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#147.花嫁吸血魔

花嫁いやぁ〜、こんなにリアルにフィルムに傷の入った作品を見たのは初めてだったなあ。
『グラインドハウス プラネットテラー』だとか、『デスプルーフ』を見て、「フィルムに傷が入ってて、見えにくい」なんて言ってる人も居たけど、こっちはホンマモンの傷ですからね。
うーん、こんなの、初めて!

音声も、途中で途切れていたり、台詞なんか完全に、半分しか聞き取れないシーンもあった。画面が歪んだのもあったよ。
「いやあ、凄いなあ。リアルグラインドハウスだよ。」なんて思ったとらねこでした。
実際、この“妄執・異形の人々Ⅱ”シリーズも、2本立てだったしね、
これまた、怪作中の怪作、『スパルタの海』の後に見た作品でした。

 

で、この回は、『スパルタの海』でも言ったように、トークショーのあった回だったのでした。
さすがにこの日は、映画マニア中のマニアが勢ぞろいしているんじゃないかなあ、なんて思ってしまった。
だって、皆さん、トークショーの合間に、「なぜそんなところで笑う?!」というところで、笑ってる。
私みたいに、必死こいて、ペン片手にメモメモ、なんてやってる人はあんまりいないのね。みんな、余裕すぎ〜。
そして、オジサマが多かったかな。一人参加の。
たまには若者もいたけど、まあ、ほんの少しね。
私なんて、古い邦画は全く分からないことだらけで、映画評論家・木全氏の言ってることの半分も、メモが取りきれない状態だったのだけど。
いやあ、勉強することがいっぱい過ぎ。

 

新東宝/’60年
監督:並木鏡太郎 製作:大蔵貢 脚本:長崎一平
出演:池田淳子  天草博子  瀬戸麗子  三田泰子
矢代京子  寺島達夫  高宮敬二  五月藤江

 

ストーリー・・・
母が病気、家も借金まみれの藤子(池田淳子)だが、映画の主役に抜擢された。しかし、美貌、男にモテること、降って湧いた映画のヒロイン役・・・そうしたことで仲間達に逆恨みされ、崖から突き落とされてしまう。
決して治ることのない傷を負い、秘術によって甦った復讐の権化と化した女が、結婚初夜に花嫁たちを襲う。・・・

 

これまた必死に取ったメモによると、「新東宝と言えば、エログロ・ホラー路線」とのことらしい。へええ(・∀・)この時代のホラーか!なんて、すごく興味津々。

しかし、勝手に引退発言をして、その後、復活を頼み込んだという、池内淳子に対する、大蔵貢の嫌がらせのような、この役柄らしく・・・
吸血鬼に変身する姿も、顔にたくさんの特殊メイクを施され、池内自身が演じている。
で、これがまた、爆笑必須のシロモノだ

 

うっひゃー、面白い!
ちょっとこの記事の、初めのところに戻って画像を確認してくださいな。
これ、池内淳子が演じてるんですよ〜。全く、本人とは分からない姿です。
しかし、これが「吸血鬼」っていうのがまた、可っ笑しくて、可っ笑しくて!
( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \

 

「和製ホラー」って、今のホラーに慣れ親しんだ人が見ると、目をひんむいて笑うと思います。
しかし、中でもこの吸血鬼の異形は、ちょっとないんじゃないかな?!
だって、どう見たって、

 

ナマハゲですからね〜。
言葉を失ってしまいました・・・!
しかも、(怖がらせるために)手をバタバタさせて走る!飛ぶ!いつの間にか天井に居たり。
「これが、吸血鬼か・・・」
見たこともない吸血鬼の美術です。
腕にいっぱいビニールテープ(黒)がくっついてる・・・
顔は、ヒゲもじゃ。(もう一度言うけど、池内淳子が)

こういうので怖がらせようとしていたのだと思うと、なんだか、
ホンワカしてしまうなあ(´∀`*)
愛情すら湧いてしまいました。

 

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コメント(4件)

  1. >私みたいに、必死こいて、ペン片手にメモメモ、なんてやってる人はあんまりいないのね。
    レコーダーとか使うのは反則?映画じゃ御法度なのかな。

  2. とらねこさん、こににちHA〜
    10月の鑑賞予定記事にコメントをどうもありがとうございましたー。しぇーしぇー
    『リトル・レッド』にコメントしようと思ったのですが、こちらの方が気になってしまいました(笑)。
    >“妄執・異形の人々Ⅱ”シリーズ
    おおおおお〜、やっぱり参加してきたんですねぇー
    写真に惹かれるーとか思ったら、ヒロインの女優さんがご自分で化けて頑張ったとのこと。恐れ入り〜
    何か愛すべき作品のようですね。
    以前、コメントした『発狂する唇』は、私にとってはキツくて怖い作品だったんですよねー うー、気持ちわる〜い

  3. Boreal Kissさんへ
    こんばんは〜♪コメントありがとうございます!
    わーい★とっても嬉しいです!
    レコーダーですが、実は持ってないんですよ。
    いつも舞台挨拶は、記憶だけで書いていたりします(笑)
    まあ、そうした舞台挨拶とかって、宣伝程度のこと言うだけだし、大したこと言わないので、レコーダーは要らないかなって感じなんですが、
    この場合みたいに、やたらと内容の濃い、映画評論家同士のトークなんて、メモだけじゃちょっと無理ですね
    でも、こういうトークってほとんどないからなあ・・・

  4. となひょうさんへ
    こんばんは〜★
    >『リトル・レッド』にコメントしようと思ったのですが、こちらの方が気になってしまいました(笑
    はーい★私も、本当は『幸せのレシピ』にTBコメントしようと思ったのに、そちらに行ってしまったのでした^^
    最近、コメントは、好きに書きたい時に書きたいことを、という、spontaneousさを大事にしたいと思っている私だったりします。
    そうなんですよ、池上淳子って言ったら、「象印」な「お母さん」のイメージだったりします☆
    これは、頑張った女優根性というよりは、完全にプロデューサー大蔵貢の嫌がらせのようです(笑)
    今の時代性だったら、全然美味しいと思うのに。
    >『発狂する唇』
    これは、いけなかったんですよね、ちょうど。
    でもDVDでもあるので、そのうち必ず見ます★
    それより『鬼畜大宴会』の方が凄かったかもしれません・




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