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70●スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー

スウェーディッシュ・ラブ・ストーリーみずみずしい初恋。小さな男の子と女の子の恋を描いた物語というと、『小さな恋のメロディ』を思い出した。
私がこの映画を見たくなったのは、実は元Blanky Jet Cityの曲に、同タイトル曲(『小さな恋のメロディ』)があったから。


『小さな恋のメロディ』という映画を、見たことがないなら、
早く見た方がいいぜ
俺の血はソイツで出来てる
12歳の細胞に流れ込んだまま、まだ抜け切れちゃいない


この曲を聴いて、「必ずこの映画を見たい」と思っていて。
そのくせ、なかなか実現させず、見たいな〜という思いを、ずっと抱えてたのを覚えてる。
なぜか、「見たいな」という気持ちそのものが大事になってしまう時があって、むしろ実現させてしまうより、抱えているのが大事だった。ちょっと分かりずらいんだけれど、何となくわかってもらえるでしょうか?

私にとっては、その映画を実際に見るより、「この映画は見た方がいいぜ」って歌う浅井さんが好きだったんだろうなと思う。
でも、実際に見てみたら、意外に面白かった。

少年と少女の幼い恋。


特にラストが好きだった。二人だけで駆け出す恋心。


そんな『小さな恋の物語』に似ているなあ、と思ったら、なんと、このロイ・アンダーソンの’69年の『スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー』は、
この『小さな恋の物語』と、二つセットで同時上映として、’71年に日本公開されたんだ、とか。それを聞いて心が躍ってしまった。
へえ〜。青春二点セットかあ


『小さな恋の物語』が、まだ幼い子供同士の物語なら、
こちらの『スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー』は、その後の、思春期を迎え、第二次成長期の真っ只中にある、少年と少女の物語。
14歳の少女、アニカ(アン・ソフィ・マリーン)と、15歳の少年ペール(ロルフ・ソールマン)の、初恋の物語だった。


ストーリー・・・
暖かい春の日が降り注ぐストックホルム郊外の療養所。15歳の少年ペール(ロルフ・ソールマン)は、美しい瞳とあどけない仕草の少女に目を奪われた。少女の事が頭から離れなかった。そんなある日、小さなカフェで少女と再会する。少女の名前はアニカ(アン・ソフィ・マリーン)、14歳。高鳴る胸の鼓動が一層ペールを掻き立てる。そして、二人は急速に近づいていき、ただ愛する事の幸せをかみしめていくのだった。ナツの終わり、アニカはペールの別荘を訪れる。きらきらと輝く、太陽の下、口づけの意味も、愛がどういうものなのかもまだ知らない二人の幼い恋は、確かなものへと変わっていくのだった。・・・


自我が発達して、まだ自分を上手に表現出来なくて、思ったことが言えなかったり、目を合わせるのもこわごわだったり・・・という気持ちは、すごく良く分かる。


だから、二人が上手くいき始めると、あっという間に抱き合ったり、意外に早い展開。
恋心と体の成長のバランス、というのがまだ上手く取れていない二人。
・・・とは言え、外国の人達って、初体験早いよね。
体の成長も早いんだろうけど。

少年の初体験で、外国人というと、いつもリバー・フェニックスの初体験を思い出す私。
13歳で、『スタンド・バイ・ミー』の撮影の最中、と後で聞いて、心を痛めたのが17歳の時の私ですよ。「私だってまだだって言うのに」・・・とか思いながらw。ま、それは余談ですが。


それにしても、やはり少女が先に大人になったカップルだからこそ、こうしてすんなりと事が運んでしまうんだろうな、って、あの部屋で抱き合う二人を見て思った。
だってー、マズイよ、あんなに足出したら。
ワンピース一枚なんて、単なる布のキレッ端じゃないか!なんて、こっちがハラハラしながら見てしまったということは、もう私は十分イイ年だからか!?


私も、足を出す格好が好きだったけど、うーん、もうちょっと自分を出し惜しみしようぜ。とか思ってしまった。だってさ、こう、両思いってのが楽しいんじゃない。
十分、純愛を楽しんで、我慢に我慢をしてからにしようぜ。
だって、私は、もっと初恋なんて紆余曲折、七曲も八曲がりもして、元の目的地がどこだったか忘れるくらい、グルグル遠回りしてしまった初恋だったんですけど・・・。苦かったなあ、初恋


あんまりスンナリ体の関係を結んでしまう彼らに、それほど共感が出来たわけではない。
私なんて、私なんて・・・や、またそれは次回の時に(笑)。


とにかく、彼らの初恋に巻き込まれた大人たちの姿も、どこか滑稽で、ほろ苦く可笑しかったり。
同監督の『愛おしき隣人』にありそうなエピソードだったりもした。
私は『愛おしき〜』の方を先に見たのだけれど、こちらの『スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー』の方が私は好み。

初恋の甘さも苦さも、ホロリと甦る作品。

スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー@映画生活

 

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コメント(6件)

  1. 『スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー』 (1969)

    みずみずしさと甘酸っぱさに胸キュンキュン。
    ストックホルム。15歳の少年ペールは、14歳の少女アニカに出会う。本国スウェーデンでは公開当時70万人動員の大ヒットを記録した本作は、日本でも1970年に『純愛日記』という邦題で、『小さな恋のメロディ』と同時公開されて…

  2. とらねこさん、こんばんは。
    有閑倶楽部の一同が美童の故郷スウェーデンを訪れた際、黄桜さんが「フリーセックスの国よ」とはしゃいでいたことが印象的でしたー。
    テレビで垣間見た欧米のティーンズってば、昭和の日本少女から見たらエラくおませさんでした。
    日本じゃ金八先生の杉田かおるの15の母がせいぜい。
    14、15の頃、好きになるといったら、クラスメートの男子が相場な狭い世界だったな。
    映画は気に入りー

  3. まわりの大人がこぞってとんちきなのがロイ・アンダーソン風味でしょうか
    >ワンピース1枚
    スウェーデン人は風呂上りに全裸(『フローズンタイム』)のお国柄ですから出し惜しみしないんですよ、きっと(笑)
    あの状況で純愛を楽しむ余裕はないです!(断言)
    頭の血が全部暴れん坊将軍の方にいっちゃうから(笑)
    >小さな恋のメロディ
    あ、やっぱBJCの方ですか、筋少の方じゃなくて(笑)
    字余りロッカー浅井健一の書く詩はいいですよね
    なお美の血はワインでできてるらしいけど浅井氏の血は「小さな恋のメロディー」でできてる!
    もう、おまいら血液型は何型よと(笑)
    ディズニーランドに行くと「ディズニーランドへ」を思い出して軽くへこみます
    それがわたくしのBJC後遺症…

  4. かえるさんへ
    こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
    >有閑倶楽部の一同が美童の故郷スウェーデンを訪れた際、黄桜さんが「フリーセックスの国よ」とはしゃいでいた
    おお、かえるさんもですか!私も、小学生の時にこの漫画のこのシーンを読んだのですが、その後この一言を忘れたことはないです。
    私にとっても、スウェーデンと言えば、美童の国、フリーセックスの国ですよ。
    私のオキニは、頭の空っぽな体力自慢の悠理ですけど^^v
    14,15ですか・・・私の一番モテた時代です(苦)
    私の時代は終わった。

  5. みさま
    こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
    >まわりの大人がこぞってとんちきなのがロイ・アンダーソン風味でしょうか
    ギャッハッハ〜!!
    朝起きて、まず第一に大爆笑してしまいましたヨ!ありがとうございます〜♪
    本当、あの湖の出来事は、あっけに取られましたがな。
    な・なんだか、意味の分からないシーンでしたけどw
    ワンピース姿のフトモモの眩しさは、少年の目に毒でしたよね。
    女の子がまた、かわいいんですよね、これがまた。
    >筋少の方ではない
    あー、そうでした、そうでした。
    ごめんなさい、私、筋少って、『レティクル座幻想』までしか聞いてないので、『キラキラと輝くもの』は知らないんですよ。
    一番好きな曲は、『これでいいのだ』だし。
    ヒャッハ〜★なお美の血はワインで出来てるんですね〜。
    彼らは、もはや献血するナ!って感じですね。
    浅井さんが「字余りロッカー」って素晴らしいネーミング〜
    あー、なんだか今になって、もっとBJCが聞きたくなってきました。
    『ディズニーランドへ』も知らないですよ、私・・w

  6. スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー

    「愛おしき隣人」と同時上映された「A Swedish love story スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー」(69)は、巨匠ロイ・アンダーソンが弱冠26歳で創り上げた、奇跡の長編デビュー作がデジタルリマスターで甦る!!
    ベルリン国際映画祭で批評家特別賞など4冠に輝き、日本….




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