2006年11月27日
128.マスターズ・オブ・ホラー 『世界の終わり』
数ある『マスターズ・オブ・ホラー』の作品の中でも、注目される作品の一つがこの、ジョン・カーペンター監督作品の『世界の終わり』なんじゃないかな、なんて思う。
このアイディアは、本当に心を奪われる・・・映画化されても、おそらくそれなりに話題を呼んだんじゃないか、なんて思うような、テーマがすごく興味深いものだった。
“見た人は気が狂ってしまう”という内容の映画。
これまでに、ただ一度だけ“シッチェス映画祭”という映画祭で上映されたことがあり、それを見た観客は、阿鼻叫喚の無間地獄に陥ったそうで。
この映画関係者は続々死亡、監督から、美術から、調べても死がつきまとい、まさに迷宮入りしてしまった映画。
これを、なんとしても死ぬ前に見たい、何の手を使ってでもいいから、ということで、資産家であり、カルト映画の大のコレクターである男、ベリンジャー(ウド・キアー)が切望し、とある映画館を経営するバイヤーを兼ねた男、カービー(ノーマン・リーダス)に依頼する。・・・
ううーん、このアイディアって、本当にワクワクしてくる
ホラー映画の作り手にとっては、心底心惹かれるテーマなんじゃないかなー。
何しろテーマが壮大ともいえるもので、きっとジョン・カーペンターの頭の中では、大傑作だったんじゃないかと思う。
で、この誇大妄想を現実化するにあたり、その助けとなるのは、映像のイメージであり、キ○ガイな世界観、それらをどう総動員して、作るか、ということで、考えるに考えた挙句、どうも尻つぼみな感じがして、長編映画ではとても穴だらけになってしまう。
そんなわけで、気軽に短編にしちゃったんじゃないかな
「作っちゃった〜
」みたいな。
「まさか作れると思わなかった〜!」って、言ってたと思うよ。ジョン。
私は、とっても好きです!
この作品は、きっと今後、このアイディアのみ抜き取られて、何年後かに、同じテーマや似たストーリーで長編が作られるような気すらする。
言ってみれば序章ですよ。
いやいや、これはこれだけで終わるでしょうか?
・・・どうだろう。
:::::::この先ネタバレ気味です:::::::::::
『リング』では、「見ただけで死んでしまうビデオ」、つまり呪いのビデオとして、それを日本的な“不幸の手紙”風に連環させていくところが新しかった。
で、なぜ人が死んでしまうか、ということに関していうと、つまり、このホラーのトリックは、『リング』のネタバレになりますが、ビデオから怨霊が現れ出てくる、というものだった。
だけど、この作品では、怨霊を表すことをせず、言ってみれば直接的で悪魔的な力を必要とせずに、画そのものの持つパワーによって、人が狂ってしまう、というところが、ポイントだった。
ではなぜこれが可能になったかというと、その人個人が無意識的にあるいは顕在意識的に一番望むものを体現させてしまうところへ自分を変えてゆこうとする力というか、そういった(フロイトを借りて言えば)“エス”(あるいは“イド”)を自分の中で開くことによってこの悪夢が体現される、といったものらしい。
それを、映画のフィルムの、巻終わりのパンチ穴になぞらえて、それを開けてしまうことで、“エス”への扉を開いてしまう、という・・・
そんなわけで、主人公を初めとした登場人物それぞれの悪夢を描くことが、もう少し丁寧になされていたら、この作品にもう少し深みも面白みが、もっともっと与えられることになっていたと思う♪
資産家ベリンジャーの最後、というのはなかなかに驚愕だったと思うし、とても魅かれる映像だった。
羽がなくなってしまった天使もいいし。・・・
とっても意欲作で、素晴らしい作品だったように思う。
やっぱり、こんなアイディアを「ほいっちょ」と気軽に作品化してしまう、ジョン・カーペンターは素敵すぎる、としか思えない〜
その他のマスターズ・オブ・ホラー作品
・『インプリント ぼっけえ、きょうてえ(トークショーつき)』
・『愛しのジェニファー』
・『ゾンビの帰郷』
・『ダンス・オブ・ザ・デッド』
・『チョコレート』
・『ディア・ウーマン』
・『閉ざされた場所』
・『ハンティング』
・『ヘッケルの死霊』
・『魔女の棲む館』
・『虫おんな』
・『ムーンフェイス』
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この記事へのコメント
この天使は、強烈でした、、、
それと、ずんぐりむっくりの、ウド・キアも、、、


こんばんは★
この天使良かったですよね。なんだか怖かった〜。
ウド・キアって、昔の作品私知らないのです・・・
昔はカッコ良かったんでしょうか?^^
こんばんは!初めまして。
コメント&TB返し、ありがとうございます♪
『マウス・オブ・マッドネス』ですね!!
と、言いますか、実は、ジョン・カーペンター作品は、全部メモってあって、今後、全部見たいな〜
なんて思っていたりします♪ですが、内容までは知らなかったので、似たようなテーマのものを、お教えいただき、本当にありがとうございました♪♪
早速見てみますね。
現在「マスターズ・オブ・ホラー」の4本目をちまちま鑑賞中です。
まぁ、それぞれが別々の物語なので、気長に観ていこうと思ってます。
とりあえずは年内に13本全部観られればいいかな…って感じで。
ゆるゆるな映画ブログですけど、宜しくお願いしまする(ぺこり)。
お〜っ。順調に鑑賞していっていますねーん。
そして、お次はアレですねん。ふっ。記事を楽しみにしております。
>阿鼻叫喚の無間地獄
おーっ、ぴったりな表現ですねん。このストーリーは、映画をあんまり観ない人には「はぁ?」って感じかもわかりませんがー。映画好きには何とも魅力的な展開でしたねん。
ジョン・カーペンター作品では、派手さはありませんが『ハロウィン』が好きです。殺人鬼の本名は、確か《マイケル・マイヤーズ》だった気が。んー?どっかで聞いた事あるー。コメディアンとは違います。
こんばんは★
あれれ、ともやさんは、もう4本目ですか?
まだ記事にしてないですよね?
もし記事にしてあったら、私の方が終わっている奴は、TBくださいましね〜♪
こちらこそよろしくお願いします(ペコリ返し★)


こんばんは★
となひょうさんのオススメは、『ハロウィン』ですか。了解、了解。
さすが、となひょうさんも、昔からホラー詳しかったのですね。
マイケル・マイヤーズ?
時空を旅する、ファンキーな私立探偵ではないわけですね!?サイコなシリアル・キラーなのですね?
どうも、テーマソングが聞こえてくるような気がするんですけど(爆)
この作品は、頭一つ抜きん出てる感がありますよねー。
いつもありがとうございます。
大好きなジョン・カーペンター監督の作品なんで
期待度が高かったんですけど、期待に負けることなく面白かったです!
なんかすごい世界のようですね。
この本は、短編集ですか?
最近、ファンタジー本ばかりよんでいるので
ちょっと、読んでみたいかも。
ギャップがありすぎるかな^^
えー、『魔女の棲む館』をひっさげてきたのですが、コメントはこちらにー。
ここで一つ、となひょうのマニアック話をば。
『ハロウィン』のテーマソングがわかるのぉぉぉ!ふっふっふ、実は私。携帯の着信音の一つがソレです。きゃあ〜、言っっちゃったー(恥)。
それと、も一つマニアックな一面をば。
ジョン・カーペンター監督って音楽も自分で手がける事が多いそうで。輸入盤で「HALLOWEEN/music from the films of JOHN CARPENTER」ってCDを持っています。しかも、結構よく聴きます。『ハロウィーン』から始まり『ザ・フォッグ』や『ゼイリブ』など。後は英語タイトルなので日本語タイトルが何なのかよくわからなーい。
『遊星からの物体X』はエンニオ・モリコーネがが担当したらしー。
・・・マニアックすぎて、ドン引きさせたかもー。しょんぼり。
こんにちは♪
そうですね、私もこの作品はすっごく面白かったし、少しだけ期待しすぎた感じもありましたが、やはり面白かったですー

また今って第2シーズンもやってるそうですね!そちらも見たい♪なんて思います。

こんにちは!コメントありがとうございます。
ヘーゼル☆ナッツさん、ごめんなさい、これ、本じゃなくてアメリカのTV番組『SHOWTIME』というところで組んだ、ホラーの60分のもので、
『マスターズ・オブ・ホラー』というシリーズに当たるんですよ。
すみません、一度最初に言ったのですが、一度しか言ってませんね、私

ちなみに、カテゴリ分けをしておりまして、記事の右下のところに、カテゴリが書いてあるのですが、“映画:SF”とか“映画:ラブストーリー”とか“本”とか書いてあります。・・・
なんだか分かりずらくてすみません



こんにちは!こちらの方にコメントありがとうございます!
全然構いませんよ、それより毎日のように押しかけてしまってすみませんです。
でも、ホントにとなひょうさん詳しい

“マニア過ぎてドン引き”なんてしてませんよー、むしろ尊敬してしまいます

ありがとうございます!
自分で曲作るんですね、私も『ゴースト・オブ・マーズ』で見て驚きました!
自分で曲を作って、ANTHRAXやバケット・ヘッドに向かって指示をしているんですもん。ちなみに、ごめんなさい、『ハロウィン』て、バンドのハロウィンとは違うんですね、ジャーマン・メタルの雄、後のガンマ・レイではないのですね!
自分はバンドのハロウィンならいっぱい語れるんですけど・・
>考えるに考えた挙句、どうも尻つぼみな感じがして
映画中盤からは、「どんな結末にするつもりなんだろう・・・」と気になってしょうがなかったです(笑)
ある程度は予想通りではあるものの、なかなか良かったと思います。
特に“冷静なまま「世界の終り」侵されていくことを受け入れた”、ノーマンのラストの表情は気に入りました!

こんばんは♪
おおっ!哀生龍さん、『虫おんな』も借りてくださったんですね!嬉しい!嬉しい

実はこのシリーズをやっていて、私は今が一番、「映画ブログやってて本当に楽しい!」という思いに駆られました!
こういう風に、これはどうだったとか、あれはどう思った、とか話たりするのって楽しくって♪
そうですね、この作品の終わり方なんですが、自分もとても好きでした

ノーマン・リーダスは、「その意味を知りつつも運命に向かっていった」という感じがしましたね。
生きている時から、すでに覚悟はあった、というような表情だったように思いました。
たしかに、色白で背中に羽根が生えてて、伝え聞く天使のイメージに近い気もします。
しかし、悪魔はもともと天使だったという説もあります。もしかして・・・。
それはさておき、ウチの弱小ブログにいつもTBとコメント頂けるとらねこさまって、天使のような方ですね(笑)。
てなわけで、TBありがとうございました。
どうか「ほら、いわんこっちゃない」とか罵りながらでけっこうですから、間違いTBを削除ください。
お手数をお掛けします。


天使にソックリのとらねこです♪
ないのは羽だけなので、むしろ“堕天使”と呼んでいただいても構いません

それより、ライブドアの調子が最近悪くて・・・
こちらこそ、TBするにしてもコメントするにしても、大変だったかと思いますので、逆に、そんな風に丁寧に断っていただき、こちらこそ恐縮です

↑たまには、真面目に。
でも2つもコメントありがとうございます。
ぅわ〜い、ラブレターだー

カーペンター監督は、わりと好きですし、さすがに、うまく作りますね。
残酷シーンは…ですが、それなりに楽しめました。

こんばんは〜☆コメントTBありがとうございました!
HPの掲示板!ボーさんて、HPも持っていらっしゃったのですね。
これは、去年、マスターズ・オブ・ホラーの中でも、最も「早くDVD化しないかなあ〜」と思って、ずっと楽しみにしていた作品だったんですよ。
楽しめたようで。良かったです。
とらねこさんは天才ですね〜!ボクにはとんちんかんで意味が理解できませんでした。
あと30分長かったら、理解できた作品になりましたかね?それとももっと監督の世界感で余計理解できなくなっちゃいますかね?
ボクもフロイトを勉強してエスについて理解したいですね。
こんばんは〜♪コメントありがとうございました!
マスター・オブ・ホラーも、早く2が見たいですよね!これ、1が面白かったけど、2はどうなんでしょうかね?
えと、この作品ですけど・・・ええ、天才って・・
ああ、なんだかバカにされている気がするのは、私がヒネクレ者だからでしょうか・・。
そうですね、もう30分長くかったら、いまいち面白くなくなってしまってたかなあ?なんて思わなくもないんですけど。
フロイトは面白いですよ、今となっちゃ古いんですが。
「このオヤジ、エロのことしか考えてないんかー!」と、笑いながら読むのが正しい読み方だと思います♪
それでもやっぱり文が面白いから、フロイトは面白く読めちゃうんですよね。

