#3.アンジェラ
さすがGUCCIの専属モデル、ヒロイン役のリー・ラスムッセンは、とても手足が長〜〜くって、なんだか共演者のジャメル・ドゥブリーズが可哀想になってくる。
別の惑星から来た、と言っても過言じゃない、このスタイルの良さは、「上から落ちてきた」という天使“アンジェラ”役に、とてもふさわしかったのかもしれないが、それにしてもこの身長さは、並んだ画があまりにも、・・・
ストーリー・・・
嘘つきで借金だらけのダメ男、アンドレ(ジャメル・ドゥブーズ)は、あちこちのマフィアから金を借りまくり、取立てのために48時間後には命が危ういという、絶体絶命の危機に瀕して、麗しきパリはセーヌ河のほとりに立ち、今まさに飛び込もうとしたその時。
長身の絶世の美女がアンドレが同じように横で飛び込もうといていた。思わず自分のことを忘れ、彼女を助けたが、・・・
この天使、天使であって汚れのない純白な服を着ている訳でもなく、この“全編モノクロ”の映像で見ると、黒い(たぶんだけど)超ミニレングスのワンピース。
映画中でも“娼婦のスタイル”というだけあって、普通の「良い子ちゃん」な天使ではなく、その行動も娼婦のようなことまで?xxxx
そして、髪も神話の世界から抜け出たような、フワフワカールのロングヘアーではなくて、オカッパ・ザンギリ頭(と、言ったら、スーパーモデルに失礼かもしれないけどね〜)。
そして極めつけが、タバコをプカプカ吸い続ける、チェーン・スモーカー、という・・・。
よくある天使像を全てブチ破ったリュック・ベッソンの、この天使の物語は、ラブストーリーでもあるのだけれど。
一番核になるのは、このダメ男アンドレが、嘘をつくことなく、自分を等身大に受け入れ、そして自分を愛することが出来るようになる、そうなるまでの成長物語だったりする。
「アナタは男の悪い部分をたくさん持っている。
嘘つき、野心家、自分に自信がなく、愛することに自信がない。・・・」
全てを失った男の再生物語には、愛を知ること、というものも付いてくるのだった。
だが、正直、この、自信を取り戻すに至るストーリーというものに、あまり説得力がなく、そしてこのアンジェラとの恋愛、というのも唐突な感じがして、あまり上手に描けているように思えず。その部分はただくどいだけのように感じられた。
だって、何よりいけないのが、な〜んも起こらないことなのですよ。
事件も冒険もなしに、ただアンジェラの説得と、その思念だけで、“内面に自信を持たせよう”って、それがそもそもの間違い。
アンジェラそのものを描くことでいっぱいいっぱいになってしまったように思える、この映画だけど、アンジェラの美しさ一つを取ってみて、その部分だけでも楽しむ、ということは、可能だと思う。
全編モノクロの映像は、アンジェラ役のリー・ラスムッセンを、まるで“銀幕のヒロイン”のように感じさせ、品位を高めるようにも思えるし、
パリの映像は、白黒映像で見ても、その美しさを感じることは出来るしねっ。
それに、“ダメ男に自信を持たせる”という部分が、私にはとても面白く感じてしまった。
世間一般の男が全員そうとは言わないまでも、皆どこかしら欠点を持ち合わせているのだし、そうした欠点というものは、そこだけ取り上げれば、誰しも“完璧”な人なんてあり得ないのだから。
真に相手が自信を持つようになるにはどうしたらいいか、なんて考えたら、全員女性は“天使”になるべき資質を持っていなければいけないような・・・
・・・なんて言ったら、女性蔑視の意見、と取られてしまっても嫌なんだけど。
でも、女性の権利とか男性の権利とかでなしに、“愛”ということを考えたら、そして“相手の成長”ということを考えたら、多少は包み込む優しさとか、包容力、そういったものが必要なんじゃないか、と言えば、問題は軽減される、カナ?
それが、このアンジェラと、主人公のダメ男、アンドレの身長差を表わしてもいると、私は思う。
“全ての女は、男より上”ってことですよね?リュック・ベッソンさん。
それだったら・・・よく分かってる(笑)、うん。
・・あるいは、男より上手(うわて)でないといけない、っていうこともあるかな。
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5月13日、雨。僕はこの日初日を迎えるリュック・ベッソン監督の最新作『アンジェラ』を朝の一番から観に行きました。僕も昔はリュック・ベッソンが好きでしたが、彼の最近のプロデュース作品はどれも見るに絶えない出来だったので、もう興味は薄れていました。きっと世…
こんにちは。TB&コメントありがとうございました。
>アンジェラそのものを描くことでいっぱいいっぱいになってしまったように思える
まさしくその通りですね。というか、これは完全にリュック・ベッソンの趣味でしょう。「何の前触れもなく地面から機関砲が出てくる」とか「拷問と称してフェ○をする」という馬鹿な脚本を書き続ける男ですからね。
『レオン』が懐かしいなぁ。
真・映画日記『アンジェラ』2回目
12月19日(火)
日中はごく普通。
午後6時10分に終業。
新橋から都営浅草線で立石へ。
7時ジャストに着く。
改札を出るとUさんが待っていた。
近くの商店街でおでんとたこ焼きを買ってY氏宅へ。
ここで買ってきたモノで夕食を済ませた後、
『アンジェラ』を見…
えめきんさんへ
おはようございます★
リュック・ベッソン作品では私は『グラン・ブルー』は好きだったんですけどねー。
>拷問と称してフェ○をする
何か朝っぱらからえめきんさん、凄いこと言ってる気がするんですけど(笑)
でも、これは何の映画なんだろう?・・・思い当たらないんですが、プロデュース作ですよね?
うーん、そんな過激なヤツ作ってましたっけ?
ん〜。私の想像が間違ってるんでしょうか?
映画「アンジェラ」
原題:Angel-A
身長180cmの娼婦の姿で、天使が舞い降りる。閉ざされた心の中を、頑なな愚かな男の、心の内面を解放し、その男を救うためにやってきた・・・。
社会の底辺で蠢く借金まみれのダメ男のアンドレ(ジャメル・ドゥブース)と、スーパーモデルの肢体を…
おはようございます。
TB&コメントありがとうございました。
この作品に関して、やたらベッソンの過去作品と比較して酷評している人がいたように思うのですが(苦笑)。
私にとってはぶっちゃけどうでもいいことかなあ。
好きですね、コレ。
ムードと美しさで魅せるという公式が上手く出来て
いる作品だったと思います。
まあ・・これを牙の抜けたベッソンというのなら、
それはそれでアリかなあとも思いますし(苦笑)。
アンジェラ
【映画的カリスマ指数】★★★★☆
美しいキミの中に見たのは・・・僕自身
突然で申しわけありません。現在2006年の映画ベストテンを選ぶ企画「日本インターネット映画大賞」を開催中です。投票に御参加いただくようよろしくお願いいたします。なお、日本インターネット映画大賞のURLはhttp://www.mirai.ne.jp/~abc/movieawards/kontents/index.htmlです。
再びこんにちは。
「拷問と称してフェ○をする」シーンは、『TAXi3』に出てきました。あのシーンはかなりひきましたね。
しかしとらねこさん、敏感に反応しましたね(笑)。まぁ人様のブログにこんな事を書いてる僕が悪いんでしょうけど(反省してます)。
アンジェラ・・・・・評価額850円
やたらとプロデュース作が多いので、毎月のように名前を見ているが、監督作品は1999年の「ジャンヌ・ダルク」から6年ぶりとなるリュック・ベッソン監督の新作。
デビュー作の「最後の戦い」以来となるモノクロ映像を駆使し
睦月さんへ
こんばんは!
睦月さんはだいぶこの作品がお好きみたいですね。
>ムードと美しさで魅せる
ベッソンはそう言えばフランス人なのに、ハリウッドから見たフランスっていう気がするんですよね。
ベッソンは『レオン』からハリウッドだから、もう気持ちはアメリカ人なんでしょうか・・。
天使のような存在の女性が隣にいるだけで、人が変わるってことが言いたかったんでしょうね。
えめきんさんへ
おはようございます!
戻って来てくださり、ありがとうございます☆
コタツで2晩連続、寝てしまいましたぁ
『TAXi3』でしたか。あれ、実は見てないんですよね、私。1は超好きだったんですが、2がちょっとつまんなかったので。
でも、そんなシーンがあったんですね!知りませんでした。
拷問になるんでしょうか、それって?全然ならないと思うんですけど(爆)
それどころか、むしろ喜ばしいものですよね?(笑)ハハハ!
いやいや、私には何言ってくれても全然構わないですよー☆これからも、遠慮なく♪
てゆーか、えめきんさんの細かいこと覚えてるところは、自分にはとっても面白いです!
アンジェラ
リュック・ベッソン、6年ぶりの監督作!!
48時間の間にパリで生まれた型破りな純愛物語。
STORY:一旗あげようと
アメリカからパリにやってきたものの、
多額の借金を作ってしまったアンドレ。
借金取りに「48時間以内に金を返さなければ、
お前の命はないぞ!」
…
180センチの黒い天使が舞い降りた
112「アンジェラ」(フランス)
マフィア風の男たちに借金の取立てにあい、48時間の猶予しかないアンドレ。絶体絶命の窮地に追い込まれた彼はアレクサンドル三世橋の欄干を乗り越える。今にも飛び降りようかという瞬間、ふと隣を見ると、そこには絶世の美女が。「あ…
こちらにもお邪魔します。
これまた夢オチの話かと思いました。
最後また川に落ちますよね。実は二人が川に飛び込んでいる間だけの話かと・・(汗)
この身長差は絶対男がダメ男というのを映像でもわかりやすく示しているんですよ。とらねこさんのレビューを読んでそう思いました。
私にも天使が舞い降りて、自信を付けさせてくれんかな?
CINECHANさんへ
おはようございます☆
TB&コメント、ありがとうございましたー♪
>夢オチ
>最後また川に落ちますよね。実は二人が川に飛び込んでいる間だけの話かと
“夢オチ”となると、天使が人間になったわけでなく、最初から人間だった、ということになりますね。
なかなか面白い新解釈だと思いますが、そうなると、主人公の現実問題が解決されないままになっていしまいますね?
なので、たぶんそれはないと思います^^;
>私にも天使が舞い降りて、自信を付けさせてくれんかな
ニャハハー☆かわいいこと言っちゃってぇ♪
こんばんは〜とらねこさん♪
今日は、バトンありがとうございました!!
時間がかかるかもしれませんが
気長に待っててくださいね♪
遅ればせながら私も、DVDで「アンジェラ」を
みました。
本当はジョシュの「罪の王」を観たかったのですが、
まだレンタルされていないみたいなので、次に
気にかかっていた「アンジェラ」を借りたのでした(笑)
>このアンジェラとの恋愛、というのも唐突
うん。私もそう思いました。
恋愛までの感情に行くにはチョット唐突と
いう感じがありましたよね。
面白かったけど、なんとなく少し
無理やり感があったような気がしちゃいました。
Pamyさんへ
こんばんは、Pamyさん、コメントありがとうございました★
そして、バトン受け取りも、ありがとうございましたぁ〜。Pamyさんたら、最近忙しそうで・・・ちょっと、寂しかったですよ〜(泣)
あっちに書かないで、こっちに・・・ですか、あっちには、怖い人がいっぱいいましたでしょうか(爆)
アハハ、なんつって♪・・・でも、確かに、ちょっとコワイかもしれません(爆)!!
で、この映画ですが、アンジェラは綺麗でしたよね、手足が長くって。
でも、恋愛はちょっと、無理やり感を感じますね(笑)
アンジェラ
リュック・ベッソン「アンジェラ」です。 生きる希望を失い、死を覚悟した男アンドレの前に突如現れた絶世の金髪美女アンジェ
アンジェラ
リュック・ベッソン「アンジェラ」です。 生きる希望を失い、死を覚悟した男アンドレの前に突如現れた絶世の金髪美女アンジェ
こんにちは☆TB失礼します。
内容云々よりも、私こういう男性が苦手でして…(見た目とかじゃなく)。つらかったです…。映像はいいんですけどね^^;
もももさんへ
こんばんは☆コメントTBありがとうございました。
そうですね、この男、どうにもこうにもあまりパッとしない人でしたよねえ。
いいとこなし、というか(笑)
とらねこさま☆どうぞよろしくお願いします☆)
ココログ障害で御迷惑をおかけしました〜汗
TB&コメ無事に届いておりますっ!
コメは一応承認制になっておりまして、エラー表示が出なければ大丈夫です。以前はお知らせ欄に記載していたのですが、ここ何日かTB障害が続いたので、そちらを記載していました。
これに懲りずまたお邪魔させてもらいますが
(私も「異常天才ギドク・マニア」貼らせてもらいました
もももさんへ
こんばんは★
ちゃんと届いて良かったです〜。
イエイエ、実は昨日はこちらの方も調子が悪くて、ちゃんとTBが貼れなかったようだったのです。
そちらも、TB&コメント、承認制だったのですね☆
もしかしてそうかなと思いましたが、他の方のブログでやっぱり調子が悪い時があったので、心配してしまいました。
こちらこそ、これに懲りずによろしくお願いします♪
もももさんもギドクのブログパーツ貼りましたか♪
わーい!オソロだ★
『アンジェラ』’05・仏
あらすじアンドレ(ジャメル・ドゥブース)は、セーヌ河に身投げをしようとしていたが、ふと横を向くと同じ様に身を投げようとしていた謎の美女アンジェラ(リー・ラスムッセン)がいた・・・。感想リュック・ベッソン監督が、第1作『最後の戦い』と同じく、モノクロで撮…
<アンジェラ>
2005年 フランス 90分
原題 Angel-A
監督 リュック・ベッソン
脚本 リュック・ベッソン
撮影 ティエリー・アルボガスト
音楽 アンニャ・ガルバレク
出演 アンドレ:ジャメル・ドゥブーズ
アンジェラ:リー・ラスムッセン
フランク:ジルベール・…
アンジェラ
『泣き虫で凶暴 出逢うはずはなかった 君は天使』
5/13に公開になったコチラの「アンジェラ」は、リュック・ベッソンが「ジャンヌ・ダルク」以来6年ぶりに監督した映画なんですよねぇ〜。しかも、10年前に既にこの映画の構想は考えられていたそうで、リュック・ベッ…
「アンジェラ」(Angel-A)
「ニキータ」や「レオン」などの作品で知られるフランスの鬼才、リュック・ベッソン監督が2005年にパリを舞台にして撮った哲学的ドラマ「アンジェラ」(仏、90分、モノクロ、06年5月初公開)。本作は、ベッソン監督が前作から6年ぶりに演出を手がけ、彼の10本目…
こんばんは、いつもありがとうございます。
この映画は、いつものベッソン監督のアクションものかと思っていたら、全然ちがっていて、びっくりするやら、感銘を受けてしまいました。ベッソン、なかなか、やるじゃん、と思いました。
それでは、またよろしくです。
David Gilmourさんへ
初めまして!こちらこそ、TB&コメントありがとうございました!
この作品、だいぶ気に入られたようですね^^
そうですね。いつものベッソンとはちょっぴり違ってましたよね☆
でも、綺麗な人が好きなのは相変わらずでしたが(笑)
こちらこそまたよろしくお願いします!