2007年01月04日
#1.ダーウィンの悪夢

恐ろしい話だった。悪夢のよう、まさに・・・。
真実がどこにあるか、こういった恐るべきドキュメンタリーには、必ずといっていいほど、それを覆すような意見も出てくるだろう。だが、それほどに、ここで描かれている物語は、残酷で、・・・だが、非情である世界全体を俯瞰した図が描かれているように思えるのだ。
少なくても、これは、必見と言える価値のあるドキュメンタリーであることに間違いはない。
以下、ネタバレで進みます::::::::::::
アフリカ、タンザニアの、ヴィクトリア湖。そこで生存する生物の多種多様性から、“ダーウィンの箱庭”と呼ばれていた。その湖に、今から半世紀ほど前、“ナイルパーチ”という大食で肉食の外来魚が、実験的に放たれた。
ナイルパーチは、もともと生息していた魚の多くを駆逐しながら、どんどん増え、状況は一変する。一大漁業が誕生し、周辺地域の経済は潤う。
だが同時に、その新たな経済がもたらしたものがあった。
一部の富裕層が肥える一方で、貧富の差が歴然として湖畔の経済に降りかかってくる。それまでは、どんなに貧しくても、餓死する人はいなかったという。
だが、この経済のおかげで、貧困・売春、それに伴った、エイズの蔓延。・・・
エイズにより、親を亡くす子供たちがストリートチルドレンになる。
ナイルパーチの梱包財から作った、劣悪なドラッグを吸う彼ら。
ナイルパーチの切り身は高すぎ、捨てられた頭と骨の魚の残骸がうず高く積み上げられるその有様。
高温で焼いた焼却の煙により、目をなくす人も居る。・・・
さらには、恐ろしいことに、ヨーロッパからアフリカに運んでくる飛行機に、武器が積まれているという疑惑が。もしこれが本当なら、そのためにアフリカの内紛が止まないということになる。・・・
EUが協議の際に、この水産業がこの国にもたらした経済的効果ということを訴える。だが、その隣では内紛と、消えることのない飢餓が拡がってもいるのだ。
まさに悪夢の連鎖である。
チャールズ・ダーウィン『種の起源』で言えば、適者生存、弱者が消え去って強者が生き残っていく。このヴィクトリア湖の中でナイルパーチが他の魚を食い尽くすように、この世界でも、ヨーロッパ、日本を始めとした富裕の国、北半球に輸出する魚のために、こうしてアフリカが終わらない悪夢を迎えている。・・・
こうしたことは、なんとなくとは言え、考えなくもないことではあったが、こうして辛い映像を目の当たりにして、一体どう結論づけていいかが分からない自分がいる。
もちろん、この映画の公開当時のヨーロッパのように、魚だけをボイコットして終わるものでは決してないのだ。
この痛々しい悲劇を見て、富裕の国に住むことに罪悪感を覚える。
だが、どうすればいいのか、その答えが見つからない。
日本でも、給食、お弁当で、白身魚のフライとして、日々口に入る魚だ。
他人ごとでは決してないのに。
その身を全部食べ尽くされ、骨だけになった魚は、まるでアフリカそのものを象徴しているかのようだ。
その身を食べているのが肥え太る国、我々なのだと考えると、気持ちが暗くなる。
この映画は嘘だ!と主張出来るなら、どれだけ安堵感を覚えるだろう。
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この記事へのコメント
私は、観る勇気がないと思います。
昔、欧州のある国の貴婦人達は、暖房で暖まった部屋で、優雅に紅茶を飲んでいたといいます。しかし、その部屋を暖める為に、貧しい子供達が、命懸けで炭鉱から石炭を運ぶ重労働をしていた事を、彼女達は知らなかったといいます。
そして、今、私が食べる魚のフライは、この映画に出て来るナイルパーチかもしれません。
そういう事を考えるだけで、とてもつらくなります。

こんにちは★
イヤ〜、私は正直、この映画は、よく知らないで見てしまったんですよ・・・

いつも、予告とチラシだけ見て、誰のレビューも読まないんで決めてしまうんで・・・
そうですね、昔の貴婦人は、特に情報が入って来なかったから、余計無知のまま過ごしていたに違いないですよね。
ですが、私達も、耳を塞ごうと思えば、無知のままでいるようなものですしね、そういったことを考えずに過ごしている・・
そうなんですよね、私達日本人の口に入るナイルパーチ・・・考えれば考えるほど、本当に辛くなってしまいます
辛いですね・・・今年もよろしくお願いします。
負の連鎖反応の恐怖を感じました。
とはいっても実はウトウトしながらだったんですけどねw
持たざる者が虐げられるのは世の常ですね。
本作によって示されたものが単純でないだけに余計やるせないです。
どうすることもできん。
どのような生態系が正しいかということも断言できず、
ただ焦燥感がつのるばかりです。
本年もどうぞよろしくお願い致します♪
とらねこさん、新年早々この作品を観たのですね。
かなり重くそして衝撃の大きい作品で、見終わった後なにも考えられませんでした。こういった事実を知らなかったこともあって余計に衝撃が大きかったように思います。
なにが良くて悪いとかってことを決めつけることが出来ない、難しい問題ですよね・・・。

あけましておめでとうございます。
こちらこそ、今年もよろしくお願いします♪
負の連鎖反応・・・まさにそうですよね。
生態系のバランスが崩れているのは地球全体を見てもそうなのでしょうが、ミニマムがマクロを表現するという表現方法もありますしね。
でも、止められないところまで来てしまっているんですよね。本当に人間が生態系を壊していると思うとやるせないです。
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします〜♪
そうですね、私もこの事は、知らなかったです。
かなりガツンと来てしまいましたよね。
衝撃はかなり大きかったです。
報道記者だったらピュリッツァー賞ものですよね。
TB&コメントありがとうございました。
衝撃的なシーンがたくさんある作品でしたが、
これがアフリカの事実のある側面であることは
キチンと受け止めねばならないと思いました。
魚を食酢ことを止めるわけにはいかない先進国。
魚産業を手放すわけにはいかないアフリカ。
私たちの小さな力で即座になんとか出来る問題
ではないにしても、魚を口にするときに、こういう
現状を常に念頭に置いて、これからの地球のこと
これからの人類のことを考えながら生活していく
ことだけでも、十分なことかもしれないと思いました。

こんばんは☆
辛いです・・・。
色々な見方があると思いますし反論が反響をたくさん呼んでいるようですが、この映画で示した考え方は、あまりにも痛すぎることのように思いますよね。
毎日のように口に入るものだから余計、なんだかやり切れない思いがします。
私の感想は、微妙にななめっているのですが、この映画が話題になるのは、皆の問題意識が高いからだとは思います。が、この問題意識そのものすら、見方を変えれば欺瞞なのかな、とも思ってしまったり。
難しいです。
個人的には、人は半径50km(だったかな)くらいのものを食べているのが健康だという考え方を推奨しているので、アフリカ以前に、日本の食料自給率の低さこそ問題だと思ってます。
いろいろな意味で、刺激的な作品であることは間違いないですね。

こんばんは〜★
>わかばさんの感想が微妙にななめっている
わかばさんの感想は、とても興味深かったです。
問題意識の呈示の仕方がショッキングさを煽るものだったから余計、人の関心度と批判を煽っているみたいですね。
日本の食糧の自給自足・・これも何とかしないといけない問題ですが、全く解決が出来ないままにもうどれくらい経つのかと思うと恐ろしいですよね。
新年、おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
放置されたブログでお気づきと思いますが、クリスマスも、暮れも、正月も全くなし。仕事に追われた毎日でした。映画、何をやっていたかもわからなくなりました。(号泣)
さて、この映画、予告は観ました。気になりました。だけど、また無力感に襲われそう。「ホテル・ルワンダ」でも、毛色は違いますが「ロード・オブ・ウォー」でも思ったことです。ダーウィンの進化論や優生学から、冷徹に見れば、人類の中でも、強くてより優秀な者が生き残る、という法則があるように思います。だけど、それじゃイケナイ、と足掻くのですが、このone of them に一体何ができるというの?(また、号泣)

あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします★
あかん隊さんのブログ、なかなか更新されなくて、コメントレスもされていないようだし、それを見て、よっぽど忙しいのかなあ、と思っていました。
何度かお邪魔しようと思ったのですが、年末年始、正月ナシ、と伺っていたので、時々見に行っては、どうしようか、と思い、断念しておりましたよ。
そうなんですよ。私も、こういう映画を見て、本当に改めて自分には何も出来ないなあ、と、悲しくなってしまうのですよ。『ホテル・ルワンダ』もやっぱりそうでしたよねえ。
でも、『麦の穂〜』は大丈夫でした?実は、これもつらそうで、恐ろしくていけなかった私なんです・・・。
僕もこの作品を新年1発目としてみてしまいました。ナイルパーチが何ものかの手によってヴィクトリア湖に放たれたゆえの出来事。まさに人災ですよね。
上映終了後、へらへら笑いながら出てきたカップルもいましたし、隣に座っていた若い男性は何度もあくびをしていました。彼らはアフリカはこういうものだ、としか思わないのでしょうか?ちょっとぞっとしました。
観るのはとてもつらかったけど、それでもひとりでも多くの人に見てほしい作品です。

こんばんは★コメント、ありがとうございました!
moviepadさんも、この作品が新年一発目でしたか。
それはそれは、ドーンと衝撃的な一発目になってしまいましたね!一緒です★
そうなんですよね、画像の粗さは気になりますけど、ドキュメンタリーとして言いたいことが表現されている良い作品だと思いますよね・・・。
異論はたくさんあるようですが、私は、アフリカの現状とここで言わんとしていることを平行して述べることが、必ずしも同配列に並ぶものとは思えないんですよね。
私も多くの人に見て欲しい作品だと思います。
でも、画像の悪さを考えると、DVDでもいいかなっとは思ってしまいますけど・・・。
こんばんは。
コレが2007年の1発目でしたかぁ・・・。
ん〜〜〜それはキツかったですねぇ。
とにかく、
映画として観てしまったものは仕方がない。
これを観た人たちが思うべきは、
この映画で提示されている負の構図が、
決してアフリカに限ったことじゃないと、
自覚することなんでしょうね・・・。ふぅ。
だけど、この作者の真意はやはり掴みかねます。
これがアフリカだけの話じゃないことを訴えるためにも、
もっと見せ方を考えるべきだったと思いますヨ。
結局、観てきてしまいました。
口を開くことすらイヤになるような
いたたまれない気持ちになりました。
新年一発目にこの作品じゃなくて良かった☆"
って、思いながら帰ってきてしまいました(汗)
もう自分にはどうしてよいのかさっぱり・・・。
でも知っておいて良かったと思いました。


こんばんは〜☆
これが新年一発目はキツかったです。
そうですね、アフリカに限ったことでもないし、ナイルパーチだけが悪いわけでもなく。
ですが、そうした俯瞰図として切り取って呈示するには、あまりにも見事だったと思うのです。
芸術的な意味において。
批判が多いのは重々承知の上ですが・・・。

こんばんは!
コメント&TBありがとうございました☆
こべにさんもこの作品、ごらんになったのですね!
ちょっと辛いものがありますよね。
これが新年一発目は本当にキツいものがありました(泣)
白身魚とか、カマボコを見る度思い出してしまいます。特にお正月だと、カマボコが出てくるので、そのせいでついつい・・・

うーむ、厄介な映画を見てしまったな・・・というのが正直な感想です。
>だが、どうすればいいのか、その答えが見つからない。
まったく同感でございます。「どこかで私たちもアフリカの貧困層とつながっているんだ」という認識をもつことは必要だと思いますが、この映画を見て「さあ、君に何ができるか?」と言われたら返答に窮します。さしあたっては、本作だけで結論を出すのではなく、折に触れていろいろと関連づけて考えていきたいと思っています。
椀さま
こんばんは〜♪コメント&TB,ありがとうございます★
椀さまの感想、
>うーむ、厄介な映画を見てしまったな・・・
椀さまの素直な感想、まさにその通りだと思います・・・。
私も、この作品が今年の初めなんて、少し、映画館から、遠ざかり気味になってしまいました

自分には何も出来ないのですもんね・・「こうしたことを知るだけでも価値がある」と言ってみたところで始まらないというか

>折りに触れていろいろと関連づけて考えたい
椀さまの言葉は、誠実ですごく好きです。
ただ、見ていて気持ちの良い物ではありませんね。マイケル・ムーア監督の作品は、深刻なテーマをコメディタッチで演出する事で映画として実に面白いものになってましたけど、僕はやっぱりそういうドキュメンタリーの方が好きです。

おはようございます〜♪TB,コメントありがとうございました☆
確かにとっても内容の濃いドキュメンタリーでしたね。
でも、とってもやりきれない気持ちになってしまいましたね・・・。
えめきんさんは、マイケル・ムーアがお好きですか!私も実は好きです。
日頃食卓に並ぶ料理に隠された闇と陰。何気なく口にしているものの見たくもない暗部を見てしまったような気がして映画が終わるとグッタリと疲れてしまいました。あまりに疲れたので酒が進みました(これは全然関係の無い話(笑))。
ドキュメンタリー映画は嫌いじゃないけど結構疲れるので体調の良い日に見ないとダメですよね。
『ジャッカス』観たいなドキュメンタリー映画(ある意味ドキュメンタリーですよね?)なら笑っていれば済む事だけど・・・う〜ん。


こんばんは☆コメントありがとうございます!
そうですね、日本人にとっても、身近なものとしてドッシリ来たこの作品でしたね〜

『ジャッカス〜』これ、ドキュメンタリー・・・
そうか、そうですね(笑)よくよく考えたら、ジャッカスもドキュメンタリーですか!私の中では、“バラエティ”でした(笑)
そして今日も、実は、ものすっごく重いドキュンメタリーを観てしまいました。
ずーーーん・・(撃沈)
ホントに、ヒト言う種は何故こうなんだろうと思うのですが、これも進化論なのかもとがっくり頭を下げてしまいました。
この映画から数年がたっていますが、タンザニアのあの町はどうなっているのかと思うと・・・
TBさせていただきました〜
おはようございます!TB,ありがとうございました★
そうですね、私も実は、環境破壊をし続ける人間、と考えると、本当に地球上で一番いらないのはヒトなんじゃないか、なんて極端なことが言いたくなってしまったりします

タンザニアは本当、どうなっているんでしょうか・・

