11.イザベル・アジャーニの惑い
原題が“ADOLPHE”だったのでオヤ?と思ったら、やっぱりコンスタン原作“アドルフ”でした。
ゲーテ“若きウェルテルの悩み”、バルザック“谷間の百合”は読んだ事ある人いても、なかなかこのコンスタン“アドルフ”を読んだって人はいないだろうなぁ・・。フランス文学専攻の学生でもない限り。
私は“三島由紀夫のフランス文学講座”を読んで10年前、片っ端から当時、フランス純文学を読み漁りました〜。
↑この本もついでにオススメでっす。三島ファンは読んでみよう♪
恋に本気になれない青年、アドルフが、10歳年上の伯爵の愛人にアタックし、手に入れる。
・・女が子供と伯爵を捨て、自分の元に走る、一途の愛を見せると、それまでのゲーム的恋愛観が、途端に耐えられないまでの重圧に感じる様になり・・。
自分の若き貴族としての、将来の希望すら断たれて、愛は重苦しいしがらみとして、重荷を背負うハメに陥る。
別れようとしても、宿命の様に逃れられない、もはや泥沼の束縛という愛。
さすがフランス映画、愛の表裏を描いています。
泥沼恋愛劇が、痛々しい真実を織り交ぜて、もう見ていてウンザリするほど。
こういう痛いリアリティは、ヨーロッパ映画の苦手な人には、あまりオススメ出来ません(笑)
愛の悦びの真っ只中にいる人には、とても正視できないし、愛に疲れた人には、自分の事の様に感じ、余計ヘトヘトになるでしょうね(笑)
しっかし、イザベル・アジャーニって、化け物の様に若い!
犯しがたい美しさと気高さ、それとは逆に妖艶さを兼ね備え持つ、決して年を取らない女優だよなあ。
スタニスラス・メラールの、心に空虚さを持った青年ぶりも良かった。
「目に何も映さない」表情なんて、演じようと思って演じれるものじゃないよね。
愛の真実から目を背けない人にオススメはできる。
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コメント(4件)
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「イザベル・アジャーニの惑い」
この作品、ちょっと前にDVD発売とレンタル開始の新聞広告見かけた。
ハリウッドものじゃないのに広告なんて珍しいな・・・と思いつつ、
TSUTAYAで見つけてレンタルしてきました。
フランスの有名小説「アドルフ」の映画化。
2002年製作のフランス映画、102分も…
イザベル・アジャーニさん・・・
由美カオルと、どっちが若く見えるか???
露天風呂で勝負っ!!!
して欲しいのはひらりんだけでしょうか。
ひらりんさんへ
こんばんは☆
露天風呂で勝負!?
ひらりんさん、熟女の温泉入浴シーンが見たい、と言っているのでしょうか?・・・
うーん。どうでしょう(爆)
・・・ところで、ひらりんさんて、もしかして、男の人なんだろうか?
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