ジャスティス
アイリッシュの暴れん坊☆コリン・ファレルの、ブレイク直前の頃の、硬派な男映画。
グレゴリー・ホブリット監督作品。
こんなに前面い出ているブルース・ウィリスですが、彼は実は脇役。
1944年、厳冬のドイツ捕虜収容所。アメリカ人2等軍曹の他殺死体が発見され、アメリカの黒人少尉が犯人として逮捕される。
捕虜のリーダー格・マクナマラ大佐はイエール大学で法律を学んだハート中尉を弁護士に指名し、ナチスに対して裁判の開催を要求。
こうしてナチスが陪審員を務める茶番の軍事法廷が行われる。
マクナマラと対立し孤立無援のハートは、黒人少尉の無実を信じて調査を進めるうち、裁判を隠れ蓑にした脱走計画の存在を知り…。
いや、結構オススメの秀作ですよ。
戦争映画と思いきや、殺人事件が捕虜の収容所内にて勃発し、真相が暴かれる中で、また別の秘密計画が分かり‥といった具合。
意外な展開がまた別の展開を呼ぶ、その丁寧な描く手腕は、なかなかの職人ワザ。
濡れ衣を着せられた黒人パイロットが、自分の死刑執行の前に、自己犠牲を選んだのも“誇り”のためなら‥ 。
その姿に突き動かされて、始めはナチに対し、祖国を裏切った、ボンボンの若造・ロースクール在学中の新米士官も、「この男だけは助けよう」と、自己犠牲を厭わぬ姿勢を見せるのも、自分の存在証明としての“誇り”から。
・・・そして、またそんな若造の、死を覚悟した一言を耳にして、“本当の正義”を一度は見失った、根っからの軍人、マクナマラ大佐も、自己犠牲をとうとう遂げる決意をする‥。
最初の“敬礼”のシーンが最後でもう一度使われてるんだけど、コレがまた効を奏しているんだな‥。
最初の敬礼と最後の敬礼では、重みがまるで違うんだけどね。
男の生き様!!ですよ〜。かなりいいです★★★★
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コメント(6件)
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ジャスティス
捕虜収容所。HARTの命懸けの“戦争”
こんにちは。TBありがとうございました。
予想外の動機で観たのだけれど、
戦争モノではなくて、人間ドラマでしたよね。
敬礼、って儀礼ではなくて心からの尊敬でするものなんだ…と思うラストでした。
悠雅さんへ
TBとコメントありがとうございます!
そうですね、男くさい人間ドラマで、なかなかの佳作と言えますよね。
誇りを持つと言うこと、自分の中で何を一番に置くか・・・
部下の命と自分の命を助けるためとは言え、一人のアフリカ系アメリカ人を犠牲にしようとした、ブルース・ウィリス演じる、マクナマラ大佐でしたが・・・。
私はこのブルース・ウィリス、なかなか良かったと思います。
ジャスティス
【HART’S WAR】2002年/アメリカ
監督:グレゴリー・ホブリット
出演:ブルース・ウィリス、コリン・ファレル、テレンス・ハワード、コール・ハウザー
捕虜収容所内での人種差別や殺人、それに関連しての法廷劇。
とらねこさん、これ好きな作品だったんですね!
私はブルース・ウィリス目当てで見ました。
このジャケ写見たら主演だと思いますよね。
だからちょっと、あれ〜??という感じだったんですけど
最初思っていた戦争物とは大きく違いました。
真剣に見ていないと見逃してしまうそれぞれの人間の心の中。
重厚な作品ですね。
ジュンさんへ●○
こんにちは☆コメントありがとうございました!
そうなんですよね、ジャケが思いっきり前面に出てますもんね〜。
でも、ブルース・ウィルスはさすがの存在感だったと思います。
『ラッキーナンバー7』は見ましたっけ?
あそこでも、脇役だけど、なかなか他の方にも、評判が良かったんですよ☆
さて、この作品。心理面がきちんと描かれていたので、すごく納得して見れたし、展開の仕方が一風変わってて、好きな作品でしたよ!