#135.黒薔薇の館
今年もやって来ました!美輪さんの時間が。
おっと違った。
シネマヴェーラ(@渋谷)での、特集上映、“妄執、異形の人々2”が。( → 公式HPはコチラ)
去年のこのシリーズの時に、とっても気に入ってしまったのが何作品もあったので、今年も顔を出したいな〜と思う私なのです。
中でも、これは私的に楽しみでした。なぜなら、去年このシリーズで見た『黒蜥蜴』(美輪さん版)があまりに素敵だったから。(タイトルクリックで、my感想へ飛びます。私の感想・・・ハッキリ言って、テンション高いです。あまりにも興奮しすぎてます。)
『黒蜥蜴』は、’68年の作品で、深作欣二監督作品ですが、この『黒薔薇の館』は、それに続く’69年の同監督作品なのです。あまりに耽美、ヨダレの出る逸品。もう、美輪さんが本当に美しくって、油の乗った時代。なんて、なんて素敵なの、・・・美輪さん
私の尊敬するリリー・フランキーが、『黒蜥蜴』を評して、「どんなに犯罪そのものが稚拙でも、あるいは脚本がヨレていても、演出が死んでいても、美輪さんがキまくりまくっているからそれでいい」なんて言ってるんですけど。
私は、「ちがぁぁ〜〜〜う!!」と言いたい。
脚本は、十分素晴らしかったんです!(と言い切る)
元々の犯罪がこんなにしょうもないのにも関わらず、これだけの素敵台詞を散りばめて、キラキラ輝く美輪さんを目の前にして、こんなに素晴らしい映画は、そうない、と私は言いたい。(脚本は三島由紀夫です)
ていうか、こっちの作品こそ、美輪さん
を愛で、崇拝し、そして
彼が元々生まれてきた性に対し、全世界のヘテロの男性諸君が、悲嘆にくれる作品。
・・・と、言えるんじゃないでしょうか。うん。
よく、古い映画ファンが、「グレタ・ガルボや、イングリット・バーグマンの頃なんかの、銀幕のスターの頃と違って、現代の映画スターには、“銀幕のスター”と呼べるほどの、美貌やスター性を誇る女優や俳優がいない」、なんて時々聞くセリフだったりしますよね。
これは海の向こうのスタアの話ですが。日本には、その少し後くらいに、「美輪さんが居る!」と、私は力強く言い放ちたい。言わせていただきたい
だって、それっくらい、素敵なんです、美輪さんが。
ああ、美しい・・・油の乗り切った美輪さん。
眩しくて、眩しくて、もう、全編これ、力技です。画面いっぱいに美輪さんの魅力がはみ出しちゃってました。
「映画館で見れて、本当に良かった!!」と思いました。また映画館で美輪さん(の若い頃)に逢いたいナ・・・
ストーリー・・・
どこからか現れ、その美貌から権力者の愛人となり「黒薔薇の館」の主に収まった謎の美女、竜子(丸山明弘)。その素性は誰も知らない。しかし、館には彼女を知っているという客が毎夜やってくる。しかし、彼女はそんな人たちは知らないとつっぱねる。
彼女を愛してしまった男たちの辿る、数奇な運命やいかに・・・
で、この映画には、もう一つ、お楽しみが隠れてたんです。この映画の途中から出てくる、田村正和!これがまた、とっても若い!こっちも、本当に素敵です・・・
これまた、彼の若い頃には、『おんな極悪帖』で初めて出会ったのでした。
『おんな極悪帖』の方は’70年の作品だから、やっぱり、そう変わらない、若い頃の田村正和なんですが。
いや〜、なんて若いんだろう!子犬みたいだ。
いかにも、年上の成熟した女に、生まれて初めて本気の恋を教わる、
何も知らない金持ちのボンボンを、あまりに魅力的に演じている!
田村マサカズ、マサカの若い頃。
本当に美形なんですね、この人。ううー、こっちも本当に美しいイィィィィィ。
それ以外には、西村晃も出て来て濃ゆい。ドロドロ恋愛を力説して「ウゲっ」と来ます。
美輪さんは、無駄に弓矢を持ってバンバン叩いて、トチ狂う。
でね。ちょうどそのシーンで、私の右隣に座ってた女の人が「ブハーっ!!」と笑ってました。
それ以外にも、何かと面白い変テコシーンで、ちょくちょく笑ってました。それを見て左隣の人は、チッと振り向いて怒っていました。いや、確かに可笑しいけど、そして、確かに彼女たち五月蝿いけど、君達どっちも気になるんだよ〜!
ま、そんな感じで、本当に、面白いです。これまた、オススメ。
いやー、やはり、昔の日本映画って、素敵ですね。
他にも、たくさん見たいな。更新死ぬけど。
2007/09/21 | 映画, :カルト・アバンギャルド
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コメント(4件)
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うぁああ/// しゅてきvvv
スクリーンで美女全盛期の頃の美輪様たぁ、
こいつぁ刺激が強すぎるゼ、とらねこの旦那!
しっかも、田村正和の若い頃!
こっちも美貌全開の頃じゃあないですかい!
こりゃあ、タマランチン!タマランチ会長ですよ!
白鬚、美輪様は言うに及ばず、田村正和の若い頃の和装を拝んで、
グハッ=vってなったんで、これも見てますが、
確かに今は作品にしろ俳優にしろ、過剰なモノが存在しないよね。
みんなそこそこ、果ては自然体とか、雰囲気美人とか、
それしょぼいって事じゃんって思うんだよねー。
銀幕って言葉が似合う、品のある美形がみあたらないでしゅ。
つか、コレ笑っちゃうのはしょうがなくね?
誰かとツルんでてしゃべりだしたらビンタだけど。
うわぁー!
すっごい見たい!見たい!!
当時の動く美輪さんって見たことなくって…
(写真でしか見たことがない)
最近の舞台でも、私は彼のパワーに圧倒されましたもの。
若かりし頃は一体どんなだったのか。
とらねこさん、いつもいい情報ありがとうございます(^^)
白鬚タン
こんにちば〜っ♪お久っ!お久☆
そうだよね〜!やっぱ白鬚タンも、過剰なまでのこのゴージャスぶりに震えるぞハートなお方?
“自然派”だの“Girl-nextdoor”だの“アイドル天国日本”なんつーのは本当、沸点低いよね!イージー萌えするから、スグ萎えするんであって。
白鬚タンもマサカズのかつての美青年ぶりを、ご存じだったとはお目が高い!しかも和服の方が似合うんですよね。けどマサカズは時代劇はやらないんですよね?年配の方々にモテる気がないのでは?
で、やっぱ笑っちゃうのは仕方がないかも(笑)
ギャハハギャハハヒーヒーと、大爆笑してたけど。
sum_vaさんへ
こんにちは〜♪sum_vaさんも本当、意外なところに反応してくれるんですよね!ここにまさか反応してくれるとは思いませんでしたよ♪
美輪さん、写真だけでも本当ビックリの美しさですよね!動く美輪さん、素敵ですよ本当。演技がどうこう、言う気も起こりません(笑)
そこに存在している、それが素晴らしいんです!