rss twitter fb hatena gplus

*

146.網走番外地

網走番外地これ一つで、日本国内で網走の地名を轟かせ一気に有名にし、そして日本国民ほぼ全員が高倉健を“健さん”と言うようになった等という、シリーズ1作目のこの作品。
’65年石井輝夫監督。


高倉健の若い頃、初めて見ました。丹波哲郎も。若い!カッコいい!
だけど、田中邦衛は、全然変わらない!同じ顔です。


ストーリー・・・
貧農出身の橘(高倉健)は、義父とうまくいかず、家を飛び出し、ヤクザ者に。親分のための仇討ちで、3年の禁固刑を負って、網走刑務所へとやって来た。
そこにいる囚人の中で、“8人殺しの鬼虎”の子分だ、と言ってその場の者の尊敬を勝ち得ている、権田(南原宏治)がいた。
この男とことごとく対立などしていたが、刑期も2年半経ち、もうすぐ出所というその時に、母病気との知らせを、自分を何かとかわいがってくれる世話人の妻木(丹波哲郎)から聞く。
だがそして折りしもちょうどその時、刑務所の大脱走計画が進んでいた。・・・


実は私は以前『鉄道員(ぽっぽや)』で初めて高倉健を見ました。若い頃の高倉健はこれが初めて。
橘(高倉健)は、ヤクザ者とは言え、曲がったことが出来ない性分。なので見ている者も、ちゃんと主人公の気持ちになって見てしまう。
不器用で寡黙な男を演じた高倉健は、やっぱりとても存在感と味があるなあ。UPの時の表情がとても良くて。


それから、一番長い刑期を務める“鬼虎”こと阿久田虎吉(嵐寛寿郎)も、脱走前夜の皆に囲まれた時の、凄みに、とっても迫力があった。
静かに過ごしていた初老の阿久田は、本当は伝説的な殺人者なのだが、皆はそれを知らずに過ごしていて、阿久田も、自分の罪を吹聴したりはしない。

だけど、いざ皆の脱走計画を前に、さすがの勘で感付いて、背水の陣に挑む。
この時に、今までは大人しくしていた爺さんが、自分の本性を初めて見せる。
爺さん一人に皆がたじたじとなるシーンなのだけれど、凄い気迫とカメラでなかなかに緊張感があって、納得できるシーンだった。


丹波哲郎の優しさも最後、爽やかな感動になっていて、後味の良さが残る作品。


ところで、この途中に挟まれる歌、なんだか随分と変な歌なんだけれども、シングルCDになっているそうです。
裕木奈江と高倉健が歌っていて、作曲は中島みゆきにさだまさし。
アゴがハズレそうなほど下手なこの歌は、高倉健自らが歌っていたのですね。
まあ、・・・紅白には出れなくても、・・・仕方がないかな^^w

 

関連記事

『沈黙』 日本人の沼的心性とは相容れないロジカルさ

結論から言うと、あまりのめり込める作品ではなかった。 『沈黙』をアメリ...
記事を読む

『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』 アメリカ亜流派のレイドバック主義

80年代の映画を見るなら、私は断然アメリカ映画派だ。 日本の80年代の...
記事を読む

『湯を沸かすほどの熱い愛』 生の精算と最後に残るもの

一言で言えば、宮沢りえの存在感があってこそ成立する作品かもしれない。こ...
記事を読む

『ジャクソン・ハイツ』 ワイズマン流“街と人”社会学研究

去年の東京国際映画祭でも評判の高かった、フレデリック・ワイズマンの3時...
記事を読む

『レッドタートル ある島の物語』 戻ってこないリアリティライン

心の繊細な部分にそっと触れるような、みずみずしさ。 この作品について語...
記事を読む

4,287

コメント(3件)

  1. 網走番外地

    11月12日(水) 11:00?? キネカ大森1 料金:1000円 プログラム:非売(高倉健主演の1970年以降のものが多数売られていた。「野生の証明」など) 網走番外地出版社/メーカー: 東映ビデオメディア: DVD 不定期名画座―キネカの観方―第3弾。高倉健主演の「網走番外地…

  2. こんにちは。
    歴史に残る作品を先日ようやく見ました。
    これ自体は、イマイチだったんですが、続々編、続編を続けてみまして、悪役の安部徹の笑顔に魅了されてしまいました(笑)
    いや、健さん、歌下手糞ですね。

  3. バラサバラサさんへ
    こんばんは〜♪コメントありがとうございました!
    ちょっとお久しぶりですね〜♪来てくださって、ありがとうございます!
    特にこんな、誰も来ないところに来てくださって、とっても嬉しいですー
    へえ、悪役の笑顔に魅了されたって・・・
    素敵な観方をされてますね♪^^*
    >健さん、歌下手糞ですね
    いやもー、とんでもないジャイアンが居たものです。




管理人にのみ公開されます

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)


スパム対策をしています。コメント出来ない方は、こちらよりお知らせください。

前の記事:

次の記事:

Google
WWW を検索
このブログ内を検索
『沈黙』 日本人の沼的心性とは相容れないロジカルさ

結論から言うと、あまりのめり込める作品ではなかった。 『沈黙』をアメリ...

【シリーズ秘湯】乳頭温泉郷 鶴の湯温泉に泊まってきた【混浴】

数ある名湯の中でも、特別エロい名前の温泉と言えばこれでしょう。 乳頭温...

2016年12月の評価別INDEX

年始に久しぶりに実家に帰ったんですが、やはり自分の家族は気を使わなくて...

とらねこのオレアカデミー賞 2016

10執念…ならぬ10周年を迎えて、さすがに息切れしてきました。 まあ今...

2016年11月の評価別INDEX & 【石巻ラプラスレポート】

仕事が忙しくなったためもあり、ブログを書く気力が若干減ってきたせいもあ...

→もっと見る

【あ行】【か行】【さ行】【た行】 【な行】
【は行】【ま行】【や行】 【ら行】【わ行】
【英数字】


  • ピエル(P)・パオロ(P)・パゾリーニ(P)ってどんだけPやねん

PAGE TOP ↑