#142.オーディション(’00年 三池崇史監督)
これを見ると、イーライ・ロス(『ホステル』『ホステル2』)が三池さんを評価するのも良く分かる、っていう作品。
海外でも評価が高く、ロッテルダム映画祭国際批評家連盟賞受賞、同オランダ批評家賞受賞。
「フェミニズム・ホラー」と呼ばれて評価されたそうだ。
ストーリー・・・
ビデオ制作会社の社長、青山(石橋凌)は「再婚でもすれば?」と言う息子の言葉を受け、オーディションという名目で集めた女性の中から、理想の相手を見つけるという企画にのる。山崎麻美(椎名英姫)という不思議な女性に夢中になる青山だったが、一泊旅行の翌朝彼女は失踪してしまう。・・・
この作品、DVDが全然なくて(注※ その後、再発されました)ずっと見たかったのだけれど、なかなか見ることが出来なかった。三池作品は、まだDVD化されてないものが多くて、本当困ります。
頼むからDVDにしてくれ〜!と祈っていたのだけれど、仕方が無いので、
「こ、これだけ見せてください・・・」と、友達宅に上がりこんだ。
友達は、特に三池ファンて訳でもないので、全然いい顔はしなかったのだけれど(そりゃそ〜だ)、最近エヴァンゲリオンのコンプリートDVDを買ったばかりらしく、「エヴァ見ますか?」「エヴァ見ますか?」と何度か尋ねるので、・・・。
これは、もはやエヴァを見ないといけないのだなあ〜、と覚悟を決めて、その代わりに『オーディション』を見せてもらいました。
そんな理由で、エヴァを見始める人も、私ぐらいだろう。ハッハッハ・・・!
いやー、この作品、見て良かった!
「キリキリキリキリ・・・」と言う声が、頭から離れないんですけど。
※ネタバレですので、これから見る人は要注意を※
特に凄かったのが、最後の拷問の辺り。
淡々と撮っていくような前半だったのに、ラスト辺りにかけて狂ってゆくとこが特に好み。
全然違うイマジネーションに飛んでみたり、過去に向かったり、その辺りの映像のつなぎ方なんか本当に好きだし。
逃れようとするのに、また戻って来てそこにまだ悪夢のような拷問があるところ、秀逸ですよ。
あと、足を切断するところなんて、見応えアリ。
ギリギリゴシゴシ、時間をかけて、なかなか励んでいるのだけれど、その時間のかけ方もすごくちょうどいいし、
取れるのかな?どうなんだろう?という時に、カメラが一瞬引いて、家の外から、ガラス越しになるところなんて、すっかり感嘆してしまった。
周りの家の色合いと、家の中の色合い(赤っぽい)が、まるで違っているところなんて最高。
それから、「ひいいいっ」と見ている方は思うのだけれど、
家のガラス越しになってから、まだキリキリやっていて、そこで「この瞬間」という風に足が切断される、
こういう演出とカメラの使い方、なんて冴えてるんだろうと、感心することしきり。
ちなみに、『監督中毒』を読むと、マリリン・マンソンから電話がかかって来て、
「これをアメリカでリメイクするなら是非自分を」と直接言って来たそうです(笑)
しかもご丁寧に、「自分のPVではなくて、映画の俳優として、という意味で・・・自分のPVには、キミの作品はちと辛い」と言ったとか。
三池さんは、「そんなPV作っておいて、そんなこというなよ」なんて思ったらしい(爆)
※マリリン・マンソン・・・
チャールズ・マンソンの殺害が行われた自宅地下室を改造して、レコーディングのためのスタジオを作った、Nine Inch Nailsのトレント・レズナーのレーベル、nothingの第一弾アーティストとしてデビュー。日本人ホラー・メーキャップアーティストの、スクリーミング・マッド・ジョージによるゲテモノメイクで一躍有名に、’90年代の時の人となる。
2ndアルバム『アンンチクライスト・スーパースター』はMust buy or Die。
2007/10/04 | 映画, :ホラー・スプラッタ, :三池崇史(今月の三池さん)
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コメント(13件)
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オーディション
2000年:日本
原作:村上龍
監督:三池崇史
出演:石橋凌、椎名英姫、國村隼、松田美由紀、大杉漣、沢木哲、石橋蓮司、根岸季衣
ビデオ会社社長の青山は7年前に妻を亡くし、一人息子と暮らしていた。ある日、息子から「再婚したら?」と言われたのがきっかけでその….
**「オーディション」**
今日は、何がこの映画をこんなに怖くしているのか考察しちゃおう。あらすじは解禁してもいいと思う。例によって結末まで書かれたgoo映画を読んで頂戴。ボクも先に読んだけど、始まったらそんなの忘れて引きずり込まれたから。ただしgooの解釈とボクの解釈は若干違う。
とらねこさん、こんばんは☆モデルさんだったんですよね。
「キリキリキリキリ……」が頭に蘇ってしまいましたよ(笑)
公開当時ぴあの紹介文だけ読んで観に行って直視出来なくて衝撃を受けた覚えがあります(笑)
今だと、また違う視線で観れるかななんて思います。
当時は三池さんを知らずに観ていたんですよ
椎名英姫ちゃん目当てで観ただけでした
オーディション
監督 三池崇史 主演 石橋凌 2000年 日本映画 115分 ホラー 採点★★★★ “女の感”とはよく言われますが、男にもないわけじゃないんですよ。あるにはあるんですが、こと女性関係の問題に対しては、脳細胞以外の部分が活性化して自己主張を始めてしまうので当てにならないだ…
ヨゥ。さんへ
また見る気なんですね・・!(笑)
こんばんは〜♪コメントありがとうございます・・・と思いきや。
ええ〜っ!ヨゥ。さん、これを椎名英姫目当てで見たなんて、さすがですね〜。椎名英姫って、モデルだったんですか。知らなかったァ。
しかし、よく知らないでこれを見た人は、中には「二度と見たくない」って言ってる人が多いんですが、・・ヨゥ。さんは優しいな〜
>今だと、また違う視線で観れるかななんて思います。
これを見る前に、『ホステル2』を見て、比較すると面白いですよ♪
やっぱ「キリキリ・・・キリキリ」だよね
ボクはなんかの雑誌でL.O.T.R.のPRにきていたイライジャ・ウッドのインタビュー記事で
「三池監督は日本で好きな監督のひとりさ。会えたらぜひ一緒に仕事をしたいって伝えてよ。彼の作品『オーデション』は最高にクレイジーだよ。」
なんて書いてあったのを読んで、じゃあ見てみるかというのがきっかけ
以来、いろいろ見てますね「牛頭」とか(笑)
やっぱ『オーデション』が一番インパクト強いなー
サイさんへ
こちらにもありがとうございます〜♪
ひょえ〜!よりにもよって、この作品でコメントをもらうと、妙に嬉しいですね〜。
サイ5150さんもこの作品を見てしまっていたなんて(爆)
へえ〜!イライジャ、LotRの時に三池さんを褒めていたのですか!知らなかった〜!ありがとうございます!
イライジャ、それで『シン・シティ』で変な殺人鬼の役をやってしまったんですね!
あれなんか、ハリポタみたいな格好をして、『ロード〜』の主人公が演るなんて、いいのかなあと思ったんですが、
まさか三池さんの『オーディション』をイライジャが褒めていたとは!!驚きですね☆
『サイ5150』さんも『牛頭』見ちゃったんですね!これは、三池さんの隠れた傑作ですよね。
『オーディション』が見れる人だったら、『殺し屋1』とか『インプリント ぼっけえ、きょうてえ』もきっと面白いですよ!
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はじめまして。自分も「オーディション」の為ならエヴァ我慢して見る派です。三池さんの中では一等賞です(2等賞は「着信あり」すんません)。「牛頭」と「ぼっけえ」は寝てしまいましたが。DVDは出たんですかねー?名作なのにー。
GSさんへ
こんにちは!初めまして。
コメントありがとうございました!
おー!三池好きなお方なのですね♪
>『オーディション』のために『エヴァ』見る派
そう言ってもらえて、とっても嬉しいです(笑)
三池映画ベストの中で、これが一番なんですか★
三池コミュでもそういう方結構居ますよね♪
で、二位が『着信アリ』なんですね!
で、もしご存知でしたら教えていただきたいのですが、これ、アナザーバージョンて見る価値あります?
『ウルトラマンマックス〜』のアナザーバージョンは好きなんですが、『着信アリ』の方はどうしようかな、と。
『確信なし』てのもついてるんですよね?(爆
>『オーディション』DVD
出てないことはないんですが、凄い値段なんですよ。
今だと、一番安くて16800円〜でした。高いですよね・・・
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005HPJF/ref=pd_luc_mri
きりきりきりきりぃ〜 奥さん今のうちだけでっせ 「オーディション」1999
ヤッターマン公開記念とゆーか便乗
「オーディション」1999年、三池崇史監督
推名英姫 石橋凌
多分いろんな意味で早いうちに削除されてしまうと思われます
閲覧されるなら今のうち
1 http://www.youtube.com/watch?v=TBAnOwvPHK8&feature=channel_page
2 http://…
いつのまにやらDVD再発されてましたね。
皆さんお困りだろうと思い、社会福祉の為YouTubeに投稿しといたのですが、即削除されることでしょう
骨折り損の草臥れ儲けできりきりきりぃ〜
gsさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございます!
ふふふ、そう言えばここで初めてgsさんがコメントをくださったんですよね♪
とらねこ、ちゃんと覚えてましたヨ^^
嬉しかったので!
YouTube、動画もUPしたんですね!お疲れさまです、ありがとうございます!
早速起きて見に行ってました。やっぱりこの作品は名作ですよね!私も大好きです。また見たいな。
DVDいつの間にか販売されていたんですね!