48.ミーン・ガールズ
現在アメリカでティーン最高のギャラを稼ぎ出す、リンジー・ローハンの、「フォーチュン・クッキー」に引き続き、同監督マーク・ウォーターズの作品。
YahooムービーUSAで,’04年最も活躍したセレブ1位&最も人気の作品5位らしい。 ‥と、言っても、見た目、いかにもオバカなティーン・ムービーって感じなのです。
全米No.1、90億円の興行収入を叩き出したこの作品、メジャーなのはアメリカだけで、日本では、きっと映画ブログの人にすら、鼻も引っかけられないであろう、この作品・・・(汗)
メジャーな人は、テアトル系のレイト限定のこの作品を、見た方は少数かと思われ、マニアの方には、Girls’ Cutyアホらしさ全開がツボを刺激しない、という・・・
でもこの作品の凄さは、十代の女の子の訳分かんなさを、毒毛たっぷり、赤裸々に描いていて、思い出したくないトラウマのアレコレを逆撫でするというか、傷口に塩を塗るっちゅ〜か、処女のオリモノをかっぽじるかのように、どこまでも掘り下げているのが、タダモノではないところであります・・・
原作は、アメリカで大ヒットしたらしい、『Queen Bees & Wanna Bees』という、ティーンの生態を赤裸々ツブサに綴った、ノンフィクション本。
それを、この作品で、数学の教師役で出演もしている、ティナ・フェイが、映画化権を買い、自分の思春期と想像力を交えて脚本を書いた、という作品。
この作品のサプライズ・ヒットの要因は、2つの要素があって、ティーンの生態を余すところなく描いているところと、成長すべき教訓を教えてくれるところ。
最後、未曾有の大混乱を描いて、それを大団円に纏めるという、意外にもキチンとした、カタストロフィーをもたらしていて、予想外に素晴らしかった。
ストーリーは・・・
両親の仕事でアフリカ暮らしの長かったケイディ(リンジー・ローハン)は、16歳にして初めて学校に登校した、普通の女の子。
そんなケイディにとって、今ドキのハイスクールライフは、戸惑うことばかり。
校内の変わり者コンビ、ケリー・オズボーン風パンダ目ルックスのジャニス(リジー・カプラン)と、でかいガタイのおカマ、ダミアン(ダニエル・フランゼーゼ)と仲良くなりつつも、校内随一の美少女グループ、通称“プラスティックス(お人形さんたち、みたいな感じですか)”と仲良くなる機会を得る。
この美少女グループ、女王蜂レジーナ(レイチェル・マクアダムス)を始めとする、金と美貌を備えたセレブな四人組。
カリスマ性のある、レジーナは、美しく、人心操作がうまく、学校のトップに常に君臨する存在。
以前レジーナにひどく傷つけられたことのあるジャニスのススメで、このグループの生態をリサーチする様、“プラスティックス”に入り込むことになるケイディ。
校内全員の悪口の書いたノートがあったり、理解不能な都会の女子高生の姿に、たじろぐ純真なケイディであったが、そこはアフリカ経験が長いためか(?)、持ち前のサバイバル精神で、たくましく、このガールズグループに入り込むことに成功してゆく。
一方、数学のクラスで前の席の素敵な男の子、アーロン(ジョナサン・ベネット)に恋をし、うまくいきかけると、性悪レジーナが横から出て来て、汚い手を使い、アーロンを奪われてしまう。
レジーナに復讐を誓うケイディは、変人コンビ、ジャニスとダミアンの影ながらの助力を得て、レジーナの権力を根底から覆すべく、計画を練った・・・。
十代の女の子の世界は、自己が確立されていないためか、周りに合わせやすく、かつまた小さなきっかけで、一変する世界である。
見た目も中身も、まるで別人かのように、変身を遂げてしまうのだ。
このケイディも、初めはフリをしているだけだったのに、いつの間にか、意地悪女―“ミーン・ガール”になってしまうところが、恐ろしいところでもあり、身につまされるところだったりする。
本当は数学が大得意で、数学クラブに入りたかったのに、それは“友達がいなくなる”(Social Suicide―面白い英語だ!)と言われ、入れなくなったり(あるよね、こういう経験・・・)、本当は優しくて心の広い、教師ノーベリー先生(ティナ・フェイ、さすがに素晴らしかった!)を、適切な助言を与えられたがために、逆にうっとうしく感じ、悪口を言いふらしてしまったり・・・。
この作品、実は、鮮やかにティーンを描いた、とても鋭い作品。思春期の気持ちを忘れていない人であれば、きっと楽しめるだろうと思う。
ところで、私、リンジー・ローハンではなくて、レジーナ役のレイチェル・マクアダムスが見たくて、借りたのですよ。
この作品では、こ憎たらしげな生意気少女を芯から演じてますけど、『きみに読む物語』では、めちゃめちゃカワイかったんだよね〜・・・。
あと、ジャニスを演じた、リジー・カプラン!!
変人コンビの相方・ダミアン(ダニエル・フランゼーゼ)とは、「魂の半身であるかの様に、仲良くなった」というだけあって、ぴったりと息の合った、素晴らしいコンビネーションを見せてくれて、微笑ましい♪
本人もイキイキ演じていて、今後が楽しみな一人になった。
ティナ・フェイには、「この役にキャスティングするには、美しすぎた」と言われる、美貌の持ち主でもある。
見終わったあとは、「とらねこの学生時代はね〜・・・」なんて、ウッカリ言いそうになってしまう!おっとっと・・・自主規制(笑)
2006/06/26 | 映画, :青春・ロードムービー
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コメント(12件)
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『ミーン・ガールズ』
——『MEAN GIRLS』ってどういう意味?
「プレスによればこれは“意地悪なムスメ”。
こんなタイトルで全米No.1に輝いちゃうんだから驚きだよね」
——ということは、その“意地悪”の数々を描いてるわけだ。
「主人公は両親が動物学者でアフリカ暮らしが長く、
学校に…
リンゼイ・ローハン Lindsay Lohan 女優特選
Date of birth (location),2 July 1986,New York, New York, USASpeechless (2007)
Georgia Rule (2007)
Chapter 27 (2007)
Bobby (2006)
Just My Luck (2006)
A Prairie Home Companion (2006)
ハービー 機械じかけのキューピッド Herbie: Fully Loaded (2005)
…
レイチェル・マクアダムス Rachel McAdams 女優特選
Date of birth (location),7 October 1976,London, Ontario, Canada幸せのポートレート The Family Stone (2005)
パニック・フライト Red-Eye (2005)
The Wedding Crashers (2005)
きみに読む物語 The Notebook (2004)
ミーン・ガールズ Mean Girls (2004)
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レイチェル・マクアダムス Rachel McAdams 女優特選
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ミーン・ガールズ Mean Girls (2004)
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「ミーン・ガールズ」
「真夏にコメディ見ようキャンペーン」第7弾。
第6弾がヒラリー・ダフだったので、今回はリンジー・ローハン主演作。
2004年製作のコメディ系学園ロマンス、97分もの。
あらすじ以下ネタバレ注意↓(反転モード)
動物学者の両親とアフリカ暮らしをしていたケイディ…
【洋画】ミーン・ガールズ
A+ 面白い
A ↑
A-
B+
B 普通
B-
C+
C ↓
C- つまらない
『評価』
B
(演技3/演出2/脚本2/撮影3/音響3/音楽3/美術3/衣装3/配役3/魅力3/テンポ3/合計31)
『評論』
何かと??
q
「ミーン・ガールズ」★★☆
’04年製作、お騒がせ女優(?)リンジー・ローハン主演の学園コメディ。共演は「きみに読む物語」のレイチェル・マクアダムズ。 ケイディ(リンジー)は、16歳。両親…
とらねこさん、こんばんは!
お忙しい中、TB&コメントをどうもありがとうございました。とっても嬉しかったです!
わたし、とらねこさんのコメントを拝読して、初めて自分のミスに気づきました・・・レイチェル・アダムズだとず〜っと勘違いしておりました〜。どうして、こう思い込みが激しいんでしょう。慌てて記事を直しました。「マク」アダムズに!!
ところで、カリスマ・シスターズ全員に暴露したことにより、ようやく感謝の意を申し上げる記事を書くことができました。お時間のあるときに読んでいただければ幸いです。いつも感謝しています。どうもありがとうございます!
JOJOさんへ
こんばんは★コメントありがとうございます!
イエイエ、そんな、忙しいだなんて、とんでもゴザイマセン。暇です(爆)
アハハ、レイチェル・マクアダムスですよーw
>ようやく感謝の意を申し上げる記事を書くことができました
おお、とうとう、全員に告白が済んだのですね☆
おめでとうございます★
私も、早速遊びに行きましたよ♪
私は“カリスマ”なんてとんでもお恥ずかしいですー
(>_<)
ミーン・ガールズ
「ミーン・ガールズ」を観た。
両親の仕事でアフリカ暮らしが長かったケイティ(リンジー・ローハン)は、16歳にして初めて学校に入学した。そんなケイティにとって、今どきのハイ・スクール生活は戸惑うことばかり。ひょ
とらねこさんの学生時代は・・・レジーナ?ケイディ?ジャニス?それとも・・・ダミアン(違)
向こうじゃそんなにヒットしてたんですか。全くしらなかったんですけど、今個人的にリンジーがマイブームなので観てみました(笑)
彼女、軽めの映画ばっかだったのに、最近立て続けに「ボビー」「今宵、フィッツジェラルド劇場で」と良作にでてますよね。ティーンアイドルもそろそろ卒業なのかな(笑)
baohさんへ
こんばんは★コメントありがとうございます!
私の学生時代ですかぁ・・私、女王さま的な人って、間違いなく嫌いでした。
女子クラスだったから、覇権争いが、恐ろしいことになってました・・・怖かったなあ〜。
だから、この映画の気持ちがすっごく分かるんですよ〜。全然「ふーん」なんて高みの見物してられません!それは、命をかけた戦いなのです!
なんて、全然質問に答えてないや・・
そう、私は、いつも“わが道を行く”タイプです。
女王さま風な人に、「うちのグループに来い」と言われても、行きませんでした。
思いっきり“ジャニス(か、ダミアン?)”タイプの私でした。
リンジー・ローハン、最近お気に入りなんですね。う〜んそうですね、『ボビー』やら『今宵、フィッツジェラルド〜』・・
明らかに、路線変更は狙ってますよネ。