106.フラガール
もう、この作品、まず第一に舞台設定が最高だ!!
常磐ハワイアンセンター(現スパリゾートハワイアン)と聞いて、なんだか知らないがアツイものがこみあげてくる自分がいるんですよ。
小学生の頃、ウチの親は、「常磐ハワイアンセンターに連れていく」とは言わずに、「ハワイに連れて行く」と、言いやがりました・・・。
おかげで、作文にも書いちった。親は、それを見て、一体、どう思ったんでしょう?とにかく、ものすごい楽しみにしていた訳です。
ところが、あと1週間でハワイアンセンター、という時になって、お風呂場で、私は大怪我をしてしまいました。蛇口に当たって、膝の肉を切ってしまったのです。
そこで、大泣きをして、「ママー!」「ママー!」と、叫びながら泣きました。
だけど、ママは、なかなか来なかった・・・。
うちの母親は、なんと、またとらねこが、妹を苛めて妹が泣いているんだろう、とタカをくくっていたらしいのです。
私がしょっちゅう、妹を苛めていた・・・イヤ、そういう話ではなくですね、
私は、子供の頃、決して、泣き喚いたり、声を出してみっともなく泣くことがなかったのです。
だけど、妹はしょっちゅう、くだらないことで大泣きしていましたから、お母さんは、なかなか来てくれなかったのです。
で・・・ようやく来てみたら、風呂場が血だらけになっていた。
それなのに、ウチの母親ときたら、バンソコをつけましたよ。
肉見えてんのに。
で、そんな訳で、ハワイアンセンターには包帯をグルグル巻きにして、行かなければいけませんでした。当然、プールにも入れなかったし、フラダンスも踊れなかった。
フラダンスを踊る子を募って、ステージに上げてもらえるのですが、フラダンスがステージで踊れるわ、終わったあとレイ(分かりますよね?花輪です)はもらえるわ、それはそれは楽しい世界、夢のような世界で・・・行く前から、さんざん楽しみにしていたのです・・・。
それなのに自分は、何もいい思い出が作れなかった・・・(大泣き)
(ステージとか華やかな舞台が当時から大好きだったのに・・・)
レイも欲しかった・・・
レイは、女の子の憧れです。
夢見る少女だったので、当然そこは憧れました。
いまだに、ヤンキー車とかの、女の車なんか、よく、レイがかかっていたりしますよね。
あれね・・・とらねこには、辛い気持ちが蘇ってしまいます。
で、傷口にバンソコをつけた人でなしの母親は、「来年こそ、行こうね」と、言いましたが、いまだに、まだ連れて行ってくれてません
くっ・・・そんな訳で、“常磐ハワイアンセンター”と聞くと、イヤでもいろいろな思いが湧き上がってしまうのです。・・・聞いてくれてありがとう。
この常磐ハワイアンセンター、実話を元にして描かれています。
HPで見ると、昭和40年に、この常磐ハワイアンセンターを開くにあたり、日本で初めてのフラダンス、ポリネシアン民族舞踊の専門学校として、福島県いわきで開校されるのです。
今では、40年以上の伝統を誇る、常磐音楽舞踊学院です。カリキュラムは2年制で、基本は、クラシックバレエや、モダンバレエ、ジャズダンスにフラメンコがあるとのこと。
それよりも、“黒いダイヤ”と呼ばれた石炭が、当時衰退の一途を辿り、企業の存続と地域経済の再生をかけて、温泉レジャー施設を大々的に立ち上げる構想を練った。
この話が、このストーリーとなります。
ここに描かれてあるような、人間同士の熱いアツイ闘いや、伝統産業から、イキナリ一大レジャー施設へと移り変わりゆく様に、地元福島県民の保守的な人達との葛藤や反対が、多くみられたのも、おそらく事実なのでしょう。
何しろ、寒い寒い東北の田舎町に、ハワイを作ろう、ってんですから。
保守的な人による、どれだけの反対がそこにあったかは、想像に難くない。
ちなみに・・・自分は、今まで、お恥ずかしながら、そこに注目したことがありませんでした。
「そうか!東北なのに、ハワイなんて言ってるんだ!
そんな、面白い構想だったのかー!!!」
などとは、全く考えたことありませんでした。
そこは、当然ハワイだと、思っていました。母親が、そう言ったから。
冗談はさておき(いや、本当の話なんですけどね)、ストーリーは、実に温かく、楽しいものになっています。
反対する人を押し切り、情熱を傾ける人々。反対派との、やり取りも、ぶつかり合う中で、次第に受け入れられ、初めは小さかった輪も、だんだん大きく周りを巻き込んで、最後、感動の、珠玉のエンターテイメント、大団円がやって来ます。
初日のショーがステージ上で華々しく描かれる有様は、待たされた分、感動も大きく、本当に心が晴れ晴れとしてきます。
なんだか、こないだ見た『キンキーブーツ』にソックリとも感じました。
これも、伝統産業を躍進すべく、ゼロからの出発で、周りの反対がある中、イギリスはノーサンプトンの田舎の保守的な人々と、時にぶつかりあい、都会と田舎の精神性の違いを描きながら、最後には華々しいショーが。
待ってました、とばかりに大団円としての、きらめくばかりのまばゆいショーがあり、「おお!」
と、目を奪って、終焉を迎える。
ラストを迎えるころには、このショーの興奮がまだ残っている最中に、座席を立つのですから、当然ながらなんだか感
関連記事
-
-
『沈黙』 日本人の沼的心性とは相容れないロジカルさ
結論から言うと、あまりのめり込める作品ではなかった。 『沈黙』をアメリ...
記事を読む
-
-
『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』 アメリカ亜流派のレイドバック主義
80年代の映画を見るなら、私は断然アメリカ映画派だ。 日本の80年代の...
記事を読む
-
-
『湯を沸かすほどの熱い愛』 生の精算と最後に残るもの
一言で言えば、宮沢りえの存在感があってこそ成立する作品かもしれない。こ...
記事を読む
-
-
『ジャクソン・ハイツ』 ワイズマン流“街と人”社会学研究
去年の東京国際映画祭でも評判の高かった、フレデリック・ワイズマンの3時...
記事を読む
-
-
『レッドタートル ある島の物語』 戻ってこないリアリティライン
心の繊細な部分にそっと触れるような、みずみずしさ。 この作品について語...
記事を読む
コメント(117件)
前の記事: 105.サンキュー・スモーキング
次の記事: バトンREVERSE:難題バトン
anyさんへ
こんばんは〜♪TBと、丁寧なコメントありがとうございました!
こちらこそ、TBレス遅くなってしまって、申し訳なかったです!
最近、映画&ブログで、すっかり寝不足・・アホですね
トラウマ記事、楽しんでいただけて嬉しいです!
これ実は、自分的に気に入っている記事だったので、嬉しいです〜にゃは〜♪
スパリゾートハワイアンズに、また行きたくなってしまいました!anyさんは行ったことあるのでしょうか^^
こちらこそ、今後もどうぞよろしくお願いします〜★
「フラガール」感想と、ジェイク・シマブクロ
面白かったです4つ☆。
劇場公開時、映画館に見に行こうか、どうしようかな?って、とても悩んだのです・・・。と言うのも、いつも参考にさせて頂いているサイト超映画評論さんで、「かなりお涙頂戴が露骨だ。それは韓国昀
とらねこさん、こんにちは!
前半のとらねこさんのハワイアンセンター(ハワイ)への思い?と過去の出来事の部分が、やたら面白くて(ごめんなさい(^^;))。
私も子供の頃、すぐ泣く方じゃなかったのと、自分は長女で(下は妹ではなくて弟なので、とらねこさんとはちょっと状況が違うのだけれど)損?をしてたな〜って部分とか・・共感しちゃったり・・^^。
とらねこさんの処のレビューは、単に映画の感想だけじゃなくて、個人的な感想とか思い?とかの文が入っていて、読んでいて楽しいです☆
また、遊びに来させて下さいね♪
latifaさんへ
こんにちは☆早速コメントありがとうございました!
面白がってくれて、ありがとうございます〜^^♪
とっても嬉しいです☆
latifaさんも弟さんの居るお姉ちゃんなんですね☆
やはり、すぐ泣く方じゃなかったですか。
なぜか、お姉ちゃんだから、しっかりしなさい、って言われると、しっかりしなきゃいけないのが“長女”なんですよね。
こちらこそ、よろしくお願いします〜^^w
フラガール
★★★★☆ 常磐ハワイアンセンターが出来た当時のことを覚えている。なぜ福島で常磐ハワイなのか、なぜ日本人がフラダンスを踊るのか。ダサイとしか考えられない年頃であった。 この映画の予告編を観たときも、やはりダサイ映画という印象が先行してしまった。ところが上
フラガール&ベノワ
フラガールは内容が実際の話が元になってる昨年の邦画No.1だったけど
全体的に良くて最後の方のフラの所は泣く事は無かったけども凄く感動して
松雪泰子の先生に蒼井優と富司純子の親子なども凄く良く大満足だったし
ベノワは今も受け入れる事は出来ず悲しいが謹んで…
フラガール
WOWOWで鑑賞―【story】昭和40年。エネルギーの需要は石炭から石油へとシフトし、相次いで炭鉱が閉山に追い込まれていた。そこで福島県いわき市の炭鉱会社は、地元の温泉を活かしたレジャー施設『常磐ハワイアンセンター』の計画を進めていた。目玉なるのはフラダンスのショ…
こちらにもお邪魔します。
『常磐ハワイアンセンター』は、とらねこさんの思い出スイッチをONにしてしまう言葉なんですねー
とらねこさんの痛い思い出を読んでいたら、自分の痛い思い出がよみがえりました。
あれは20才、遥か昔(泣)の出来事。
友人を家に招き、ドリンクを飲んでコップを洗っていたら、コップが割れちゃって・・・右手の人差し指にガラスが刺さり大量出血!!
どうしていいか分からず友人に助けを求めたら、友人は、「うわ〜〜〜由香!まずその血を何とかするんだ!!」と言ってティッシュに手を伸ばした。
血を拭いてもらおうと友人に手を向けた私。
ところが友人はそのティッシュで「ち〜〜〜ん」と鼻をかんだんです!!!
その時の間抜けな空気ったら・・・痛みを忘れる程でした〜
で・・・映画ですが、邦画はあまり観ないのですがなかなか良かったです。(それだけかよっ?!)
由香さんへ
こんばんは〜♪こちらにもコメントTBありがとうございます!
そうなんですよ、私の、トラウマボタンを、ぽちっとONしてしまうんですよ〜!「常磐ハワイアンセンター」という言葉は。
で、由香さんも、ガラスで指を切ったのに、お友達は、由香さんの指はともかく、ご自分の鼻の処理の方を先にしてしまったんですね!
何たることでしょう!^^
その友人も、由香さんが心配だったとは言え、きっと、鼻をかむつもりでティッシュに手を伸ばして、由香さんに、変に誤解をされてしまったのでしょうね・・・とほほ。
笑ってはいけないのですが、頭にその光景が、ハッキリと描けてしまいました〜☆
んー、こういう時の気まずい雰囲気、なんだか分かりますね〜。ヒャハハ♪
で、映画はもういいや(笑)
フラガール(日本)
2006年、かなりヒットした「フラガール」を観たよ。
( → 公式HP
)
出演:松雪泰子、豊川悦司、蒼井優、山崎静代、池津祥子、徳永えり
上映時間:120分
時代の波で閉鎖に追い込まれたとある炭鉱の村で、北国の寒村を“常夏の楽園”に変えようと立ち…
TV“フラガール”
フラガールスタンダード・エディション
¥3,006
Amazon.co.jp
昭和40年、時代の流れで炭鉱の町が閉山することから
新しいレジャー施設“ハワイアンセンター”ができることに。
目玉となるフラダンスのダンサーは、地元の素人に募集が…
『フラガール』’06・日
あらすじ昭和40年、本州最大の炭鉱・常磐炭鉱では大幅な人員削減が迫り、かつての基幹産業としての隆盛は見る影もなくなっていた。そんなまちを救うため、この北国に“楽園ハワイ”を作り上げるという起死回生の一大プロジェクトが持ち上がる。目玉はフラダンスショー。盆…
フラガール
フラガール メモリアルBOX
監督:李相日
出演:松雪泰子、豊川悦司、蒼井優、山崎静代、池津祥子、徳永えり、三宅弘城、寺島進、志賀勝、大河内浩、菅原大吉、山田明郷、高橋克実、宮.
フラガール
『人生には降りられない舞台がある―― まちのため、家族のため、とものため そして、自分の人生のために、少女たちはフラダンスに挑む。』
コチラの「フラガール」は、9/23公開の常磐ハワイアンセンター(現:スパリゾートハワイアンズ)の誕生を支えた人々の奇跡….
フラガール
2006年:日本
監督:李相日
出演:松雪泰子、蒼井優、富司純子、豊川悦司、高橋克実、岸部一徳、山崎静代、池津祥子、徳永えり、三宅弘城、寺島進、志賀勝
昭和40年、本州最大の炭鉱・常磐炭鉱では大幅な人員削減が迫り、かつての基幹産業としての隆盛は見る影もなく….
フラガール
{amazon}
映画『フラガール』を観る時、『Always 三丁目の夕日』
を思い出す。同じ昭和30年代を描いた作品。
『Always 三丁目の夕日』は昔はよかった的な団塊の
世代辺りの人々がノスタルジーに陥りたいが為の
映画のようにも思え
フラガール
未来をあきらめない