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『バケモノの子』 往来自由!SNS的今ドキ妖怪世界

mainストレートに分かりやすいところが細田守の魅力なのかな。そこそこ面白く、安心感のある作りが魅力の子供用夏映画でした。
細田守作品て、どの作品にも一定数アンチが居るのが面白いですよね。私はどちらかと言うと心の底から好きな訳ではないけれど、それほど嫌いという訳でもない。『おおかみこどもの雨と雪』は1番好きだったかな。

『妖怪ウォッチ』以降、妖怪はカジュアルな存在として再認定されるようになったんでしょうか。日本の古来からのアミニズム的精神性は薄くなり、リニューアルされて新たに再認識されるサブカル的な存在の妖怪。
これ、勉強したり友人と遊びながらもどこかで受験が頭によぎるような、中学生に安心して見れるような世界感覚でした。

渋谷のスクランブル交差点から、少し過ぎたところで人間世界と繋がる“渋元街”は、コチラ側と向こう側がカジュアルに繋がっていて、花瓶を目安に細い路地をいくつか曲がればすぐそこにあるという訳。リアル世界で押し潰されそうになった蓮は、名前を言わないことによって(※『千と千尋の神隠し』)妖怪たちの世界と現実世界とを好きに往来可能。
人間の世界で生きていくのは、うん、確かにとてもキツイ。妖怪の世界では勉強をせず、自分が教わりたい相手から学ぶことが出来る(熊徹からは相手を認めた後にようやく弟子になることを決心する)。受験だってしなくて済むし、でも戻りたくなったら、勉強を始めることだって出来る。
スマホで気楽に向こう側に居る人間と連絡を取れるSNSの世界のように、すぐそこにある別世界。

先ほど例に挙げた『千と千尋の神隠し』や、『ネバーエンディングストーリー』のように、想像の世界の危険性については言及しない。ただ一冊の本『白鯨』によって、現実を生きる手立てが出来ればよい、自由に戻れるというわけ。
私もきっと小学生・中学生だったら嬉しくなったかな。なんたって好きなアニメは『ゲゲゲの鬼太郎』『怪物くん』『妖怪人間ベム』、妖怪モノ大好きっ子でしたから(笑)。
妖怪に弟子入りする描写は『ベスト・キッド』のような呑気さ。むしろ教え方の駄目な先生に「お前の教え方はダメだ」なんて言ったりもする。あ、“バケモノの子”は“モンスター・ペアレントの子供”という意味だったりして?(冗談です)

何が嬉しかったって、私がよく行く図書館が出てきたんですよ!
000093-01 楓が高校生のいじめっ子に絡まれて喧嘩になった図書館。あのシーン、図書館の名前まで映ってるので間違いない。蓮が高校生と喧嘩をした“夜間返却口”、横移動ありましたが、ちょうどあんな風になってるんですよ。ちなみに夜間返却口は、返却期間を過ぎてしまった時に、こっそり閉館後に返しに行く場所。ここに返せば怒られずに済むという(苦笑)。図書館警察が来たら、私はきっと銃殺刑に処されるかもしれない。

あと、熊徹に初めて声をかけられた場所は、駅近の246号沿いの自転車置場ですね。ここ、南口からすぐの場所。
それから、楓と一緒に勉強してる場所は、駒沢公園かな。
一郎太と対決する場所は新宿の都庁の近く。

あとはなんたって、スクランブル交差点ですよね。渋谷西武の姿がドーン!とファーストショットで出てきて、「あっ」と思ったら引いて渋谷駅前のスタバ。ここで誰もがスクランブル交差点と分かる。
maxresdefault スクランブル交差点に『ライフ・オブ・パイ』さながらの、でっかいクジラの姿。雄大で見事でしたね。

リアルの世界はそれこそ場所の名前入りできっちり描き、妖怪の世界は千と千尋さながらのアジア風だったり、アラブ・イスラム圏のような風景だったり、石畳の小道やレンガの建物はヨーロッパでもある。どこで見たような風景だけど、場所のイメージはあえてごっちゃにしているんですよね。
私みたいに、「あっ渋谷だ!」って嬉しくなった中学生が、ふっと想像の世界を往来し、だけど満足して現実に帰ってこれる。そんな世界観でした。
行きつ戻りつ、大してどこも大きく変わらない世界観、という感じかな。

 

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コメント(4件)

  1. 夏休みも最後になり、小学生に引っ張られて観てきました。
    館内はほぼ満席!子供には人気あるんですねぇ~現実世界とバケモノ世界との往来にちょっと戸惑いましたが子供たちは難なくクリア!「どうしてバケモノの世界で、キュウタと呼ばれていたかわかる?」「それは9歳だからだよ」と言われて目から鱗の私でした~
    渋谷の街が丁寧に描かれていて・・・・。
    図書館もあの図書館ですよね!

  2. cinema_61さんへ

    こんばんは〜♪コメントありがとうございました。

    九太の名前の由来、本当単純すぎて笑っちゃいますよね!
    「お前いくつになったんだ」って熊徹が聞いて、その後成長した九太が、手で「十七」を示すシーンありましたよね。
    「じゃあ十七太と呼んだほうがいいか?」なんて言って、そこで初めて染谷将太君の声が話し出すんですよね。

    そうそう、渋谷の街並みがすごくたくさん描かれてますよね。
    公開の間際はハチ公の辺りが、バケモノの子のポスターだらけだったんですが、東急線の辺りでは今でもバケモノの子のポスター貼ってありますよ。
    図書館は、本当に驚きました。図書館の中のカットもありますが、そこもとても似てるんですよ。

  3. とらねこさん、こんにちは!
    うわー、今度はアメリカのサンフランシスコに行かれたのねー。とらねこさんも、旅行よくされますよね!
    サンフランシスコといえば、坂をのぼる路面電車と青い空と海、素敵な場所に行けて、いいなあ!

    で、この映画。
    とらねこさんの良く行く図書館が出て来たなんて、それは嬉しい気持ちになりますね。
    私は映画でも小説でも、知っている場所が、あちこち登場すると、それだけでも、テンション上がっちゃいます。

    内容は、ちょっと納得いかないところもあったけれど、でも楽しく見ました。
    ベストキッド風のシーンが多い前半と、後半と、まるで別の映画って感じもしたけど。

  4. latifaさんへ

    こんにちは〜♪コメントありがとうございました。
    いやいやー、海外旅行は随分と久しぶりでした。
    本当に、旅は命の洗濯ですね〜。

    そうなんです!私も映画を見ていて、それが東京だと思うと、どこでロケしたんだろうってそればかり気になっちゃって。
    固有名詞が映らないかどうか、電信柱の住所が見えるかどうか、いつもしっかり目を向けてしまいます(笑
    忘れないようにメモまでしてますよ!w

    そうそう、ベストキッド風ですよね!
    格闘技物で、弱い状態からだんだん強くなる…っていうのがとても好きなんです♪




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