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バンパイア・コップ、あの日にかえりたい、楽園の瑕

バンパイア・コップ『バンパイア・コップ』
’87年、香港
ジェフ・ラウ監督、ジェフ・ラウ、ウォン・カーウァイ脚本
出演/ジャッキー・チュン、リッキー・ホイ、ビリー・ロウ、チャン・ファット


ストーリー・・・
町外れの警察署に突如として日本軍人のバンパイア軍団が出現、警察署の課長と若い刑事がバンパイア狩りに乗り出していく。押したり引いたりのドタバタが繰り広げられるホラーコメディ。


ウワッハッハ!!ホラー・アクション・コメディ、というムチャクチャなジャンル。さすが香港。それでいて、すっごく面白い!
コメディぶりも、単なる身内的悪ふざけのレベルではなくて、ちゃんと笑えるコメディになってる。
「パンツをかぶって悪霊除けのポーズ」とか、そんな脚本を書いているのが、何とウォン・カーウァイ、ってアンタ!一番ビックリしたのはそこだよ。
いきなり最初に、ジャッキー・チュンとリッキー・ホイの刑事二人が、署内の女の子がブラをしているかいないか、探す・・なんていうくだらないシーンから始まるこのホラー・コメディ。
いやいや、これ、知られざる佳作かも。ちゃんとレビュー書きたいぐらい!万人にオススメできないけど、香港アクション・コメディの好きな人には、マスト・アイテムなのかも。
ちなみに、主題歌は、刑事役ジャッキー・チュンとのコンビ役、リッキー・ホイによる、『Johnny B. Goode』の香港バージョン!これがまたノリノリなんだわ。
『Johnny B. Goode』って言ったら、チャック・ベリー、ジミヘン、(あと私にはジューダス・プリースト)だったけど、リッキー・
ホイもやるねホント。



あの日に帰りたい『レスリー・チャンのあの日にかえりたい』
’85年、香港
レスリー・チャン監督、ウォン・カーウァイ、バリー・ウォン脚本
出演/レスリー・チャン、サンディ・ラム、ビリー・ロウ


ストーリー・・・
麻薬取引事件を追っていた刑事のウィン(レスリー・チャン)は、台湾の刑事を密売人と間違えて逮捕。彼の接待をするはめになってしまう。


ちょっと変わった刑事ドラマ。ところどころに笑いが織り込まれて妙な味わい。
刑事なのに、全くそうは見えない男とコンビを組んだり、かと思えば二人して女スリ姉妹に翻弄されたり・・・次の展開が全然読めない、と言えば読めない。そこが面白い。
話としては盛り上がりもイマイチだし、展開の仕方もちょっと変・・変わってる。
だけど、「男女4人で酒飲み比べのおしっこ我慢大会」とか、そんな脚本をまたウォン・カーウァイが書いたと思うと、これまた可笑しくて可笑しくて。。。随所に散りばめられたお笑いにも、「ウォン・カーウァイって結構笑いが好きなんだなあ」と、つくづく思ってしまった。それをレスリー・チャンが監督してるんですからね、こりゃあレアな作品だなあ♪(喜)



楽園の瑕『楽園の瑕』
’94年、香港
ウォン・カーウァイ監督・脚本、撮影・クリストファー・ドイル
出演/レスリー・チャン、レオン・カーフェイ、トニー・レオン、ブリジット・リン、マギー・チャン、ジャッキー・チュン


ストーリー・・・
砂漠の宿屋。“西毒”こと欧陽峰(レスリー・チャン)は殺し屋の元締め稼業を営んでいた。彼は白駝山に生まれ、早くに両親を亡くし、兄に育てられた。彼は高名な剣士となる野望のため、恋人(マギー・チャン)を捨て、残された彼女は兄と結婚した。毎年春、親友の“東邪”こと黄薬師(レオン・カーフェイ)が訪ねて酒を飲んでいく。恋多き彼は慕容燕(ブリジット・リン)に愛されながらも彼女を捨てた・・・


お恥ずかしながら、この作品、当時ビデオで見ていて、決してその良さが分からなかった私。
『恋する惑星』、『天使の涙』・・・『ブエノスアイレス』までは良かったのだけれど、この作品は、見ては10分で眠りに落ちる、翌日また見てまた10分で眠りに落ちる、そしてまた翌日・・
ということを繰り返して、全く頭に入らなかった未熟者でした。
今見たら、何とこれ、傑作だと分かった。当時一番心に残っていたのはレスリー・チャンだけれど、・・・このレスリー・チャンは本当に素晴らしい。
武侠モノの剣士の話で、レスリー・チャン扮する欧陽峰とその親友、黄薬師(レオン・カーフェイ)の二人の話を軸として、男と女のスレ違い、それぞれの思いが交錯していて心を深く打つ。
それぞれが皆一途で、心に消えない傷を抱いている。

「旗はなびかず、風は無い。揺れるは人の心なり」仏典より
こうした言葉や、『酔生夢死』という名の酒・・・。一度ならず何度も見たくなる、素晴らしい完成度の作品だ。

 

2008/04/03 | 鑑賞DVDメモ

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コメント(2件)

  1. 楽園の瑕、オールタイムベストに入ってるんですよ〜。
    他にいくらいいもの観ても、コレは落とせません。
    そのときの自分の状況や気持ちが一緒になって、大切な映画になっています。
    豪華メンバーなのも嬉しいですし、
    ビデオダビングしてあるので何度も観ようとすれば観れるのですが、
    ちょっとジャッキー・チュンの親指が吹っ飛ぶシーンで「うわぁ〜」とか思っちゃう小心者なのです。。

  2. アンバーさんへ
    こんばんはー★コメントありがとうございました!
    『楽園の瑕』、また見たいぐらいでした。
    昔の自分は、実はそれほどウォン・カーウァイが好きだった、ってほどでもなかったんですよね。
    ようやくこの美学が分かるように成長しました・・・。アンバーさんは昔からこれを理解できたのですね。素晴らしいです。
    レスリー・チャンにしろ、レオン・カーフェイにしろ、人々の気持ちというものが、皆少しづつズレてもどかしくて、人生がホロ苦かったです・・。




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