2008年06月21日
89●パリ、恋人たちの二日間
タイトルも、予告も、チラシも、全てリチャード・リンクレイター監督の大好きな作品、『ビフォア・サンセット』と『ビフォア・サンライズ』(『恋人までの距離(ディスタンス)』)をイヤでも彷彿とさせるので、オッ
と目を見張るものがあったのね。
この素晴らしい傑作、『ビフォア・サンセット』('04年)では、イーサン・ホークと共に脚本を手がけ、見事オスカーにノミネートされたジュリー・デルピー。
見ている方の想像としては、きっと二人でアドリブっぽく会話して、そこからインプロヴィゼーション形式で脚本が出来ていったのかなあ
と思わせられる作品だったから、
本作でのジュリー・デルピーの監督・脚本・製作総指揮・音楽・編集・出演なんて、一人でマルチな活躍をしてるこの作品の噂を聞いたらもう、最初から期待してしまうものがあった。
だから、『ビフォア・サンライズ』『ビフォア・サンセット』の好きな人には、このチラシをチラっと見ただけで、
それはおそらく恋人同士のダイアローグから成る、共感できる作品に違いないな、とワクワクしてたの。
そんな人には、この作品を語る時に口をついて出てくる名前は、ウッディ・アレンとかではなくて、
第一にリンクレイターであり、そして同時期に初メガホンを撮った作品が公開の、イーサン・ホークだったのでした。狙ってるよね〜、配給会社も。
でも、こういう狙いだったら、歓迎だな
自分としては、イーサンが監督した、彼の自叙伝だという『痛いほどきみが好きなのに』の方は正直、予告を見てあまり食指が湧かなかった。なので、見るつもりだったけど、DVDスルーに決定。
そこで、ジュリー・デルピー監督のこちらをチョイスしてみました。
ストーリー・・・
フォトグラファーのマリオン(ジュリー・デルピー)とインテリアデザイナーのジャック(アダム・ゴールドバーグ)は付き合って2年。ベネチア旅行の帰りにパリの彼女の実家に立ち寄った。両親に会ったジャックは、そのあまりの自由奔放ぶりに圧倒され、カルチャーショックを受ける。街に出れば、次々とマリオンの元カレに遭遇する始末。親しげに話す彼女の姿に戸惑いを隠せない。嫉妬心に苛まれた彼のイライラは募るばかりで。・・・
内容としては、いくつになってもどうもいまいち“大人”とは言い切れない、男と女の恋愛模様。
その悩みも、ベッドの上でのやり取りも、すごく身近で共感できるものだった。
何より、この下品なあけすけさ。そして毒舌トーク。さらに家族の変人ぶり。
何よりアメリカとフランスの文化の違い。これがまた、すごく楽しくて。
『ダ・ヴィンチ・コード』ツアーのアメリカ人たちに対するちょっとした意地悪、このシーンから、一気にジュリーの世界に入る気満々にさせるところがとってもニクい。
自分の実の父親(アルベール・デルピー)と、実母であるマリー・ピレを自分の父母として登場させた今作は、まさにジュリー・デルピーの赤ん坊のような作品。
自分の生き様、恋愛の仕方等、良く知る仲の良い友達に話を繰り広げるかのような、等身大なジュリー・デルピー。
そんな姿を見て、へえー、こんな人だったんだ!なんて、女子としては、アッと言う間にジュリーにオープン・ハートなんだな。
思わず「分かる分かる!私と一緒じゃん。」なんてノセらせてしまう。
いかにもアメリカ人、て感じの、アダム・ゴールドバーグを選んだセンスも、うんなるほど、納得がいく感じ。
リチャード・リンクレイター作品の『バッド・チューニング』では、大勢居る出演者の中で、どことなく存在感のあるこの人。さらに、彼の台詞で、まるでリンクレイターの若い頃の代弁かな?と思える瞬間があったのね。
それから、アダム・ゴールドバーグが監督・脚本を書いたという、『Scotch and Milk』も見てみたい。アメリカのインディペンデント映画祭で評判が良かったらしい。
あと、この作品を見た後に知ったのだけれど、アダム・ゴールドバーグが作った今度の新作『The Countess』では、ヴィンセント・ギャロが出演しているとか!最近あまり見なかったので、彼が出てくるってだけですごく見たいし、ジュリー・デルピーも出てくるらしいし!
ところで、この作品て、本当ジュリー・デルピーの恋愛観そのまんまという感触。
付き合いが長くなってくると、相手の悪いところ、それほど相容れないところなど、初めの頃には全く想像もしなかった姿が見えて来る。
相手のここが好き、ここはそれほど好きじゃない、
だけどそれは自分も一緒で、自分にも欠点がないとも言えないし、ましてや昔の男の話、これはさすがに彼氏には言えないわけですよ。
この辺りの話というのは、本当は一番、誰かとゆっくり腰を据えて話したい内容だったりするんだけどね。それに、昔の恋愛の話で、今の自分の恋愛の仕方が分かる、ってものでもあるんだケド。
物語の前半では、アメリカ人彼氏、ジャックの方の変人ぶりに驚くんだけれど、
後半の展開では、いろいろ出てくる、マリオンの正体にビックリ、アーンド、ドン引き。
自分の本当の姿ってなかなか普通は言えないもので。
実は気が多かったり、それなりに年齢を重ねれば、それ相当にいろいろあるしねw
まあ本当はチョットだけ、イン@ランだったりもするかも。
だけど、そんな本当のことは、リアルでは、面と向かって誰かに言えるような話ではないんですよね。
そんな自分の姿を、まざまざと曝け出したジュリー・デルピーは、勇気があるなあとは思うけれど、
うーん、もう少しロマンと神秘性とで、オブラートに包んで欲しいよ。
リンクレイター作品はなんてロマンチックだったことか。
・・・あ☆これ、似ているからこその嫌悪感かも。
(別れた後も、男とは友達で居たいタイプ。)
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この記事へのコメント
本当にかなり赤裸々でしたよね(笑)
え〜〜〜?みたいな(笑)
私は、ジャックにイライラしすぎて、なんで彼女が彼と一緒にいるのかまったくわからなかったのですが、まぁある意味お互い様だったのかも。
彼女の両親もあっけらかんとお下品だし(笑)
皮肉っぽいラブコメで楽しめましたー。
イーサンの監督作は感傷的だったけど、こちらは真逆なコメディノリで(片や青春、片やアダルト)私はセットで気に入りましたよ〜。
ここまでさらけ出せるってむしろ感心。
元カレと友達でいたいと気持ち的には思ったけど、実際は私には実現不可能だしー。
こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
おっ、ご覧になったのですね。英語字幕でご覧になったのでしょうか★
あすかさんはジャックにイライラしちゃいましたか。
これ、カップルで見るとなかなか面白そうですね。
あすかさんのダーリンは、何て思うんでしょうか★
私も、それなりに楽しめましたよ。

ぼんそわ〜♪コメントありがとうございました。
そうですね、フランス映画って時々、表現の仕方が、より肌の下を行くというか、
血管さえうっすらと浮き出て見えるような、リアル表現の手抜きのしないところに、驚嘆してしまうことがありますね。
イーサンの方は、DVDで見ようかな、と思います。

