15●毛皮のエロス ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト
なんとなく不思議で、現実感から浮遊したような感触が心地いい作品。大人のファンタジーという感じもあって。
何より、ニコール・キッドマンが出ている、というのが魅力でもあり、それより自分には、ロバート・ダウニー・Jr.が出演しているってのも、同じくらいに魅力なのだ〜
ストーリー・・・
1958年、ニューヨーク。裕福な家庭に育ったダイアン・アーバス(ニコール・キッドマン)は、ファッション・カメラマンである夫アラン(タイ・バーレル)のアシスタントとして働いていた。そんなある日の夜、ダイアンは隣に越してきた、マントで全身を覆い、マスクを被った男・ライオネル(ロバート・ダウニー・Jr.)の異形に激しく心を奪われる。そして意を決し、カメラを手に彼の部屋のベルを鳴らした。・・・
日本では’07年の公開作品、’06年アメリカ。
これ、公開規模がとっても小さく、いかにもDVD発売前に、お茶濁し・・・のような印象で、悩んだけどとうとう後回しにしてしまった作品。
観てみると、とってもかわいらしくて、愛らしさがある、イイ感じの作品でした。
ダイアン・アーバスは、実在した写真家で、’23年生まれ、’71年没。
スタンリー・キューブリックは、写真教室で彼女の教え子だったとか。そして、『シャイニング』ではダイアン・アーバスの写真、『en:Identical Twins, Roselle, New Jersey, 1967』がイメージとして使われたそうだ。詳細は( → コチラ)
夫の影に隠れて、自分らしさ、というもの、その自由な表現力が、いまだ開かれていないダイアン・アーバスが、顔中毛だらけの多毛症男、ライオネルに出会って、彼らフリークスの世界を知り、自分らしい表現力、というものを身につけてゆく。
そしてそれが、どこか『美女と野獣』を思い出させるような、現代のおとぎ話風、大人のファンタジー風に描かれているところが、もっともっとスキ
そして、フリークスの世界というものを知って初めて、自分は変なんだ、そしてそれでいいのだ、と確信してゆく姿に共感してしまう(個人的にw)。
普通だと、ニコールを見るための作品に思えるかも。ニコールは相変わらず美しいので。
しかし私には今回ばっかりは、ロバート・ダウニー・Jr.の声に萌え!チラリズムに萌え!なんてしていたので、ニコールばかりが楽しみという訳じゃなかった。こんなところもポイントなのでした♪
フリークスの世界を世に出した作品というと、『エレファントマン』を思い出すけど、それより、よりコミカルに描かれた作品として、私は『ヒューマン・ネイチュア』(ミシェル・ゴンドリー監督)を思い出しちゃうな。
多毛症の役は、パトリシア・アークエットが演じていたよね。
実はこの監督、スティーブン・シャインバーグ。
観終わって後で調べて、『セクレタリー』(’02年)の監督だったと知ったのでした。
私『セクレタリー』、大好きだったんですよね。変態の世界を、ここまでかわいらしく、純情そのものに描くなんて!と感激。どこか、この作品にも通じるところがあるかな。『セクレタリー』の方がずっと完成度は高いけど。
さらに、この年の私の年間ベストに入った、お気に入りの作品でした。(だけどこれも、シネマスクエアとうきゅう等、確か、極めて規模の小さい公開作品だったような。)変態世界をファンタジックになんて、普通描けないと思うんですよね。興味がある人は是非ドウゾ。
ちなみに、公開規模の小ささで言うと、ニコールの『バースデイ・ガール』だって、単館上映だったような。
こちら左は『バースデイ・ガール』の初日限定、ポストカードセット。
これを逃すと見せる機会もなさそうなので、ついでにUPさせてくださいな^^;
・毛皮のエロス ダイアン・アーバス 幻想のポートレート@映画生活
2008/02/05 | 映画, :ドキュメンタリー・実在人物
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コメント(14件)
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「毛皮のエロス/ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト」
ニコール・キッドマン嬢の映画が公開される! と知って、どこで上映するんだろうと調べてみたら、関東では、渋谷と千葉の2か所だけ…!?
…
コメント&TBありがとうございます!
これは、ニコールの映画ということで、あまり行かない渋谷まで映画館に駆けつけました。
客は少なかった…。
不思議な感覚もある作品で、ユニークという意味で印象に残りますね。
とらねこが浮遊するの?
友人から紹介されてDVDで見たのですが、「映画館で見たかった」と思うと同時に、「自分ひとりで自分だけの空間で自分だけの世界に浸りながら見る作品だ」とも思ってしまいました。
とにかく、ロバート・ダウニー・Jr.が凄く魅力的でしたね。
キャスティングが違っていたら、こんなにこの作品に浸ることは出来なかったと思います。
それにしても、相変わらずSeesaaブログからLivedoorブログには、上手くTBが送れないようです(涙)
毛皮のエロス 〜ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト〜
毛皮のエロス~ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト~
監督:スティーヴン・シャインバーグ
出演:ニコール・キッドマン、ロバート・ダウニ??.
すご〜く不思議な、独特の雰囲気の作品ですよね。
ファンタジックな雰囲気にポ〜っとなって見ました。
エレファントマン、ヒューマン・ネイチュア、セクレタリー、見てみたくなりました。
ボーさんへ
こんばんはー☆コメントありがとうございます。
お客さん、少なかったんですね。シネマGAGAですよね。
まだ「渋谷ジョイシネマ」と呼んでいた頃かな?
なかなか印象的でしたよね。二コールも素敵でした。
哀生龍さんへ
こんばんは〜★コメントありがとうございます。
そうですか、TBの具合がずっと悪いのですね・・
お手数ですが、今度一度、コメント欄のURLのところに、ブログのアドレスを入れていただいてもよろしいでしょうか?
仕事の行き帰りで、電車の中でブログを読ませていただくことが多いのですが、新しい携帯にしたため、新しく登録し直さないといけないので・・・
コメントも携帯から書いたりすることがあるので。
よろしくお願いします。
で、この映画を見るのに、一人の世界に入って・・というのは、すごくいい表現ですね♪
私もダウニーJr.はかなり好きなんです!
いい俳優ですよね〜♪
>コメント欄のURLのところに、ブログのアドレスを入れていただいてもよろしいでしょうか?
もちろん、よろしいでございますよ(笑)
いつもはホームのアドレスを入れていますが、今回は映画ブログのアドレスを入れました!
今後もTBがうまく行かないときは、URLに記事のアドレスを入れさせてもらいますね。
ひめさんへ
こんばんは〜★コメントありがとうございました!
本当、不思議な雰囲気のお話でしたよね。
結構独特でした!
ちょっとエロは足りなかったかな〜と思いますが、ファンタジックで良かったです^^
エレファントマンはこれ名作の類ですよ〜。『ヒューマンネイチュア』はすごく変わった話でオススメです♪
『セクレタリー』はかわいらしい変態で、すごく私好みでした!(笑)
哀生龍さんへ
あ、ありがとうございます♪
TBはずっと不具合だったんですね〜。
もしかして、TBするのをやめられたのかな?と思っていたので、ちょっとホッとしましたw
ロバート・ダウニーJr.って、男前のチョイ悪オヤジなので、哀生龍さん好みかも?と思ってました!
アリーに出てくるダウニーJr.は本当に素敵なんですよ〜。
異形を見つめる瞳
145「毛皮のエロス/ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト」(アメリカ)
1958年ニューヨーク。裕福な家庭に育ち、ファッションカメラマンの夫アラン・アーバスのアシスタントをして働きつつ、二人の娘を育てながら幸せな日々を送っていたディアン。しかし、彼…
「バースデー・ガール」観ましたよ。
新宿ジョイ・シネマ3、しかも2週間限定だったような。
ヴァンサン・カッセル、マシュー・カソヴィッツ等有名どころも出てたんですけどね。
ニコールが悪女なのか純粋なのか量りかねるいい演技してたように覚えてます。
ロバート・ダウニーJr.は
「アイアンマン」というアメコミ原作の映画に主人公として出るらしいですね。これも楽しみです。
え? この作品? ちょっとあまり言うことは・・・
CINECHANさんへ
おはようございます!
コメントありがとうございます。
おっ♪cinechanさんも、バースデーガール見ましたか!そうなんですよ、確か二週しか上映されませんでした。
マシュー・カソウィ゙ッツはちょうどアメリの後で、心トキメかせながら、見たような気が。
結構面白かったですよね、これ。メジャーな作品じゃないですが、この『ダイアン・アーバス』にしろ、『バースデーガール』にしろ、メジャーじゃないから余計好きです!
ロバート・ダウニーJrの新作は、アメコミなんですか!
へえ〜。教えてくれて、ありがとうございます!