63.アルフィー
ジュード・ロウがそう言えば「映画に出すぎ」と言われていた、’05年。
’66年のステファニー・ティレル監督の同名タイトル作品のリメイク。監督はチャールズ・シャイアー(「マリー・アントワネットの首飾り」)。ジュード・ロウがプレイボーイの役を演じている、ジュード・ファンにはきっと楽しいであろう作品。
どちらかと言えば、俳優より女優に萌え〜となる傾向の強い私は、「カサノバ」にも出ているシエナ・ミラー(この作品から一時ジュード・ロウと付き合っていた)が、さる方のお告げによると「ブレイクしない」との事で、ソイツを確かめに挑戦の巻。
アルフィー(ジュード・ロウ)はNYでリムジンの運転手をしている、都会派プレイボーイ。モテすぎるため、とてもじゃないが結婚なんて考えられない。この楽しい放蕩なラブ・ライフにくさびを打つなんて、もったいないと言うワケ。
そんな訳で、様々に遊ぶ。
一方、親友のマーロン(オマー・エップス)は元カノのロネット(ニア・ロング)とヨリを戻したくて、かなり凹んでいた。親友のために一肌脱ぐつもりで、ついついパンツまで脱いでしまった!これはかなりなイイ女。
だが、何しろ親友が本気で好きな女だ。心はちょっと痛むが、・・・だが、知らぬ間にヨリが戻っていた。何はともあれ、メデタシメデタシ。
そこへ、金持ちの熟女、ステイタスの高いリズ(スーザン・サランドン)との出会いがあり、はたまた「運命の女か!?」と思えるような、とびきりのスレンダー脚長美女ニッキー(シエナ・ミラー)との出会いもあり。彼女は気分屋だが楽しくて、あっと言う間に燃え上がった。だがそれも長くは続かない・・・
一方、親友の彼女ロネットは、どっちの子だか分からない子供を妊娠する・・・。
そんな女好きアルフィーの放蕩日記。
「A.I.」でジゴロのアンドロイドの役をやっていたジュード・ロウが、今度は人間の心を持ったジゴロの役を。だが、愛を信じないとは、アンドロイドも同様じゃないの?
最後、ちょっぴり凹んで終わる。ちょっと惨めなボク。
あの、ジュード・ロウファンならきっと楽しいと思います・・・。
きっとこれは、俳優の魅力でもつ映画。
だが、二股(とか三股とか)をかけた事のある人には、きっと分かるだろう。
なんだか楽しくて、やめられないような気になる錯覚。恋愛のおいしいトコ取りなんだもの。誰が一人になんて決めてなるものか!
だけど・・・気づいちゃうんだよねぇ。例えば、2人なら2つ、3人なら3つ。
この愛って、全部合わせてみると、それって“1”にしかならない・・・本当は。
私はこの法則、21歳の時に気づいたけど・・・。
“二分の一の誰か”と“1”の自分が向き合ってみると、それは、余ってる部分があって。相手に言えない“二分の一”がある、って。
気づかない人は、嫌というほどそれを続けてしまうもんかねぇ・・・?
たった一人を見つける難しさ、それに伴う危険。
それがあるからこそ、恋愛って、人生って、面白いと言えると思うんだけど。
この世は恋愛が全てでないにしろ、ね。
例えば仕事が好きで仕方がない人。趣味が面白くて仕方がない人、がいるとして・・・。
それのために、愛する誰かたった一人が見つけられないように思う人。
“1”の自分で誰かと向き合うのが怖いから・・・
二分の一の自分がドコカで逃げているのかもね。
関連記事
-
-
『沈黙』 日本人の沼的心性とは相容れないロジカルさ
結論から言うと、あまりのめり込める作品ではなかった。 『沈黙』をアメリ...
記事を読む
-
-
『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』 アメリカ亜流派のレイドバック主義
80年代の映画を見るなら、私は断然アメリカ映画派だ。 日本の80年代の...
記事を読む
-
-
『湯を沸かすほどの熱い愛』 生の精算と最後に残るもの
一言で言えば、宮沢りえの存在感があってこそ成立する作品かもしれない。こ...
記事を読む
-
-
『ジャクソン・ハイツ』 ワイズマン流“街と人”社会学研究
去年の東京国際映画祭でも評判の高かった、フレデリック・ワイズマンの3時...
記事を読む
-
-
『レッドタートル ある島の物語』 戻ってこないリアリティライン
心の繊細な部分にそっと触れるような、みずみずしさ。 この作品について語...
記事を読む
コメント(11件)
前の記事: 62.奥様は魔女
次の記事: 64.極道恐怖大劇場 牛頭
『アルフィー』
——-『アルフィー』って、その昔、
マイケル・ケインがプレイボーイを演じた映画だよね。
確か、バート・バカラックの音楽が有名じゃなかったっけ。
「うん。オリジナル作品は66年で、ぼくは実際に観たわけじゃないけど、
スインギング・ロンドンのムードがよく出てるらし…
アルフィー
公開中だから・・・ アルフィーは良い女たちと出会うために、イギリスからニューヨークへとやって来たプレイボーイ。 リムジンの運転手をしながら、時には客に手を出しシングルマザーに甘えリッチなマダムと優雅に過ごす。 時にはクリニックのお世話になるような恐怖の体験….
>全部合わせてみると、それって“1”にしかならない・・・本当は。
互いに“1”と“1”ぴったり合う相手は簡単に見つかるものではないから、普通の人は欠けている部分を仕事や趣味に当てるのかもしれないけれど、アルフィーは別の女性を当てて“1”にしようとするタイプだったんですね。
まぁ、彼にとっては“女は趣味”でもあるんだけど(苦笑)
ひょっとして彼は、一番食べたい一品料理より、アレコレ食べられる“お子様ランチ”や“飲茶”や“松華堂弁当”を選んじゃう?
哀生龍さんへ
う〜ん、深いなぁ・・!
本当にその通りでしたね。彼にとって、女が趣味で、なんだかそれしか考えてないのか?って思ってしまいました。
でもきっと、それでいいや、と思っていた軽薄男が、なんとなくそれでもの足りなくなってくる年頃・・・
哀生龍さんのおっしゃるように、このアルフィーの役にちょうど合いそうな年齢のジュードだったかもしれませんね。
『アルフィー』(2004年度版)を観たよ。
シェアブログminiに投稿
※↑は〔ブログルポ〕へ投稿するために必要な表記です。
因果応報。
『アルフィー』(2004年度版)
原題:”ALFIE”
2004年・アメリカ・105分
監督・製作・脚本:チャールズ・シャイア
製??
とらねこさん、こんばんは♪ 今更で恐縮ですが、やっとDVDで観たので、TBさせて頂きましたm(_ _)m
ジェーン・クラコフスキーを目当てに観たら、彼女の出演シーンがあまりなくて残念でした、が……、『マリー・アントワネットの首飾り』を撮った監督が、こういう軽やかなノリの映画も撮るんだなぁ、と新鮮で、嬉しい発見になりました(^^) ではでは、失礼致しました。
香ん乃さんへ
こんばんは★TB&コメント、ありがとうございました!
古い記事にTBくださるのは、全然構いませんし、むしろこちらはとっても嬉しいです!ありがとうございます!
ジェーン・クラコフスキー目当てだったのですか!
そうか、香ん乃さんて、『アリー』お好きでしたもんねえ!
私も、このドラマ、大ッ好き!でした。
あのドラマ以来、ずっとドラマ見てない私です。
なんだか、香ん乃さんのこの記事、言ってないことが、実は私にはひしひしと伝わるようでしたよ・・・フフフ(笑)
香ん乃さんと恋愛観なんかを語ったら、楽しいだろうなあ!
アルフィー(’04)
ジュード・ロウがプレイボーイを楽しげに演じる。’66年のマイケル・ケイン主演の同名映画のリメイク。
最初にジュード・ロウを見たのは、’97年の「オスカー・ワイルド」。ちょっとうろ覚えだけど、ワイルドが熱を上げる美青年の役だったと思う。この時は、彫り….
映画『アルフィー』
原題:Alfie
こういう男も実際いるんだよね、華麗な女性遍歴の独身貴族というよりも、女性の心を踏みにじる世間知らずで悪辣非道な悪ガキというのが相応しいだろう・・
アルフィー(ジュード・ロウ)はリムジンドライバー、まず一人目は週一のお相手で人妻のドリー(…
≪アルフィー≫
アルフィー スペシャル・コレクターズ・エディション
¥2,880 Amazon.co.jp
(WOWOW@2007/11/17)
原題ALFIE
製作年度2004年
製作国アメリカ
上映時間105分
監督チャールズ・シャイア
出演ジュード・ロウ(アルフィー)、マリサ・トメイ(ジュリー…
アルフィー
誰かを本気で愛したこと、ありますか?