#125.ストンプ・ザ・ヤード
この映画、激しいダンスバトルを前面に押し出した予告なので、ダンスシーンを期待した人には、ちょっと「アレ?」って思ってしまうんじゃないかな、っていう危惧が・・・。
だって、“STOMP(ストンプ)”って、ちょっと普通のダンスじゃないんだもん。
例えば、このSTOMP(ストンプ)なるもの、実は、体の動きと、クラップ等の手を叩く、足を踏み鳴らす、音と身体の総合芸術、っていう、アメリカの文化の一分野だったのだな、と、見ているうちに気づかされた。
私は、オフ・ブルードウェイ・ミュージカルの、「STOMP」を思い出してしまったのです。これ、確か、日本にも来てますよ。その時に初めて知ったので。
他には、日本では、GAPの宣伝などで、足を踏み鳴らしたりする代わりに、モップだの掃除道具なんかを使って、自身で音を鳴らしながら、ダンスで見せる・・・
というのがあったのを、覚えていらっしゃる方はいるかな?
他には、『ハッピーフィート』でも、ストンプが効果的に使われていた箇所があったり、『アイスエイジ2』でも最後の箇所で(ナマケモノがいっぱい群を成しているシーン)使われていたよ。
で、この映画は、アメリカの大学の“友愛会”っていう、サークルをイメージさせる(だけど、就職の斡旋なんかもある、伝統あるクラブみたいな)もので、全国を競って行われる、というようなので、
他の映画で言うと、『チアーズ!』とか、『ドラムライン』みたいな、大学対抗の、大々的なムーブメントの一つ、って考えられそうだね。
『チアーズ!』では、チアリーディングが、すごい体育会系な、一つの大会をやってたじゃない?日本では、さすがにチアリーディングは、アメリカ並になって来ていて、2年前かな?
厚木の女子高校生が、’03年の全米チアリーディング大会で、初出場優勝の快挙を成したのよね。あの子たち、凄かったなあ。
だけど、さすがに、『ドラムライン』みたいな、ブラスバンドを含めた、応援団のものすごい版みたいな、いわゆる“マーチングバンド”っていうのが、あんなに大きいものだったなんて、私は知らなかったので、面白かったな。
そういう、あまり日本では馴染みのない、ダンスと音楽の融合が、先ほども言ったような、“ストンプ”なのね。
実は私は、オフ・ブロードウェイの「STOMP」のことしか知らなかったから、少しビックリした。
で、私達のこの辺りの知識のなさが、ここで出てくるストンプの動きを、「なんだかおかしなもの」と認識してしまいそうなんですよ。
私だって、ぶっちゃけ、あまりに斬新な動きで、蛇の動きとか、「ガンマ!」って言いながらガンマのマークを手で作ったりとか・・・
はっきり言って、笑いそうになってしまったりした。
話自体は、本当に『ドラムライン』やら『チアーズ』にそっくりで、よくあるダンス+青春物、恋とライバルとダンスと、将来の不安、みたいな。それにプラアルファ、あったりなかったりのね。
青春物、って言ったら、物語の展開にたかが知れてるんだけど、そういうダンスものを、いちいち、「ストーリーがどうの」なんて言ってたら、本当にキリがないですから、私はいいいませんよ〜。
いいじゃない、ダンスが楽しければ。
あの『フラッシュダンス』が、その後のダンス映画のあるべき道程を、決めてしまったのかもね。
ちなみに、ここで、Ne-Yoが出て来てます!Ne-Yoって、「ねーよ」って読むんじゃ「ねーよ」。(あ〜〜〜面白くない)
「ニーヨ」と読みます。
この人、ずっと10代の頃から、メアリー・J・ブライジ、B2K、マリオ、ビヨンセ等に曲を提供してきていた、ミュージシャンで、カニエ・ウェストのバカ売れぶりを見て「俺も」と思ったのか、このたび、初めて’06年にデビューアルバムを発表。
そのデビューアルバムも、出たばっかでいきなり大ヒットしていたのが、まだ記憶に新しい。そのNe-Yoです。
だから、「ネーヨ」じゃなくて(ねーよ)、「ニーヨ」ね(しつこい?w)
とにかく、良くある話だけど、やっぱり、こういうダンス映画って、いいなあ。
気軽に見れて、何より、ダンスと音楽って、なんだかんだ言っても、見応えがあります。
あまり、大きい公開じゃないかもしれないけど。
ただ正直言うと、『チアーズ』と『ドラムライン』には適わないかな。
だって、『チアーズ』は、キルスティン・ダンストがめちゃかわいかったし(ブスかわいいともいう?)、『ドラムライン』は、ニック・キャノンがカッコ良かったし。
この映画での、コロンバス・ショートは、さっきから言ってる、オフブロードウェイ・ミュージカルの『STOMP』にも出演した人だそうです。それと、『You Got Served』にも出てたらしい!
もし、他にダンス映画自で、「すっごいカッコいいダンス映画が見たい」と言う人がいたら、私は、間違いなく『You Got Served』をオススメしますね。
この映画は、本当にダンスがかっこいい!
B2Kが出ていて、オマリオンが何せダンスカッコ良すぎ!
ただ、この映画、「金より友情が大事」っていうオチの、事実を基にしたB2Kの話なのに、実際のB2Kは、この映画に出た出演料が、「どっちの方が多い」とかモメて、喧嘩別れ、B2Kも解散っていう、嫌なリアル話のオチがあるのがポイント低いんだけどね・・・。
それにしても、この映画も、それから『ハッスル&フロウ』もそうだったけど、主人公の名前が「DJ」って、すごくヘンだと思うんだけどな。それだけは、いい加減にして欲しい。
ストーリー・・・
アメリカのアトランタの大学に入学したLAのストリート・ダンサー、DJ(コロンバス・ショート)は“ストンプ”との出会いによって、これまでの自己中心的な生き方を省みる。そしてダンスチーム「テータ」の一員となり、宿敵の名門チーム「ガンマ」との闘いに挑む! ・・・
2007/09/06 | 映画, :音楽・ミュージカル・ダンス
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コメント(20件)
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こんばんわ。
ホント・・・あのDJって一体何なんだろう(笑)?
いつも疑問に思っています。
昨日、試写会でこの作品の予告やってて。
もう本編を観たというのに、予告自体を観たのは初めてでした。なかなかカッコよく出来ている予告編でしたけれど・・・やっぱりね、「ガンマ!」とかやってるシーンには失笑してしまいました。
ちょっと変な映画だと思う人も多いかも(笑)。
ちなみに私、『フラッシュダンス』好き。
ママが教育の一環として見せてくれた、努力と成功の映画でした。思い出深いです。
おひさしぶりです。
ぼくも『ドラムライン』を思い出しました。
ストーリーはありふれているけど、
この迫力には言葉を失ってしまいました。
『ストンプ・ザ・ヤード』
(原題:Stomp The Yard)
「これは意外な拾いもの」
—-えっ、ダンスムービーは苦手じゃなかったの?
特にこういうタイプのは…。
「ぼくも、そう思って臨んだけどね。
一言で言えばこれはダンス版『ドラムライン』。
激しいビートによるダンス・バトルに体の奥深い部分が…
睦月さんへ
こちらにもコメントありがとうございます★
本当、「DJ」って名前は絶対おかしいですよね。
しかも、この映画では、お兄ちゃんが「D」でしょう?で、弟が「DJ」。
どれだけ省略好きな家族なんだという話ですねw
・・・とか言いつつ、「(笑)」をついつい「w」と省略して書く私でしたw アハ♪
ちょっと変わった映画ではありましたよね。
蛇のシーシーとか、もう、腹痛い・・・(ばんばん)
可笑しくて笑い転げそうになるのを我慢しました。
このアバンギャルドを理解できるかどうかにかかってますね。
『フラッシュダンス』お好きだったんですね。
ブラッカイマーの中でも良かった作品の一つですよね。
椅子のシーンは、それ以降のダンスの振付に大きな影響を与えました。
えいさんへ
こんばんは〜♪コメントTBありがとうございました!
>『ドラムライン』
そっくりでしたよね・・。
でも、ダンス青春映画には仕方がないことなんでしょうか?
私の中では、正直『ドラムライン』がかなり衝撃的で、お気に入り映画なので、その二番煎じになってしまいました。
でも、この手の映画は、何度やられても、毎回面白く見れるのが、保障されたような気がします!
「ストンプ・ザ・ヤード」踊る!踊る!!
記事投稿 2007年9月6日 21:50
※投稿日時を公開初日に設定。公開後1週間固定。
ダンス映画です。「ストンプ・ザ・ヤード」(ソニー・ピクチャーズ)。吾輩、ダンスなんて出来ません。ダンス・ミュージックにも、そんなに詳しくございません。でも“踊るアホウ”に…
ストンプ・ザ・ヤード(試写会)
【映画的カリスマ指数】★★★☆☆
魂を打ち鳴らせ!情熱を叩きつけろ!
ストンプ・ザ・ヤード
「ストンプ・ザ・ヤード」STOMP THE YARD/製作:2006年、アメリカ
おおおおお、早々にご覧になっていたのですねぇー
という訳で、TB&コメントありがとうございました。
『チアーズ』と『ドラムライン』
全く同じ作品を思い浮かべていたんですねぇ
記事をアップしてからですけど、私もう1つ思い出した作品があって〜
『8mile』なんですがー
私は、ラップの世界にもああいった選手権のようなものがあるとは全く知らなかったんですよねー
何にしろ、いかにもなストーリーであっても、こういった体育会系のガンバ作品は好きです〜
となひょうさんへ
こんばんは☆コメントありがとうございました!
>『8マイル』
あー、確かにこれもラップバトルではありましたね。だけど、
>ラップの世界にもああいった選手権のようなものがあるとは
この言い方がなんとも・・フッ、面白いですね^^
8マイルの方は対立するグループの境界線、かつどこにも属さない、個人とか個性、というものが強調されていたのですが、
この作品は逆に、人と協調してゆくこと、団結心、ピースフルな世界が描かれていたような。
一人で戦う人生も良いのですが、大人数で戦うと、さらに勝った喜びも、人と分け合える・・・
そんなことを思いました。
たとえ、一時的に仲違いすることがあっても、許しあえる心があれば、何かのキッカケで必ずまた仲良くできるはずですよね♪
そんな訳で、こうして好きな映画を見て、誰かとこうやって語り合えるのを私は大事にしたいんですよね^^
ストンプ・ザ・ヤード/コロンバス・ショート
この映画ってどれくらいの公開規模なんだろ?私もホームシアターにしてるチネチッタで上映してなかったら、わざわざ観に行くことはしなかったかもしれませんね。逆にそんな作品をチネチッタが選定したという事でかえって興味を持ったというとこもなきにしもあらずかな。それ….
私が好きなダンス映画は、というかダンス映画にハマっていく歴史を築いていった作品は「フェーム」「フラッシュダンス」「スティンアライブ」「フットルース」ですね。どれも何度観ても楽しめちゃいます。「チアーズ」も好きだけど、私の中ではこれらの作品を越えていくにはハードルが高いのかもしれません。でも結局何だかんだと楽しめちゃうのは青春ダンス映画のいいところなんですよね。
そうそう、県立厚木高校のダンスドリル部は確か優勝したんです。応援してるJ2横浜の応援イベントに招待すればいいのにと思った記憶があります。
かのんさんへ
a,a,a,a,stain alive,stain alive,~
こんばんは〜☆コメントありがとうございました。
かのんさんの挙げられた昔のダンス映画、さすが「これぞ」というタイトルが挙げられてますね〜。
さすが良くご存知でいらっしゃいます。
この手の作品は、もはや「名作」の域に達するかな?と思いますね。
それもミュージカルを除いたタイトルをわざわざ羅列してくださったのでしょうか?
(みんな、メモの準備だ〜!←誰に言っている)
思わず歌いたくなります!『フットルース』『フラッシュダンス』全て歌まで有名ですしね!ケビン・ベーコンのアイドル時代って、今の人は知らないのではないかな?(とか言いつつ、私も後追いなんですが)
『フェーム』は私は実はまだ見ていません。これはいつか見ないと!
神奈川県厚木高校は、全米チアリーディング大会で優勝でした!訂正ありがとうございます。詳細コチラ↓
http://www.jcda.jp/event/040310-impish.html
『ストンプ・ザ・ヤード』
みんなでガンマのポーズをやりたくなるよー。
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チームのために踊れ
246「ストンプ・ザ・ヤード」(アメリカ)
ロサンゼルスに住むDJはストリート・ダンスの名手。兄のDらとチームを組み、クラブのダンス・バトルで相手チームを打ち負かして喝采を浴びていた。ある夜、バトルで敗れたチームに襲撃され、兄は命を落とし、乱闘によって…
ははは、何でDJなんでしょうね?
イニシャルみたいなもんですか?
アーティストには多いですよね。
まあ作中内の名前を覚えるのが苦手な私にはありがたいっちゃあありがたいですが。
ダンス・シーンはなかなか冒頭から見せてくれたなぁ。
ストンプって知らなかったけど、笑わなかったですよぉ(笑)。
ラストはおまけ気味にダンス・シーンが続いて、そこも良かったです。
CINECHANさんへ
こんばんは〜♪コメントTBありがとうございます☆
いやあ、しかしDJなんて、絶対おかしい名前ですよね。MCって言ったら司会者、DCって言ったらワシントン、と同様に、DJって言ったらディスク・ジョッキーだと思うんだけどなあ。
ええ!CINECHANさんは、覚えやすくてありがたいんですか(爆)
ダンスシーン、変テコだと思ったんだけど、意外に皆さん、笑わないんですね。へえ・・
私は、橋が転んでも可笑しい年頃なので・・あ、箸ですね。「橋本さん」が転んだら、笑うかもです。
『ストンプ・ザ・ヤード』’06・米
あらすじ兄のD(クリス・ブラウン)と賞金を稼いでいたDJ(コロンバス・ショート)は、対戦チームとけんかになり兄を殺されてしまう。乱闘により前科のついた彼は更正のため、叔母の住むアトランタの大学へ通うことに。ある日、クラブで見せたストリート仕込みのダンス…
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