126.マスターズ・オブ・ホラー 『ムーンフェイス』
『ファンタズム』シリーズや、来年のお正月に『プレスリーvsミイラ男』の公開待たれる、ドン・コスカレリ監督作品。(←この作品、トルネード配給ですが、本当に面白そう・・・)
サイコキラーものプラス、かつて幸せだった恋愛の記憶が織り交ざりフラッシュバックする、という、なかなかに変わった1作。
ストーリー・・・
森の中で、スキンヘッドのバカでかい大男に遭遇してしまうエレン(ブリー・ターナー)。
顔がボツボツだらけで、“ムーンフェイス”と呼ばれる殺人鬼(ジョン・デ・サンティス)は、獲物を追うごとく、逃げまどう女を今にも捕まえようとしていた。
絶対絶命の危機に陥ったエレンは、そこにあるものを武器にして、何とかこのサイコキラーに立ち向かおうとする。・・・
いきなりそういったシーンから始まる、というのも、さすが60分という短い尺ならではの裏切り方だが、死と隣合わせのその時に、しあわせだった時の記憶が蘇る、というのがまたビックリ!
(これぞ死あわせ・・・←ダジャレです。)
ブルース(イーサン・エンブリー)に初めて出会った時のこと、初のデート、そして嵐の中で小屋で・・・などなど(ごにょにょ)
出会った当初のエレン役、ブリー・ターナーが本当に綺麗!
ホラーとか、サイコキラーものにこんな情景が交錯されるなどと思いもしないので、びっくり。
この甘い記憶が、また後から効いてくるし、本当に珍しくって私は好き!w
結婚すると同時に、軍人バカのブルースは、新妻であったエレンに、護身術を習わせ、銃の使い方を教え・・・
果ては、生命の危機にどう戦うか、相手の不意をどう狙い、その裏をかくか、特訓がドンドン過激になっていった。
だがしょせんエレンという女性は普通の幸せを望んでいたのであって、本当の闘争心なんて、身につきようがなかった。あることが起こるまで。・・・
“ムーンフェイス”、って、まるで“レザーフェイス”のようで、本当にいそうなシリアルキラーのネーミング!
顔の表面がボツボツで、まるでクレーターのようだ、という意味のもの。日本語に訳すなら“アバタ面”かな〜。(ダサイかな?)
で、このムーンフェイスの存在感も、殺人を行う家の感じも、本当に長編とか、シリーズものの勢いがあっていい♪
ここにアンガス・スクリムが登場もするしね(『ファンタズム』Ⅰ,Ⅱ,Ⅳに出演とのこと。きっとファンが大喜びするポイントなんだろうな〜)。
なかなか面白い展開の加えられた1本で、とっても楽しく、全然退屈しない♪
ああ・・・60分て、すごいなー。
ギュッと詰まった感がやみつきになりそう〜
その他のマスターズ・オブ・ホラー作品
・『インプリント ぼっけえ、きょうてえ(トークショーつき)』
・『愛しのジェニファー』
・『世界の終わり』
・『ゾンビの帰郷』
・『ダンス・オブ・ザ・デッド』
・『チョコレート』
・『ディア・ウーマン』
・『閉ざされた場所』
・『ハンティング』
・『ヘッケルの死霊』
・『魔女の棲む館』
・『虫おんな』
2006/11/24 | 映画, :ホラー・スプラッタ
関連記事
-
-
『沈黙』 日本人の沼的心性とは相容れないロジカルさ
結論から言うと、あまりのめり込める作品ではなかった。 『沈黙』をアメリ...
記事を読む
-
-
『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』 アメリカ亜流派のレイドバック主義
80年代の映画を見るなら、私は断然アメリカ映画派だ。 日本の80年代の...
記事を読む
-
-
『湯を沸かすほどの熱い愛』 生の精算と最後に残るもの
一言で言えば、宮沢りえの存在感があってこそ成立する作品かもしれない。こ...
記事を読む
-
-
『ジャクソン・ハイツ』 ワイズマン流“街と人”社会学研究
去年の東京国際映画祭でも評判の高かった、フレデリック・ワイズマンの3時...
記事を読む
-
-
『レッドタートル ある島の物語』 戻ってこないリアリティライン
心の繊細な部分にそっと触れるような、みずみずしさ。 この作品について語...
記事を読む
コメント(13件)
前の記事: 125.マスターズ・オブ・ホラー 『ハンティング』
次の記事: 127.トゥモロー・ワールド
こんにちは!いつもありがとうございます!
60分が良いですよねぇ、、、
でもこれは、なぜサバイバル術を身につけているのかというのが、
ちょっと強引だった気が、、、
ムーンフェイス 06年221本目
ムーンフェイス Incident on and off a Mountain Road
2005年 ドン・コスカレリ 監督ブリー・ターナー 、ジョン・デ・サンティス 、イーサン・エンブリー
マスターズ・オブ・ホラー 恐-1グランプリインプリント 世界の終り 魔女の棲む館 愛しのジェニファー….
猫姫少佐現品限りさんへ
こんばんは〜!
私に言わせると、S傾向が強ければ強いほど、人を調教したがるんです。
ミリタリーマニアなので、愛する妻に護身術を習わせたい、というのは、とても自然に感じました。
でも、戦闘力に一番大事なのは、技術ではなくて、そのタフな心構えですよね。
『マスターズ・オブ・ホラー』ムーンフェイス
TVシリーズ「マスターズ・オブ・ホラー」第1シーズンも、今回の記事でエピソードの感想は終りになります…。少しさみしいです。第2シーズン楽しみに待ってますよ!
最後に観るエピソードは、ドン・コスカレリ監督の「ムーンフェイス」。ドン・コスカレリ監督といえば、…
こんにちは。
今作も90分くらいの長編にしたいくらい
に面白かったです。
最後のヒネリ(エレンの行動)がちょっと
短編小説のようなヒネリで、逆に要らなかったような気もしますけど、十分満足できました。
「マスターズ・オブ・ホラー」を観たぞ!その2
「マスターズ・オブ・ホラー」シリーズを攻略中でぇーす。(関連記事はこちら) その
こんちわ。
ムーンフェイスの拷問部屋は凄かったですね。電気ドリルつかうのに、サイレンが必要なのには、どう解釈しましたか?
(もー、目はヤメテって言ってるでしょー 怖かったよぉぉぉ)
おぞましいのに、どこか幻想的だったのは良かったですね。ラストも1つ展開がありましたが。ちょっと切なかった気も。
@KOBAさんへ
こんばんは〜★
この作品なかなか良かったですよね!
最後のエレンの行動は、私、“女版ムーンフェイスの誕生”かと思ってしまいましたよ(笑)
隣の評論家さんへと、ヤラレちゃいましたか♪
こんばんは〜★
となひょうさんも、やっぱ、あの拷問部屋の美術に、ウヒョー
あはは!
>電気ドリルつかうのに、サイレンが必要なのには、どう解釈しましたか?
ここ、読んで爆笑してしまいましたよ!!
となひょうさん、さすがです、面白いっ
うんw私は、あそこ爆笑して見てました♪
まさかサイレン鳴ると思いませんからねー!
ね、キレた感と切ない感が交錯する、なかなかいい話でしたよね♪
映画「マスターズ・オブ・ホラー/ムーンフェイス」
「ファンタズム」のドン・コスカレリ監督作品。アメリカのTV局“SHOWTIME”が企画したホラー・プロジェクト<マスター・オブ・ホラー>。トビー・フーパー、ダリオ・アルジェント、ジョン・カーペンターはじめホラー界を代表する巨匠監督13人がホラー作品を競作したアンソ…
[MOH]ムーンフェイス(ドン・コスカレリ)
【マスターズ・オブ・ホラー@ホラーTV】
月明かりに照らされた山道をひとり車を走らせていたエレン(ブリー・ターナー)。彼女は急カーブで道路中央に止まっていた車に衝突し、接触事故を起こしてしまう。ぶつかったショックで気を失っていた彼女が目を覚ますと、相手の…
ムーンフェイス
マスターズ・オブ・ホラー
恐-1グランプリ
2005年:アメリカ
監督:ドン・コスカレリ
出演:ブリー・ターナー、ジョン・デサンティス、イーサン・エンブリー、アンガス・スクリム
山道で車を走らせていたエレンは、急カーブに止まっていた自動車に激しく衝突して気….
ムーンフェイス
DMMでレンタルするあらすじ:月明かりが照らし出す山道を、一人、車を走らせていたエレン(ブリー・ターナー)は、急カーヴの道路中央に止まっていた自動車に激しく衝突する。気絶し遠い記憶の彼方で、夫と出会…