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2007年09月26日

#138.世界最速のインディアン

世界最速のインディアン誰かと一緒に映画を見る時は、全く喋らない私ですが、予告の最中は、割と友達と喋るのが好きだったりします。
この映画は面白そうだとか、これは見るつもりだとか、俳優がどうだとか、たぶんこれはこんなオチだろうとか、・・・


映画の最中にそれをやったらさすがに迷惑なのですが、予告の時は、何となく許される気がする。まだ見てない映画について、人と話すのは楽しいことでもあります。

この映画は、予告で、随分と怖がらせてもらった。
「世界の新記録を樹立するのが夢だ」というお爺ちゃん、「You're my sunshine」を踊りながら歌うお爺ちゃん。
「みんなはそれを信じてないよ・・・僕以外は。」という、子供。
(お爺ちゃん、顔のアップ)。
そして来るのが、どこまでも真っ白い雪原と、一本の引かれた、轍の跡。
古い流線型のマシンと、たった一人でそれに挑むお爺ちゃん。
さらに、走り始めるマシンと、顔いっぱいに風を受けながら、目をつむるお爺ちゃんの顔のアップ。

なんでそんなとこで、目を閉じているのか、全く分からなかった。予告を見ている我々には。
そんなにすごいスピードで挑む世界の新記録なのに、あんなに細っこくて、いかにも転倒しそうなマシン。
なのに、なぜ目をつむるのか?
怖くて、見るのが嫌だった、予告だったのです。

そして更に、これが映画になったら、お爺ちゃんがどうなるのか、・・・とてもじゃないけど、あのシーンは、見ているのが怖そうだ!と思った。
いかにも死んでしまいそうなシーンだった。
さらに言えば、もし死なないとしたら、「嘘だ、美談だ。」と思う自分が居そうだな、と思ったり。だって、普通に考えたら、そんなスピードに乗ってて、目をつむるなんて、ありえないじゃないですか!
そんな年で、世界新記録なんて、本当に無理だと思ったし。

でも、この“物語”には、文句を言うべきところはありませんでした。
大体、これは、事実にあったことを元にしているので、「いかにも嘘っぽいなあ〜」とだけは、言う事が出来なかったので。

ストーリー・・・
ニュージーランド南部の小さな町、インバカーギル。小さな家に独り暮らしているバート(アンソニー・ホプキンス)は、早朝からバイクの爆音を轟かせる名物の老人だった。家族もなく、暮らしも貧しかったが、若い頃は優秀なエンジニアだった彼は、自ら改良したバイクで、数々の国内記録を残していた。爆音の苦情はあるが、温かい人柄から町の人々に慕われてた。バートの夢は、米国ボンヌヴィルの大会で世界記録に挑戦すること。苦心して改良したマシン“インディアン”号とバイク少年からの餞別を手に、ライダーの聖地目指して出発した。・・・

それから、密かに心配していた、『羊たちの沈黙』の“カニバル・ハニバル”も、思い出すことがありませんでした。ホッ。
ちゃんと、豪快で素敵で、魅力的なお爺ちゃんを演じていました。サー・アンソニー・ホプキンス。英国で“サー”の称号を持つ、アンソニー・ホプキンスが、人食いを経て、ニュージーランド訛りの英雄に挑んだ・・・。

全く文句のつけどころのない、なんとも爽快な、素晴らしい物語でした!
人生最後に見る夢。
だけど、ここまで前向きに、何があっても自分らしく、そして周りを巻き込んで・・・。
周りも、自然にこの男を応援してしまうのだけれど、それもそのはず。

それから、ロード・ムービーとしても、とっても面白いものでした。
ロード・ムービーって言ったら、青春映画が普通だし、それが当たり前で、若さとバカさをガソリンにして、あちこちでバカを繰り広げたり、なんだり、っていう、
ケルアック『路上』を思い出すようなものが普通なのに。

これはもし他に挙げれば、『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』のように、「自分の生きた証を立てるために、人生最後に旅する巡礼の旅」・・・そういったものに似ているかもしれない。
こちらは決して宗教ではなく、信じているものはスピードだけど。
おっと!「God speed」とか言ってみたりして(笑)

god of speed editionちなみに本当に冗談でなく、こちらのDVD、『世界最速のインディアン ゴッド・オブ・スピード・エディション』というものもあったよ。(クリックでAmazonへ飛びます。)
こちらには監督・脚本をつとめたロジャー・ドナルドソンのオーディオ・コメンタリーを含めた二枚組。

話を戻して、このバート・マンローが、なぜ世界記録の樹立の際に、目を閉じているのか。
なぜ顔に風が当たっているのか。
その謎がクリアになって、すっかり納得した自分が居た。
普通であれば気違い沙汰に違いない、そうした不思議な行為が、スンナリと納得いくものであったことに、感心、感心。

それより何より、温かい人柄に、そして決してへこたれない精神に、感心することしきりだった。
ここまで気持ちが温かくなるなんて、素晴らしいですよ。

それにしても、'67年のバート・マンローの打ち立てた記録が、未だに破られていていない、っていうのがいいじゃない?
「流線型マシンの最速の記録」、「ポンヌヴィル塩平原」この二つの言葉は、決して忘れられなそうだ。

世界最速のインディアン@映画生活

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この記事へのコメント

1. Posted by 哀生龍   2007年09月26日 08:04
>ちゃんと、豪快で素敵で、魅力的なお爺ちゃんを演じていました
そうそう、そうなんです!
「アンソニー・ホプキンスが演じている」と思わせないところが、凄いです。
バートは、“死ぬまで夢追い人”
憧れちゃいます。

>予告の最中は、割と友達と喋るのが好きだったりします
予告が始まると、もう喋れなくなる哀生龍です。
今後見逃せない作品があるかどうか、予告の第一印象も大切な判断基準となるので、真剣に見てしまいまうのです。
と言うか、劇場内に入るとまだ予告も流れていない明るい内から、無口になり喋るのも極小さな囁き声になっちゃうんですが・・・(笑)
2. Posted by latifa   2007年09月26日 08:50
とらねこさん、こちらにも☆
まずは、TB承認の件、ごめんなさい〜〜(^_^;)
タイトルって、初めて行くブログさんのは見るんだけど、お馴染みさんの処は、その後見ないで入ってしまっていて・・・。

ところでこの映画、今年映画館で見た映画の内、ベスト10に入る映画でした。
結構とっぴょうしもないおじいちゃんなんだけど、なんとも魅力的というか・・・。
3. Posted by motti   2007年09月26日 16:12
流行りの実話ベース映画で、タイトルからして栄光にいたるまでの映画なんだろうとわかっちゃいるけれど、とにかく前向きで、暖かみある映画でした!
4. Posted by とらねこ@管理人   2007年09月26日 22:46
哀生龍さんへ

こんばんは〜♪コメントTBありがとうございました!
「アンソニー・ホプキンスと思わせない」これって、本物の役者の演技、という気がしますね〜。
その言葉の持つ意味、とても深いですよね。
>死ぬまで夢追い人
本当、こうありたいものですよね〜

予告が始まった時に、喋りかけられるのは、確かにあまり好きでない人もいるでしょうね☆
私の場合、そういうことを常習的にする友達が居て、その人のせいでそれがクセになってしまったかも^^;
でも、私自身がそんなに予告をマジメに見る方ではないかもです
あまり覚えてしまうのもいやなんですよね。
5. Posted by とらねこ@管理人   2007年09月27日 00:58
latifaさんへ

こちらにもありがとうございます♪
いやあ、TB後承認の話ですが、すいません、ついつい・・。
皆さん、やっぱり、気づかない人が多いみたいなんです。
普通、そうですよね、知っている人のところは、特にタイトルの下の言葉は、読まないのが普通ですよね^^;
あんまり気づいてもらえないんで、ついつい〜
latifaさんは優しいので、つい甘えてしまいました☆ごめんなされ。

で、この映画、今年のベスト10に入りそうですか?おおーっ。この映画は本当によく出来ていましたね。うん、納得です!!!
6. Posted by とらねこ@管理人   2007年09月27日 01:12
mottiさんへ

こんばんは☆コメントTBありがとうございます!
そうですね、タイトルもそうですし、世界最速なのは明々白々というわけですね
私は、あの目をつむった映像を見ていて、あの状態で世界記録か・・・なんて考えると、それは美談すごるような気がして、見る気が失せてしまった、なんていうヒネクレものでした☆
しかし、こんなにいい映画でした〜!
7. Posted by SGA屋伍一   2007年09月28日 21:57
>予告編
って楽しみでもあるんだけど、マイナスに働くこともしばしば
テレビでも劇場でも何回も流すもんだから見る前に飽きちゃったりとか、ご丁寧に後半のストーリーまで説明してくれて「ばらしすぎだろ・・・」というのとか、本編を見てみたら全然イメージが違っていたりとか、あまりに衝撃的すぎてそのあとの映画がまるで頭にはいらなかったりとか・・・・

>なのに、なぜ目をつむるのか?
>怖くて、見るのが嫌だった

たしかに目をつぶって二輪車に乗るのは、あぶないことこの上ないですからね
メグ・ライアンがかっこつけて目を閉じて自転車こいでたら、豪快にトラックにすっとばされてた映画があったな。確か『シティ・オブ・エンジェル』だったか?

かく言うわたくしも二度ほどバイクで居眠り運転をしたことがあります。思い返すだけでも身震いしますね
あ。くだらないことばっかり書いてたらもう字数が・・・
8. Posted by とらねこ@管理人   2007年09月29日 11:18
SGA屋伍一さんへ

おはよーございマッスル☆コメントTBありがとうございました。
そうなんですよね〜、予告って逆に良し悪しなんですよね。予告を何度も見ると、見る気が失せてしまふー。この予告の場合は、「そんな目とか、思いきりつむってて、世界記録を出すなんて夢物語にゃ、つきあってられん!」って思っちゃいました。
なのでちゃんと理由があって、本当によかったです。

>『シティ・オブ・エンジェル』
懐かしい!でもそれ、引き合いに出したくなる気持ち、すっごい分かる!て感じですよ。
あの映画って、メグ・ライアンが目をつむってチャリに乗るまで、なかなか楽しく見れたんですよね〜☆
多少ラブコメでハズイとこもあるけど、結構好きだな、と。それなのに、あのシーンで死んじゃって、“悲恋”になるはずだったんだけど、むしろ「目つむってちゃ死ぬの当たり前」って思っちゃったという、長い演出だったな〜あれ。
9. Posted by CINECHAN   2007年09月30日 00:56
こんばんは〜

私も予告は結構気合入れて観る方で、始まったら無言タイプですけどね。
と言っても一人で行くことの方が多いんですが・・

いやぁ、これはなかなか感動させられた作品です。
実はそんなに期待せずに観たんですが、観て良かったですよ。
最後のトライアル・シーンはドキドキもんでした。
あんなお爺ちゃんになりたいもんです。
でも、夢がないなぁ〜
10. Posted by とらねこ@管理人   2007年10月01日 00:07
CINECHANさんへ

こんばんは〜♪コメントTBありがとうございました!
そうですか〜、CINECHANさんは、予告を気合入れてみてしまう人ですか♪
うん、この作品は、なかなか爽やかな良質の感動作でしたよね☆
あんなお爺ちゃん、憧れてしまいますね!
11. Posted by kazupon   2007年10月05日 18:35
とらねこさん

「予告の間まではしゃべる」って自分も全く
同じです。まーそんなにべらべらとしゃべる
事ないですけど、ツッコみたい所とかあったら
一緒に見てる人いたらボソボソと(笑)
勿論場内真っ暗になったらダンマリますけど。
そうか〜この記事予告作った方見たら泣いちゃう
かもですね〜^^
めちゃくちゃいい映画で、今年のベスト10には
入れなくては!と思ってます。
珍しくイヤな人出てこないすごく爽快な映画
なんですよね!^^誰もが彼を好きになっちゃう
ってのも納得できるというか。
ところで「さらば、ベルリン」オチャラケ記事を
書いてしまったので、ソダーバーグお好きなら
感想逆に拝見したいですよ。^^
人によっては凄く気に入ってる方も多い作品の
ようなので!^^
12. Posted by とらねこ@管理人   2007年10月06日 02:06
kazuponさんへ

こんばんは〜☆コメントTBありがとうございます!
なんと!kazuponさんはこの作品、ベスト10に入りそうですか?
まだ二ヶ月ありますが、もう二ヶ月ですもんね〜!
ああ、早いなあ、一年て。あっと言う間ですね。
このおじいちゃんみたいな生き方が出来たら最高だな!って思っちゃいましたよね。
で、kazuponさんも、予告の時は、あれこれ突っ込む派ですか♪
そうですね!予告の時、あれこれ言いながら友達と見るのって、楽しいですよね。
正直、一度見ればいいかな、って思ってるので・・。
しかし、確かにこの予告、このために見に行くのをやめてしまったんですよね、私。
嘘っぽい話なのかな、と思ってしまって(笑)

『さらば、ベルリン』ですが、kazuponさんの意見は、おそらくすごく素直なものだったように思ってます。
すごく共感しそうだなあ、と。
ソダーバーグは確かに技巧に長けている分、何かが足りないことってままあるんですよねぇ・・・☆

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