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『共犯』 台湾の若手映像派監督、どこまで化けれるか?

img_0_m静かに進むのに熱量が高い、チャン・ロンジー(『光にふれる』)の新作。
今度も力のこもった出来だった!
映像でしっかりと伝えるこの人の作風、今回はサスペンスフルな描写になっていて惹きつけられた。
孤独な死の真相を探る少年たち。

Facebookや掲示板等のSNSを初めとしたネット社会の闇と孤独。
だがいじめ問題については日本ならばもっと闇の濃さが強調されるか?
冒頭の映像・音響効果と中盤に起こる出来事でその後の成り行きは読めてしまうが、目は離せない。

一つの死を元に拡がった波紋は、死んだ少女の復讐をするという計画で孤独な少年3人を団結させる。
だがそこに起こるまた別の出来事。

“一つの死が別の死を招く”、この描写の唐突感が拭えない。
物語の運びがここで止まってしまうように感じた。
途中までとても惹かれていただけに、正直これは残念。

前作の『光にふれる』は、ハンディキャップを負った少年の物語だった。
人の優しさで繋がる絆が、社会にあぶれた孤独な人間をそっと抱きしめるような物語。
チャン・ロンジーは優しい人なのではないだろうか。

今回の物語は、抉るような鋭さや人間の闇を見つめるタイプの監督の方が合っていたのかもしれない。
とは言え、心に残るような映像の美しさが素晴らしく、ハッとするようなカメラワークもある。
3人の危うい関係性を、学校の吹き抜けの庭ごしに映したショットなどは良かった。

チャン・ロンジーは台湾の映像派の若手作家の一人として、そろそろ認知されても良さそうだけれど、彼はまだそこまで有名ではないのかしら。

 

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