55.フーリガン
面白かった・・・スタイリッシュに描いただけの暴力映画ではなくて、満足できた。
ギャングの抗争、人間のドラマだった。
ワールドカップ最終日の今日、ちょっと前のインテルのユニフォーム(VIERI)なんぞ着て、見に行って見ました、スーパーPoserな私・・・。
フットボールマニア(「もう“サッカー”とは、言わない」なんて言ったら、「そんな“カルチョ”のユニフォームなんぞ着て?」と言われた。イタリアでサッカーは、カルチョと言うらしい。)の友達と見たのだが、わざわざツッコミは来なかった。もう、彼はさすがに私のアホさ加減に慣れてしまっているようだ・・・よしよし。
この映画、予告で見ると、妙にスタイリッシュさを前面に押し出し、なぜだか「トレイン・スポッティング」を引き合いに出して、カッコ良さゲな宣伝文句。
正直、フン!っと思っていたのだが、意外にも興味深く見入ってしまった。
ストーリーは・・・
ドラッグ中毒であり、麻薬の密売も行っていたルームメイトに陥れられ、卒業間近でハーバード大学を退学させられた、マット(イライジャ・ウッド)。
ジャーナリズムを専攻し、卒論も書き上げて、教授から就職のお墨付きももらっていたのだが、金持ちで権力もあるルームメイト、ジェロームの前に、戦わずして引き下がり、そのまま逃げるようにロンドンに住む姉、シャノン(クレア・フォーラニ)を訪ねて行ったのであった。
そこで彼の従兄弟、ピート(チャーリー・ハナム)とフットボールの試合を観戦しに行くことに。だが彼らは、警官と新聞記者の次に、アメリカ人(“ヤンクス”)の嫌いな、フーリガンの連中だった・・・。
皆の反感を買うなかであったが、ウェストハム・ユナイテッドのファーム、Green Street Elite,GSEと呼ばれるフーリガンの現リーダーであるピートの従兄弟ということで、彼らと行動を共にし、初観戦を行う。ハムは試合に勝ち、上機嫌の彼らと別れ、一人姉夫婦の元へ帰ろうとするマットを、今日の試合相手、因縁のあるミルウォールの連中に待ち伏せされ、あわやと言うところで、さっき別れたはずのGSE達が駆けつける。
多勢に無勢であったのに、一致団結しての大乱闘。喧嘩など今までした事なかったマットも初めての殴り合いの喧嘩を経験するはめに。
初めて流した血に、妙な興奮と快感を覚え始めていた・・・。
単に暴力をスタイリッシュに描いた作品だったら、正直自分は共感できなかったと思う。しかし、ギャングの抗争のように激化してゆくドラマ・・・エネルギーを過剰放出する男達の団結ぶりは、見ていて不思議とのめりこむことができた。
とは言え、やはり、もともと暴力描写のダメな人には、オススメは出来ない。フットボールの試合そのものより、喧嘩に明け暮れる毎日、そのためにいつか来る、失うものの多さ・・・
それは、思ってもみなかった大乱闘、悲劇へと発展してしまった。
無駄に過ぎない、若さとエネルギーの消耗・・・そう言われてしまえば、それは確かにその通りかもしれない。
こういう団結精神は、あくまでもその場に居て、それを経験してみなければ、おそらくは理解しがたいものだとは、思う。
たとえば、自分で言えば、もっとも激しいライブでモッシュした時のような興奮。
ちょっと古いが、RAGE AGAINST THE MACHINEやKORN、SLIPKNOTのような・・・。あくまでももっとも激しい気持ちになった時、なのであって、毎度毎度暴れる私でしたけれども。
でもこの上げ3つのライブでは、「暴れずに帰ってなるものか」みたいな、とてつもなく激しく暴れた経験だ。
友達で、ダイブで首の骨折った人もいれば、爪をはがして血まみれで救急車に運ばれた、と聞くと、「YEAH!!!」とアホのように喜んではいたが、止めようとはしなかった・・・。
ま、そういう経験て言うのは、口で言っても伝わらないとこがあるね。
その異常な精神状態は、集団心理からくるものだからだ。
おそらく皆どこか持っている闘争本能、そしてその闘争を一緒に経験したものに対して抱く一体感、連帯感と、日々つのる相手に対する憎しみも、・・・
仲間がいて初めて得られるものだ。
だが、この映画で描かれるように、血で血をあがなう闘争には、終わりはないし、実際、この映画であまり見られなかった、拳以外の武器も、現実にはきっともっとしばしば、使われていることだろう。
それから、死者も、もっと普通に、頻繁に出ているのだろう。
ところで。
ピート役を演じた、チャーリー・ハナム。
イギリスのブラピ、といったルックスで、’05年のアルマーニのモデルにも起用されたという、期待の新人さんだ。
黙っている時の表情はそれほどでもないが、喋るときの毅然とした目つきが、かなりカッコいい人だった。演技も、自分が主役とばかりに、イライジャより数段輝いていた。
ボヴァー役のレオ・グレゴリーも、ショーン・ビーンに似て、なかなかの存在感。
二人とも、今後が期待出来そうだ
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フーリガン
監督はレクシー・アレキサンダー・・・なんと女性である。自身は国際空手大会で優勝した経験を持つスタントウーマンらしい。
そしてドイツのマンハイムで熱狂的サポーターの一員だったという。
サッカーならぬフットボール発祥の地、ヨーロッパはイングランド。
ロンドンを…
こんにちは!
映画は美化されたものかもしれませんねえ…実際はもっとすごいのかもしれませんし。
でも、映画では少なからず男達の熱い血のつながりみたいなものを受け取れた気がします。
イライジャが最後に殴らなかったのが、「ぐ〜」でした。爆
>ボヴァー役のレオ・グレゴリーも、ショーン・ビーンに似て、なかなかの存在感。
=えええっ、ちょっと違うかも。笑
豆様の方が好きですが(爆)、裏切ってしまい自責の念にとらわれているところの演技は迫真だったです。
TBがつきませ〜ん。また挑戦します♪
Charlotteさま
>>レオ・グレゴリー
ありゃりゃぁ。似ていませんか?^^;
顔を歪ませて驚いたり、悲しんだりしているところは似ていませんが、眼光鋭くイライジャを睨みつけるところが。あ、でもとりあえず謝ります(ははは・汗アセ)
日本の、のんびりした環境の方が、やっぱりいいですよね!サッカー好きなのに、ケンカが強くならなくてはならないなんて・・・。
フーリガン
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『フーリガン』
エキサイティングなフーリガンの生態が興味深い。
イライジャはその冒険また指輪ほどに大切なものを得たのだー。
ハーバード大学を退学処分になったジャーナリスト志望のアメリカ人青年マットは、姉の住むロンドンへ渡り、義兄の弟ピートと共に、サッカー・プレミアリー…
チャーリー・ハナムくんよかったですよねー。
でもって、私もボヴァー役のレオ・グレゴリーもかなり気になりました♪
かえるさんへ本当、今後が楽しみ!!
チャーリー・ハナム、カッコ良かったですよね〜
レオ・グレゴリーも、すごく演技が良かったですね。
・・・で、かえるさんは、ショーン・ビーンの若い頃に、似てるとは思いませんか・・・??
フーリガン
映画『フーリガン』
W杯前後からこっち、たまっていた映画の感想などをそろそろ。。
でもやっぱりなんだかんだ、最初はサッカー(関連)の映画なんですけども。(^^;;;
こんにちは☆
コメントありがとうございました。
チャーリー・ハナム、メチャかっこよかったです。
なんだか不思議な包容力というかカリスマ性があって。
でも実際の彼はとても謙虚で真面目ないい人みたいですね。
インタビューとかを読むと、真摯な人柄がうかがえますわ。
レオ・グレゴリー、、、まぁショーン・ビーンに絶対似てないともいえないかもしれなくもないかも。(^^;;;
ルールーさんへ←古っ!
こんにちは♪
アレレ〜。実は、読ませていただいた中で、ルールーさんが一番、レオ・グレゴリーに反応していた方なんですよぉ。
他の方には、やっぱりちょっと、単なる悪役に見える・・・というか。
ま、実際悪役ではありますが、“苦悩する”悪役でもありましたよね。そういうのをやはり、演じ切れるのはすごいな、と私なんかは思うわけですが。
でもって、ルールーさんが一番、分かってくれそうに思ったんだがなぁ(泣)
なーんちゃって
“豆”と呼ばれてマニアにやたらと人気なショーン・ビーン。なぜあんなに豆とか栗とかヘンテコな名前をつけてマニアは喜んでいるんでしょ?
『フーリガン』ケンカ、ケンカ、ケンカ
『フーリガン』
GREEN STREET HOOLIGANS(2005年アメリカ、イギリス)
監督 レクシー・アレクサンダー
出演 イライジャ・ウッド、チャーリー・ハナム、クレア・フォーラニ
■ストーリー■
同じ部屋の友人に麻薬所持の罪を着せられて、あと2ヶ月で卒業とい…
こんにちは!
予告では、スタイリッシュだったんですね。
でも、ケンカばかりの映画にしては、
スタイリッシュだったかも。
日本でケンカを題材にした映画を作ったら、こんな風に映画化できなかったかも。
@KOBAさんへ
こんばんは!
>ケンカばかりの映画にしてはスタイリッシュ
ははは、そうですね。
サッカーというより、ケンカが主でしたもんね。
人間に生まれついての闘争本能とか、そういうものについての映画だったんでしょうね。
私も、男だったら、ケンカに明け暮れてみたいかも。
フーリガン
「フーリガン」 2006年 英
★★★★☆
これまた、IT’S THE 青春!!
熱い血がたぎり、涙しました。幾つになっても「ビー・バップ・ハイスクール」
のノリの男達はいる?
日本人には、ここまで熱くなれる物がないので(多分)ある意味羨ましい。
し…
教えてもらいたいことがあるのですが・・・、
この映画で流れている音楽などは誰が歌っていますか??
ゆーきさんへ
初めまして!
エト、主題歌はAcarineの”Stand Your Ground”という曲で、その他、この映画のサントラにはJunkieXLとか、Stone Rosesなんかが収録されています。
個人的にはオススメはJunkieXLで、ヘビーチューンが好きな人ならJunkieXLは要チェックですよ♪
私はこのサントラは持ってませんが、Junkieの方は好きでした☆
もしこのサントラが欲しいなら、Amazone見たら載ってなかったので、HMVの方には載ってました。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1199579
よろしければこちらをご覧アレ
ありがとう御座います。
もう一つ、ちょーマニアックかもしれないのですが、ピートとイカレ野郎が車に乗っていたときに車の中で流れていた曲わかりますか??
Stnd Your Ground聴きました。
ぼくが思っていた曲と違いました・・。
すみませんが、この曲わかりますか?
http://www.youtube.com/watch?v=_PEOXdyHw58
お願いいたします。
ゆーきさんへ
コメントありがとうございます。
このYou Tubeの曲が、↑のコメ#11で言ってた、“ピートとイカレ野郎が車に乗っていた時の曲”でしょうか?・・・
何しろ、7ヶ月も前に見たので、忘れてしまいました・・・。
この曲だったら、サントラに載っていませんね。
これ、Green Day “Holiday”ですよ
アルバムは、”American Idiots”に収録されてます。
これ、この年に超売れしたアルバムです。
マストですよ♪
http://www.youtube.com/watch?v=w1fg7KGpjRI
本当に有難う御座います。
その曲ではないです・・・。
でも、Holidayということがわかっあので、是非お店に足を運んで買いに行けます☆
これってUKロックって言いますか??
ゆーきさんへ(”Holiday”を歌っているグループ)
ん?これゆーきさんの言っていたYouTubeの曲と同じですが?
それとも、この曲は、“ピートとイカレ野郎が車に乗っていた時の曲”と違う、ということでしょうか?
もしこの曲がどれか、さっきみたいにYouTubeで分かればいいんですが。
Green Dayはアメリカン・ロックのド真ん中です
後者の方デスね。
まどろっこしくてすみません・・・。
そうですよね、
もう一回映画観るしかなさぞうですね☆
シャボン玉もいい歌ですね♪
ど真ん中ですか!!!
最高ですね(>_<)
ゆーきさんへ
そうですね(笑)
またもう一度見てみてください(笑)
ちなみに、HPは見られましたよね?そこにあるサントラの中には試聴できるものがありましたけど、ここにあるのじゃない、ってことですよね?
http://www.wisepolicy.com/hooligans/
シャボン玉?^^;・・・ごめんなさい、何のことかよく分からなかったです・・・焦っ。
One Bloodっていう曲もGreen Dayですか??
シャボン玉なんちゃら〜って映画の中で歌ってたの覚えてません?
それですよ♪
今観ました!!!
すみません。
MUSICのところに歌手名のってますね。
ここには、Green Dayはないですが・・・。
映画で流れませんでしたっけ??
ゆーきさんへ
そうですね、“One Blood” Terence Jayは、サントラに入ってますね☆
Green Dayは本編中には使われていたと思いますよ。
GSEのシーンじゃないでしょうか。
サントラ“Hooligan”と、Green Day “American Idiots”のアルバムを買われたら、バッチリ★だと思いますよ♪
Green Dayの曲、サントラに載ってないのは残念でしたね。
でも、この”American Idiots”、めっちゃいいから、絶対買って損はない!と思いますよ★
私もヘビロテしてましたもん
本当に何から何まで有難うございます!!!
とらねこサンにはお世話になりました。
mixiはやられてないですか??
要CHECKして買いですね♪
今から楽しみです☆
ゆーきさんへ
ちょっとでもお役に立てて良かったです〜^^
ちなみに、私もmixiやってますヨ♪
シャボン玉のシーン、私も”One Blood”を聞いてたら思い出しました♪
なんか心に響くシーンでしたよね・・・。
サントラの方は、もし見つからなかったら、HMVのさっき私が↑で言ったページで、買えますね★
・・・って、別に、HMVの回し者じゃないんですけどw
Green Dayの方はすぐ見つかるはずです
では、もしよろしければマイミクになってください☆
切なくていいですよね!!
はぁいわかりました。
ゆーきさんへ
マイミクいいですよ
ただ、“とらねこ”って、め〜っちゃたくさんいるので、見つからないかもです★
ゆーきさんの方のURLを書き込みの際に貼ってくれたら、こちらから探しますよ☆
で、すぐそのURLは、取っておきますので、大丈夫ですw
http://mixi.jp/home.plこれでいいのかな?
よくわからない・・・。
これからもよろしくお願いします☆
ゆーきさんへ
えーっと、それは普通のmixiのトップページですね・・・
>mixi TOPページ>プロフィール
で、そこにURLが載っていますよ。
そこのURLがゆーきさんの他人から見たページになります☆
これですね!!
すみません。
ゆーきさんへ
ハイ、それでーすっ。
でもって、削除しておきましたので☆
もう今日は遅いというか朝早いので、今度ゆっくり時間のある時にマイミク登録でいいですよん。
はーい!!
じゃあ申請しておきますね。
おやすみデスZzz
ゆーきさんへ
うわー高校生だったのですね・・・^^
明日の学校に差支えがありませんように・・
・・・って、もう遅いか
うーん高校生はパワフル♪
私は明日休みで良かった・・(独り言)
マイミクどうもでした★
フーリガン
Hooligans Football Hooligans Green Street Green Street Hooligans The Yank ハーバード大学で報道学を専攻する将来有望な記者の卵マット(イライジャ・ウッド)は、卒業まで後2ヶ月と言う時に退学となった。 ルームメイトの政治家の息子に罪を着せられて・・・ 結婚し…
>ピート役を演じた、チャーリー・ハナム
>演技も、自分が主役とばかりに、イライジャより数段輝いていた。
3,4年前の作品しか見ていなかったので、彼の成長振りを知りたくなって、見ました。
期待以上でした!!
熱く燃えている時の年相応の勢いのある様子と、どこか1歩引いた所から見ているような目をする時のギャップが彼の魅力で、ピートも奥行きのあるキャラのように感じられますよね。
まだ出演作は殆ど見ていないので、これからチェックしたいと思ってます!
哀生龍さんへ
こんばんは〜♪コメント&TB,ありがとうございます☆
チャーリー・ハナム、気に入られましたか!
良かった、良かった〜♪
そうなんですよね、彼の奥行きのあるキャラクター作りによって、このピートがただのサッカーキチなだけじゃなくて、つい釣られそうになってしまうんですよね。
要とも言える重要な役を、とてもよくコナしていましたよね!!
アルゼンチンのフーリガン、悪知恵を輸出
アルゼンチンのフーリガンがノウハウを他国のフーリガンに伝授しているという今日の記事より。
(引用記事は、下部に掲載)
フーリガンと言えば、海外では悪名高い過激なサッカーサポーターだが、アルゼンチンのフーリガンがその本場(?)のノウハウを他国のフーリガ…
フーリガン
『中途半端じゃ、生きてる気がしない! ピッチの外が俺達の青春<フィールド>』
コチラの「フーリガン」は、熱狂的なサポーターと言うよりも、その熱狂が行き過ぎて暴徒化したり、むしろ応援することよりも暴れることが目的と化してしまった、まぁいわゆる手段が目….
へぇ〜!!!イギリスのブラピですかぁ。
でも、本当にすっごく素敵でした。
彼のワイルドかつ繊細さがあったからこそ
ピートという役がとても立体的に見えました♪
miyuさんへ
こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
チャーリー・ハナム、miyuさんもお気に入りになりましたかぁ☆
本当、ここでの彼、すごく印象深くて素敵でしたよね。
『トゥモローワールド』の時なんかは、全く違う人みたいでしたよ。。。