43.インサイド・マン
ぃやあもぉ、楽しいの、なんの・・・
スタイリッシュな、クライム・ムービー!!!
映画の触れこみの、“完全犯罪”には、拘泥しないで下さいませね。
トリック自体は、「なぁぁんだ」と言う感じなのです。
だけどね、この映画の見所は、決してソコでわ、なーーーい!!!っちゅうんねん。
この男の、この犯罪を遂行した、心意気というか、この男の内面“インサイド”に、あるもの。
それに焦点を当てているのです。
加えて、何より素晴らしいのが、デンゼル・ワシントン、クライブ・オーウェン、ジョディ・フォスターを始めとする、豪華な役者陣の、文句のつけようのない、演技!!
ちょっと、「オーシャンズ11」のように、1シーン1シーンが、くぅぅーっ、かっこいいぜ!!ちゅう、感じなのれす。
だけど、オーシャンズのように、薄っぺらさはない。
「ユージュアル・サスペクツ」のように、手品そのものが明かされても、その後また演技を楽しむために、もう一度観たくなる。
・・・そんな、味わい深き、懐ろ深き、作品なのでした。デンゼル・ワシントンと、クライブ・オーウェンの対話の中で、「狼たちの午後」に触れているのもあり(字幕には出て来ないけど“Dog day afternoon”と言ってる・・・何をやってるんだ?翻訳者は?)、この映画の設定も似通っているので、「狼たちの午後」にオマージュを捧げていると言えるのでしょうね。
セリフの応酬がねぇ・・・たまらん!!!
デンゼル・ワシントンの、余裕と彼には珍しく、愛想のいい笑顔。
それからまたこれも、彼には珍しい、NYの勢いのいい、“アフリカ系アメリカ人”英語をしゃべっていて、それがまたウレシイ。
さすがソコはスパイク・リー☆☆
助手役のキウェテル・イジョホー(「堕天使のパスポート」←この映画では、真面目な表情がほとんどなんだけど、この映画では、めっちゃキュートやねんて。)
・・・この二人の織り成す魅力は、×何十倍!
二人がそこにいるだけで画になってるし。
ジョディ・フォスターは申し訳ないけど、最近パッとしないと思ってました。表情があまりいつも変わらない女優さんだし、最近はもう飽きた・・、なんて思ってたけど、この映画では、お得意の、“バリバリに仕事出来まくるキャリア・ウーマンぶり”が、気持ちいいのナンの。
クソ生意気なセリフも、とらねこ、いちいちツボって、ニャーオ!!と、叫びたかったさぁ・・・
いいんでないの、いいんでないの!?一流中の一流の中で活躍する、女弁護士の、ニャンとも命知らずの向こう見ずぶりが、いいスパイスとして、効いていましたよ。
ラストの、マンハッタン・トランス銀行の会長に向けたセリフも、“隠し切れない、小生意気ブリ”で。でもなんだかんだ、この世界でうまくやって行くんだろなあ、こーいうオヒト、っていう。
そしてクライブ・オーウェンも、4分の3、覆面の演技で頑張ってます☆
覆面を取る時の、大ゲサなカメラ(グルグル回って、ジャジャーンっていうあの音楽・・・ぷぷぷ)、うぅーんん、不敵な面構ぇ☆
私、クライブ・オーウェンが出るってことで、八割がた、この映画を観る動機になっちゃってたんですよ。
ぃやー、覆面取るまで、待たされました。
・・・でもコレ、狙った結果通り。
こういう映画って、絶対、ネタバレしちゃ、いけません。したらぜぇんぜん、面白くなくなっちゃうから。
私自身、普段から、全く前情報なしで、出かけて行きます。
映画雑誌はお恥ずかしながら、一切買わないし、昨日まで、ネットも無かったから、ほんと何も分からず。
唯一、仲良くさせて頂いてる、何人かのブロで、見る予定のものは、飛ばし読みする、ホントにこれだけ。
・・・実は、劇場予告すら、タバコ吸って観ないことも、しばしば。
なので是非、みなさんも、この映画は何も知らずに観て欲しいな。
観終わったら、きっともう一度観たくなります!!そんぐらい、楽しい。
ストーリーは・・・
「完全犯罪を計画した」という、ダルトン・ラッセル(クライブ・オーウェン)の独白シーンから始まる
。ニューヨークの大銀行、マンハッタン・トラストに、白昼堂々、銀行強盗に押し入る。
人質と犯人の区別がつかなくなるように、人質全員に、氣志団みたいなツナギを着せ、覆面をさせ、顔も分からなくする。
そこへ、実力はあるのに謂れのない汚名を着せられた、刑事フレイザーが、交渉に向け、捜査を始める・・・ 途中鳴る携帯の電話が、KANYE WEST “Gold digger feat. Jamy Foxx”なんだけど、とらねこもコレ、着信音!(だからなんなんだって話だけど・・・Jamy foxxが「Ray」で演じた時そのままに、Rayをサンプリングし歌ってる、絶品なのです!!くーっ、さすがはKanye!)
あと、カツアゲしたり、麻薬のディーラーになったりするRPGゲームに笑います(汗)「おいらブルックリン子だ、怖いもんないぜ!」50cent “get rich or die tryin`”状態なんだそうで。
もうすぐ公開でタイムリー(笑! 映画の始まりでは、切り札をトランプの扇状のように、すばやく見せ、観ているものに一瞬、混乱を誘っておきながら・・・後に少しづつ、ジラシつつ、展開を加えてゆきます。
::::::::この後、ちょいネタバレ気味::::::::
そして、全体像が見えた、というところで、もう一度クライブ・オーウェンの独白と、謎解きで説明を加えている・・・なので、分かりやすかったんじゃないかな。
そして、その後の展開!!もう、最後まで飽きさせない、見せ方は本当、クール!!
犯人の顔も、人質が連れて行かれる場面で、全員1シーンになっていて、その後また“がん首を突き合わせる”、親切設計。
もー、あとから楽しめるので、も一度観るのをおススメしまっす!!
大満足の一品でした
2006/06/14 | 映画, :とらねこ’s favorite, :サスペンス・ミステリ
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コメント(55件)
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≪インサイド・マン≫(WOWOW@2008/01/20@039)
インサイド・マン
詳細@yahoo映画
銀行強盗グループと事件解決に向けて奔走する捜査官、
そして現場に駆けつけた女性交渉人らの心理戦を描いたサスペンス
実はレビュー書かなかったけど以前に1度観てたのでこれが2回目
前回はちょっと分かりにく…
インサイド・マン
その時、犯人は人質全員を共犯者にした。
インサイド・マン
コチラの「インサイド・マン」は、銀行強盗と刑事の頭脳戦をスリリングに描いたクライム・サスペンスです。ロン・ハワードが監督するハズだったけど、「シンデレラマン」を監督することになって、降板しちゃったんだそうです。
でもって、急遽「キング・オブ・コメディ….
インサイドマン
BSでの放映を観賞。観終わった後、面白かったような消化不良のような「ん?」って感じになってしまって、ネットでこの映画の感想や評価はどうだろうとしばらく見てた。すると、概ね〈すごい面白かった〉と、《難しくてつまらなかった》という意見に分かれていた。独断で解説….
インサイドマン
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