140.40歳の童貞男
主役を演じるスティーブ・カレルと、監督ジャド・アパトゥによる共同脚本・製作のこの作品。
何より、目のつけどころがなかなか良くて、思わぬヒットという運びになったんじゃないでしょうか?
出来れば、もっとたくさんの劇場で早いとこ展開していれば、もっと興行収入が期待出来たはずなのに。
もったいなかった。コメディってそんなにヒットしないものなんだろうか?その中にあって、この作品の健闘ぶりは、今年、割と心に残るものだった。
電気屋さんに勤めるアンディは、40歳にして童貞。決してモテなすぎる、というほどではなかったんだけれども、なんとなくチャンスを生かせなかったり、運が悪かったり、かと言って風俗に行くほどスレていない。
女性に対する尊敬の念があったり、人間関係を築くのもどことなく苦手だったり、・・・いろいろなことが理由で、こんな年齢になってしまったんだ、と表現されているのだけれど。どうやら、アンディは、「うまいことチャンスをものにしてやろう」、といった、野獣のような気持ちのない人、とのことだった。
なるほど・・・。でも、そんな人っているのかなあ・・・?このモテぶりを見ていると、そんなチャンスぐらい今までにあってもおかしくないように思えるし、40歳じゃなくって、26〜30歳くらいだったら、まだありえる話、として自分には理解しやすかったかも。
でも、笑えることを念頭においたら、その年じゃ、真剣な悩みになっちゃって逆に笑えないのかな?
アンディの話自体よりも、周りの同僚や、電気屋さんで働く人達がなんだか可笑しかった♪
昔の彼女をまだ忘れられないデイビッド(ポール・ラッド)や、モテモテなアフリカ系アメリカ人のジェイ(ロニー・マルコ)、それから、友達のいないアンディを“連続殺人鬼”と思ってたキャル(セス・ローゲン)。
みんなの言うアドバイスはそれぞれの持つ恋愛観で違っていて、アンディからしてみれば、みんなが違うこと言うので、大変。
彼女がいないデイビッドとキャルの二人が、ゲームをしながら、どっちがゲイかを悪口言い合ってたり。
みんなでメンズエステに、アンディの胸毛を抜くのを見に行ったり。
変態気味の女性をアンディが持ち帰った時は、みんなで見に行ったり・・・
男同士って、モテなくたって、彼女がいなくたって、なんだか楽しそうだな〜。
男って羨ましい!なんて思ってしまう。
「なんでオマエがゲイかって言うとだな・・・○○だから。」
この会話なんて、中学生レベルかよ、って感じなんだけど、その中学生レベルってのが、アンディと結構、同列なわけでw
で、アンディの同僚たちも、童貞ではさすがにない、と言えど、みんな、それなりに完璧じゃない男達で、それぞれ問題を抱えているんだよね。
でも、人間、誰もが人間関係を築くのが得意、と言える人ばかりではないし。・・・
だから、世間の人と、どっこいどっこい、なんて言うのが、ココにいる、電気屋の同僚たち。
職場で童貞とバレて恥ずかしくて、逃げ回るのも面白かったし、・・・とうとう行き止まりになっちゃって、インド系の人がタバコ吸いたくてインド訛りで文句言うのも面白かったww
個性溢れる脇役たちが面白かったので、なかなか良いセンスのコメディだったように思う!
それから、やっぱり、きちんと段階を踏んで、関係を大事にしようとするのが良かったな。
確かに、アッという間に、体の関係を持ってしまうのって、このアンディのような人にとっては、重荷だったのかな、なんて思ってしまう。
肉体的な関係よりも、精神面での繋がりの方がきっと本当はもっと大事なことで、そうした関係から徐々に進んでゆくほうが本来は良い関係を作れるのかも・・・なんて思ったりもしました。
ま、それは相手あってのことなので、相手が待ってくれればの話だけど、中学生でもない限り、大人になるとなかなかねー。そうはいかないんだよね。
すごく大爆笑!というほどではないにしろ、なかなかのアイディアで、自分の中では結構お気に入りのコメディ。単に笑えるだけの作品じゃないのがまた良かった感じ。
“童貞でオタク”を笑ってやろう、という試みで見たのだけれど、そして、世間の人はたいていそうだと思うけど、うまいのが、笑いを持たせつつも、それだけで終わらないところ。
逆に、こんな風に丁寧に人間関係を築くことの大切さを教えられたような・・・と、言ったらベタすぎるかな?
でも、ちょっと不器用でも、結果的に妥協ナシで「この人でないと」、と思える人に出会えたアンディが素敵に思えたりしてしまったのでした。
簡単にヤって、簡単に終わってしまう関係って多すぎると思うので。・・・
男って、会って短期間ですぐヤろうとする割に、本当にヤレちゃうと、「そんな女なんだ」って考えるでしょ。
だから、そこら辺を計算しながら、こっちも我慢しないといけないんだけど、
時間かけて作った関係の方が長続きがするから、絶対!
ところで、これ、左から、レスリー・マン、ジャド・アパトゥ監督、スティーブ・カレル(アンディ役)、ナンシー・ウォールズ。
レスリー・マンという一番左の女性は、酔っ払って車の運転をしてアンディにゲロをかけた女性の役で出てきた人で、実は、ジャド・アパトゥ監督の、奥さんだそうです♪
あの酔っ払いぶり、なかなかだったと思いませんか〜?
このレスリー・マンという女優さん、『シャーロットのおくりもの』にも出ているそうで。
2006/12/12 | 映画, :コメディ・ラブコメ等
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コメント(74件)
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単担丹e担丹歳の童貞男
40歳の童貞男
評価:82点
監督 ジャド・アパトゥ
脚本 ジャド・アパトゥ、スティーヴ・カレル
出演 スティーヴ・カレル、キャサリン・キーナー、ポール・ラッド
<あらすじ>
フィギ
『40歳の童貞男』を観たよ。
シェアブログ1573に投稿
※↑は〔ブログルポ〕へ投稿するために必要な表記です。
「ポロシャツの裾をパンツに入れてベルトを見せる」っていう出で立ちは、洋の東西を問わず「奥手で地味な男のユニフォーム」と化していむŐ
??A
とらねこさん、こんばんは♪ DVDで観たので、TBさせていただきました。
どたばた下ネタ系コメディかと思って、あまり期待しないで観たんですが、予想に反して結構真面目な部分もあって、面白かったです★ ほのぼのした気分にもなれましたし。ミュージカルちっくなエンディングも、観ていて楽しくて♪
ではでは、失礼致しました〜^^
香ん乃さんへ
こんばんは〜☆コメントTBありがとうございました!
そう、これ、気になりますよね、DVDで見たくなる作品ですよね♪
私も、これ、想像したよりずっと面白かったんですよ。
エンディングも良かったですよね。少し変な感じで。
香ん乃さんも気に入ってくださり嬉しいです〜♪
40歳の童貞男
2005年:アメリカ
監督:ジャド・アパトウ
出演:スティーヴ・カレル、キャサリン・キーナー、ポール・ラッド、ロマニー・マルコ、エリザベス・バンクス、レスリー・マン、セス・ローゲン
全米で思わぬ大ヒットとなり大きな話題を集めた異色のハートウォーミング・ラ…
「40歳の童貞男」
スティーヴ・カレル主演。
去年かなぁ・・・劇場公開してる・・・と思いきや、すぐにDVDになってた作品。
お久しぶりーーーーーーっ。
たまには下ネタ満載の作品も見てるひらりんでーーすっ。
主人公の生真面目・オタクぶりも笑えるけど、
脇役陣の問題児達も、いろいろネタがあって、
飽きずに笑えましたっ。
スティーヴ・カレルもジャド・アパトゥ監督も、
ハリウッド・コメディ界の注目株らしいので、
今後も期待ですね。
ひらりんさんへ
こんにちは〜★コメントありがとうございました。
あ、今回、普通のコメントですね!
ここにカキコんでいただく方には、自分の童貞・処女喪失体験をお話いただいているのですが・なんつって(笑
ひらりんさんがいまだに男の子か女の子か分からない、私なんですがw
そうそう、この映画はフラット・パックの期待の新星ということで。なかなか楽しみですよね。
40歳の童貞男
何というストレートなタイトル!?と思いきや、原題もそのまんまなんですね。いやはや主演のスティーブ・カレルが製作までしていることと合わせて、本当に驚きです。でもこりゃ評判通り面白かったですね。特に私のような下ネタ好きにはいい感じでしたよ。
何と言ってもこの….
男って何歳になっても、こんなアホでバカな話で盛り上がるんですよね。
お酒が入って風俗街にでも行こうものなら、もう誰も止められない状態です。
そして次の日、しらふに戻って少し後悔する・・・。
やっぱり男ってアホな生き物ですわ!
にゃむばななさんへ
こんばんは〜♪コメントTBありがとうございます!
う〜ん、そう言われると、男がすごく羨ましいです。
でも、風俗街に行く人より、アンディのように行く気がない人の方が、何倍も好きなんですが、
ま、これは全女性(のうち80%くらい?)のセリフでしょうね〜
でも、童貞捨てる話をしている人達こそ、全然完璧じゃないのがまた笑えましたw
「40歳の童貞男」
これは、拾い物。話のテンポも軽快で楽しめた。
原題は「40歳のバージン」。素直に邦題にしたわけだが、「童貞男」という日本語になると、映画に対する先入観として、いいのか悪いのか…。
バージン(virgin)という英語は
あのシーンの女優さん、レスリー・マンという方ですか! しかも監督の奥さん!? いいですねー。
おもしろい映画でした。タイトルだけ見ると、観たい気は起きないのですが、観てよかったです。
出演者もみんな良くて、お話も良く、締めくくりのミュージカルも最高でした!
ボーBJジングルズさんへ
こんにちは!TBコメントありがとうございました。
>タイトルだけ見ると見たい気が起こらない
そうなんですよね〜!興味はあるけど、タイトルちょっと引いてしまいますよね。
なんか長年しょっぱいものを貯めこんでそ〜で・・・
>レスリー・マン
監督の奥様なんて私も後から知ったんですが、ウケましたよ〜w
『40歳の童貞男』を観たぞ〜!
『40歳の童貞男』を観ました強烈なタイトルで多少想像がつくように、40男の“ロスト・ヴァージン”を描いた、おかしくて愛おしいコメディ映画です>>『40歳の童貞男』関連原題:THE40YEAROLDVIRGINジャンル:コメディ製作年度・国:2005年・米上映時間:116分監督:ジャド…
映画DVD「40歳の童貞男 無修正完全版」
2005年アメリカ
おもしろいと言えばおもしろいのですが
笑いのセンスはあわなかったです。
声を出して笑うほどではないかな
どうせならもっとハチャメチャなほうが好きです。
40歳の童貞男@我流映画評論
今回紹介する作品は、スティーヴ・カレル, キャサリン・キーナー主演のコメディ映画『40歳の童貞男』です。
まずは映画のストーリーから・・・
家電量販店で働くアンディ(スティーヴ・カレル)は、平凡だが充実した日々を送っていた。
ある晩、ポーカーの最中に…
映画『40歳の童貞男』
原題:The 40 Year Old Virgin
童貞でいたのは、君と出会うのを待っていたからだなんて、かっこいいこととても40歳で言う言葉じゃないよね、全米ブロガー応援のオタクな男の物語・・
アンディ(スティーヴ・カレル)は、几帳面で真面目な性格、電器店に勤め、趣…
≪40歳の童貞男≫
40歳の童貞男
¥3,496
Amazon.co.jp
(WOWOW@2007/10/20)
原題 THE 40 YEAR OLD VIRGIN
製作年度 2005年
製作国 アメリカ
上映時間 116分
監督 ジャド・アパトー
出演 スティーヴ・カレル 、キャサリン・キーナー 、ポール・ラッド 、ロマニー・マルコ …
40歳の童貞男
『遅くて何が悪い!』
コチラの「40歳の童貞男」は、R-15指定の下ネタ満載のラブコメです。ジャド・アパトウ監督と主演のスティーヴ・カレルが、脚本に名を連ねていますが、その殆どが即興で演じてしまったというライブ感溢れるコメディです。にも関わらずそれなりに….
『40歳の童貞男 無修正完全版』’05・米
あらすじ40歳になるアンディは、おもちゃとゲームに囲まれた“ネバーランド”で平穏な日々を送っていた。ところが不用意な発言から、未経験であることが仕事仲間に知られてしまう。そこから、仲間たちによるアンディへの“教育”とお相手探しの大作戦が始まった・・・。…
DVD:40歳童貞男
2006年公開の映画、40歳の童貞男をDVDで見ました。この映画、9月上旬封切りで、その後11月くらいに追加公演が決まったのですが、もうその時にはDVDが発売されていたんですよね。僕が劇場で観ようかなと思った時にはすでにDVDがレンタルされていたので萎えちゃって観…
40歳の童貞男
2009年9月13日(日) レンタルDVD 40歳の童貞男 無修正完全版 [DVD]出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパンメディア: DVD 『40歳の童貞男』公式サイト 限られた映画館で限られた時間に上映されていた凄いタイトルのコメディ。 チネチッタで上映されてい…