#113.機械じかけの小児病棟
イギリス、ワイト島のマーシー・フォールズ小児病院は老朽化のため閉鎖間近だった。その病院に派遣されてきた看護婦エイミー(キャリスタ・フロックハート)は、重い病に苦しむ子供たちが夜な夜な何かにおびえていることに不審を抱く。病院には、古くから「機械少女」と呼ばれる少女の幽霊が出るという噂があり、少女がかつて入院していた病室には鍵が掛けられ立ち入り禁止となっていた・・・
これ、英語なんだけど、スペインのホラーなのです。
主演は、『アリーmyラブ』のキャリスタ・フロックハート。うーん、私には、何となく違和感が・・・。
だって、『アリー〜』は、何度も何度も見たので、もはや、彼女のことは、「キャリスタ・フロックハート」と言わずに「アリー・マクビール」と言いたくなるくらい。
一体、何がどーしてアリーがホラーなんてやってるのぉ?!と最中、何度も言いたくなってしまう自分が居た・・・。ん〜。
で、アリーの方は置いておいて、病院の先生役の、リチャード・ロクスバーグ。
私『ムーランルージュ』での強烈な役、公爵の役が未だ忘れられないんですね〜。あの小憎たらしい、おヒゲの曲がった皮肉な笑みを浮かべた、『ムーランルージュ』の公爵が・・・。彼は、かなりの演技達者な人なのに・・・?
なんだか、二人とも、どーも場所を間違えているような気が、見ている間中ずーっとしてしまいました。・・・
エーット、そうです。どーも、この作品、ノレなかったのよね。
・・・というか、これ、ホラーですらないんじゃないか?
ホラーというより、ミステリータッチなのでした。
スペインの、ということで言うなら、『アザーズ』のテイストを期待したら、出て来たものは、『デビルズ・バックボーン』でガッカリ、といったところ。
(『デビルズ・バックボーン』はメキシコ監督のギレルモ・デル・トロですが、スペインに招聘されて作ったので、スペイン作品ということになるのでした。)
『デビルズ・バックボーン』は、決して悪い作品ではないのだけれど、これまたホラーでは全然、なかった〜。これはこれで満足すべきところを、ホラーを意識し、かなり期待させた挙句だったので・・・かなりな肩すかしを食らってしまう作品だったので。
ま、その辺りが一緒かな、と。
この作品に比べたら、先日UPした『ゴースト・ハウス』なんて、すごく良く出来てる、とすら言えちゃうくらい。いや、ほんと。
それに、演技も、主演のキャリスタ・フロックハートが、ずっとヒステリックで、ちょっと見ていて疲れるというか。
音楽の使い方も、大げさだったり、時に少なすぎたり・・・あまり気持ちが入れられない使われ方で、冷めて見てしまう。
話がどうでもいいところで逡巡していて、完全に気が反らされてしまった挙句に、もう飽きた頃にようやく出てくる幽霊の全体の姿は、全然怖さのカケラもなし!
「顔洗って出直して来〜い!」と、言いたくなる幽霊で、困りました。
顔を何かで吊ってるんだけど、メイクとしてはそれだけ。顔を吊ればイイ、なんて発想、呆れちゃうわー、ホント。
それから肝心の、「機械少女」。
うーん、確かに機械が体についてるけど、このせいで『機械じかけの・・・』なんていう、変テコな、
そして何より、かの名作を思い出すような、そんな邦題がつけられてしまったのね。原題は、『Fragile』なんだけど。
そうだとすれば、あまりに『時計仕掛けのオレンジ』に、申し訳ない作りになってしまってる。トホ。
『時計仕掛けのりんご』手塚治虫の漫画は、すっごく面白いんだけどね〜!
2007/08/15 | 映画, :ホラー・スプラッタ
関連記事
-
-
『沈黙』 日本人の沼的心性とは相容れないロジカルさ
結論から言うと、あまりのめり込める作品ではなかった。 『沈黙』をアメリ...
記事を読む
-
-
『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』 アメリカ亜流派のレイドバック主義
80年代の映画を見るなら、私は断然アメリカ映画派だ。 日本の80年代の...
記事を読む
-
-
『湯を沸かすほどの熱い愛』 生の精算と最後に残るもの
一言で言えば、宮沢りえの存在感があってこそ成立する作品かもしれない。こ...
記事を読む
-
-
『ジャクソン・ハイツ』 ワイズマン流“街と人”社会学研究
去年の東京国際映画祭でも評判の高かった、フレデリック・ワイズマンの3時...
記事を読む
-
-
『レッドタートル ある島の物語』 戻ってこないリアリティライン
心の繊細な部分にそっと触れるような、みずみずしさ。 この作品について語...
記事を読む
コメント(24件)
前の記事: #112.ゴースト・ハウス
次の記事: #114.遠くの空に消えた(舞台挨拶つき)
『機械じかけの小児病棟』
—-またまたスゴいタイトルだね。
しかも《骨折スピリチャル・ホラー》だって(笑)。
これは痛そうだ。でもどういう意味?
「プレスによると
『目と耳から強烈な痛みを伴って観る者を震え上がらせる』とある。
つまりボキッ、ボキッと骨の折れる音が大音響で響くわけだ」
-…
『機械じかけの小児病棟』を観たよ。
チラシは、それこそ直視できない恐ろしさだったんだけど。
『機械じかけの小児病棟』
原題:”FRAGILE”
参考:機械じかけの小児病棟@映画生活 機械じかけの小児病棟-FLiXムービーサイト
2005年・スペイン・102分
??
とらねこさん、こんにちは! トラバありがとうございました♪
幽霊も機械少女も、あんまり恐くなかったですよねぇ。
私もキャリスタは「アリー」にしか見えないです(^^;) なぜ彼女がスペインのホラーに出てるのか、本当、なんとも不思議でした。
機械じかけの小児病棟
2005年:スペイン
監督:ジャウマ・バラゲロ
出演:キャリスタ・フロックハート、リチャード・ロクスバーグ、エレナ・アナヤ、ジェマ・ジョーンズ、ヤスミン・マーフィ
イギリスのワイト島。老朽化のため閉鎖目前のマーシー・フォールズ小児病院だったが、病院の近く….
こんにちは。
いつもTBさせていただくばかりでコメントも残さずごめんなさい。
リンクさせていただきましたので今後ともよろしくお願いします(^^)
香ん乃さんへ
こんばんは★コメントありがとうございます。
この映画は、残念ながら全然怖くなかったですね・・。
やっぱ、キャリスタ・フロックハートはアリーと言いたくなってしまいませんか?
もうね、アリー以外のキャリスタ観てるのが結構苦痛かも・・・
あのドラマって、みんな輝いてましたよね〜。
あの世に近づけば、それが見える・・
156「機械じかけの小児病棟」(スペイン)
イギリス・ワイス島のマーシー・フォールズ小児病院。老朽化のため閉鎖間近だったが、列車事故のため街の病院がけが人で一杯となり、患者である子供たちの搬送が延期される。その病院へ夜勤のナースとして派遣されてきた看護…
mamaさんへ
こんばんは〜♪初めまして!
コメント&TB返しありがとうございました。
>いつもTBさせていただくばかりでコメントも残さずごめんなさい
イエイエ、とんでもない。こちらこそ、いつもありがとうございます〜
リンクしていただき、ありがとうございます!
mamaさんのことは、ホラーファンとして、私の頭の中でも、ちゃんとインプットしてあります!
こちらこそよろしくお願いします★
とらねこさん、夜分恐れ入ります。
まあ雰囲気はそれ程悪くなかったかなぁ
なんて思ってます。
でも、霊(?)の造型はいまいちでしたねぇ。
これなら見せなくても良かったのではないかと。
ちなみに「アリー」は全く観たことがないので、
私としては「キャリスタ」ですね。
と言ってもそれ程この作品では魅力を感じなかったけど・・・
機械じかけの小児病棟
おネムさんwいいネーミングだぁ♪
スヌーピーでもタオル好きの子がいたけれど、うちの子は2人ともガーゼのハンカチでした(5歳くらいまで)。
機械じかけの小児病棟posted with amazlet on 07.04.14松竹 (2007/03/28)売り
機械じかけの小児病棟
「機械じかけの小児病棟」 FRAGILE/製作:2005年、スペイン 102分
こんにちわ。
訪問ありがとうございましたー
こちらに伺うのが遅れてしまってゴメンなさいー
んー、何と言うか雰囲気はとてもいいと思ったんですけどねー。そんなにのめり込まない仕上がりといった感じでしたよねぇ。
実際に、既に記憶から抜け落ちている状態だし
霊の正体は、もう少し謎めかしてくれても良かったなんて思ったりー。
キャリスタは、細すぎてある意味怖いですね。
もしかしたら、拒食症かなんかかしら。
本人は、もっとふくよかになりたいと思っているかもしれない程に細いですもんね。
こういう不幸を味わったことがない(笑)
CINECHANさんへ
こんばんは☆コメントありがとうございます。
おや、CINEHANさんはそれほど不満はない感じだったですか。おんやー。
まあ、ホラーって、なんともよく分からない分野ですよね。
どんな作品でも、半数の人はケナしている、といった類のものかもしれませんね。
キャリスタ・フロックハート、確かにこの映画ではそれほどでした。
アリー以外の彼女はこれまでのところ、それほど良かった試しがないんですよね、ぶっちゃけ・・・
『真夏の夜の夢』はまあまあ普通だった方かな。
隣の評論家さんへ
こんばんは☆コメントありがとうございました。
>実際に、既に記憶から抜け落ちている状態だし
いや、本当にそうですよね、私も、すぐ見ていかにも忘れそうな感じでしたし・・・
実際、随分と後になってから、コメント&TBもらっても、「覚えてないよ」ってことあるんですよね〜。
本当、すみませんです
>キャリスタはもしかして拒食症
エ!?知らなかったんですか?有名な話なんですよ。
第一話の時くらいから、ずっとゴシップで載ってたくらいです。
彼女は、本当に拒食症らしいですよ。これだけ細い人って、アメリカ人には珍しいですよね。
しかし、これだけ細いと、逆に魅力はないですよねー!
別に、負け惜しみじゃないですけどね、ハッハッハー( ̄▽ ̄;)
機械じかけの小児病棟
老朽化のため閉鎖間近の小児病院に、臨時の夜勤看護士としてエイミー(キャリスタ・フロックハート)がやって来た。 その晩、50年近く前に立ち入り禁止とされた2階から大きな物音がし、子供たち、特に難病を患っているマギー(ヤスミン・マーフィー)は何かに怯え、エミリ…
>もう飽きた頃にようやく出てくる幽霊の全体の姿は、全然怖さのカケラもなし!
ホラーがとにかく大の苦手なので、何時出てくるか何時驚かされるかと、見てる間中体に力が入ってました(苦笑)
あの顔、夢に見るかと思っちゃった・・・
好きなバラゲロ監督&リチャードさん出演と言う事で、必死に見たのですが、怖がりな哀生龍は突っ込む余裕はありませんでしたよ(涙)
哀生龍さんへ
こんばんは〜★コメントTBありがとうございました。
哀生龍さんはホラー苦手なんですもんね。
嫌いなホラーを、怖い思いをしながらも、好きな俳優がいるから、という理由で、一生懸命見たと思うと、・・・
なんだかかわいいやら、可哀想に思えるやら、不憫です〜(>_<) うーん・・・私はこれ、全く怖いとは思えないんですが(泣)哀生龍さんの純粋な気持ちを踏みにじってすみません。
こんにちは♪
本作を探ってたら辿り着きました。
「機械じかけ〜」のタイトルはボクも?と
言うか拒否権発動ってぇやつです。
矯正器具を機械じかけと表したところに憤り
を感じちゃったもんで。
ホラーとしては閉鎖寸前の病院等と一級の
素材を揃えてるのに…ってぇ感じで怖さは全
然でしたよね。((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
機械じかけの小児病棟
スペイン 2005年
ホラー
監督:ジャウマ・バラゲロ
出演:キャリスタ・フロックハート
リチャード・ロクスバーグ
エレナ・アナヤ
ジェマ・ジョーンズ
【物語】
イギリスのワイト島。老朽化のため閉鎖目前のマーシー・フォ…
風情さんへ」って感じでした。
こんばんは〜♪コメントTBありがとうございました!
そうなんですよね、「何が時計仕掛けなんだ
これ意外に当時見た人は好評で、ビックリしてしまいました。
本当全然怖くないとこがポイントですよね★
くだらない突っ込みですが…
タイトル間違ってますよね?(^_^;)
なつさんへ
おはようございます☆
訂正どうもありがとうございました!
私、コメントをいただいて、最初に「あれ?どこが間違ってるの?」て思ったんですよね。
そして「病棟」の「棟」のへんが「こざとへん」だったかな?「陳」とおもったんですが、「いや〜これは“チン”だよね?」なんて思ったり、
「小児」の部分の「小」が「少」だったかな、なんて一応Wikipedhiaで調べたりしてたのですが、「あれ〜やっぱ、間違ってないじゃん」なんて思ったんですよ。
そしたらまさか、機械の部分が時計になってたとは〜
明らかに自分、途中で一緒になっちゃってたみたいでしたね。
いやー、知らなかったです。
教えていただきありがとうございました!
【映画】機械じかけの小児病棟
見た後にスペイン映画ということを知った。
見終わってこの日記書くために調べるまで、
スペイン映画ということに気がつかなかったよ。舞台はイギリスだし。
ジャンルはホラーだけど、猟奇的な人間がでてムゴイ殺人するとかそういうのではなくて、
幽霊ものです。
機械じかけの小児病棟:映画
今回紹介する映画は、『アリーmy Love』のキャリスタ・フロックハート主演のホラー作品の『機械じかけの小児病棟』です。
機械じかけの小児病棟:ストーリー
エイミー(キャリスタ・フロックハート)は、イギリスのワイト島にある閉院間近の小児病院に夜勤看護士として…