136.マスターズ・オブ・ホラー 『チョコレート』
もうすぐこのシリーズが(自分的に)終わってしまいます。
残るは、この作品を入れて、後2本!!
で、今作品のミック・ギャリス。このマスターズ・オブ・ホラーのシリーズの製作総指揮をしていたこの監督さんなんですが、あんまりこの作品は印象に残っていません・・・。
なにせ一日1記事以上UPするのが嫌いなので、実は自分が見たのもずっと前・・・。「そんなん、アンタの勝手やんけ」と言われたら、立つ瀬がありませんけどネ。それに、他の映画もUPしながらだったので、実は随分前に見ました。おかげで、「あり・・・?どんな話だったっけ?忘れちゃった。」
と、いうことになってしまい、他の人の記事を読んでしまいました。それで、ようやくどんな話だったのか、おぼろげながら思い出しました。
はっはっは・・・たぶん、このシリーズの中で、一番印象の薄い作品、と言えるのかもしれません。
自分にとっては、この監督、ミック・ギャリスは、『スティーブン・キング版シャイニング』のメガホンを撮ってしまった、悪名高い監督さんです。
キングのホラー映画って、本当に自分としては、要らないものが多い、と感じています。キングの原作で好きなものは、『スタンド・バイ・ミー』を筆頭に、『ショーシャンクの空に』、『キャリー』、『シャイニング』、この4本は本当に好きな作品です。
『グリーンマイル』なんかも、悪くないんじゃないでしょうか。
『アトランティスのこころ』も自分は好きですし。『ミザリー』は、映画より小説の方がずーっと面白いです。あれは、シチュエーションより、心理戦なので、心理描写が細かく書いてある小説の方がずっと面白いんですヨ。
あと、大方の人には反対されそうですが、『UFOキャッチャー』も、私は好きww
あ、間違えた。『ドリーム・キャッチャー』だった。
それでね・・・、この作品、原作が超!好きなんです私。・・・だって、『スタンド・バイ・ミー』meets『サイン』て感じなんですもん。
でもでも、この作品のラストには!ズッこけました!
原作と全ッ然違うんですけど、あの変テコさには、大爆笑!!
『サイン』をモデルにやっちゃってくれ、ってキングに言われたかどうかは知りません。でも、『サイン』的大爆笑がやってくるなんて思わなかった。。。
私には、思っても見ない笑える傑作になってしまいました。
で、キングは、文を書かせればすごくいいと思うのですが、そのキングは、なんと、「超映画のセンスねーぜ。」と、みんなに思われてしまいました。
なぜなら、’97年、自分の名前を冠に掲げた『シャイニング』を撮ってしまったからです。
’80年のキューブリックの『シャイニング』が、キングには気に入らなかったんでしょう。世間の絶賛とはウラハラ系に、「キューブリック、間違ってる!」と言って撮ったらしいです。でも、全然気持ちが分かりません。
できればクズは拾いたくない、という良識あるマトモな映画ファン(私のような)は、
「キングがこんな趣味してるんなら、もうキングの映画なんて見なくっていいや。」
なんて、キング映画を見限る大きな転換期になってしまいました。
その原因がこのミック・ギャリスという、キングに眼をかけられてしまった監督さん。
・・・ま、キングが大好きだからこそ余計、映画は要ナシと見て、小説に走ってしまう、という、いわばキング原理主義のようなものになっただけなんですが。
でも、せっかく“映画が好き”で、“キングが好き”という、プラスがふたつ掛けられて、結果マイナスになるなんて、どうなんだろう・・・せっかくの商品価値を自ら下げる行動ってのは、キングはすべきでないと思うんですけどね。まっ、彼は、自分の本の収入だけで、十分ビリオネアーなんだから構わないんでしょうけど・・・。
余計な話が長くなりました。
この映画の話に戻ります。
ジェイミー(ヘンリー・トーマス)は、不思議な経験をする。それは、とある一人の女の意識になってしまい、それを経験する、というものだった。
それは、離婚した妻に子供の養育費を送るだけの、孤独な生活を送る男にとって、全く思うだにしない意識を突如としてリアルに感じることになる、という体験。
芸術家である、とある一人の女性の意識、その流れてくる意識を通して知ったことは、それまで自分の知らなかったみずみずしい感情であり、今まで感じたことのない愛情溢れる気持ちだった。
それらに突如として奔流されるように、その“意識そのもの”を愛し始めたのだった。
鏡に映った姿は、とても美しい人だった。ジェイミーは、その意識を使用しながら、はるばる本人を探して会いに行ったが・・・。
ときどき私が男の人と会話していて思うのは、「この人って、本気で誰かを愛したことってあるのかな?」って考える時があります。ま、女性でもそうだと思うんだけど。アッサリと感情を割り切るのって、すごく気楽でいいことだとは思うのだけれど、もっと人の望まない深みに、愛も憎しみも存在すると思う。
だから、腹を割っていろいろな話をする時に、そういった複雑さというものを分かち合えるのであって、浅いレベルでしか感情を経験したことのない人というのは、自分にはあまり話が分からない、面白みのない人だったりする。
仕事なんかを一緒にこなす分にはそれでも全然構わないけど、心を許した友達になるには、自分には、そういった、深みを理解できる人がずっと面白い。
枯れたような感情の持ち主の人には、ときどき、こんな風に、誰か他人の意識というものを覗ける機会があると、いいんじゃないかな、なんて思いました。
100%他人の主観で物を見るのって、普通は出来ないことだから、主観と客観が入れ替わったらきっとそれだけで、すごい価値の転倒が起こるような気がする。
その他のマスターズ・オブ・ホラー作品
・『インプリント ぼっけえ、きょうてえ(トークショーつき)』
・『愛しのジェニファー』
・『世界の終わり』
・『ゾンビの帰郷』
・『ダンス・オブ・ザ・デッド』
・『ディア・ウーマン』
・『閉ざされた場所』
・『ハンティング』
・『ヘッケルの死霊』
・『魔女の棲む館』
・『虫おんな』
・『ムーンフェイス』
2006/12/06 | 映画, :ホラー・スプラッタ
関連記事
-
-
『沈黙』 日本人の沼的心性とは相容れないロジカルさ
結論から言うと、あまりのめり込める作品ではなかった。 『沈黙』をアメリ...
記事を読む
-
-
『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』 アメリカ亜流派のレイドバック主義
80年代の映画を見るなら、私は断然アメリカ映画派だ。 日本の80年代の...
記事を読む
-
-
『湯を沸かすほどの熱い愛』 生の精算と最後に残るもの
一言で言えば、宮沢りえの存在感があってこそ成立する作品かもしれない。こ...
記事を読む
-
-
『ジャクソン・ハイツ』 ワイズマン流“街と人”社会学研究
去年の東京国際映画祭でも評判の高かった、フレデリック・ワイズマンの3時...
記事を読む
-
-
『レッドタートル ある島の物語』 戻ってこないリアリティライン
心の繊細な部分にそっと触れるような、みずみずしさ。 この作品について語...
記事を読む
コメント(13件)
前の記事: 135.マスターズ・オブ・ホラー 『ゾンビの帰郷』
次の記事: 本が好き
『マスターズ・オブ・ホラー』チョコレート
アメリカのケーブルTVが製作したホラーアンソロジー「マスターズ・オブ・ホラー」、まず、最初に見たエピソードは、ミック・ギャリス監督の「チョコレート」。楽しみは、取っておく方なので、まずは、あまり期待してない作品から見ます。(あ、ミック・ギャリスのファンの…
こんばんは!
いつもありがとうございます。
こちらからはTBできないみたいです。すいません。
(禁止語句でもあるのかな??すいません)
自分も、このエピソード、全然ダメでした。
ホラーっていうより、普通のサスペンスだったし。
チョコレート 06年224本目
チョコレート Chocolate
2005年 ミック・ギャリス 監督ヘンリー・トーマス 、ルーシー・ローリア
マスターズ・オブ・ホラー 恐-1グランプリインプリント 世界の終り 魔女の棲む館 愛しのジェニファー 虫おんな ディア・ウーマン ゾンビの帰郷 ムーンフェ…
チョコレート 06年224本目
チョコレート Chocolate
2005年 ミック・ギャリス 監督ヘンリー・トーマス 、ルーシー・ローリア
マスターズ・オブ・ホラー 恐-1グランプリインプリント 世界の終り 魔女の棲む館 愛しのジェニファー 虫おんな ディア・ウーマン ゾンビの帰郷 ムーンフェ…
わ、忘れてる、、、
この記事読んでも、最後は思い出せません、、、
いぁ、映画のせいじゃ無くって、
あたしがアルツなんでしょうね、きっと、、、
わー久しぶりぃ!とらねこチャン。元気そうでなにより。
ブログの雰囲気かわったね。
今私はmixiにはまっていまず。
またきますね。
@KOBAさんへ
こんばんは!
ま、この作品は、サスペンスでしたけど、もう少し上手に見せてくれても良かったですよね。
猫姫少佐現品限りさんへ
こんばんは☆
この作品は、こうして記事にしなかったら、あれっきり忘れたまんまでしたよー(笑)
アルツって・・・
でも、DVDだと、間違えて二度借りちゃう時ってありません?^^;
ちなみに、私は、『スパイダー』は3度も借りてしまいました
子猫さんへ
子猫さん、こんばんは〜☆
お久しぶり!最近どうしてるのかな?って、子猫さんのこと考えてたんですよ〜。
そして、今はmixiにハマっているんですか。
私は最近始めたのですが、もし良かったらmixiの方でもお友達登録してくださいよ〜!!
もし良かったら、メールを設定したので、子猫さん、→サイドカラムのフォームから、メール一度くださいませんか?待ってますよ〜。
「マスターズ・オブ・ホラー」を観たぞ!その2
「マスターズ・オブ・ホラー」シリーズを攻略中でぇーす。(関連記事はこちら) その
映画「マスターズ・オブ・ホラー/チョコレート」
「ライディング・ザ・ブレット」のミック・ギャリス監督作品。アメリカのTV局“SHOWTIME”が企画したホラー・プロジェクト<マスター・オブ・ホラー>。トビー・フーパー、ダリオ・アルジェント、ジョン・カーペンターはじめホラー界を代表する巨匠監督13人がホラー作品を…
チョコレート
マスターズ・オブ・ホラー
恐-1グランプリ
2005年:アメリカ
監督:ミック・ギャリス
出演:ヘンリー・トーマス、マット・フルーワー、キャサリン・ホースマン、リュシー・ロリエ
最近離婚したジェイミーは、シカゴの某食品研究所で人工フレーバー研究・開発の仕事….
チョコレート
DMMでレンタルするあらすじ:ジェイミー( ヘンリー・トーマス )は、シカゴの某食品研究所で人工フレーバーを研究・開発の仕事をしながら、同僚のウォーリー( マット・フルーワー )とはいつも楽しい雑談…