57●タクシデルミア ある剥製師の遺言
公開の随分と前からとにかく予告で目について、どうしようかな〜とずっと考えてました。
いや、何が嫌って、あの予告。
巨漢二人が入院先のベッドを訪ねて来て、女が手を伸ばすと、ベッドに居た男の顔に脇の汗が一滴落ちる。
ベッドの男はそれを舐める・・・という(オエー)
予告ではそれ以外にもたくさん驚天動地な映像、山盛り盛りだくさんだし、
もちろん本編は想像以上にもっと凄かった。
ストーリー・・・
兵士モロスコヴァニ(モロジュゴバニ・ヴェンデル)は、上官の中尉とその太った妻と二人の娘しかいない人里離れた前哨地点で、奴隷のような生活を送っている。不倫により彼の子を宿した中尉の妻はカルマン(バラトニ・カールマーン)を産む。成長し、巨漢になったカルマンは、共産政権下のハンガリーで国を代表する早食い競争の選手になる。カルマンはやはり同じ選手で巨漢のギゼラ(アッツェール・ギゼラ)と結婚。二人の息子ラヨス(バラトニ・ラヨシュ)は剥製師になり、ある計画を実行する。・・・
※注、登場人物の名前は、goo映画はじめ各種映画サイトの説明と同一のものを使用していますが、()内の俳優名は公式サイトの名前を使用しています。
公式サイトのものは、元のハンガリー語の音に揃えたものとなっている、とのこと。
もともと、登場人物名と俳優本人の名前とは、同じものを使用している、と思われます。
正直言って、「何をどう言っていいのか皆目検討もつかない」、というのが偽らざる気持ち。
「好き嫌いが別れる」とか、そういうレベルでは全然なく。
あまりの映像に、とにかく目をまん丸にして驚き入り、そのまま座席に貼り付いていたというか。
物語は、三部に分かれた構成になっていて、三代に渡る話。
祖父から、父親、剥製師である息子、この3人がまた曲者揃い。
冒頭の祖父がよくよく考えてみれば一番普通で、ジャブ、フック、アッパーカット!みたいな。
全体を通して「欲」に取り憑かれ、欲に正直で、それぞれが究極。
人が見たくない映像だとか、タブーだとか、兎角そういったものを見せてやろう!という意欲作。
見た後、さすがに食欲を失いました・・・。絶句。
エグいだのグロいだの、初めは驚きながら見るのだけれど、なぜだか見てしまう。
嘔吐のシーンが一番嫌だったかな・・・すごく間近、ドアップですよ・・・
最後の剥製師は、江戸川乱歩原作の『盲獣』を私は思い出してしまった。
自分の命を賭して、自ら芸術作品になってしまった男。
私たちは、見たくない物事、蓋をしておきたい事象、隠しておきたい陰部等、
都合の悪いことは伏せたまま、綺麗に取り繕って生きているけれど。
本当は見たいという欲求、したいという欲求があって、だけど禁止事項を自分に課して生きている。
そういうもの全てを、つきつけられている気がしてしまった。
とにかくグロさは超ド級。
問題作か?・・・間違いなく、問題作ですよ。
「人が目を背けるような倫理感に、真っ向から反発してる」という感じがする。
とにかく最初から最後まで、釘ヅケになって見れてしまうところがスゴイ。
ところで。関係ないけど・・・自分の話。
昨日。電車の中で酔ってゲロってしまいました。
さいてー・・・・・・・・隣にいた××さん・・・・・・・
ごめんなさいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ。゚(゚´Д`゚)゜。
自分の服・・・ゲロまみれェェェェェーーーー
赤坂見附辺りだったかな・・・とにかく、お洒落なところ。新宿渋谷とかだったら、行動範囲内なので、どっかで寝てから帰るとか出来るけど、あまり詳しくない場所だったのね。だからまっすぐ帰らなきゃならなくって。チト辛かった・・・・。
ゲロまみれなのに満員電車なんて(泣)
それにしても電車の中で、ってのは、人生二度目くらいだったかも・・
ハッΣ(・ω・ノ)ノ私はなんで、こんな話をしているんだろう?
この映画のエグさついでに話せば、まるで何でもないこと、のように聞こえるからかもしれません(小市民)。
2008/04/13 | :カルト・アバンギャルド
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コメント(31件)
前の記事: 56●ザ・フィースト(トークショーつき)
タクシデルミア ある剥製師の遺言
ハンガリー&オーストリア&フランス
アート&ドラマ&コメディ
監督:パールフィ・ジョルジ
出演:ツェネ・チャバ
トローチャーニ・ゲルゲイ
マルク・ビシュショフ
コッパーニ・ゾルターン
【物語】
第二次大戦中のハンガリー。….
こんにちは♪
>正直言って、「何をどう言っていいのか
皆目検討もつかない」、というのが偽ら
ざる気持ち。
よく解ります。
観終わっても余り得るものも響くものも無
かったんですが、最後まで物語に惹かれた
んですよね。
>江戸川乱歩原作の『盲獣』
なるほど〜。
増村保造監督の「盲獣」は最初から最後まで
ダメだしたね〜><
呑んだら吐くな!
根性で○み込め!
こんちは〜♪
最近、横のリンクにある加藤はいねさんのブログ
を観るのがマイブームなオイラです。(^-^)
今回の記事後半読んでてなぜかふと思ったので・・・。
タイトルにポスターの絵、レポ読んでもうまく
全体が掴めませんが・・・なんだか観てみたくなり
ました♪ どっか近場で上映してないかな?
電車の中で吐いちゃうなんて可哀そう。
私も昔良く吐いてましたけど、電車の中はギリギリセーフだったと思う。
苦しくなると先に指突っ込んで吐いちゃいますから。
ビール大量に飲まされて滝のように吐いた初体験が忘れられません。
呑めなくなったっら吐け!
吐いたらまた呑め!
でしたね。
この映画については個人的に今年のNo.1です。ゴメンナサイ。
映画 「タクシデルミア ある剥製師の遺言」
さて、今年もっとも公開を楽しみにしていた映画を観てきました。{/kuma_fly/}
「タクシデルミア ある剥製師の遺言」2006年 ハンガリー/オーストリア/フランス 監督:パールフィ・ジョルジ
ハンガリーの若き剥製師ラヨシュ。彼には兵士だった祖父、共産主義時代に大食い…
風情さんへ
こちらにもありがとうございます♪
>観終わっても余り得るものも響くものも無かったんですが、最後まで物語に惹かれた
うん、最後まで余裕で見れちゃいましたね♪
>増村保造監督の「盲獣」
あれー、ダメでしたか??
まー、確かに変態ですけど・・(笑)
>呑んだら吐くな!
>根性で○み込め!
ハハ★一生懸命飲みこもうと、ゴボゴボしてたんですが、噴出してしまいましたね・・・
ガンヘッドさんへ
こちらにもコメントありがとうございます♪
>はいねのブログ
面白いでしょ〜。いつも読み始める前に、「元気だったー?はいねー」なんて思いながら読んでます。
これ、実はリンクでなくてRSSが貼ってあるといのが、斬新でしょ!
確かに、後半の感じはチョイはいねズム入ってたかもしれませんね。
彼女だったら、もっと怒涛の妄想とツッコミによって、「何かスゴイもの読んじゃったなあ」ってなるんですが、私だとこの程度です・・旅行記の方が頑張っているかな。
これ確かに、究極の映像は間違いないですよ〜。
オススメとは絶対言えませんけど(爆)
imaponさんへ★
おはようございます〜♪コメントありがとうございます!
ププ‥imaponさんはこれがNo.1なのですね〜!
そうですよね!大学の頃なんかは、「吐いて強くなれ!」みたいに言われて、吐くまで飲まされましたね〜。
私は女の子だったので、なんとか容赦してもらったりしてましたが。
さすがに電車の中はマズイです‥(>_<)
『タクシデルミア ある剥製師の遺言』
大胆不敵にげろぐろクレイジー。
兵士だった祖父、大食いアスリートだった両親、剥製師となった息子、ハンガリーの三世代の物語。前作の『ハックル』はユーモラスでシュールな部分もありながら、田舎の風景が広がるのどかな映画だったのに。今作は、やたらめったらにブラ…
よよよ翌日に観に行きました。
そうねー、他人の目がある中で、吐き気と格闘するほどつらいことはないと思いまする。
だから、何の遠慮も我慢も羞恥心のかけらもなくガーガー吐いていた映画の中の彼らのことは、むしろ解放的でいいなぁと?案外と平静な気持ちで眺めることができたのかもしれないっす。
タクシデルミア/TAXIDERMIA
こんな可愛いチラシとは裏腹に、この映画
とってもキタナく、エグく、オゾマシく、グロテスク、そしてシュール{/ee_3/}
予告篇観たときから気になってたハンガリー映画{/star/}
はりきって初日鑑賞!
この作品、カンヌ映画祭やサンダンス映画祭で上映後、賛否両論を巻き…
とらねこさん☆
こんにちは♪コメントありがとです
ほんと
「オエー」ってなるシーン満載でしたね〜
わたしもあの嘔吐シーンだけは目を背けちゃいました
普段どんなグロイのもエグいのも大丈夫なのに(笑)
息子のシーンがいちばん良かったなー。
この映画短編でもいいんじゃないかと思いましたヨ。
とらねこさん電車で吐いちゃったの?
辛そう〜
でも確かにこの映画を知ってるとリンクしてて
何でもないことのように聞こえるね(笑)
かえるさんへ
かかかかえるさーーん!
本当にどうもすみませんでした!
多大なる迷惑をかけてしまって、本当に何て言ったらいいか・・・うーんzzz
でも、かえるさんの意外なまでに冷静沈着な反応が、とてもありがたかったです。
ホントにすみませんでした・・・。
翌日に見に行かれたのですね!
割に堪能されたようで、良かったです
ここまで悪趣味を徹底されると、逆に気持ちがいいですねw
migさんへ
こんにちは★コメントありがとうございました!
>普段どんなグロイのもエグいのも大丈夫なのに(笑)
フフフ、この手の映画だと、私migさんを思い出してしまうんですよ!(笑)
そう言えば『レベルサーティーン』でもmigさん結構楽しまれていたなあ、とかって
嘔吐シーンがなにげに一番見ていて気持ちが悪かったですよね〜。
ついつい自分のゲロ話してしまいましたよ・・
何でもないことのように聞こえて良かった〜w
migさんは息子のシーンが一番良かったんですね。
私はラストにいたるまでにもう少し心理描写があれば、“画だけ”にならずに説得力が増したのに、と思いました。
こすりまくり 吐きまくり 切り割きまくり 「タクシデルミア ある剥製師の遺言」
タクシデルミア ある剥製師の遺言http://www.espace-sarou.co.jp/taxidermia/
http://jp.youtube.com/watch?v=g7bqyh4u4xM&eurl=http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20071221
兎口下僕兵士の祖父は蝋燭フェチのオナニーキチガイ 覗き&オナニー描写が素晴らしくネチッ…
真・映画日記『タクシデルミア ある剥製師の遺言』
JUGEMテーマ:映画
3月31日(月)◆761日目◆
午前中は雨で仕事がしにくかったが、
いつもどおり午後6時過ぎには終業。
地下鉄虎ノ門駅から銀座線で渋谷へ。
渋谷「イメージフォーラム」にて『タクシデルミア ある剥製師の遺言』を見る。
客入りは40人ちょい。
「…
タクシデルミア??ある剥製師の遺言
チラシの売り文句によると、「サンダンス映画祭受賞」なんだけど、通例の「NHKでの放映と出資」が見送られたそうである。そりゃ当然で、こんなムチャクチャな映画が普通にテレビで放映されるワケがない。エンディング・ロールに出てきたNHKロゴがすごくチグハグで…
「ゲロは飲んでも飲まれるな」
この言葉をとらねこさんに送ります
見てる間はただひたすら「ぽかーん」としてまして。あとで思い返せば思い返すほどに、じんわり笑いがこみあげてくるお話でした
一番きつかったのはブタさんと○○さんの解体シーン。どちらかというと前者のほうがきつかったかな。○○さんはもう死んでたから
フードファイトで選手たちがゲーゲー吐いてるところは『スタンド・バイ・ミー』の「豚っちりホーガンの復讐」を思い出しました
ところで一個つっこんでいいかな?
>ジョブ、フック、アッパーカット!
それはジョブじゃなくてジャブでは・・・
ジョブはダイエットの時するヤツでしょ?(←それはジョグ)
オゲレツ大百科 パールフィ・ジョルジ 『タクシデルミア ある剥製師の遺言』
ハンガリー発、へんてこな三代の一族の物語。 初代のモロジュゴバーニは、国境警備を
SGA屋伍一さんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございます。
解体シーンが一番キツかったですか?
なんだか、見てはいけないものを見ている気にさせられましたよね。
リアリティのある美術さんの完成度に、「これって本物なんじゃないのか」って思わせられるぐらいでしたよね。
>『スタンド・バイ・ミー』の豚っちりホーガン
おお、嬉しいコメントですね!私もまさにそうでした!
あれ絶対、『スタンド・バイ・ミー』をアイディアの源泉にしてるんじゃないか、と私も思いましたよ。
大食い競争の前に、ホーガンはひまし油を飲んで、ブルーベリーパイをたらふく食べる。
「ゲロを吐いたホーガンを見て隣の人が吐いて、それを見た人がまた吐いて」・・という、秀逸なシーンでした。忘れられません。
みんなが吐きまくる光景を見て、いじめられっ子ホーガンは満足げだったんですよね。
この監督は、まさにこのホーガンと同じことをしたのかもしれませんね。
>ジョブ
いつも細かいところありがとうございます。でも、それを言うなら、「ジョブって仕事のことでは・・?」という方が、分かりやすいですね。
私も観ましたー。
私は比較的得意な映画でした。
ちゃんと理解できているかは「?」ですが(´・∀・)
映画『タクシデルミア??ある剥製師の遺言??』
★公式Web
★タクシデルミア ある剥製師の遺言 – goo 映画
(※予告編Movie見れます)
これをあまりグロいと思わなかった私は
どっかがなんかマヒしてるんだろーか……。
あの、映像がキレイじゃないですか。
すごく映像美が追求されているというか。
それであ…
紫式子さんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
フフフ、得意系でしたか。
結構、私の周りで評判いいような気がするんです・・
意外ッス。
とらねこさん、カミングアウト立派です。
で、映画ですが、ここまでの変態映画は、初めて見ました。同行者は、祖父が一番気色悪いと言っていました。
タクシデルミア ある剥製師の遺言
5月4日(日) 17:00?? シアター・イメージフォーラム1 料金:1000円(会員料金) パンフレット:700円 『タクシデルミア ある剥製師の遺言』公式サイト 軍人(祖父)、大食い選手(父、その後ジャバ・ザ・ハット)、剥製師(息子)の三代の話。大食い選手などと言う…
バラサ☆バラサさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
エヘ★カミングアウトしちゃいました。
フッフッフ!なかなかに衝撃度の高い作品でしたよね。
なぜかポップな印象もあったり、全くトンでもない監督ですよ。
祖父は、一番身近で、共感できるタイプだったと思います。
やっぱ、人間、チ○コネタにこだわる気持ちが一番分かるじゃないですか・・フッ
TAXIDERMIA ある剥製師の遺言
なぜ、人は夢をみるのだろう?
なぜ、人は食べ続けるのだろう?
なぜ、人は永遠の命を求めるだろう?
人間の欲望は、この世でもっともおそろしい。
昨日が上映最終日ということで、慌てて鑑賞してきました。場所は京都みなみ会館です。パンフレット…
とらねこさん
こんにちは!
TBさせて頂きましたm(__)m
知り合いの方から「面白かった!」と聞いて
早速、上映最終日滑り込みで鑑賞してまいりました。いきなりから凄いシーンが目に飛び込み、驚きました。ヴェンデルのあの異常な性欲描写も、いやあ〜凄いもんです。まさに理性を取っ払って本能で生きるというような・・・・。まあ世間に、ありがちなお話でしょうが。ちなみに脚本は監督の奥さんが手がけたらしいですね。
mezzotintさんへ
おはようございます〜!コメント&TBありがとうございました。お返しが遅くなってしまって、すいませんでした。
なかなか見ごたえのある作品でしたよね。
あまりの凄さに、ちょっと笑いそうになってしまいました。
それにしても、ものすごい画ズラだったと思います。
脚本を奥さんが手がけているんですね。
なかなか変態同士で素敵です♪
「タクシデルミア ある剥製師の遺言」
第二次大戦中のハンガリー。一兵卒として人里離れた寒村に配置された祖父モロジュゴバーニ
(ツェネ・チャバ)は、中尉にこき使われながら、その妻でブタのように肥った女と美しい
二人の娘と生活を共。その祖父の唯一の楽しみは、倒錯した性の妄想に耽ることで・・。
やがて共…
タクシデルミア ある剥製師の遺言
= 『タクシデルミア ある剥製師の遺言』 (2006) =
ヴェンデル(チャバ・ツェネ)は寂れた前哨地で、中尉とその家族にこき使われていた。
性的欲求に駆られた彼は、中尉の妻と関係し、それがバレて中尉に頭を撃ち抜かれる。
その息子カルマン(トロ…