きで何度も観てるんです♪
浜辺でコカイン産業に携わる、現地人の役ですよね。うん、いかにもな味わいのカッコいい人ですよね。こわいけど。。
『パズル』、面白そうですね。『裸のマハ』にも出てたんですね!私この映画もすごく好きだった!
へーへー、ほーほー♪
はーい、是非是非スペイン映画のオフ会、連れてってください!
それまでにいろいろ予習しておかないと
お〜〜、同じ監督なんですか。
それは納得!
なんか官能的な作品が多いですね(笑)
私、高校時代に初めて「マルティナの海」を見たのでちょっと衝撃的でした。
官能的だけど、いやらしくないっていうか。
気になります〜〜、ハモンハモン。
アルモドバル監督好きですよー。
作品はほとんど観てます。
色使いとか大好き〜。
最近の「ボルベール」も私はすごく好きでした。
あすかさんへ
『マルティナは海』の頃、まだスペイン映画をそれほど多く見たことなかったので、私も、スペイン映画をこれから見ちゃおうかなー、とかって思い始めましたのを覚えてます。
あすかさん『マルティナは海』の頃、まだ高校生だったんですか。うわー。私だったら、絶対その頃じゃ、良さが分からなかったですよー。
私はレオノール・ワトリングだったら、やっぱ『トーク・トゥ・ハー』です〜。
アルモドバル監督、好きですか!嬉しいですね。
私も『ボルベール』大好きでした!
シンプルだけど、単純じゃないんですよね。大好きです!アルモドバル。力強くて、あったかい作品でした!