1●ルイスと未来泥棒
ディズニー70周年を記念するこの映画は、もしかしたらとても気合が入ったシロモノなのかもしれない!
それほどディズニーやCGアニメに詳しい、と言える私ではなくて、映画の製作会社なんかはほとんど気にせず、見ている。
だけど、70周年を記念する映画が、ディズニーアニメ映画初のSF、未来を描いた作品だというのには、つい心躍ってしまう。
ストーリー・・・
発明家を夢見る少年ルイスは、幼い頃に母に捨てられ、孤児院育ち。発明大好きで、少々風変わりなルイス少年は、養子縁組がなかなか決まらずに毎日を過ごしていた。寂しさに耐えかね、母親に一目会いたいとタイムマシン作りに奔走するルイスの目の前に、彼は不思議な少年、ウィルバーに出会う。なんとルイスは、未来泥棒から目をつけられ、彼の身に危険が迫っていたのだった。・・・
ワクワクする物語だった!
描かれる未来も、美しい彩りで、まさに夢のよう。
子供の頃にこんな話を見たら、それこそ楽しくて仕方がなくなるんじゃないかな?
この映画の悪役の、山高帽の男は、その男自身より、実は帽子の方が危険。帽子のドリスは、妙な触手が金属で出来ていて、どうやら知能も高い。
だけどこの、ちょいハゲ上がった男の方は、記憶力も怪しいもんだし、頭悪そうで、どっちか言ったら、コメディ担当のような?笑っているうちに、憎めなくなってしまう。
孤独な少年、ルイスにとってみたら、ウィルバー少年の家族は、どの人も皆個性が強くて面白い人ばかり。物語はバドお爺ちゃんの登場を皮切りに、次から次へと家族が登場し、ハイテンションの笑いに包まれていく。元々、ミッキーマウスなんかのアニメで、楽しめたディズニーの楽しさって、次から次へと転がってゆく、ハイテンションで予想もつかない、コメディ的アクションの果てしない連続だったのだと、改めて思い直したり。
それと言うのも、同時上映の『ミッキーの造船技師』が、この映画の本編の前に上映されていたからだ。昔のディズニーアニメがそのまま昔と同じサイズで、上映される辺りが憎い。そして、この手のテイストが元々持っていたディズニーアニメの本当の持ち味なのだ、というかのように。
そう、私も子供の頃、ディズニーのアニメを初めて見た時、あんまり次から次へと、激しくアクションが起こるのでビックリ!口をあんぐり開けて夢中になって見入ってしまった記憶があるのだけれど、それと同じことをこの映画で行おうとしているのだなあと思った。そして、それは成功している。
でも、この映画で、大好きなポイントは、第一に、悪役がマヌケってこと。嫌なばっかりの奴じゃなくて、なんか可笑しくて笑えるところ。悪役になっちゃった理由が、きちんと語られているところ。そしてそれが、後で解決されるところ。
悪い人は、昔から悪者じゃないってのが、すんごくいいな〜。
そして第二に、家族がみんな変な人ばっかりで、面白いデコボコファミリーだったこと。私ね、『リトル・ミス・サンシャイン』みたいに、家族が変な人ばっかりって、大好きなの!
変テコな大家族っていいなあ。
家族のいないルイスは、こんな変な家族だったら、この家の子供になりたい、ってきっと思ったに違いないよね。
だけど、その話を、後で上手に裏切るところも、本当に好きだった!
この物語で一番笑ってしまったのは、小さい方のドリスの帽子に操られた二匹が言う台詞!!ここは、会場内で笑いがこみ上げていた。かなり私もお気に入りの台詞。あんまり面白いので、覚えてしまったけど、これから見る人は、言わない方が絶対楽しめるはずだから、我慢我慢。
ただ、ネタバレは避けるけど、正直『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を思い出して、あれれ?と思ってしまった箇所があったことはあったけど・・・。
個性的すぎるキャラクター造形は、どれも皆同じくらい好き!だけど、中でも一番私が気に入ってしまったのは、カエルのバンドたち。バンマスはフランキー。
後で物語が繋がっていくのも素敵だし
何より、歌声が見事♪
ただこのカエルたち、『リトル・レッド レシピ泥棒は誰だ!?』で、ケンドーコバヤシが吹替えをやった、カエルの探偵ニッキーにソックリでした。
それから、金色のロボットは当然ながら、C3POにソックリ。他にも、恐竜はT-REXにソックリで、日本のHPには、出てなかったけど、エンドロールのクレジットには“T-REX”って書いてあったりした。
他にもきっと、何かに似てそうなシーンもたくさんあったように思えたりもしたし。
あと、左のレフティーと、ドアの両ハジにいるおじさん達も最高!・・・でも、100%の確率で右を押すのね?(笑)
私は方向音痴だから、なにげなく歩くと、つい右に曲がろうとしちゃうの!そんな感じ・・・?
ルイスが最後に、幸せになる姿、前向きな姿勢は、私にまで勇気が湧いてしまったぐらいだから、
子供たちが見たら、きっと未来が楽しくなるような、そんな映画に仕上がっているんだろうな
とっても素敵な映画でした。
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コメント(24件)
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とらねこさ〜ん、お戻りになられたのですよね!?新年明けまして、おめでとうございます、今年もどうぞよろしくお願いいたします!!
本作、観ようかどうしようか非常に迷った映画です。とってもよかったのですね!やっぱり年末に観ればよかったな・・・それにしても、こちらのシネコンでは、こうしたアニメ系や子供向け映画は吹き替え版だけの上映となってしまいました。正直、やっぱりオリジナルで観たいので、物足りないです。これもDVDが出たら観ますね!
今年は仕事上、昨年のように劇場通いもブログ更新もできなくなると思いますが、こちらには年中伺いますので、どうぞよろしくお願いいたしま〜す!
ルイスと未来泥棒 Disney Digital 3-D
ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ最後の3DCG作品!?
あけましておめでとうございます!
そして、今年もどうぞよろしくお願いします。
ファミリー向けでもこういう映画、ほんとは大好き!
チキンリトル同様、映画のオマージュもいっぱい、ホロリとさせる展開も好き!
あ、ディズニー映画で過去未来を描いたSFありましたよ、世界初のCG映画「トロン」!(あ、でも、アニメ映画限定の話ですか?)
揚げ足取りみたいで、ホント申し訳ないのですが、
ディズニーのSFと言えば1980年公開の
「ブラックホール」がイイ味出してました。
ロボットとかチャライのですが、ちょっとゴシックな
宇宙船のデザインとかが素敵でした。
(サイレント・ランニングあたりのデザインとも似てる?)
JOJOさんへ
あけましておめでとうございます!
早速ありがとうございます〜♪
こちらこそ、どうぞよろしくお願いします!
あ、JOJOさーん!これ、見ようかどうしようか迷われたのですね!私はとっても面白かったんですが、・・特に、悪役がハゲオヤジで、憎たらしいというより、頭悪くて!笑えるところが大好きなんです!憎めないんです〜!
でも、『リトル・レッド〜』同様、もしかしたら大人より小学生の方が喜ぶかも!?
JOJOさんもお仕事、お忙しくなるのですね〜。
私も実は、今度新しい仕事になるので、しばらく環境的に、今までのようにはいかなくなるかもしれません。とは言え、しばらくの間は、去年書いたストックもあるし、なんとかなると思うのですが・・・
それにしても、JOJOさんのお仕事も、今までと変わるなんて、偶然ですね!
こちらこそ、いつでもよろしくお願いします♪
ルイスと未来泥棒
これはァレだね、アニメ版バック・トゥ・ザ・フューチャー!
八ちゃんさんへ
あけましておめでとうございます☆
TB,コメントありがとうございました!
こちらこそ、今年もどうぞよろしくお願いします!
私は結構これ好きだったのですよ。
なるほど、チキン・リトル。いいセンいってるなあと思います。
『トロン』は、ディズニー、CGで作ったSF映画だったんですね。なるほどー。
教えていただき、ありがとうございました。
yesさんへ
こんばんは〜☆コメントありがとうございました。
ごめぇん。
ディズニーアニメでお願いしますー。
『ブラックホール』も面白いんですね。なるほど。教えていただき、いつもありがとうございますー。
ゴシックな宇宙船てのがいいんでしょうね☆
ちなみに、yesさんはこれ観ないの?
これもすごくいい映画だと私は思う!良かったら見てくださいね。
これ、今のところ今年のベスト1です(笑)
「変てこな大家族」が続々登場するくだりは、置いてけぼりだったけど。とらねこさんはあれに付いていけたんだ。すごいなあ
>小さい方のドリスの帽子に操られた二匹が言う台詞!! はこちらでもウケてました
ルイスもウィルバーも面白い少年だったけど、私としてはルイスと同室のスティーブ・ブシェミみたいな少年や、ドリスさんの方に肩入れしてやりたくなりました。強烈な個性の人って悪気はないんだろうけど、周りの人間を不幸にしていくことってありますよね。その辺は『アマデウス』を思い出しました
>『ミッキーの造船技師』
ミッキーさんにはとんと興味はございませんが、今の白目がちなミッキーより、こっちのゴマみたいなお目目の方が可愛いと思います
>私は方向音痴だから
猫さんは遠くに置いていかれても自力で帰ってくるという話ですが・・・
進み続けて70年 スティーブン・アンダーソン 『ルイスと未来泥棒』
花泥棒、恋泥棒、牛泥棒、馬泥棒・・・・ 「世に盗人の種は尽きまじ」とは申しますが
「ルイスと未来泥棒」
監督:スティーヴン・J・アンダーソン
「赤ちゃんの頃孤児院の前に置いていかれたルイスは独りぼっち。科学の好きなちょっと変わっている彼にはなかなか里親が現われない。そんなある日、ルイスの作った記憶をスキャンする機械を狙った山高帽の男が現われた。それを教え
SGA屋伍一さんへ
こんばんは〜☆TBコメントありがとうございます。
ウィルバーの家族の登場シーンは、お爺ちゃんから始まって、スーパーマリオ的ドラム管のようなワープを使い、家族一人ひとりの個性を紹介するかのようなシーンの連続でしたね。
自分にはだんだん加速するギャグで、笑いっぱなしになってしまいました。うぬぅ・・SGAちゃんは置いてけぼりになってしまったのですね。
それから、スティーブ・ブシェミの小さい頃みたいな少年(笑)
悪役のオジサンも、ちゃんと子供時代があったんですよー、ってのが、すごく優しい目線で良かったです♪頭悪いし(笑)
ミッキーは、真っ黒お目目の方がかわいいですよね
私は、方向音痴な猫さんです。置いてけぼりにしないで下さい(泣)
ルイスと未来泥棒
去年の年末年始は、映画館でやってる映画を、好き嫌いなく全部観よう!とかやっちゃいましたが、今年はどうもそんなに観たい映画が無い。まあ、観たいのは帰省前に、ほぼ観ちゃったというのもあるんですけどね。
そんな中、先日、ワーナー・マイカル・シネマズ名取エアリ…
ルイスと未来泥棒 観てきました。
今回はルイスと未来泥棒で観てきました。字幕版の上映館が少ないので、残念ながら吹き替え版でした。。。ディズニー映画では少ないですが、最近は吹き替えの時の声優がひどい作品(特に呪怨 パンデミックの声優はひどかった。)があるので、できれば字幕版で観たいんです…
トゥ・ザ・フューチャー!
13「ルイスと未来泥棒」(アメリカ)
赤ん坊の頃養護施設に預けられたルイス。12歳になったが、問題児とみなされ里親も決まらなかった。発明好きではあるが、失敗も起こし、時には大爆発まで。
ある日、ママの顔を思い出せれば、ママも探せるかもしれない、と思い…
ルイスと未来泥棒 を観ました。
今年初の邦題VS原題対決!かな…。
★「ルイスと未来泥棒」
平日休みなので、年初の映画鑑賞は二本立て。
1本目はホラーだったので、2本目はディズニーのファンタジーアニメ。
ひらりんも「リトル・レッド」のカエルを思い出しましたよっ。
そっくりだったよねっ。
ひらりんさんへ
こんばんは〜☆コメントありがとうございました。
そうそう、かえるは思わずリトル・レッドを思い出しました。
足の長さや、格好まで一緒なんですよね☆
ドラえもんの話に似てるって書いちゃったけど・・・
タイムマシンをのび太君が作ったかは??だけど、
大人になってドラえもんを作った・・・って話じゃなかったっけ???
ひらりんさんへ
>大人になってドラえもんを作った・・・って話じゃなかったっけ???
えっと・・・私に聞かないでください〜(笑)
ドラエもんのオチって、夢オチとかいう噂しか知りませんでした☆
誰か教えてくれないかなあ。
ドラエもんを作ったのはのび太だったんですかあ!
やるな〜、のび太!
・・・ん〜でもそうなってくると、時系列が完全におかしいですね。
確かに、この話に似てます!
ルイスと未来泥棒
レンタルで鑑賞―【story】発明家を夢見るルイスは、幼い頃に母と生き別れて養護施設で育った。彼は一目母親に会いたいという一心で、忘れてしまった記憶を呼び戻すマシーンの開発に熱中し見事成功。科学フェアでの発表の当日、彼の前に未来からやって来たという少年ウィルバ…
とらねこさん、こんにちは!
お怪我をされたんですね〜お大事にして下さいね!
夏休みだし、この映画をレンタルしてみました♪
とっても楽しくて2回連続で観ちゃった!
未来の様子がキテレツなんだけど面白かったなぁ〜
ウィルバーの家族のテンションには、最初はちょっと引いたけど(汗)、ギャグが可笑しくって何度も笑わせてもらいました。
悪者の山高帽の男も、本当は悪い人じゃーなくって、きっと幸せになったんだろうなぁ〜って終わり方も良かったですね!
由香さんへ
こんばんは〜♪お久しぶりです!
コメントありがとうございました!
お心遣いも、ありがとうございます。
これ、ちょうど半年ぶりぐらいですね、お正月映画だったんですが、あんまり見ている人少なかったですね。
私はこの映画、かなり好きでしたよ〜♪
山高帽の男、そう悪い人じゃないんですよね、ちょっと頭が悪いってだけで