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『ハンナだけど、生きていく』 等身大の会話劇は飽きない

CKg-1LtWoAAEMTF自分にとっては女優さんという存在はそれほど興味が無いせいか、エマ・ストーンとエマ・ワトソンとエマ・トンプソンとエミリー・ブラントのように、ちょっと似た名前があるだけで、すぐにごっちゃになってしまう。だけどグレタ・ガーウィグのことは間違えようがない。グレタ・ガルボと間違える?いや、それはないでしょう(笑)。
そのグレタ・ガーウィグが主演し、脚本も書いている『フランシス・ハ』は、思うほどにいい映画だった。等身大の女性の悩み、“少女から大人になる”あの痛みをありありと描いて鮮明だった。彼女は、一見すれば普通の女優さんなのに、その個性は見事。才能もあるということで今後も要注目の人だと思う。

監督・脚本・撮影・編集・製作と一人何役もこなすジョー・スワンバーグは、今やアメリカ・インディペンデント界きっての雄。私は『ドリンキング・バディーズ(飲み友以上、恋人未満の甘い方程式)』で初めて見たのだけれど、こちらはタランティーノがその年の(仮)ベストに入れていた。
なんでも彼らの周りでは若い映画人達が仲が良く、話し合ってすぐに「じゃあ映画を撮ろっか」ぐらいのノリで話が決まるのだとか。フットワークの軽さに驚くし、いかにもインディペンデントの映画人らしい、ワクワクするエピソードだ。

この作品もそのようにして出来たのだろうか?
インディペンデントで予算を気にせずに作れるのは、何と言ってもこうした会話が中心の恋愛劇なのだろう。
『ドリンキング・バディーズ』で証明したように、アドリブで作られることで映画のダイナミズムが生まれてくるような、一期一会の勢い。
撮影はスワンバーグ本人がやっているため、ところどころ見づらいところもある。でも、少人数の撮影で密な関係性があるからこそ、グレタ・ガーウィグは平気でここまで自分をさらけ出すことが出来るのかも。

普通の映画ではあり得ないような、“無駄な”ヌードもある。グレタ・ガーウィグは冒頭でいきなり乳房を出し、ただの着替えのシーンでヘアも厭わない。二人のカップルが全裸でトランペットを吹くシーンでは、萎びたままの男性の下半身がおもむろに登場する。
でもそこには、いかにも今ココに人物が生きているかのようなリアリティがある。観客はきっと、自分の知り合いが出演しているかのような錯覚に陥るだろう。等身大の人間の姿がここにあった。

 

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