9.猟人日記
なんだか魯迅が書いたようなタイトルだし、雰囲気的には文芸派って感じの作風だけど、その実、この「猟人」の意味は、あっという間に次から次へと、女をいただいてしまう男の、“超身勝手人生”です(-_-#)
そ〜いう意味での猟かい!と言う。 こういう人が、ヒモになれる素質がある、って言うんだろうな。 (ユアン・マクレガーが演じてる。)
いつでもどこでもヤレる、自分がムカついてようが、相手が誰だろうが、彼女の妹だろうが、会ったばっかだろうが、チャンスは絶対逃さない。
実際、死んだ元カノは、この男を二年も養っていたので、ヒモ経験と言える。
でも、この適当な男にとって、死んだ女は、それなりに本気だったのかも。
この女が養っていた二年間というのは、作家志望で、新しい芸術を生み出す自分の才能を、信じていたのだ。
この女に否定され、「新しい芸術とかじゃなくて、売れる物、一般的な物を書け」と言われてしまう。
「私が働いてる間、アンタは一体何してたの?今日は書いたの?」そう言われて男は、「今日はカスタードを作ったよ!(←プリンとかクリームとかに使う)ほらっ食え!!」
そこで女にカスタードを投げ付ける。ついでにケチャップもかける。小麦粉をザーッとかける。女が笑い出したところへ、後ろからおもむろにヤル・・。
あ〜、またかの展開(゛Д゛;) だけど、本気でプライドを傷つけられ、ムカついてる時に、こういう離れ技ができるって、ちょっとすごいな〜なんて、尊敬してしまふ(・ω・;)
そして、女と別れると、タイプライターを海に捨て、慣れない肉体労働をし始める。
この行動によって、他の女とは違って、ある種本気だった、てのが分かるエピソードになっている。
だけど、この元カノがヨリを戻そうと体を差し出すと、やっぱりあっさりヤル。
その後、子供ができたと言われても、「本当に俺の子か?オマエとは終わったんだ」すがる女を振り払うと、海に落ち、女は死んでしまう。
自分のせいなのに、他の男が無実の罪で死刑にされる。それも見殺し、ジ・エンド。
救いの一切ない終わり方!!です!!
自己中男は、決して感情によって左右されない、無表情・無感動。
こういう男が一番、悪魔に近いのかも。
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猟人日記
グラスゴーとエジンバラを行き来する川の荷船のボスであるレズリー(ピーター・ミュレン)と、その船に居候しながら働いているジョー(ユアン・マクレガー)は、川から下着姿の女性の死体を引き揚げた。 女は事故か自殺か殺されたのか・・・ 2人は第一発見者だと言うことも….
とらねこさんは、“正義の理性”で見てしまったのですね。
確かに、突っ込みどころ満載の“悪い男”でしたからねぇ〜(苦笑)
でも、この感じがビートニクなのかも??
と思いながら哀生龍は見ていました。
哀生龍さんへ
う〜ん、むむむ・・・。
そうですね。そうかもしれないなぁ。
なんだか、自分に酔ってる男のような気がしました。文才が、一体、あったのか、なかったのかは、分かりませんが・・・自分が夢を捨て、諦めたのが、この昔の彼女の一言だった、と言うのが・・・。
せめて、女を捨てても、夢を、タイプライターを捨てなければ、自分にもビートニクに思えたかも・・・。
ただの女ったらしじゃねぇ
猟人日記
コチラの「猟人日記」は、アレグザンダー・トロッキの「ヤング・アダム」を映画化したR-18指定のエロティック・サスペンス映画です。かなりイヤ—–(*゚∀゚*)—–ン!!!! な内容です(´▽`*)アハハ
邦題の「猟人日記」は、戸川昌子さんの映画化もされている夜毎に….
「猟人日記」 Gyao
ユアン・マクレガー 演じる主人公は最初から何かしら暗く堕ちている雰囲気が漂っている。最初に女性の死体の発見者の一人になるが、様子が怪しいのみならず、暮らしぶりや同居人の生活風景が既にどんよりしている。18禁なのでそういう状況は重要に描かれるものの、ただの性生…