59.スタンドアップ
「クジラの島の少女」のニュージーランド人監督、ニキ・カーロの、シャーリーズ・セロン主演による社会派ドラマ。
セクハラに対して敢然と立ち向かうというテーマが、見る気になれなくて、DVDになってようやく手を出してみた・・・
ストーリー・・・
暴力を振るう夫とようやく別れ、子供二人と故郷の北ミネソタに帰ってきたジョージー(シャーリーズ・セロン)。養育費を稼ぐために、金払いのいい仕事、鉱山での仕事に就く。
だがそこは男の職場であり、アメリカの就業法にのっとって、仕方なしに女性を雇っているに過ぎない、男達の世界。
そこへ入り込んで来た女性に対する仕打ちは、酷いものだった。
鉱山で働く際に、彼女と同じ部署に宛るボビー(ジェレミー・レナー)は、実は彼女のハイスクール時代に、同級生で、付き合ったこともある男だったが、実は彼は、彼女のある秘密を目撃したことがあった。
そのためもあって、彼女に対する仕打ちは、他にないシツコいものとなり、次第に、その職場の女性全体に対する性差別も、加速して度を越したものとなってゆく。
ジョージーが裁判を起こすべく立ち上がろうとする時の、彼女の同僚の女性たちの視線は大変冷たいものである。自分たちに対する職場全体の雰囲気が余計に悪くなることを危惧して、証言に立とうともせず、“迷惑この上ない”といった姿勢だ。
ジョージーも、本来リーダーシップに立つようなタイプの強い女性ではない。
不運な人生にくじけながらも、なんとか立ち向かおうとする。
セクハラというのは本当に厄介なものだ・・・。
ある程度、適度に冗談としてあしらうべきで、それを上手にやってきた、ジョージーの友達グローリー(フランシス・マクドーマンド)の例もある。彼女は、この男ばかりの職場の中でも信頼を勝ち得て、労働組合の役員でもあったりする。
だが、そのように上手に立ち回ることが出来ない女性が実際にいるのも現実だ。例えば、下世話なジョークを冗談として、こちらとしては受け流しているつもりでも、逆に、その姿勢によって変にツケ上がられ、「あ、この人には平気なんだ」なんて、調子に乗って、さらにエスカレートしてくる男もいる。
さらに、変に距離を縮めようとして、妙に勇気を持って乗り越えて来ようとする人もいる。そういったときに、相手に妙に気を使って、上手にあしらわなければならないにしても、非常に面倒くさいし、めちゃ冷たい態度を取ると、逆に恨まれたりして、余計に悪口を言われてしまうこともある。・・・
それは主に、自分の評判なども関係してくる、実に様々なケースと言えるかもしれない。基本的に、自分の評判がまま良ければ、冗談も好意的なものとして受け止められるのだが、いったん、変に自分に少し隙があると思われてしまった時は、本当にしつこいものになってしまうこともある。はぁ〜・・・。
なので、いかにも自分がそういったターゲットにされそうな職場は、選ばない方が賢明だ。・・・なんて言ったら、終わってしまいますけど(笑)
このヒロイン、ジョージーの場合は、過去の自分のある秘密を、ボビーが偶然に目撃したことがあるために、妙にこのヒロインに執着することになり、セクハラが一気に最大限にまで加速してしまうという、ハッキリ言って最悪のケースだ。
だが、そこまで行かなくても、似たようなケースは、おそらく見られると言えるかもしれない。
何もしなくても、目線さえ合わせたことすらないのに、勝手に“まるでクラブのホステスか、なんか”のように扱われたりすることがある女性には、きっと分かってもらえるだろう。
こちらとしても、ある程度仲の良い人は欲しかったりするし、かと言って変な男に妙に調子に乗られると困る、という・・・。
なのでやっぱり、自分がそこで生きられる場所かどうかを、見誤ってはダメです。あ、やっぱりこういう結論になっちゃった・・・。
でも、私だったら、仮設トイレに閉じ込められて、揺らされたりしたら、獅童“13号”入って、ドアをバーーーンン!!とブチ破って出てくるのは間違いなし!
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悪○じゃないショーン○ー○が○ても○かった。フランシス○ク○ーマン○もオスカー助演女優賞ノミニーがかなり○○だ!
スタンドアップ
立ち上がる・・・裁判を勝ち取る為というより、自分の中にあった男性への恐怖と偏見から立ち上がり再生していく物語
この物語は実話を元にしているだけあって非常に女性には共感しやすい作品かな。現在の男性でここまでセクハラすると、逆に立場が悪く肩身の狭い思いを強い…
『スタンドアップ』
—-「立て!」って、これまたスゴいタイトルだね。
「うん。でも正確には『立ち上がれ!』という意味。
この映画は一言で言えば、
鉱山という“男の社会”で働き始めた女性ジョージーが、
度を越えた嫌がらせや耐え難い屈辱の中、
ついに“立ち上がる”ことを決意するという…
職場の隣のビルが解体中なんです。
工事現場には仮設トイレもあるというのに、職場にトイレを借りに来る人がたまにいます。
「もしや、大か?!」
あの仮設トイレは嫌ですよね・・・男の小用だけのものかもしれません。
kossyさんへ
それは間違いなく大の為に来てますね
か、かわいそうですが、解体が終わり、新しい工事が始まり、さらにその新築工事が終わるまで、大の為に来る人が後を絶たないでしょうな〜
とらねこさん、こんにちは(^^)
公開前に試写で観ました。働いた経験のある女性なら大なり小なりセクハラっていう言葉が身近ではあると思うので、自分のことを振り返ったり、いろいろ考えたりは、やっぱりしちゃいました。この映画のレビュー、男性と女性では温度差を感じる場合が多いので、やはり女性には共感しやすいテーマなんだろうな、と思います。少々悔しい感じはしますけどね(^^;)
スタンドアップ
オスカー女優、シャーリーズ・セロンと『クジラの島の少女』(02)のニキ・カーロ監
香ん乃さんへ
こんばんは!
香ん乃さんも結構、この作品には同調してご覧になったのですね!そうですね〜、どうしても女の目線で、うんうん、分かるって思っちゃうんですね。
シャーリーズ・セロン、もしかして香ん乃さんは、すごくお好き?^^v
シャーリーズは、綺麗なだけじゃなくて、すごく女優として志が高いって気がしますよね!!
彼女プロダクションなんかも興味あるようだし、今後が楽しみですね!
『スタンドアップ』を観たよ。
あの抜群の美女・シャーリーズの顔がでかく見えるなんて……。「トップにボリュームのあるレイヤー+前髪を薄くおろす」って髪型には、場合によっちゃ巨大顔が待っている、ってことだ。ああ、でも、あの前髪がもうちょい????)
とらねこさん、こんにちは♪ たびたび失礼しますm(_ _)m トラバ、ありがとうございました★
シャーリーズはヴィジュアル的に結構好きな女優さんですvv 全出演作を観た、というわけではないのですが。ケイト・モス共演で決まっているというアン・リー監督作への出演がとても楽しみです〜♪
香ん乃さんへおお〜、それは楽しみですね!!
こちらこそ有難うございます!!
私も香ん乃さんが復活したら、早速お邪魔しに行こうと思っています・・・それまでは、我慢我慢
私、ケイト・モスとか宮崎あおいみたいな、目の離れた顔が、超〜好きなんですよ。
今度はレズ物だったりして・・・
スタンドアップ
夫の暴力から逃げて、2人の子供をつれて故郷に戻ったジョージー(シャーリーズ・セロン)。 しかし、炭鉱で働く父(リチャード・ジェンキンス)も母(シシー・スペイセク)も、彼女を全面的に味方してくれるような言葉はかけてはくれなかった。 旧友グローリー(フランシス….
『スタンドアップ』・試写会
今日は某テレビ局で当選した『スタンドアップ』の試写会に行ってきた。 《私のお気に入り度:★★★★★》
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スタンドアップ
昨日も書いたように、3日連続試写会の中日です♪3連チャンなんだけど、それぞれジャンルも雰囲気も違いますし、コチラも楽しみにしていた映画なんです。
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