79.あらしのよるに
小学4年生の教科書にもなったという、絵本が原作のアニメ映画。
声優に、オオカミのガブ役が、中村獅童。
ヤギのメイ役に、成宮寛貴。
この声優のキャスティングが、なかなか話題になったそうだ。
原作は、きむらゆういち。
ストーリー・・・
嵐の夜に、偶然雨宿りで一緒になった、オオカミのガブと、ヤギのメイ。
お互いの顔も見えないまま、話をすると、とても気の合う相手だ、と翌日のランチを一緒に取ることを約束する。
翌日、木の下で再会した二人は、相手の姿にお互いビックリするが、次第に、種族の違いを超えて、友情を深めることとなる。
だが、お互いの仲間たちの大反対に会い・・・
中村獅童、成宮寛貴の、二人の声優ぶりが、終わってみるまで気づかないほど、自然だったと言えると思う。
なーるーみーやーーー。かわいい声っ!
メイったら、何てカワイイのかしら
お尻フリフリしちゃって、オオカミじゃなくたって、ガブっと行きたくなっちゃうよぉぉぉ。
何というか、“イイ子オーラ”を出してる、上品な子山羊ちゃん、というテイスト。キュートな面構えにかわいらしい声で、非力さを余計に煽るのがうまい。『乱歩地獄』で変態ナルシーを演じた、あの彼とは、完全に違う人格の声だ。
獅童のガブは、時々オッサンに見えないこともないが、最初に感じた、ガブの俗物的根性もだんだん感じなくなり、「ガブも、なかなかいい奴だな。グスッ・・・」
とか、思うようになってしまう。なかなかウマイ。
絵そのものが、本当にカワイイ。
めっちゃカワイイのは、認めますけど・・・確かに。
ただ正直、私には、話の運びがいまいちに思えた。
種族を超えた友情、のはずの男同士の二人のはずが、ほとんど男と女のような、“愛し合う二人”。
異性間の絆ではない、人種差別等を超えた、ワールドワイドな友情・・・
そういうものを描きたかったのかなあ、と思わせる手口ではあるのですが。
そういうことではなしに、話自体がね、なんとも生ヌルイ気がするのです。
相手を思う気持ちの強さや、その変わりない友情にも、しっくりくるためのエピソードが必要ではないか、と感じる私であります。
こういった物語は、何か、作り手の方が、この登場人物そのものに同情し、同調しているような、中途半端なものを感じざるを得ない。
作り手である作者が、こういった登場人物に同情してしまっては、話そのものが、歪められてしまうんですよね。
もう少し試練を与えるべきところで、作者自分自身が可哀想に思ってしまったら、自己完結的な物語しか、生まれないように思う。
つまり、本来、物語を起こす上で、作者は、その精神が、“白熱”していなければらならいように、思うのです。
下手に、自分自身を投影し、感情移入してしまってはならないように思うのですね。
それをやってしまったら、物語そのものが、作者の病理を映し出す、単に鏡にならざるを得ないのではないかと。
中途半端な葛藤。観ていて、こちらが疲れてきます。
関連記事
-
-
『沈黙』 日本人の沼的心性とは相容れないロジカルさ
結論から言うと、あまりのめり込める作品ではなかった。 『沈黙』をアメリ...
記事を読む
-
-
『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』 アメリカ亜流派のレイドバック主義
80年代の映画を見るなら、私は断然アメリカ映画派だ。 日本の80年代の...
記事を読む
-
-
『湯を沸かすほどの熱い愛』 生の精算と最後に残るもの
一言で言えば、宮沢りえの存在感があってこそ成立する作品かもしれない。こ...
記事を読む
-
-
『ジャクソン・ハイツ』 ワイズマン流“街と人”社会学研究
去年の東京国際映画祭でも評判の高かった、フレデリック・ワイズマンの3時...
記事を読む
-
-
『レッドタートル ある島の物語』 戻ってこないリアリティライン
心の繊細な部分にそっと触れるような、みずみずしさ。 この作品について語...
記事を読む
コメント(29件)
前の記事: それはdiscasにTBしたくなるほど
次の記事: デッドマンズチェストDS
おはよう、とらねこちゃん(^O^)/
以前にこのお話どこかで読んだような…さわりだけだけど。
私は単純だからあっさりそのストーリーを信じちゃうんだけど…。
とらちゃんて、読みが深いよねェ。つくづく感心しちゃいました。(@_@)
最近ちょっと時間が取れた時、ネコが登場する童話を2冊読みました。とても癒されました。
映画「あらしのよるに」
満月の夜に、オオカミが、あのまま・・息絶えたヤギを巣穴に運んで、満月を眺めながらゆっくりと食事する。そして目覚めて思い出す、すべてを・・
大人が観る映画としては、そんなことフト思ってしまった。・・それほどに毒のない純血無垢なストーリー、・・・実際…
こんにちは〜とらねこさん♪
この映画、絵がとってもかわいいですよね。
そのうち観たいと思っていました。
(まだ未見なんですぅ〜)
でも、とらねこさんの記事を読むとちょっと
私が想像していたのと違う作りみたいですね〜。
>相手を思う気持ちの強さや、その変わりない
友情にも、しっくりくるためのエピソード
私もコレを期待していたので。
なんかね「チリンの鈴」を思い出しました。
(とらちゃん知ってるかな?)
あちらは羊と狼で、話もかなり違いますが(汗)
かなりの葛藤と、色んな愛憎が入り混じった話しで、
子供向け?って思うぐらいラストもかなり切ない
のですが、私、結構好きなのです。
子猫さんへ
子猫さん、こんばんは♪
私、この映画を見ただけで、原作の方を知らないんですよ。
なので、もしかしたら、子猫さんのご存知の方の絵本の方が、ずっといいのかもしれません。
お褒めいただきありがとうございます。でも、少々、恐縮しちゃいますよぉ、子猫さん
話運びが、少々、都合良く行きすぎる感がありました。
猫の童話って、何でしょうか?私も、童話がすごく好きなんです。気になります〜♪
Pamyさんへ
こんばんは、Pamyさん♪
そうなんですよ、絵がすっごくかわいいので、なんかもったいないと思ってしまいました。
でも、絵本の方を私知らないので、・・・
絵本だったら、もっと短い話ですよね、きっと(笑)
知らずにいうのもなんですが、映画の方を見る限りでは、絵自体はせっかくかわいいのにストーリーがちょっと・・・と思ってしまいました。
『チリンの鈴』は、アニメなんですよね、きっと。
へえ、Pamyさんのその言葉を聞いて、見たくなってしまいました。
狼と羊というと、やはり共通する部分がいっぱいあるのかもしれません。教えていただき、ありがとうございます♪
チリンの鈴は、アンパンマンのやなせたかしさんが書いた絵本が原作の映画です。
パッケージもかなり子供向けの物なので
あったとしてもチョット借りづらいかも〜
つまらなかったらごめんね〜。
Pamyさんへ
おはよう、Pamyさん
へえ、そっちも映画だったのですね。
他のブログを回っていましたら、「こんな話があったのだがなんてタイトルだったかな。」と言ってる方がいて、それがどうやらこの作品のようでしたよ。
ますます気になりました。Pamyさんありがとうございます*^^*
あらしのよるに
今年最後の記憶もの映画?
子供向けの域を出ない 「あらしのよるに」
評価:60点
あらしのよるに
「瀬をはやみ岩にせかるる滝川のわれても末に逢はむとぞ思ふ」
川に飛び込むシーンを観て、何となくこの和歌を思い出しました。
オオカミとヤギという捕食者と被食者の関係を、友情で乗り越えるということでしたが、友情どころか恋に近いの…
あらしのよるに・・・・・評価額1300円
この映画、レイトショーで上映してる所が無い・・・・
ファミリー映画は良い子の時間までですか、そうですか・・・
レイトばっかりで観てると、たまの1800円がえらく高く感じるなあ。
嵐の夜に、ひょんな事からお互い顔も??
原作者自ら脚色してますが、原作を尊重しすぎている気がします。
こちらもあちらも立てたくて、しかし二時間の映画の中では中途半端になってしまっています。
複線も殆ど生かされてなかったし。
まあ杉井監督の演出力と丁寧な画作りで、観られるものには仕上がっていると思いますが。
ノラネコさんへ
こんばんは、ノラネコさん★
そうなんですか、原作者による脚色がやりすぎてしまったんでしょうね。
きっと原作だったら、楽しめるのかもしれません・・・。
なんか自分、酷評してしまいました・・・(+_+)
かわいいことはかわいかったんですがねー・・・
もったいないです。うーん。
とらねこさん、こんにちは! TB&コメント、ありがとうございました♪
この物語、改めて思い返すと、「弱肉強食の狼は『悪者』、羊はよい子」みたいに、一見、見えるようにできているように思えてしまい、スタッフ側の真の意向は私にはわかりませんが。「肉食生物がいけないのか?」と誤解されても致し方ないように思われる部分がいくつかあって、それに疑問をいだいてしまう部分もあったりしました。
長々と申し訳ありませんでした。ところで、成宮くんの画像がかわいいったらありません。容姿的にはすっごく大好きで大好きでたまらない俳優さんのひとりだったりするものでして。
(昨日のTBが反映されなかったようなので、再送してみます。もしタイムラグでだぶってしまったら1件削除してください。申し訳ありません)
『あらしのよるに』を観たよ。
恋愛モノにしか見えないんだけど……。
『あらしのよるに』
参考:あらしのよるに@映画生活
2005年・日本・107分
監督・脚本:杉井ギサブロー
製作:近藤邦勝
プロデューサー:中沢敏明 他
原作・脚本:きむらゆ??
あらしのよるに<ネタバレあり>
原作を全く知らずに観に行った。心があったか〜くなる映画やな。大人にも子供にも楽しめる作品でパンフも絵本仕立てになっててめっちゃ可愛げ(^^)冒頭はいきなり 狼の耳食いちぎるわ おかんヤギ食べられるわちょっとショッキングやってんけどそこからはまったりと進ん…
香ん乃さんへははっ★)
おはようございます、香ん乃さん♪
そうですね、その弱肉強食の逆転ぶり、全くおかしな話ですよね。
何と言うか、もう言いたいことは山ほどありますが、一言で言えば、非常にイライラさせられた作品でした(苦)
いえいえ全然長くないです
成宮くん好きですか、香ん乃さんー★
美しいルックスですなぁ。おや?萌え〜って、なっていらっしゃいますね♪
わはは。イイ男好きですね?香ん乃さん!
声もめっちゃ、カワイかったですよね、本当にキュート。
(でも私としては、どっちか言うたら、獅童が好きでぇす
あらしのよるに
レイトショー観るから遅くなるって弟にメールしたら、弟から、
「狼とヤギには友情は生まれない!」
というメールが来た。
「あらしのよるに」見てきました
??友達なのにおいしそう??
あらしのよるに
また試写会当たりました{/kaeru_en2/}
昨日観に行ってきました
あらしのよるに
これは絶対観たいと思っていたので
当たってうれしかったんです
でもちょっと期待はずれでした{/face_keibetsu/}
まずこの絵があまり好きじゃないし{/face_gaan/}
それに、絵本で7巻まで出ていて…
映画館「あらしのよるに」
はじめの5分で泣きそうになった。
でも、その後はそれほどでも無かった。
絵本の世界を映画化した作品なのですが、子供にも分かりやすく大人にも退屈せずに観れる作品だと思いました。弱肉強食、種族の違う友情、子供に観せたい作品かも。ただ、チョット後半の展開は…
あらしのよるに-(映画:2006年113本目)-
監督:杉井ギサブロー
出演:中村獅童、成宮寛貴、竹内力、林家正蔵
評価:70点
公式サイト
(ネタバレあります)
男同士、手をつなぐんじゃねえっ!
木村裕一の著作による原作(絵本)は、1995年、第42回産経児童出版文化賞JR賞および第26回….
あらしのよるに
『あらしのよるに』公開:2005/12/10監督:杉井ギサブロー声の出演:中村獅童、成宮寛貴
ある嵐の夜、仲間とはぐれたヤギのメイは、壊れた山小屋に避難した。するとそこへ、同じように嵐を逃れてやってきた一匹の“仲間”。小屋の中は真っ暗でお互いの姿は見えないも….
『あらしのよるに』’05・日
あらすじある嵐の夜、仲間とはぐれたヤギのメイは、壊れた山小屋に避難した。するとそこへ、同じように嵐を逃れてやってきた一匹の“仲間”。小屋の中は真っ暗でお互いの姿は見えないものの、心細かった二匹は言葉を交わし次第に仲良くなっていく。そして、“あらしのよる…
【邦画】あらしのよるに
A+ 面白い
A ↑
A-
B+
B 普通
B-
C+
C ↓
C- つまらない
『評価』
C+
(演技1/演出1/脚本2/撮影2/音響2/音楽2/美術2/衣装2/配役1/魅力1/テンポ1/合計17)
『評論』
本作に??ù
あらしのよるに…(一部ウルトラマンメビウスの記事ですが)
まずは、昨日(10/21日)に観た「ウルトラマンメビウス」のお話から
ウルトラマンメビウスに帰還命令が!!
地球赴任中の宇宙警備隊員に帰還命令が出るのは、かつてウルトラセブンに対してセブン上司が言いに来て以来(適当です{/face_ase2/})。
…そういえば、セブン上司…
映画「あらしのよるに」 〜種族の違ふ獣同士の“秘密の友達”を永遠に〜
ある嵐の夜、真っ暗闇の山小屋に逃げ込んだヤギのメイ。
そこで、同じように嵐から逃げてきた「仲間」に出会う。
寒い暗がりの中、相手の姿は見えずニオイも分からない。
が、素コスずつ言葉をまじわす内に仲良くなって、次の日に「あらしのよるに」を合い言葉にして再開…
あらしのよるに
2005年/日本
原作:きむらゆういち
監督:杉井ギサブロー
出演:中村獅童、成宮寛貴 、竹内力 、山寺宏一 、林家正蔵、KABA.ちゃん、板東英…
私最初のうちはメイが女の子だと思っていたんですよ。
声は明らかに男声だけど物語上はオスとメスの動物だと・・・
相手をあそこまで大事に思うのって
友情を通り越して愛の物語のようでしたね。
4年生の教科書でもイラストはこのままの絵なのかな?
それだったら可愛いですよね〜〜。
教科書見てみたいなぁ。
ジュンさんへ●○」
こちらにもありがとうございます〜♪
いやいや、すいません、なんだかケナしてます・・
自分には、どうもこの作品はダメだったようです。
オス同士が、ということより、
「食物連鎖どうなるねん
っていう。
でも、確かに絵がすっごくカワイイんですよね!
この絵本、本屋さんで覗いて見たことあります。
教科書はどうなんでしょうね〜?
羊くんがすごくフワフワで美味しそう。。いや違う、カワイイです♪