98.キンキーブーツ
心温まる、ドラッグクイーン映画!
イギリスはノーサンプトンの靴ブランドの会社、“Brooks”の実話を基にしたストーリー
で、この映画の主人公はスティーブ・ベイトマンという実在の人物。BBC放送でドキュメンタリーとして取り上げられ、映画化になる運びだったということです。
ストーリー・・・
親父の靴会社を継いだチャーリー(ジョエル・エドガートン)は、自分で4代目社長に当たる。どこか経営者としての自信が持てないうちに、卸元が破産し、靴業界はそのほとんどが潰れてしまうという憂き目に合ってしまった。
そんな状態で、小心者のチャーリーは「自分に一体何が出来る?」と、及び腰のだったが、一人の従業員、ローレン(サラ=ジェーン・ポッツ)の提言で一発奮起。
ロンドンはSOHOで出会ったドラッグクイーン、ローラ(キウェテル・イジョホー)をデザイナーに迎え、“ドラッグクイーン御用達”のトンデもなくド派手なキラキラブーツを作ってしまお〜
と、新たな“ニッチ”市場に入り込む、中小企業ならではの企業戦略を練った。
目指すは、ミラノ国際見本市!!
だがそれは、自分の保守的な田舎町ノーサンプトンではとても考えつかないようなアイディアで・・・
この監督であるジュリアン・ジャロルド、これが初監督に当たるそうです。そして、この作品、サンダンス映画祭でオープニングを飾った話題作!
なのに、東京では日比谷シャンテ・シネでしか、見ることが出来なかった・・・。
おかげで、この映画は話題を呼んでロングラン・ヒット、シャンテは1週間前から指定券が買える制度になったけど、私、実はこの映画のせいでこの制度になったんじゃないか、と睨んでいます。
だって、毎度毎度、行く度完売されていたもの(泣)
予定は未定、「風任せ」な私は、指定券を買うのが大嫌い。でも、さすがに公開終了間近、ということになって指定券を買い、ようやく見れました!でも凄いね、この作品の人気は。
この作品の人気ぶりを見ると、なんだか『ヘドウィグ&アングリーインチ』を思い出すなぁこれも、ドラッグクイーンが大活躍するお話。
ヘドウィグと比べるとしたら、こちらの『キンキーブーツ』はドラッグクイーンが主人公ではなく、あくまでも主人公チャーリーの成長物語・・・なところと言えるでしょうか。
チャーリーは自分が先代の跡を継いで、新社長になったものの、自分に対する確固たる自信もない上、部下の信頼も勝ち得ていないまま、経営に乗り出すのですが、そこで暗礁に乗り上げてしまう。
::::::ネタバレ含む、感想:::::::::::
ドラッグクイーンをしている時の姿とは違い、化粧ナシの自分に自信の持てないローラと、気持ちを分かち合ってゆくくだりは、とても温かい気持ちになる。
履きやすかろうと、歩きやすかろうと、そんな事はどうでも良くて、キラッキラの、エナメル素材の、素敵にトンガった真っ赤なブーツ!がいいのッ!ていう、あの気持ち。
うんうん、私は女だから、よーく分かる!
ローラの“Rrrrrrreddddd!!!!!”、“赤”よ!!、“赤”なのよっ、というあの言い方・・・。忘れられなくなりそう。赤を見る度Rrrrreeeedddd!!!と言ってしまいそうだったりする(笑)♪
靴が人を表す、と歩く人の靴で人の性格を当てて遊んでいる時に、偶然居合わせて“ゴージャスだけど退屈”と言われてしまった、ガールフレンドのニコラ(ジャミマ・ルーパー)。
これから自分と新生活を築こうとする時に、婚約者が破産してしまって、自分がお金持ちだったら・・・、見込みのなくなった財産は売り払いたくなってしまうのかもしれないけれど。
夢の分からない女は嫌だなぁ。
それに比べて、ドラッグクイーンという存在は、まるで、自分のロマンスを、体現させているみたい
この世界に生きていくときに、自分の大好きな世界に、自分を彩どってゆく。
それが、自分の“ロマンス”を、体現すること。・・・なんて私は思います。
例えば、ファッションに全く興味のない人、なんていう人も時々いますよね。
では、ファッションを、“自分の好きなキャラクター”に自分を合わせてゆく、という代物と考えてみてはどうでしょうか・・・
そんな風に考えれば、ファッションにこだわる気持ちが分かってもらえるかなあ?
例えば、とらねこは、マリリン・モンローにすごくハマってた時期に、マリリン風の化粧をしていました。誰もしていない頃から、つけまつげと、黒いアイライナーに、真っ赤な口紅をして。
それから、『恋をしましょう』のマリリンの服!あれが欲しくて、ずっと探していました。
どんなのかっていうと、サーモンピンクの長めのセーターに、下はストッキングだけ、といういでたち(笑)
これね、大分探した挙句、オーストラリアで見つけた!
長めのニットなんだけど、ダボっとしていてはだめで、体の線がちゃんとかわいく映るやつを・・・意外とちゃんとかわいい、これぞ、というのはなかなか無くて、結構探しましたね。
それを着て、ワンピースだと言い張ると、さんざ、違う違うと言われました・・・。
いや、長めのニットとは分かってるんだけど、さすがにそんな出で立ちをしてニットとは言えなくて、「いや、これワンピースですよ」と言い張ってました。
(「バス停留所」のもかわいいんだけどね)
とまあ、話は反れましたが、“自分のロマンスや、ファンタジーを、自分自身で体現する”って、そういうものだと思うんですよね。
服はなんでもいいっていう人もいるかと思いますけど、好きなコスプレとか、してみたいとか思いません?・・・そんな感覚で。
そんな風に考えたら、服って楽しいと思いませんか?
なので、私は、ドラッグクイーン大絶賛の擁護派、もちろんコスプレも擁護派。
ゴスロリなんかも、自分が10代だったらやるかなー。マンバメイクも、いいんじゃないの?って思う。
それが自分のファンタジーなら、そこから世間を見ればいいじゃない、って。
あと、実話に基づいたこの靴のメーカー“Brooks”の、このドラッグクイーン御用達ブランドの名前は“Divine”というそうで。このdivineとい
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mezzotintさんへ
こんにちは♪コメントありがとうございました。
そうですね、キウェテル・イジョホー、とっても素敵でしたよね♪私はとっても気に入りました
にゃんこさんへ
こんにちは♪コメントありがとうございました。
そうなんですよ、私の行った映画館でも満員で、とても大変でした。
なかなか行けなくて、諦めそうになりました。
他のところにムーブしたりすればいいのに、と思いました。せっかく売れているのにねー・・・
そうですね♪子供の頃の憧れを思い出させる桟橋のシーン、とっても素敵でした。
キンキーブーツ
キンキーブーツ
@109シネマズ川崎
? 10月12日
幸せへと、導くブーツお作りします
あぁ??デヴィット・ボウイ??♪
こういう映画はこうじゃなきゃ??????ねっ?!
赤いハイヒールを履いて嬉しそうに踊る子供の頃のローラ
ロケーションも何もかもが画…
キンキーブーツ
ドラッグクィーンの必需品、
セクシーなキンキーブーツがどうやって生まれたのか?
イギリス職人魂とトランスベスタイトのショービズ魂の
運命の出逢い?から生まれた、
笑って泣かせる人情コメディの秀作!!
『キンキーブーツ』は、自分らしく生きようと頑張っている
…
キンキーブーツ:kinky(=狂った、倒錯した)ブーツねえ シネ・アミューズ
予告編の女装した黒人の男=ドラッグ・クイーンの歌の迫力。期待して見て来ました。 ロンドンの北にある田舎の靴工場のせがれチャーリー(ジョエル・エドガートン)。靴屋の修行をしたが、どうも芽が出なくって会社勤めをするんだと婚約者とロンドンに逃げ出した。 彼女…
キンキーブーツ
救いの女神は、靴が人生の重みに耐えかねるドラッグ・クィーン
キンキーブーツ
KinkyBoots(2005/アメリカ・イギリス)【DVD】
監督:ジュリアン・ジャロルド
出演:ジョエル・エドガートン/キウェテル・イジョフォー/サラ=ジェーン・ポッツ/ジェミマ・ルーパー/リンダ・バセット
倒産寸前の靴工場の一発逆転劇。
幸せを呼ぶその靴は“キンキー…
キンキーブーツ
チャーリーの靴工場
★「キンキー・ブーツ」
10/17の2本目は、ハシゴして・・・
先月オープンした「109シネマズ川崎」で鑑賞。
ハリウッド映画に慣れちゃうと、イギリスものってハズレるパターンが多いけど。
週刊誌のレビュー読んで、これは見てみようかなっ・・って。
あまり上映館多くないし、近くでやってる…
日本人の女の人ってブーツ好きが多いですねーーー。
おみ足ふっとい系の方には似合わないと思うのですが。
ひらりんは、変態ブーーツは履きなたくないなー。
きっと靴屋の社長みたいに、すぐ転ぶハズ。
でも、ちょっと変態っ気はあるかもよぉぉぉぉぉ。
ご注意あれっ・・・・なーーんてね。
ひらりんさんへ
おはようございます☆コメントありがとうございます!
ブーツは好きなんですが、さすがにもう3月になってしまったので、もうそろそろロングブーツは季節外れになりそうです〜^^
でも、最後の一人までブーツを履きたい派だったりして
ひらりんさんは変態ッ気があったのですね〜
じゃあちょっと、ドラッグクイーンにも憧れちゃうかなっ・・・なーーんて!
キンキー・ブーツ
「キンキー・ブーツ」を観た。
どうしたらいい?」が口グセの優柔不断なチャーリーは、突然の父親の死で靴工場を相続する。しかしその直後、工場が実は倒産寸前だと判明!どうにか工場を救いたい彼のもとに舞い降りた天使
こんばんは〜。ご無沙汰でした。
好評ですよね〜この映画。私はちょっとひねくれすぎたのかもしれません・・・なんだかどの要素も中途半端な気がしちゃって、どうにも入り込めませんでした。あまりイギリス映画っぽくない作品でしたよね。
baohさんへ
こんばんは★コメントありがとうございました。
そうですねー^^最近、あんまりカブりませんでしたねえ!
いやいや、私も、baohさんの気持ちは分かるかな、とは思います。
少しベタな作品、という感じだったので、キウェテル・イジョホーは好きだし、とてもかわいかったのですが、“お気に入り”の作品ではありませんでした、これ。
こんばんは。
ローラがRrrrrrreddddd!!!!!って怒ったとこは面白かったです。
赤でも、あの赤であの形はないですよねぇ・・・履きたくない!
で、工場内に流れちゃってる(笑)
ヘドウィグのときもそうだったけど、彼女(彼?)がどんどんキレイに見えてくるのは不思議ですよね。
キンキーブーツ
キンキーブーツ
監督:ジュリアン・ジャロルド
出演:ジョエル・エドガートン、キウェテル・イジョフォー、サラ=ジェーン・ポッツ、ジェミマ・ルーパー、リンダ・バセット、ニック・フロスト…
「幸せへと導くブー、????
ひめさんへ
こんばんは〜☆コメントTBありがとうございました。
ローラにとっては赤も、ちょっと渋みがかっていると途端に“ババくさい色”に思えて、仕方が無かったんでしょうね(爆)
そうそう、ヘドウィグの時も、彼女がドンドン綺麗におもえて、愛しくなってくるんですよねー。
不思議な生き物ですよね。オカマちゃんて
『キンキーブーツ』
キンキーブーツ
監督:ジュリアン・ジャロルド
CAST:ジョエル・エドガートン、キウェテル・イジョフォー 他
STORY:父親の急死で倒産寸前の紳士靴工場を相続したチャーリー(ジョエル・エドガートン)は、会社を建て直そうと悩んでいた。そんな時、ドラッグクイー…
キンキー・ブーツ-(映画:2007年86本目)-
監督: ジュリアン・ジャロルド
出演: ジョエル・エドガートン、キウェテル・イジョフォー、サラ=ジェーン・ポッツ、ジェミマ・ルーパー、リンダ・バセット、ニック・フロスト、ユアン・フーパー、ロバート・パフ
評価:89点
(ネタバレあります)
西川口のオカ….
キンキーブーツ
キンキーブーツ
【チャーリー】ジョエル・エドガートン【ローラ】キウェテル・イジョフォー
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こんにちは、とらねこさん♪
「キンキーブーツ」の
トラバを持ってまいりました〜(^▽^)/
私のブログに、嬉しいコメントありがとう!
なんかね、皆さんの記事を拝読すると
自分の記事をトラバするのを
躊躇しちゃう時があって〜アハハ(^^;)
でも、とらねこさんの所には
バンバン飛ばすのでよろしくね♪
あの赤のブーツ、セクシーな女性を
象徴しているみたいで素敵でしたね!
まさに、ローラにぴったり。
憧れます♪
PAMYさんへ
こんにちは★コメントありがとうございます!
>トラバを持って参りました〜!
アハハ^^勢いよくトラバを持って来て下さり、ありがとうございます(笑)
PAMYさん、人の記事を読むと躊躇してTB出しずらいって‥
ずっと前もそうおっしゃっていましたよね。
なんでそんな事言うの?(泣)
PAMYさんの感想は、すごく好きですよ、私。優しい目線で温かくて。
それにね、映画ブログって、本当にいろんなタイプの人がいるんですよ。
内容ばかりでなく、長さも。私のように、文が長い人ばっかりでなくて、短い人も結構いますよ!
だから、余計な気は回さなくて大〜丈夫なんですからね♪
>赤いブーツがセクシーな女の人の象徴みたい
素敵なコメントありがとう。
『キンキーブーツ』
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キンキーブーツ
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