#136.超能力者 未知への旅人
うぉっ、これまた、どっからどう見ても、アブナそうな匂いが漂ってくる映画のような・・・?
これは、実在の超能力者、タカツカヒカル氏の人生を基にした、ドキュメンタリー。
本物のタカツカヒカル氏も出て来るんだけど、主に、三浦友和が、眼鏡をかけて演じています。
ストーリー・・・
広告代理店に勤めるタカツカヒカル(三浦友和)は、心臓発作で倒れた母の無事を祈るあまり突然体内に電流のようなものを感じた。無意識のうちに母の心臓の上に両手をかざしたところ母に生気が戻った。理由は不明だが、タカツカに他人の病気を治す超能力が突然身についたのだ。それは中国の気功師たちが出す″気″と同種のものであった。・・・
こ、こ、これは・・・(目が点)
私は実は、ドキュメンタリーと知らなくて、見に行ってしまったので・・・。
ま、いつも下調べしない私がいけないんだけど、「何が出てくるか、本当に分からない。」この危険な魅力は、止められそうにありません。
私、見ておいてナンですが、気功の話だとは一切知らなかった。超能力だとばかり思ってたので。
大体、気功と超能力を一緒くたに出来るのか?
しかし、ここでは、実際に、人を治癒することが彼は突然にして出来るようになる。そしてここのエピソードにあるように、実際に政府高官の人びとを、隠密裡に治す、ということをしていたらしい。
その上、見ているうちに、このタカツカヒカル氏を、だんだん信用したくなってくるのは、このタカツカヒカル氏が、特にお金を積まれることをなく、ただボランティアや、良心から、人を積極的に治してゆくから。
それに、そのために自分の休日も返上、さらには、収入まで少なくなって、それでも自分の力を、きちんと人の役に立てるものにしようという。そんなタカツカ氏の心構えには、思わず応援したくなってしまった。(私って、のせられやすい人なのでしょうか)
それに、自分にとっても、気功って、実は気になるものだったりするので。
実は、私の知り合いに、気功の先生がいるのです。
私は、2年前、週にダンスを5回も通っていて、その先生に、「そんなにダンスに通うなら、週に5回を、週に3回気功にくれば、キミならすぐ先生になれるのに。」
なんて言ったのです。
それを聞いて、ちょっと興味が湧きました。
「職業、何?」
私「えー、気功の先生。」
これって、すごくイカレてていいなあ、なんて思ってしまったのですね。
意を決して、気功の体験に行ってみたのが、半年前。
まだこないだのことですね。・・・アハハ♪
だけど、自分でやってみたら、太極拳の動きと少し似てるんですね。だけど、それだったら、自分は太極拳の方がやりたいかも、なんて思ってしまって。
治療だったり、スピリチュアルな方向へ行く気功と、そうでなく、運動、健康に関わる気功というものがある、自分は後者だ、ってその先生はおっしゃって。
私は、もっと、精神的な限界点を到達した、みたいな世界観の方がいいので、そういうヌルイのは嫌だなあ、と思いました。
大体、生徒も、いくらオバサン、オジサンとは言え、そういうところを見ていると思う。
そんな訳で、気功の先生には、なりはぐってしまいました。
(この先生自体は、ちゃんと中国で修行を積んだ人ですけどね)
話が反れましたが。
映画評に戻りますと。この映画、本当にチョイ役でいろんな人が出演していて面白い。
丹波哲郎、大滝秀治、北村総一郎、石橋蓮司。
それから、フランキー堺は、実際にタカツカヒカル氏に、「悪いところを治してもらった」、と本人出て来て、ズバリ証言してます(笑)
あと、この映画の脚本家の、早坂暁も出演しています。
「人間レントゲン」と言って、気功の力で、人間の内臓やらいろんなものを透視し、悪いところを全部言い当てる、という中国のとある研究所があって、
そこで実験台として、本人出て来て、ご自分の病気を全て言い当てられています。これ、まだ正確には解明されていない技術ということなのだけれど、なかなか面白かった。
それから、最後に4分間、タカツカヒカル氏が画面に向かって気を送ります。
うーん、なかなかに前衛的です。ちょっとマネできない映画ですね。
そんな訳で、なかなか面白かった。
「見るからにウサン臭い映画が見たい」という人に、オススメ。
タカツカヒカル本人が出てくるだけで、嫌というほど怪しい映画に見えます。
それなのに・・・。
完全に怪しい映画には違いないのに、ラスト、ものすごく足取りが軽くなって、映画館を後にしました。どうやら、タカツカヒカルの送った気が効いたのかもしれません。
・・・嘘だと思うでしょ?
いやこれがマジだって!すごくスッキリして、いい気持ちになってしまった。
私いつも映画見ると、なかなか気持ちがいいことの方が多いので、いつものことかもしれないんだけど。寝不足だったのに、3時間半も映画館に居て、こんなに疲れを知らずに家に帰れる、なんて、すごいなあ、なんて。
2007/09/23 | 映画, :カルト・アバンギャルド, :ドキュメンタリー・実在人物
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コメント(2件)
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なんでまたこの珍作中の珍作のレヴューが!?
と思たら、妄執異形Ⅱのラインナップに入ってたんですね…まべら、恐るべし
そして立ち上がる異形の群から本作をチョイスとはさすがとらねこさま、お目が高い!(笑)
>「見るからにウサン臭い映画が見たい」という人にオススメ
ぶー!ゲハゲハ!どんなニーズやねん!(爆笑)
もうね、鮮やかに釣られますわ〜
つか、13年前?の公開時にさくっと釣られてる訳ですが…
そして懲りずにスタッフ、キャストがかぶる『北京原人』(通称:ペキフー)にもパックンチョ!
もう、この性(サガ)を高塚氏のヒーリング能力で直してくれよと(笑)
オカルト、珍作好き、タカツカヒカルファンw、東急エージェンシー入社志望者w必見の問題作!ですが…
TBとコメントがどこまで伸びるか楽しみですね(笑)
みさま
こんばんは〜♪コメントありがとうございます!
ええと、まさかのチョイスをしてしまいました・・( ̄▽ ̄;)えへへ
みさまはさすが、リアルタイムで釣られてしまったのですね。
その当時からこうしたセンスをしていたとは、さすがのみさまです。
『北京原人』て、みんな言いますが、そんなに変な映画なんですか・・?『フリント・ストーン』と『ストーン・エイジ』は見たんですが。
なんて並べてみたりして・ウハハ☆
>東急エージェンシー入社志望者必見
うはは〜!そうだったんですか!知らなかった。
しかしこれだけの活躍をさせておいて、「契約社員になれ」なんて、酷い会社だな〜。
>TBとコメントがどこまで伸びるか楽しみですね(笑
ええと・・無理でしょうこれ。
まずTBもないだろうし、コメントも来るかどうか、めっさ不安だったので。みさまから来てホッとしたナリ☆