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『幕が上がる』 溢れ出るももクロパワー!

poster2ももクロは誰一人顔も分からない、何人グループかも知らない、“ももクロという概念しか知らない”という状態で臨みました。正直、見る予定は無かったのだけれど、友人の“文句なく今年のベスト”という猛プッシュによって。

結果、ももクロの、ももクロ力に何よりやられた。女の子の溢れるパワーが眩しくて、真っ直ぐに前を向いてひたむきになるその姿に、途方もないパワーをもらった感じ。
アイドル好きの気持ちがこれまで全く分からなかったのだけれど、ようやくそれを理解出来た気がした。なるほど…ただ彼女達の姿を見たくて、追いかけたくなる童貞の気持ちが、私にも伝わってしまった!

実はももクロ好きの知り合いに一人すごく濃い人が居る。彼はももクロが路上ライブ等のドサ回りをしていた全く売れない頃から好きで、彼女たちが売れ出して、笑っていいともに出た時は、一番大きい花輪を送っていた。映像を見てビックリした。

彼女たちのパワーがどれ程凄いかというと、一人ひとりが核爆発でもしそうに、力強く思えた。隠れたパワーを秘めていて、喋り出したり動き出したりする途端に、それらがブワーっと噴き出して来る。各人それぞれが小さい体にギュギュっと何かを秘めているみたい。
だから、こと“演劇”という身体表現をするものには、彼女たちはぴったりだったかもしれない。とても初めて演技をした人たちとは思えないほど。
そのせいもあってか、もう少しどっぷり“演劇”について描いても良い気がした。この作品は、“演劇ならではの世界”はとりあえず置いておいて、“何でもいいから彼女たちが輝ける場所”、というだけの使い方をしていたと思う。つまり演劇でなくても、それがオーケストラだろうが水泳であろうが何でも良い、要は“スポ根モノ”の範疇でしか演劇を語ることがなかった。これが物足りなく思えた。

これら全て、“アイドル映画だからしょうがない”という一言で終わらせるなら、それも有りだろう、とは思う。でも、せっかくここまで素晴らしい作品なのに、マイナスポイントが目についてしまうのが勿体無い。だからついつい苦言が言いたくなる。

心の中を語るナレーションが度々挟まれるのも、説得させるための説明台詞が長すぎる&多すぎるのも気になった。また、部長さん(百田夏菜子)の葛藤は初めだけで、彼女の最初の問い“何故演劇をやるか”に答えが出た後は、要はまっすぐに前を向いて突き進んでいくだけという構造になっている。だからその後、彼女が事ある毎に悩み、それに答えを出す、その際の説明ゼリフは、ただ単に冗長さを感じさせるだけという役割しか得ていないように思える。つまり、説明ゼリフが話されることが、観客にとって必然に感じられない。まあこのために、“部員達の葛藤”からすり抜けて、黒木華(吉岡先生)の話へと変わっていくのだろうけれど…。

うどんギャグみたいなおふざけのシーンや、コメディタッチのムロツヨシ(溝口先生)のシーンは、女の子パワー前回の今作において、可笑しな味わいを足していて面白かった。そして、思った以上に志賀さんが大活躍!

何より、脚本や作品全体の欠点をカバーしてあまりある、ももクロ力!これらによって、作品の底力がグイグイと引き上げられてしまっていた。こういうものに誤魔化される映画が心地よいと感じるのは、自分にとっては極めて珍しかった。でもそれも、女の子の前に進む力、というテーマに沿っているから、納得出来るのかもしれない。

ただし、他の監督が撮っていたら、まごうことなく傑作になったかもしれないのに、勿体無い、とは思う。

それでも、本広克行監督のベストではあるかもしれないけれど。
APz4Tqw0 エンドロールに“うどん脳”とあって、映画『UDON』を思い出した。監督は、香川の丸亀出身の大のうどん好きだったのね。

 

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コメント(2件)

  1. 私設応援団化してるので、観てくれてうれしいです。
    ここしばらくの間に、若手俳優の出ている邦画を何本か観たんですけど、本広監督は俳優の演技を引き出すという事に関しては非凡な力を持ってると思うんです。

    だけど、それをいつも余計な映像演出で汚しちゃう。
    もっとシンプルに撮れば良いのにといつも思う。
    まあ本作はそれでも迸るパワーによってだいぶ欠点が覆い隠されていたけど。
    ちなみに舞台版の演出も彼です。
    映像を封じられた本広演出は見ものだと思います。

  2. ノラネコさんへ

    こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
    私設応援団化してますか!それはすごい。
    本当、彼女達の演技も、魅力も十分に引き出せていた本作でした。

    うん、なんか変な映像演出とか、シンプルにしてくれていたら、もっともっと評価上がってただろうなあ、勿体無い…と思います。
    台詞だけで説明・説明・説明…というシツコさが何より嫌だったな〜

    あら?舞台版も、本広監督が演出でしたか…
    平田オリザが演出しているよ!なんて思ったんだけど、自分の調べ方が何か間違えていたのね…ガックリ




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