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#132.ミス・ポター

ミス・ポター全世界111ヶ国で出版され、一億部を売り上げた大ヒットシリーズ、ピーター・ラビットの生みの親、ベアトリクス・ポターの物語。

イギリスは湖水地方のロケ、雄大な風景。それから、「ピーター、動いちゃだめよ(ぷぅ〜←レニー・ゼルウィガーがほっぺを膨らませる音)」この予告にまんまと釣られました。
実写+アニメの融合、しかもアニメ部分はあのピーター・ラビットまんまなのです。うす淡い色調の、心和むあの童話が、飛び出して来たかのよう。
見ていて、心躍る、なんてかわいらしい映像なんでしょう。

とか言いつつも、よくよく考えたら特にピーター・ラビットに興味を示したことは、今まで一度もないのだけれど、パッと見、普通に考えればとってもカワイイじゃないですか。このかわいらしいピーター・ラビットを見て、心動かされない人は、どんな冷血人間なのだろうか?と思っちゃう。だって、こんなにかわいいのに!
説明不必要なかわいらしいことこの上ないウサギ、ピーターを描き上げた人物の、その人となり。
たぶん、私は、この作品を見る前から、「きっとこの人は好きになれる、そんな女性だ。」そう決め込んでいたと思います。

でも、正直ちょっと、テイストが自分好みと全く違いました。ごめ〜ん、わっすれてた〜。
こういうのどっちかつーたら、苦手でした。
こんな私の感想なんで、その辺りよろしくです。

ストーリー・・・
青いヴィクトリア朝の封建的な空気が残る1902年のロンドン。上流階級の家庭に育ったビアトリクス(レニー・ゼルウィガー)は、子供の頃からの夢であった絵本を出版しようとしていていた。主人公は、青い上着を着た愛らしいうさぎ、ピーター。新人編集者、ノーマン(ユアン・マクレガー)はビアトリクスの絵に魅了され、二人で制作した絵本はたちまちイギリス中に知られるようになった。・・・

イギリスの19世紀初頭、まだ上流階級の婦人が、職業を持てなかった時代。
絵を描くのが好きで、自分の一人だけの世界に没頭し、静かな生活を送るベアトリクス。これまで縁談を断り続けて30を過ぎて、結婚を選ぶことなく、今まで生きてきた人。おそらく、世間の視線などを気にしながらも、「自分はこう」と決めたら、それを貫く人だったのではないか、と思います。
この辺りは、ようやく現代になって、少しづつ理解され始めてきた、だけど中にはまだ古い考えの人には、時々今だにいい顔をされないかもしれません。

この映画は、そんな彼女が、32になって、出版社がようやく決まり、ノーマン(ユアン)に出会った、この辺りからの話になります。
物語は何ともトントン拍子に進み、ノーマンともめでたく恋に落ちて、ウマいこと進んでゆく。ところが、途中、最後の方になって、目が点になるほど、急展開に。
だけどそれもサックリ描かれ、ややあって、終了、という話でした。
なんだか、随分とアッサリした話だな〜、という印象。
彼女の内面の話は、あまりに少なくしか描かれていないように思いました。

ノーマンに出会う前の32年間、これはどうやら、あまり特筆すべきことは何もない、というようなものだったようです。だけど、その少女時代からおそらく彼女がずっと描いていた童話の世界、確固たる自分の世界を持っていたからこそ、こうして花咲く日が来たのでしょう。
だけど、映画自体は本当にアッサリテイスト。
料理に例えると、微妙に塩味かな〜、という、お吸い物ってイメージ。

ところで、童話の中に、「○○○さんの畑には、絶対行っちゃだめよ。ピーターのパパが、そこで捕まってミートパイにされちゃったんだから。」なんていうのを、映画を見る前に、チラ聞きしました。誰の畑なのかな〜と思いきや!

マクレガーさんの畑」!!
ノーラン役のユアン・マクレガーに向かって、こう言いました。
マクレガーさん、ひど〜〜い!!!

ミス・ポター@映画生活
「ミス・ポター」の映画詳細、映画館情報はこちら >>

 

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コメント(58件)

  1. カツミアオイさんへ
    はじめまして・・・ですよね?
    こちらこそ、TBありがとうございました!戻って来て、わざわざコメントまで、ありがとうございます。
    この作品は、私はちょっといまいち・・・だったのですが、こちらの作品をとっても好きで、絶賛されている方は、数多く見られますヨネ♪
    その多くの方の中から、この作品が微妙だったケナしてしまった私にTBくださり、そしてリンクまで貼っていただいて、なんだか申し訳ない気がしてしまいます。
    きっと、皆さん、このほんのり温かな優しさがお好きなんでしょうね☆
    この作品が好き、という方は、とっても優しい気持ちの方なのだと思います。
    マクレガーさんという名前は、スコットランド人にはよくある名前なのですね!教えていただき、ありがとうございます♪

  2. ミス・ポター:映画

    今回紹介する映画は、キャラクター「ピーターラビット」の原作者ビアトリクス・ポターの恋と波乱に満ちた半生を実話に基づいて描いた作品「ミス・ポター」です。
    ミス・ポターのストーリー1902年、ヴィクトリア朝の封建的な空気が漂う英国。アーティストとして生きる…

  3. ミス・ポター-(映画:2008年16本目)-

    監督:クリス・ヌーナン
    出演:レニー・ゼルウィガー、ユアン・マクレガー、エミリー・ワトソン、ロイド・オーウェン、バーバラ・フリン、ビル・パターソン
    評価:75点
    公式サイト
    むかしむかしそのむかし、私が中学生だった頃、好きな女の子がピーターラビット….

  4. ミス・ポター

    【MISS POTTER】2007/09/15公開製作国:イギリス/アメリカ
    監督:クリス・ヌーナン製作総指揮:レニー・ゼルウィガー他出演:レニー・ゼルウィガー、ユアン・マクレガー、エミリー・ワトソン、ビル・パターソン、バーバラ・フリンネコを追いかけ回す凶暴なウサギをみたこ…

  5. <ミス・ポター> 

    2006年 イギリス・アメリカ 93分
    原題 Miss Potter
    監督 クリス・ヌーナン
    脚本 リチャード・マルトビー・ジュニア
    撮影 アンドリュー・ダン
    音楽 ナイジェル・ウェストレイク
    出演  レニー・ゼルウィガー  ユアン・マクレガー  エミリー・ワトソン…

  6. 『ミス・ポター』’06・英・米

    あらすじ1902年、ヴィクトリア王朝時代。封建的で身分の高い女性が仕事を持つことなど考えられなかった時代に、上流階級の女性ポター(レニー・ゼルウィガー)は“ピーターラビットとその仲間たち”の物語を次々と出版する。やがて編集者のノーマン(ユアン・マクレガ…

  7. ミス・ポター

    その恋が私を変え、私の絵が世界を変えた。

  8. 映画「ミス・ポター」ゆかりの地をたずねて

    いや??、正直言って、お土産付試写会でなかったら応募していなかった地味そうな映画。
    ところがどっこい!
    なんだか??いいんだな????この映画。
    本当に癒される映画・・・・・・自然と微笑んで観ている自分がそこにいた。
    このレビューは、2007年に試写会で観た時のもの…




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