110.スネーク・フライト
うわわわ・・・蛇がうじゃうじゃ出るわ出るわ・・・
これ、蛇が嫌いな人や、飛行機が嫌いな人は、一体どうすればいいのでしょうか??
飛行機の中、高度3万フィートの中、逃げ道がないってのがますますもって怖さ倍増は間違いない。
蛇パニックアクション★B級大作〜♪
ストーリー・・・
ハワイでオフロード・バイクを楽しんでいたショーン(ネイサン・フィリップス)は、LAの悪名高いマフィア王、エディ・キムが検事を殺すのを目撃してしまう。エディ・キムが血眼でショーンを追う中、FBI捜査官のフリン(サミュエル・L・ジャクソン)は、エディ・キムの有罪を確定づけるため、ショーンを証言台に立たせようと、証人保護をしながら護送するため、LA行きのジャンボに乗った。
だが、エディ・キムは、確実にショーンを殺すための秘策を練っていた。
それは、数千匹の毒蛇を飛行機の中で解き放つ、という正に極悪非道なやり口。乗客全員の命は風前の灯となった。・・・
監督は、元スタントマンから、スタンド・コーディネーターを経て、助監督の座に昇り、監督になったというデイヴィッド・エリス。
さすがに、アクション映画を知り尽くしている、というのでしょうか、アクションそのものより、その設定に重点を置いた、とってもアイディアの効いた作品。
素ン晴らしいB級パニック映画!と言えるんじゃないでしょうか♪
機内の蛇の持ち込み・・・武器でもなく、生物で、冷温動物なため、検閲も通ってしまったとか。そうか!その手があったか
マフィアも、いろんなアイディアを思いつくものなのですね。
なんて、感心してしまいます。
乗客の人物設定も多少描かれ、自分の愛犬を手放さないセレブの女性や、潔癖症のラッパー、3G(フリックス・アレクサンダー)とその付き人で幼なじみのトロイ(キーナン・トンプソン←)、嫌味なエリートに、万年発情期のバカップルや、いたいけな子供達・・・。
いろんな人が出て来てぐっちゃぐっちゃ人間模様も描かれるのかと思いきや、そんな吸血鬼ゴケミドロのような、弾けたコントぶりはそんなに多くはなかったけれど。
それでも、面白いのはうまく取り纏めたストーリー展開!
人々の死に様もスプラッターちっくで、そんな悪趣味さもちょうど良く。
蛇がうじゃうじゃ出て来てキャーキャーキャーキャーって、うるせーうるせー、
「おお、始まったか〜♪」とキテしまうバカップルの死に様に、これはしたりの満面笑みがこぼれるのは、私だけではないはずー。
パニック映画ぶりは盛りっとテンコ盛り★で、
「ココまで来ると、この刺激にはいい加減慣れてくる」tか、「じゃあ次はこの刺激で」、とか。これを描いたら次はアレで、みたいな。
アノ手コノ手なバランスの良さが、ツボを心得たパニックの手際ブリに、全米大ヒットというフレコミも、なんだか納得☆の、繁忙期の合間の、この蛇蛇蛇だらけ・パニック〜♪
サミュエルのイカレぶりも、この危機を救うのは、アンタしかいないよ!
てな具合の心地良さで
サミュエルの説教大絶叫!も、思わず『パルプ・フィクション』を思い出して、ワクワクww
蛇以上にトチ狂ってる彼の有様に、もう、「彼の出演作はここ数年外れが多い」なんて言わせない無敵ブリで☆
「ホントはハゲ」とスッパ抜かれて以来、その出演作の度に、役作りも兼ねて毎度毎度、役ごとに鬘を注文していた過去も、今作ではその無敵オヤジのツルッパゲブリに、ヨーダとしてのレベルUPもしてきたヨーダ。
毎夜、役作りでマムシドリンクもゴクゴク飲んでそー☆な、そのエロさすら醸し出す極上なツルピカぶりに、眩しいゼ、アンタっていう、絶倫☆ぶり。
もう、アンタについていくわんっ!と観客に思わせる凄みが最高〜っっ♪だ!
ええと、ここから先は、映画とは関係ないのですが。
私、蛇掴んだことありますよ。小学生のとき。
なんか見て怖かったので、「なんだろう、この恐怖感」と思いました。自分は怖いものはないと思っていたのに・・・怖さを感じる自分がなんとなく嫌で。そこで、「それを、克服しなければならない」、と思って、二度目に見た時に、掴んで振り回しました。
男の子にもモチロン、ビックリされました。ちょっとした武勇伝♪武勇伝♪で、すみません。
その時から今まで、掴む機会はないですが、もし今会ったら、掴めるかなあ。
そんなことを考えながら、私、蛇を卒業研究のテーマに選んで書いたことがあります。映画に出てきた蛇の専門家と違って、蛇の種類なんかにはあまり詳しくないんですが、蛇が人間の心にどんな作用を及ぼすか、とか、蛇の象徴について、ひとしきり勉強しました。
すんごい長くなるので、ちゃっちゃとまとめると、蛇は、嫌いだ、という好悪感情の前に、本能的に人間に恐怖心を抱かせる“形骸”をしているそうです。心理学者ダマシオの説は、蛇を見た時に“蛇だ”と認識できなくても恐れの感情を示すことが出来る“一次感情”があり、外界から感覚入力される刺激の物理的特徴(形、大きさ、動き、色、音など)や、身体的特徴(痛み、寒気など)が知覚されると、恐れの感情に特徴的な身体状態が生み出されるとのこと。(ダマシオによれば、そのような刺激特徴を処理する神経メカニズムは、扁桃体や帯状皮質前部に位置する、とされている)
つまり、この一次感情において処理することができるため、蛇をみていちいち「これはなんだろう」と考えていたら、生き残れないわけで。人間の生存本能に直接的に働きかけるものとして、蛇の“形態”そのものがある、というのが、私は面白いと思うのですね。
で、そうした“恐れ”という感情が、ではこれ、古代日本において、“信仰”に結びついてきたとも言えます。縄文時代の土器、縄目の模様が、蛇を象ったものである、と言われたり、神社の“しめなわ”も、日本人古来の蛇信仰を表すと言われることもあります。
それどころか、蛇そのものが神社に描かれているところも、数限りなくありますしね。
キリスト教において、聖書(創世記)の中で「野の全ての生き物の中で、最も狡猾な生き物」とされるヘビがイブを誘惑しますが、悪魔の化身として表されるヘビは、キリスト教圏において“悪の化身”としてのレッテルを貼られている、とも言えるかと思います。
これに反して、日本古来の蛇信仰、というものは、“厄災”を行う存在であり、文化を気づく人間にとり、“自然”そのもの、前史の、原初の姿として人間を脅かす存在である、考えられていたようでして。そのようなことから、「これ以上自分達は入っていかない。なので祟らないで欲しい」、として祀られ、この場所を“神聖な場所”として、“神の社”とされていたようです。
ええと・・・長くなるので、この辺で^^;・・・本当に長々とすみません。
興味ある方は、こちらを(吉野裕子、蛇―日本の蛇信仰その他)
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コメント(69件)
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ネタは超B級、だけど超A級のバカ面白さ!!! 『スネーク・フライト』!
「花」と「蛇」じゃなく、
「飛行機」の中に「蛇」を入れると聞いて思い出すのは、
四角ぃ「リング」の中に「サソリ」を入れるという、
故・大木金太郎氏とも親交の深かった(ご冥福をお祈りします)、
グレート小鹿社長率いる「大日本プロレス」が昔やった、“サソリ・…
栗本東樹さんへ
こちらにもありがとうございます〜♪
ゴケミドロも好きですか!蛇・・・どこに出てきましたっけ?^^;
『花と蛇』まだ見てないですが、どんな話なんだろう〜?
『アナコンダ』はどうでしょう??^^
蛇の皮は、どうやら、不死身の象徴のようで、蛇は脱皮する度に、何度も生まれ変わるとか、
中には、蛇は、自然死というのはあり得ない、死ぬ時は全て事故死だ、なんていう記述も読んだことあります。
あと、お金との関連でも、蛇は結びつけて考えられることもよく民間伝承ではありますね。
ツボの中に入っていた金を、正直者には金に、悪人には蛇に変わる話だとか・・・
でも、金で身を滅ぼす、といったこともあるので、そういう考えから来てるのかもしれませんが。
あ☆ちなみにウチも火の車でしたよ(笑)
スネーク・フライト
5.5点 (10点満点。5点で普通。6点以上なら満足って感じです。)
いや〜、馬鹿馬鹿しいっ!
よくもまぁ、こんなお馬鹿な映画を真面目に作りましたよね〜。
ま、良く言えばそれがアメリカの懐の深さ・・・かな。
にしても、思ってた以上にB級映画だったのは、正直驚きでし…
こんばんは〜♪エコー&コメント有難う御座いました♪
こーんな映画なのに起承転結がちゃんとしてるところがまた心憎いです^^
確信犯的にB級を貫いた作り手の心意気も凄く伝わりました!
てか、そんな事より・・・『吸血鬼ゴケミドロ』って!?
思わずリンク辿っちゃいましたよぉw
ワタクシもかなり変てこムービーを観てる方だとは思っていたのですが、上には上が居ると思い知らされましたw
6本のうちの一本がコレかぁ・・・w
ではでは〜、これからもよろしくお願いします♪
Aki.さんへ
こんばんは☆コメントありがとうございます!
ハハハ、こんなにB級なのに、なんか気合が入ってましたよね(笑)
オチもバカ過ぎて最高(笑)
『吸血鬼ゴケミドロ』は、面白かったですよー☆
Aki.さんも良かったら是非是非チャレンジしてみてください(笑)
『スネークフライト』がマトモなエンタメ映画に思えてきますよ、ゴケが凄すぎて(笑)
こちらこそこれからもよろしくですー♪
TB失礼します。
私もあのバカップルのトイレでHシーンでの騒動は読めていたにも関わらず笑ってしまいました!
いや、実際痛いんでしょうけど…笑
スネークフライト
←このポスターかっこええ! 「スネークフライト」です。 FBI捜査官が護送する殺人事件の目撃者を抹殺するために、犯罪組
もももさんへ
初めまして!TB&コメントありがとうございます。
あのバカップル、ついつい笑ってしまいましたよね〜。
「来るゾ、来るゾ」と思いつつも、爆笑でした☆
スネーク・フライト
SNAKES ON A PLANE
06年米/監:デヴィッド・R・エリス/出:サミュエル・L・ジャクソン、ジュリアナ・マーグリーズ、ネイサン・フィリップス、ボビー・カナヴェイル、フレックス・アレクサンダー/107分
スネーク・フライト-(映画:2007年60本目)-
監督:デヴィッド・エリス
出演:サミュエル・L・ジャクソン、ジュリアナ・マーグリーズ、ネイサン・フィリップス
評価:78点
公式サイト
むせ返るようなB級の香り。
これでもか、と繰り返されるパターン化された展開と、次々と出てくるステレオタイプな登場人…
『スネーク・フライト』
全米で記録的に大ヒットスタートした、なぜかサミュエル・L・ジャクソンが主演をつと
スネーク・フライト
何気なくテレビを観ていたら
この作品が紹介されていて大爆笑!
だって、
一人を殺すためにギャングが送り込んだのは
数千匹の毒蛇!っていう設定が
阿呆過ぎて。。。( ^ _ ^;
この作品が全米1位ってなっていたから
笑わずにいられよか。
本当は映画館で観たかった…
スネーク・フライト
愛すべきバカ映画
スネーク・フライトposted with amazlet on 07.11.26東宝 (2007/04/20)売り上げランキング: 3927おすすめ度の平均: おもしろい とっても面白かったです! サミュエルの、もう怒っ??.
映画『スネーク・フライト』
原題:Snakes on a Plane
この映画を知らなくても、男の頭をまさに丸呑みしようとしているおっきなヘビのワンシーン、戦慄のあのシーンだけは知っている・・驚きのパニック映画・・
ハワイのオフロードをバイクで疾走するショーン・ジョーンズ(ネイサン・フィリッ…
『スネーク・フライト』
ここまでB級テイストのバカ映画で突っ切ってくれるとこんなにも面白い映画になるとは!と大いに驚かされた一本でした。クエンティン・タランティーノ作品みたいな映画愛に満ち溢れた感じではありませんが、狙ってB級テイストにしているところが多々あるのが逆に気持ちいい….
『スネーク・フライト』を観たぞ??!
『スネーク・フライト』を観ました。飛行中のジャンボ機内で数千匹の毒ヘビが乗客たちに襲いかかるサミュエル・L・ジャクソン主演の本格B級パニッ
「スネーク・フライト」
旅客機の乗客たちが、大量の毒ヘビに襲われるというアイデアパニック映画の快作。
おもろー!
約1年半も経ってから見ましたよー!
おもしろい!
B級を狙って、いさぎよい映画ですね。その結果、最上級なB級になったのでは。
おばかとマジのブレンド具合が最高ですっ!
ボーさんへ
こんにちは〜♪コメントありがとうございました。
面白かったですか〜!なかなかですよね、これ?
>B級を狙って、その結果最上級のB級
そうですね!おっしゃる通りだと思います。
こういうのもアリだな♪って思える、愛すべきお馬鹿映画でした!