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『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』手堅く面白い

imitation_game_ver4こちら、地味にアカデミー賞ノミネートされていた作品。手堅いイギリスの娯楽映画で、本当に面白く堪能出来た。
ベネディクト・カンバーバッチのアスペルガー的天才さもすごく良く出ていたし、彼の成功をつい応援したくなってしまう、孤独さとその苦しんだ生涯も切なくて。
マーク・ストロングの“それでも尚、上をいく”、出来る上司っぷりも最高。
時代が交錯しながらも、まるで同時代であるかのように進行していく編集も良かった。後半になって、刑事に自分の話を語る段になり、エニグマを解読していた時代とそうでない時代に分かれていたのだと気づく。
自分の部屋で盗まれた物は無かったかを調べる冒頭から始まるが、ここではつい『シャーロック・ホームズ』を思い出してしまうケドw。

この先、ネタバレ




50年間も隠していたイギリスのトップ・シークレット。英雄と讃えられることもなく、当時の刑法では同性愛が違法だったため、有罪判決されてしまう…。あまりに悲しいラストが切ない。
「イギリス女王から特別に恩赦が出た」の最後の文字も、「“恩赦が出た”どころの話じゃないでしょ…」と悲しいやら悔しいやら。なんだか、そういった意味でも「イギリス映画らしいな」と思ってしまった。イギリス映画って時々、「グレイト・ブリテンまんせー!」っていう映画が案外多いなというのが、正直な感想だったりも。

ただし、キーラ・ナイトレイが常に良き理解者であり、彼に寄り添おうとしていた、“彼女には何の非もない”描写に少し慰められる。彼にとってはジョーン(キーラ・ナイトレイ)はおそらく最高の異性の友人であり、彼女との結婚が決して実りのないものではなかった。彼女を大事に思うが故に彼女を退けたのだとしても、彼の孤独をより深くする結果になってしまったのね…。

 

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コメント(8件)

  1. キーラを絶賛ですね。
    職場の同僚としてならワタシも欲しいし秘書ならなおさら!
    (って秘書を持つ仕事した~い・笑)
    但し嫁としてはご遠慮したいです^^;

    コンピューターの基礎を作った男というところでは
    もっともっと評価されるべきですよね。

  2. とらねこさん、こんにちは!
    つい最近になって、シャーロックを見て、すっかりカンバーバッチのファンになりました。
    ・・・遅すぎましたが、ナイスタイミングで、この映画が上映されて、とても楽しく見れました。

    イギリス万歳! うん、うん。私もそう感じる事がありました。
    まあ、アメリカもだけれどね・・・。
    韓国は、その逆で、国や体制をけなす作品が多い印象。

  3. とらねこさん☆
    面白かった~~♪
    でもぐるぐると回るだけの機械が、どうやって暗号を解読するのか、さっぱり判らなくて、ぐるぐるでどの程度まで解読してるのか知りたかったなぁ。

    私は彼のような人は無意識にも、無理して人と群れるより孤独を選ぶ人だと思うので、クリストファーと過ごす生活は孤独ではなかったと思うの~~
    哀しんでいたのは薬物治療と称して数学者としても人間としても『思考』する力を奪われ、以降自らの手でクリストファーを進化させてやれなかったからではないかしらね。

  4. itukaさんへ

    こちらにもありがとうございます♪

    キーラ・ナイトレイのあの台詞が好きなんですよ。
    「あなたが普通と違うから、世界はより美しい」「絶対別れたくない、普通の夫婦じゃないところがいいんじゃない!」「普通の夫婦はただ愛のために消耗してスレ違っていくけれど、私たちはお互い好きな仕事に打ち込んで、実り多き人生を行きていける。あなたは私が好きだし、私だってあなたが好き。これ以上幸せなことってある?」
    あ、ちょっと私語訳だったかもしれませんw…。

    私は彼女は、すごくいい嫁だと思うんです。

  5. latifaさんへ

    こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
    latifaさんがこの作品見に行ったの、すごく早かったですよね!驚きました。

    本当、カンバーバッチは素敵でした!まさに彼の孤独がハマってしまって。
    私この作品、本当に好きだったなあ…。

    そうなんです。イギリスは個人よりも国を誇りにしているような表現を時々感じます。アメリカはマンセーばかりでなく、批判も加える印象はありますかね。
    韓国は、あれだけ「警察無能」描写が続くと、本当にその無能さに国民は怒ってるんだろうなあ…と思ったりもします(爆)

  6. ノルウェーまだ〜むさんへ

    こんばんは〜♪コメントありがとうございました。

    そうね、科学者としての側面もあると思うんです。でも、自分の成した偉業が誰からも認めてもらえないことというのは、思った以上に辛いことだと思うんですよ。
    科学者としてこれ以上ないぐらいの仕事をしたのに、それらが全部認めてもらえないんですもん。
    元々孤独が平気な性格であるのと、自分の成したことが認められなかったのは別問題だと思うのです。

    さらに、同性愛禁止の時代でもありましたから、彼が自分自身をさらけ出して生きていくことが出来なかったんですよね。
    ましてや、犯罪者として後ろ指を刺されるべき存在になってしまう。二重の意味で自分を否定されたまま、クリストファーとただ向き合っていただけ。
    クリストファーと向き合うことは、科学者としての野心からはある一定の線からは離れ、単なる彼の心の支えだったのでは、と思っています。
    それこそ彼は、自分の生きている理由を何度も問うぐらい、孤独だったのではないかなと私は思うんですよ。

    彼の孤独が精神を蝕んでいなかった、彼は孤独が平気だった、なんてとても私には思えないな。

  7. エニグマの謎を解くために、マシンを作り上げる話はプロジェクトXみたいで実に面白かったんですけど、チューリングが何を作り上げたかったのかを考えると、実に切ないラブストーリーが浮かんできて唸りました。
    実らなかった初恋の思い出を一生引きずって、最後には国家によって実質的に殺されて、なんと哀しい人生。
    一見するとクールで人を遠ざけるんだけど、実は凄いさびしがりやな所とか、何となくソーシャルネットワークのザッカーバーグを思い出しました。

  8. ノラネコさんへ

    こちらにもありがとうございます♪
    エニグマの辺り、ワクワクしましたね〜!アハハ、プロジェクトX!
    私は、戦時中に国民から隠れて、人知れず自分たちの技術を磨く、時に軍の一部の人からチェックが入り、彼らの仕事ぶりを証明しなければならなくなる…って辺り、増村保造の『陸軍中野学校』を思い出したんですが、誰もそんな人は居なかったのかしらん^^;

    彼の哀しい人生の最後、深々と沁みましたよね。
    私は結構ズシーンと悲しくなってしまったなあ。
    ラストの深みについては、省略されている分、その長い期間を観客は想像にて補わなければならないのだけれど、
    だからこそ余計響いてしまいましたね…。




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